小ネタ 今日は何の日?
――ここ数日、お姉さまの様子がおかしいですの。
その一、話しかけても反応が無い。
そのニ、よくため息をつく。
その三、あの馬鹿とよくつぶや…はっ!
あの馬鹿とは『あの馬鹿』でしかなく。
愛しのお姉さまが、本調子でない原因は、あの類人猿のせいなのだ。
と、それは10日までの話。
11月11日現在、お姉さまは、打って変わって上機嫌だ。
その一、抱きついても、寛容的である。
そのニ、時折、鼻歌が聞こえる。
その三、あの馬鹿のトーンが明らかに違う。
――お姉さまの身に、一体何が起きたというのですの? 昨日とは明らかに別人…。
「…お姉さま、少しよろしいでしょうか?」
「んー? なあに、黒子?」
「ここ最近のお姉さまは、心ここにあらずのご様子でしたから黒子は心配しておりましたの」
「へ? 心配?」
「ですが、どうやら解決されたようで黒子は安心しましたの」
「え? 何言って、解決ってそんな大事にまでなってるの? っていうか何の話よ?」
「そ、れ、で、何がありましたの?」
「ちょ?! アンタ、目が据わってるんだけど、別に何もないわよ 」
「例えば、あの殿方と、ピーのピーしてピーとかですの!? どうなんですの! お、ね、え、さ、ま!!」
「はぁ?!な 、なななな何言ってんの! アイツとそんな事…まだ早いって言うかそんな…こ、とするわけ」
「……(お顔を真っ赤にされるなんて、おのれぇぇええ類人猿の分際でお姉さまに何をしたーーーー!)」
「…あ、アンタね、絶対誤解してる、何もないホントよ!」
「ウソですの」
「…ないってば!」
「ウソですの!」
「……まぁ、その、あれよ。充電よ充電! 充電しただけ!」
「じゅう、でん?」
「そ、充電、ぎゅーってね! もういいでしょ、あー恥ずかし」
「お姉さま、何を仰って?」
「はい、この話はお終い。ほら早くしないと遅刻遅刻、先行くわよー!」
「お姉さま、お待ちになって! まだ話は終わってませんのー!」
「終わったの!」
(終)