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【デルタフォース】クラスの3バカの日常/7-44 - (2010/02/04 (木) 21:22:07) の編集履歴(バックアップ)


撮影会はつつがなく(?)進行した。
土白・浜滝ペアは普通にそのまま順調に撮影された。
…女性陣がいつも以上に積極的だったのは別として。

青黒は
「は~い、お二人さんキスして~」
「「えええー!!」」

とか
「じゃあ次はお姫様だっこしてキスしてくださ~い♪」
「これでキスは10回目やん!!」
「しかも写真ですのっ!!初春はやはり鬼ですわっ!!!」
「何か言いましたかお二人さん♪」

「「何でもありませんっ!!」」
初春から来るす様じいオーラに押された二人は即答。

一打は
「こらクソガキィ!!初春の野郎が言うからってそこまでやるなぁーっ!!!!」

そして上琴は…


「おーい、美琴ー起きろー」
「…ふにゃ?」

「やっと起きましたよこのお嬢様は…」
「ええと…なんで私寝てたの…?」

「超すいません!!私が渡した超薬のせいでして…(本当はイギリスで買った超アイリッシュウイスキーですけど)」
「あれって眠気を誘うのね…まあいいわよそういえばパーティーは!?」

「超中止になりました…。」
「そっ、そんな~」ガクッ…

「でもな美琴、俺達はこれから写真撮影だ!!」
「写真撮影?」

「この格好でな!!」
「え!!って私この格好で寝ちゃってたの!?」

「まあそんなことより皆待ってんだ。早く行こうぜ?」
「う、うん…でもさ、こんな格好で写真って本当に結婚したみたいじゃない?/////////」
「本当だったら嬉しいけどな/////////」

「当麻///」

「美琴///」

チュッ、レロレロレロ…カシャッ!!

カシャッっというのは二人のキスは写真になった音である。

「「/////////!!??」」
「いい写真が取れました~♪」


 上琴の決定的なラブラブ写真を撮ったのは初春で、その顔は清清しいほどの笑顔だった。
 初春の後ろでは主賓4組と主催者一行が初春と同じように笑顔でこちらを見ている。

「やっぱり最後は当麻お兄ちゃんと美琴お姉さんですね~♪ しかも一番ラブラブな写真が撮れるなんて素敵です!」
「ちょ、飾利! お願いだからそのカメラ、今すぐ消去しなさい!」
「そうだぞ初は……飾利! キスした写真は処分しなくていいけど、ちゃんとした写真を撮ってくれ!」
「と、当麻何言ってるのよ!」
「はっ! しまったつい本音が! 上条さん的には心苦しいけどやっぱり写真は後で処分して下さい!」

 本音を漏らす当麻とそれに怒る美琴の姿は面白いのでしばらく眺めていたい初春だったが、聞いておきたいことを聞くことにした。

「お二人に聞きたいことがあります。今日のパーティー、楽しかったですか?」
「いや、まあ、色々恥ずかしい目に遭ったし、きっついこともあったけど、こうしてワイワイ騒げるのっていいよな。それに美琴のウエディングドレス姿も拝めた♪ つまり……」
「そうねー、当麻には泣かされるし飾利にはおもちゃにされて疲れたかな。でもみんなとこんな風に過ごせたし、当麻のカッコいい姿も見れたことは収穫ね♪ ま、つまりはさ……」
「「最高に楽しいクリスマスをありがとう!!」」

 一番祝福したかった二人から極上の笑顔と共に感謝の言葉をもらった初春は、嬉しくて涙が出そうになったが何とかこらえる。
 しかしこのままでは涙が流れそうになったので初春がごまかすために取った行動は、

「「うわっ!! ちょ、飾利!!」」
「こちらこそありがとうですよ! 当麻お兄ちゃん、美琴お姉さん、私は心からお二人を祝福します♪ 今日は私も楽しかったですよ♪」
「あー、初春ばっかりずるーい! 私も二人の妹なんだからっ!」
「じゃあそうゆうことなら私も超権利があります。ここは妹として超抱きついてやりますよ♪」
「みんなだけにいい思いはさせないってミサカはミサカはパパとママの背後から抱きついてみたり!」

 当麻と美琴に思いっきりダイブを敢行した。
 それにつられて佐天と絹旗も上琴にダイブし、打ち止めは上琴の背後から抱きついた。
 その光景を写真に収めたのは初春が手放した写真をキャッチしていた美鈴だった。

「あらあら、美鈴さん的にはあの光景を当麻さんと美琴さんの未来予想図とか思ってるのかしら?」
「そう、それもそんなに遠くない未来ね。その時にはきっともっと面白い写真が撮れそうだけど♪ あっ……」

 美鈴が反射的に撮った写真、それは初春にどさくさに紛れて抱きつこうとした建宮が家の外にぶっ飛ばされた写真だった。
 その後、上琴は無事にちゃんとした写真を撮ってもらい、無事に記念写真撮影は終わった。
 しかしパーティーで騒いで皆ヘトヘトだったので、すでに帰宅した招待客を除いて上琴新居、上条家、御坂家にそれぞれ分かれてお泊りすることに。



「火織ちゃん、あの子達はもう寝ちゃった?」
「はい。仲良く川の字になってすぐに眠りました。よほど疲れていたのでしょう」
「そうね~。朝の5時半に起こされてずーっとパーティーの為に頑張ってたもの」

 御坂家には美鈴、詩菜、神裂、対馬、黄泉川、芳川、そして中学生トリオの9名、上条家には刀夜、旅掛、建宮、天草式の男衆がそれぞれ泊まっている。
 主賓五組はというと上琴新居でお泊りだが大人達、特に教師の黄泉川から羽目を外すなと厳命されている。
 ちなみにその黄泉川だが芳川と共に一番酒を飲んでいたために、二人揃ってすでに夢の中である。

「対馬さんもご苦労さま~。招待客なのに私達のお手伝いをしてくれて~」
「い、いえっ! こちらこそウチのバカ建宮がお世話にというかご迷惑をかけてしまって……」
「そうでもないわよ。斎字くんのお陰で飾利ちゃんも元気になってくれたから。迷惑どころか感謝してるくらいよ♪」
「奥様方にそう言ってもらえるなら……。あの、ところでプリエステスはさっきから何を?」

 対馬が神裂に話を振ると、神裂は小声で誰かと電話で会話中だった。
 そして大声で怒鳴った後で電話を切ると、ゲンナリした表情でこちらを振り返る。

「プリエステス、さっきのお電話の相手は?」
「ああ、最大主教ですよ。あの馬鹿ときたらしばらく学園都市で待機しろと言ってきました。しかも私、建宮、五和、浦上、そして対馬、あなただけで」
「……何ですか、その作為的な面子。まあ入院中の五和が退院した時のことを考えれば妥当な気もしますが。他の天草式メンバーはイギリスに?」

 対馬の質問に神裂は頷いた後でステイルとインデックスをイギリスに召集することも伝える。
 報告が終わった神裂をニヤニヤして見ていたのは美鈴。

「嫌そうなわりには火織ちゃん、ちょっと嬉しそうよね? もしかして飾利ちゃんがお気に入りになっちゃったとか?」
「あらあら、火織さん的には飾利さんのことを妹みたいに思っちゃったりするのかしら~?」
「そっ、そのようなことは! 確かに初春は小さくて人懐っこくて何かこう小動物みたいな感じがしますけど決して邪なことは……」
(プリエステスもどうやら重症のようですね……。バカ建宮のような考えは持ってなくて安心しましたが。しかし五和と初春は会わせるのは危険な気がする……)
「わ、私はですね、そう! 建宮が初春によからぬことをしでかさないか心配してるだけですから!」

 対馬の心配通り、神裂も初春のことをいたく気に入ってしまいローラの命令は内心ではかなり喜んでいるが、五和と初春の出会いで頭を悩ませるのは先の話。
 ちなみに学園都市待機を心から喜びそうな建宮だが刀夜、旅掛の酒を飲むハイペースについていけず他の天草式メンバー共々すでにグロッキー状態。
 こうして御坂家、上条家での夜は更けていき、その頃の上琴新居でお泊り中の主賓五組はというと……





「あ~、なぜベットが一つなんでせうか?」
「ここは家主の当麻と私が…」

「滝壺は今病み上がりなんだ!!熱でも出たらどうする!!」
「こっちはガキがンだよォ!!風邪ひいたら責任とってくれるんですかァ!?」

「にゃー!!こっちは能力の使いすぎでダウンなんだにゃー!!」


「あかん!!こっちはベッドに寝れる口実がないやん!!」

今ここに、ベッドで寝ようとしている者達の口論が始まる!!

「俺はこの家の家主だ!!俺と美琴がここに寝る権利があるはずだ!!」

「こっちは能力使い過ぎて顔を赤くして、ハァハァしている月夜がいるにゃー!!」

「ハァハァ余計だよ」

「そンなら子供はどォすンだァ?ソフィアの上に寝て次の日風邪てしたってオチかァ!?」

「滝壺は身体が弱いの!!次の日大惨事もあり得るんだよ!!」

この醜い口論に口が出せない男が一人いる。


「○○様も参加なさって下さいな! このクリスマスという聖夜にわたくし達は結ばれる運命なのですわ、ベッドで!」
「せやけど黒子はん、黄泉川センセーにそないなことしたらアカン言われてるやん。それにボクは……ってカミやん、携帯鳴ってるで」

 ここにいる男共の中で唯一平和な日常にいる青ピは横で黒子にせかされつつも、この争いに参加出来ずにいた。
 だからなのか、誰も気付けなかった当麻の携帯の着信音が青ピにはちゃんと聴こえてきた。

「あっ、ホントだ。はいもしもし……って母さん? どうしたんだよこんな時間に」
『実はね~、そっちの新居にちゃんと人数分の寝具があることを伝え忘れてたの~』
「マジですか! そうゆうことは早く言ってくれよ! おかげでこっちは無駄な争いしちまったじゃねーか! で、その寝具はどこにあるんだ?」

 詩菜から蒲団のある部屋の説明を受けた当麻は、残る皆にその場所を教えた。
 各自、どの部屋で寝るのかを話し合いですんなりと決め終わると最後に詩菜から釘刺しを受ける。

『当麻さん、皆さんに伝えてくれるかしら? いくら聖夜だからってオイタはダメだって♪ もしオイタをしたらどうなるか分かってますよね~? じゃあおやすみ~』

 そうして詩菜が電話を切った後で、当麻は詩菜からの伝言を皆に伝えるとそれぞれに『誰か』を思い出したのか、大人しく頷いた。
 それから各々指定された寝室(客間)へ移動を始め、寝支度を整えてすぐさま蒲団に潜り込んだ。
 ほとんどのカップルがすぐさま眠りにつく中、自分達の寝室のベッドの中で上琴は今日のこと、そしてこれからのことを考え出す。




「今日は美琴と恋人になって初めてのクリスマスなわけですが、色んなことがありましたなー」
「本当に色んなことがあったわねー。まさか親達公認の新しい妹が三人も出来るなんてね……いや、悪いわけじゃないんだけど」
「ちなみに美琴が寝てる間にあの三人から名前呼び捨て、および学園都市でもこの関係を続けると言われたぞ。断る理由無かったから断ってないぞ」
「ま、いいんじゃない。当麻がそうしたのはあの三人といると楽しいって思ったからでしょ? 私も楽しいし。このままでいきましょ♪」

 二人がまず思い浮かべたのは、義理とはいえ妹が三人も増えたという普通の家庭ではありえない現実だった。
 そのことを楽しげに思い浮かべた後で次に二人が考え出したのは、

「学園都市に帰ったらインデックスが待ってるっぽい……。五和は入院してるらしいけど、無事に正月が迎えられるか心配になってきた……」
「大丈夫よ! 当麻のことは私が守ってあげるから! あの子には悪いけど姿見かけたら問答無用で焼いてあげるわよ、ギリギリ死なない程度に♪」
「サーチ&デストロイ精神ですか美琴さん! インデックスはあれでも俺の仲間だからせめて半殺し手前まで加減してやって!」

 学園都市で待ち構えてるであろう因縁の二人なのだが、インデックスは二人が帰ってくる頃にはイギリスに向かっているので会えない。
 二人が一通りインデックスの料理方法を討論したことで本格的に疲れてきたので、最後にあることを約束する。

「ねえ当麻。来年からはさ、イブは二人っきり。クリスマスはこうやってみんなで騒がない? 面子もほとんど同じでさ」
「そうだなー。こんなパーティーがこれからずーっとあるのならクリスマスは楽しいだろうな。で、俺達もいつかは結婚して子供も一緒に騒いだりするのかねー」
「こ、ここここ子供っ! ……うん、そうだね。と、当麻が欲しいんなら私が高校生、ううん、16になってから作っても……いいわよ」
「ちょ、ちょっと待て! み、美琴さん、あなたいきなり飛躍しすぎですから! ……もしかしてまだ酔っ払っていらっしゃいますか?」
「失礼ねー酔ってないわよ。というか冗談よ、冗談。早く子供が欲しいのは本当だけど、そんなに焦ってもいないから安心ムギュッ!」

 洒落になってないレベルの冗談を言った美琴にお返しとばかりに当麻は美琴を不意打ち的に抱きしめる。
 いきなりのことに驚いた美琴だが、時間が経つにつれて落ち着きを取り戻すとそっと当麻の背中に腕を回す。

「なあ美琴、俺達は俺達のペースでやっていこうぜ。なんたって俺達、これからずーっと死ぬまで一緒なんだからさ。少なくとも俺は美琴を手離す気はさらさら無いので♪」
「その台詞、聞いてるこっちが恥ずかしくなってくるわよ……。でも当麻の気持ちは嬉しいし、私も当麻と同じ気持ち。私も当麻から離れてあげないんだから♪」
「「これからもずーっと末永くよろしくお願いします」」

 最後に二人は目を合わせたまま、優しいキスをすると抱き合いながら心地よい眠りにつくのだった。
 こうして上条当麻と御坂美琴の恋人になって初めてのクリスマスは何だかんだで無事に楽しく終わりを迎える。

(ちくしょおおおおおおおおおおっ! ク、クソガキを意識しちまって眠れやしねェ! 何ドキドキしてンだ俺はァ! これも全部初春のせいだあああっ!)

 一人の少年の心に何かとんでもないものが植えつけられたことを除いては……
 なお、この少年の心の葛藤による睡眠不足は3学期が始まるまで続くのだが、当の本人には知る由も無かった。
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