とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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匿名ユーザー

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とある少年の教育実習 2




不幸?の序章


上条はいつもより早くの5時に目が覚めた。
今日から始まる特別補習という名の教育実習のために早くに起きたといえば間違いではないのだが
どちらかというとこれから起こるであろう不幸を考えると気が気ではなかったというのと
自分なんかに教育実習生が務まるのかという緊張で起きたのである。

上条 「はぁ~。留年しなくても済むのはうれしいが、これから普段とは比べ物にならない不幸が待ち受けているんだろうな。
    はぁ~、先に言っておこう不幸だ」

上条は朝から盛大な溜息を二回もする。
溜息をすると幸せが逃げるとはいうが、彼の場合の溜息は一回でものすごい量の幸せが逃げているのではないかと思わせる。

上条 「まぁ、いつまでもこのままでいるわけにもいかないし、さっさと仕度をしますか」

そう言いながら上条は伸びをしながら身を起こす。身支度を整え朝食を食べ終えて、自宅を後にして常盤台に向かった。
もちろん、いつものようにベットから起き上がるときは(今回はインデックスがいないからベットからのスタート)
マンガ雑誌を踏んで盛大にこけるは、ご飯を炊き忘れたのでトーストにするがトーストと一緒に食べるために目玉焼きを作ろうと
冷蔵庫から卵を取り出すが卵をすべて床へ投下してしまうなどの普段の不幸も健在だった。
ついでにいうと自宅出た後に財布、携帯、学舎の園と常盤台の入場・入校許可書を自宅に忘れ一度帰る羽目にもなる。
そんなこんなで無事に(全然無事ではないが)学舎の園の入り口に6時5分に着いた。

上条 (うぅ~ん、小萌先生の話によればここにおれを案内してくれ常盤台の先生が待っていてくれるって話なんだが……
    やっぱり、5分遅刻してしまったから帰ってしまわれたでせうか?)

そう、上条はいつものように遅刻していた。
常盤台の先生はやっぱり時間に厳しのか?とか考えながら、もし本当に帰ってしまったのであれば自分はどうすればいいのか悩んでいた。
も、もしかして特別補習をキャンセルされて留年確定!?と思考がネガティブになっていると、後ろから男の声が掛けられた。
正確には学舎の園の中から。

?? 「やぁー、君が上条当麻君かな?遅れてすまないね」

声を掛けてきた男はきちんとしたスーツに身を包んでいて、いかにもエリートだというオーラを放っていた。
顔立ちも男らしさの際立った感じで上条から見ても、かっこいい部類に入るだろうなと思えた。

上条 「はっ初めまして上条当麻です。俺も5分ほど遅刻してしまったので気にしてませんよ。」
?? 「君は正直者だなぁ~。私は遅刻してきたんだから言わなければ君が遅刻したことはわからなかったのに。
    はっはっは、やっぱり小萌先生のところにはいいのが集まるな~」
上条 「え、小萌先生と知り合いなんですか?」
?? 「いや~、昔からのちょっとした知り合いなんだよ。
    おっと、身の回りの紹介よりも先に自己紹介をしなければならないのにすまないね」

男はたたずまいを整えてから、しっかりと上条の目を見て自己紹介を始めた。
上条はこのときの男の表情から何かを感じたような気がしていた。

秦舞 「私の名前は秦舞智(ハダマ アラキ)。君の案内役を務めさせてもらう者だ。
    よろしく。わからないことがあれば何でも聞いてくれ」
上条 「こちらこそよろしくお願いします。早速ですが秦舞先生、質問していいですか?」
秦舞 「いいとも、それと私のことは先生とか堅苦しく呼ばなくていいよ?
    呼び捨てでも構わないし、敬語を使わなくてもいい、まぁ君の性格からいえば呼び捨てで呼ぶことはないか、はっはっは」
上条 「えー、呼び捨てのほうはさすがに遠慮します。
    敬語のほうは使い慣れてないのでぼろが出る前にお言葉に甘えさせていただきます。
    えー、早速っすけど服装はこんなのでよかったすか?どんな服を着たほうがいいのか分からずに迷ったんですけど」


秦舞 「う~ん、私は気にしないがそういうのにうるさい先生もいるからな~。
    う~ん……!よし明日にはここでの活動時の服を用意しておこう」

秦舞は何か思いついた動作をした後、少しニヤニヤしながら見てきた。
上条の不幸センサーにもかすかに反応があったが用意してもらう身なので何も言わずに了承した。

秦舞 「それでほかに質問はあるかな?」
上条 「う~ん。あっ、そういえばなんで俺なんかが特別補習として常盤台の教育実習生をすることができたんですか?
    こうなったいきさつは小萌先生から聞きましたが俺みたいなのが選ばれることが不思議で、くじ引きか何かだったんすか?」
秦舞 「あぁ~、それは私が少し根回しをしたからだよ」
上条 「……へっ?」
秦舞 「いやぁ~、世界を救った少年が人を救ったせいで留年なんて、あまりにもひどい仕打ちだと思ってね~」
上条 「!!!???!!!!!」

上条は身構えてしまった、自分がしてきたことを知るのはごく一部だからだ。
自分の事情を知る者は魔術サイドの敵味方を含めた者たちか、科学サイドの上層部統括理事会の裏の顔を持つ面々と
ごく一部の友人だけなのだ。なので目の前の人物が敵か味方が判断着くまでは警戒しなくてはならない。
そして、この時上条は納得もしていた。名前を告げられる前に感じた感覚は目の前にいるものが
学園都市などの裏に精通している者から感じるものと似ていることに気が付いたからだ。

秦舞 「おっと、そんなに身構えないでくれっと言っても無理か……
    まぁ、話に耳を傾けといてくれればいい。君の予測する通り私は裏側に精通するものだ。」
秦舞はゆっくりと話し始めた……と思ったらあわて始めた。
秦舞 「しっ、しまった!!!!!遅刻になったしまう!!!!すまないがこの話の続きはまた後でにしよう。
    今は急がないと君の教育実習のことをよく思わない教職員の連中に取り消されてしまうかもしれん!!!!!!」
上条 「え?えぇ!?えぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!
    取り消しになるのは困るけど、どうも納得がいかんのは俺の気のせいかぁぁぁぁ???!!!!」

時刻は6時20分。秦舞は詳しい道案内などはすっ飛ばし常盤台に向けて上条の腕をつかみ全力疾走する。
先ほどのシリアス場面は何処へやら・・・上条の声は少しドップラー効果を生みながら朝早い学舎の園に響き渡った。

結果的には上条達は間に合った(少し危なかったらしいが)。

秦舞 「いや~、危なかった。25分にはつれて来なければならなかったから、少し焦ったよ」
上条 「いや!遅れた俺も言えないけど、それだったらもっと早く来てくださいよ!!
    俺は5分遅れましたが秦舞先生は、さらに10分も遅れてやって来たじゃないすか!!」
秦舞 「すまない、すまない。昨日、夜更かししてしまって少し寝不足になってしまってね~。はっはっは」
上条 「はっはっは、じゃないですよ。もうそれはほっとくとして、これは何ですか?」

そう言って秦舞に案内されてやって来た自分がこれから作業などをやっていく教職員の使うディスクを指差す。
そこには、ダンボールが3箱ずつに分けて置かれている。ダンボール自体も1箱1箱が大きい。
上条は秦舞に確認を取りながらも、なんとなくダンボールの中身と送り主がわかったような気がしていた。

秦舞 「おや、小萌先生から聞いてなかったのかね?あれは君が教育実習をしている間の授業でやる内容と課題だよ。
    ちなみにこれは、これか一週間の分で来週になれば同じくらいの量がまた届くよ」
上条 「………はぁ~」

上条の予想は大当たりしていた。これだけの量をバカの俺が一人でできるか!とツッコミを入れたかったが無駄なことなのでやめた。
代わりに上条は無言でダンボールの封を切り中身を見た。結構な量のプリントや問題集が入っていた。
目の前が一瞬暗くなったような気がした上条だがプリントを何束か取り出し少し手をつけておこうする。
どうせ、この後は生徒が来るまで暇だろうと考えたからだ。だが、秦舞にそれを遮られた。



秦舞 「おっと、暇な時間に少しでもやっておこうという姿勢は感心するが残念ながら今はまだ暇な時間ではないんだなぁ~」
上条 「え、いや、まだ他の生徒来ないでしょ?なら、暇な時間じゃないんですか!?」

上条は泣きそうになりながら、秦舞に聞く。……もとい、目じりには涙が浮かんでいたが秦舞は情けとして見なかったことにした。

秦舞 「いやいや、君の紹介として集会が行われるから、そのための準備をしなくてはいけないんだよ」
上条 「へ?集、会?」
秦舞 「そう、だから君は集会のときに何を話すか考えといてくれ。まぁ、ただ単に自己紹介してくれればいいよ」

まぁ、考えればわかることだが教育実習生が来たら、集会が行われ紹介されるのは当たり前だ。
紹介されなければ生徒の誰もが知らない人が学校内をうろついていることになってしまう。
ましてや、上条は今の格好は自分の高校の制服である。常盤台という名門校に他校の男子生徒が侵入しているようにしか見えない。
集会でもして生徒たちに知らせておかないと面倒なことになるのは目に見えている。

上条 「え、あの、えと……校長先生辺りに紹介してもらっておしまいってのはダメでしょうか?」
秦舞 「いや、こういうのは第一印象が大切だ。だから、自分できっちりと自己紹介しなくてはダメだぞ♪」
上条 「なんで最後らへんが鼻歌交じりなんでか。はぁ~、なんでか知らんけど不幸な予感がする」
秦舞 「まぁまぁ、人生は経験あるのみだよ。その年で大学などにも行かずに教育実習を行うことができるんだよ♪
    貴重な経験だよ。君はいい経験をよくするね~」
上条 「しなくてもいいことまで経験してる気がするんですけど……はぁ~、不幸だ」


場面は変わって、常盤台に続くとある通学路。二人の少女が肩を並べて歩いていた。

白井 「お姉さま、いい加減妄想の世界にトリップするのはおやめくださいまし」

二人の少女の内の一人、白井黒子はうんざりしたように言った。(実際には、昨日の夜からすでにうんざりしているのだが)
そして、もう一人の妄想の世界に旅行に出かけていた少女こと、御坂美琴は白井の声であわてて現実の世界に帰国する。

美琴 「う、うるさいわね!!べ、別に何も妄想なんてしてないわよ。
    (誰があいつなんかとあんなことしたいなんて言ってるのよ。そりゃ、したくないわけじゃないけども)ゴニョゴニョ」

何を妄想していたかは知らないが、よっぽど恥ずかしいところまで妄想をふくらましていたらしい。美琴の顔は真っ赤だ。

白井 「嘘をつかないでくださいまし。どうせ、あの忌々しい類人猿のことでも考えていらっしゃったのではありませんの。
    きぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!あの類人猿に今度会ったら、この鉄矢をぶち込んで差し上げますの!!!」


ブルブルブルブル
上条 「はっ!!!!な、何だ!?ただの集会のはずなのに俺は何か理不尽な命の危機に直面してる気がする!!」


美琴 「なっ。あ、あのバカのことなんか考えてないわよ!!(考えてたけど)」

実を言うと美琴の妄想は昨日の就寝前から、ずっっっと、つながった一つの物語の状態で繰り広げられている。
就寝前の妄想は、そのまま眠っている間の夢の中までおよび起床してからも夢の中のことは
何故かはっきりと詳細なことまで覚えており今に至っている。
……トリップという言葉の意味は短い旅行のはずだが、これは当てはまるのだろうか……

美琴 「そ、そんなにしつこいとおいていくわよ!?」
白井 「あ、お姉さま待ってくださいまし。そんな風に無理やり話を変えようとするなんて、
    やはりあの類人猿のことを考えていらしたんですね。そうですね!、そうですのね!!、そうなんですのね!!!」
美琴 「うっさい!!!しつこいわよ!!!」

そう言い争いながら、二人は走り出す。話題に出た少年とすぐに会うことになるとは夢にも思わないだろう。



二人は校門前まで来ていた。校門のところには先生が立っていた。

白井、美琴 「おはようございます(ですの)」
先生 「おはよう。今日は集会が行われるから校庭に来るように」
美琴 「え?集会があるんですか?」
先生 「あぁ、学園都市の企画として高校から教育実習生が来るからその紹介だ」
白井 「そうでしたの。あら、お姉さまどうしましたのですの?」
美琴 「えっ、いや、何でもないわ。(なんだろう、この感じ?)」

なんとなく、思うところのあるのだが何なのかまでは分からずに教室向かう美琴。
教室にはすぐに付いたがこれといってやる事もないので二人は校庭に向かうことにした。
運動場には二人と同じように早めに来た生徒がちらほらといる。

白井 「このような時期に教育実習生を送ってくるとは学園都市の上層部は何を考えているのですの?」
美琴 「さぁね、学園都市がやることは時々わからないことがあるからあまり深く考えなくていいんじゃない?」
白井 「それもそうですわね。それにしても、どのようなお方が来るのでしょうか?」
美琴 「まぁ~、よっぽどな選ばれ方していない限り、この常盤台と同等の学力を持ったところ辺りから来るんじゃない?」
白井 「そうですわね。そのような高校でなくとも少なくとも教える身なのですから何か私たちより得意な教科があるのでしょうし」

そんな予想を立てながら話をつづける二人。
……やめてあげてほしい、そんなにハードルを上げても上条さんにはそのハードルの下をくぐることしかできないのだから。
そんな話をしているさなか美琴は朝礼台の方を見てみた、そろそろ話の人物が来ているのではないかと思ったからだ。
しかし、その行為は間違っていたのかもしれない。なぜなら、朝礼台の近くには秦舞智と談話している上条当麻がいたからだ。
美琴は混乱した。そして混乱のあまり素朴な疑問を叫びながら、いつもよりは少し本気な電撃を放ってしまった。

美琴 「な、なっなんで、あんたがいるのよーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

バチバチバッチーーーーーンと心と体と命に悪い音が校庭に鳴り響く。


上条は秦舞と話しながら校庭にやってきていた。

秦舞 「さっき言った通りに話せば問題はないはずだ♪」
上条 「どういうことを話せばいいかはわかりましたけど、まだ、ちゃんと決まってないこととかあるじゃないですか。
    例えば、何の教k「~~で、あんたがいるのよーー『バチバチバッチーーーーーン』」ギャーーーーーーーー!!!!!」
≪パっキーーーン≫

上条はいつもの条件反射で右手を突き出し電撃を打ち消す。
だが、上条はすごく恐怖した。自分の条件反射が日々の出来事で鍛えられていなければ今の一撃でお迎えが来ていたはずだ。
その位すごい電撃だった。そのすごさに横で話をしていた秦舞も驚いていた。
隣にいて電撃の被害に会っていないのは間違いなく上条のおかげだ。
そして、命の危機しか感じられないような電撃を放つ人物を上条は一人しか知らない。
なので、確認もすることなくごもっともな怒りを相手にぶつける。

上条 「うおぉ~~い!ビリビリ!!いきなり電撃を放つんじゃねぇって何回言えばわかるんだ!!!!」

……怒っているはずだが目がものすごく涙目だったため迫力に欠けているのは気のせいだろう。

美琴 「うっ」

迫力には欠けるが美琴には何かひるむものを感じたらしい。
実際には上条の涙目の顔が少し可愛く見えたらしいが、こんなときにもそのようなことを考えてしまうとは、よっぽどの重症である。
だが、美琴も時と場合を考えて電撃を放つべきだった。なぜなら、今いる場所はいつものように人気の少ない公園ではないからだ。

ザワザワ
生徒1 「あの御坂様があのような立ち振る舞いを……」
生徒2 「あの殿方は御坂様と、どのようなご関係なんでしょう?」
生徒3 「今、あの殿方は御坂様の電撃を打ち消しませんでしたこと!?」
生徒4 「だとしたら、あの殿方はどのような力の持ち主なんでしょうか?」
ザワザワザワ



そう、周りに結構な人数の生徒が集まり始めている。その状態で電撃を放てば当然、注目を浴びることになる。
しかし、美琴はすごくテンパっていたせいで周りに気が付く様子もない様子で上条に向って怒鳴る。

美琴 「うっうるさい。そんなことより何でこんな所にいるのよ!!!!!!」
上条 「お前、反省する気ゼロだな、おい!!!!!何でってお前はこの集会が何のために開かれてるのか知らないのか?」
美琴 「じゃっじゃあ、やっぱりあんたが教育実習生なの!?」
上条 「そうだよ。なんだよ、その信じられないみたいな顔は?そんなに嫌なのか?」
美琴 「そ、そいう訳じゃないけど、その……」

美琴は内心はすごく喜んでいた。
なにせ、常盤台を卒業したら上条のいる学校に入学して
一緒に学校生活を送りたいと思うほどに上条と一緒にいたいと考えている位である。
それが、思わぬ形で実現したのである(想像していたのとはだいぶ違うが)
しかし、美琴はツンデレのツンの部分を究極形にしたように自分の感情を正直に出すのを恥じらう。
なので、思っていることとは違うことを言ってしまう。

美琴 「あんたみたいなバカに教育実習生が務まるのかを心配してあげてるだけよ」
上条 「余計なお世話だ!俺だって来たくて来たわけじゃないんだよ!!」

どっかのヤンキー同士が突っかかるような勢いで言い合う二人。

秦舞 「はいはい、言い争いは二人っきりの時にでもじっくりしてくれ。今は周りの状況を考えてくれ」
白井 「そうですわよ、お姉さま。二人っきりにはこの私めが何としても阻止するとして、周りの状況をお察しくださいまし。
    (お姉さまに先を越されたせいで、わたくしの類人猿抹殺の計画を実行に移すタイミングを逃しましたの)」
上条 「あれ?命の危機がまだ過ぎ去ってないような気がする」

上条は白井の言葉は聞こえていないが自分の不幸センサーが何かをとらえたようだ。
一方、美琴は白井と秦舞に言われて周りの注目が自分たちに集まっていることを知り、恥ずかしそうにうつむいていた。

美琴 「う~~~~」
秦舞 「しかし、あの御坂さんがこうも取り乱すとは。御坂さんは実はツンデレなのかな?」
美琴 「違います!!!!」
白井 「そうですわよ!!まだ、ツンな部分しか出していないんですのよ!!!今後も私めがデレを阻止しますの!!!!!」
美琴 「まだって何よ!?ツンデレじゃないっつってんでしょ!!!!」
上条 「話の方向性が面白いほど変な方へ突き進んでいくな……。はぁ~、何で俺の周りにはこうも騒がしい奴が集まってくるかね~」
美・白 「アンタは(貴方は)何、他人事のように言ってるのよ(言ってるですの)!!」
上条 「なんか飛び火してきたし。あぁ~、他人事のように言ってわるうございましたよ。
    だけど、お前らもういい加減にしておけよ?もうすぐ、集会の始まる時間だから、また周りから目立ってんぞ?
    話は、この辺にして自分たちの列に帰った方がいいんじゃないか?説明とかは後でいくらでもしてやるからさ」

そう言って美琴たちに周りを見るように勧める上条。
美琴と白井は周りを確認する。校庭には先ほど騒いでいた時より多くの生徒が集まりこちらを見ていた。
はっきりと言ってしまえば、すごく痛い視線で見られている。美琴と白井は恥ずかしそうに自分たちの列へと帰っていく。

美琴 「う~、あのバカのせいで大勢の前で恥かいた。それになんであいつは平気そうな顔してるのよ」
白井 「そうですの。何で私たちがこのような恥をかかなくてはなりませんの」

秦舞 「それにしても、上条君も注目されていたのに平気そうだね?恥ずかしくないのかい?」
上条 「集会とか始めてのものは恥ずかしくて緊張するんですけど。
    俺の周りの愉快な仲間たちのせいで注目を受けるのは、嫌ってほど経験してますから平気なんすよ」

そう言って、どこかに落としてきてしまった感情に思いをはせるように遠く見るような顔をする上条。
そうこうしてるうちに集会が始まり校長先生のありがた~いお話も終わり、上条の紹介のための前置きが今終わろうとしている。



秦舞 「そら、もうすぐ君の出番だ♪しっかり紹介して来い♪」
上条 「はぁ~。わかりましたから、楽しそうに話すのをやめてくださいよ。
    (なんか聞き忘れている気がするんだけど、なんだったっけ?)」

一抹の不安を残しながらも校長に呼ばれたので朝礼台に上がり自己紹介を始める。

上条 「えぇ~、皆さん初めまして。○○高校から来ました。上条当麻といいます。
    はっきり言って私、上条当麻はおバカさんなので教えることより教えていただくことの方が多いかと
    思いますがよろしくお願いします」

ジョークだと思いクスクスと笑う人もいたが、上条自信は頭の中で考えてきた本当のことをそのまま口にしただけだ。
現に、上条のことを知る美琴と白井はうわぁ~、アイツ自分で言ってやがるよという冷たい視線を送っている。

上条 「(一部のやつを除いて他の生徒にはジョークと思われたらしいなぁ~。ま、滑って冷たい空気になるよりはマシか?)
    えっと、これで自己紹介は終わりです。」
校長 「(上条君、教える教科を言ってないぞ)」
上条 「え?あっ、教える教科は……あ」

横で見守っていた校長に紹介し忘れていることを教えてもらったは言いが上条はここで重大なことに気が付く。

上条 (おぉ~い!!!そういえば俺って何を教えるの!?それ聞こうともしたけど色々と邪魔も入ったし!)

助けと教えといてくれなかった恨みを込めて秦舞の方に頭をグリ~ンと向けるが秦舞は、やっちまったとでも言いたげな顔をしていた。

上条 (アンタは見かけ倒しかぁー!!!!!アンタの放つエリートオーラは一体何!?飾りか何かなの!?
    何、やっちゃった♪みたいな顔してるの!!??
    それと気のせいでなければ今から何の教科を教えてもらおうかみたいな動作するのやめてくれる!!??!!??)

上条は心の中で盛大な突っ込みを繰り広げる。しかし、このままでは話が進まないので真剣に上条は悩む。
早く答えないと隣の校長にも生徒たちにも不審がられる。
悩んでいると、秦舞が何やら口ぱくで何かを伝えようとしていた。

上条 「(わ・た・し・と・お・な・じ・きょ・う・か……秦舞先生と同じと答えればいいのか?)
    あ、えっと……秦舞先生と同じ教科を教えさていただきます」

この時、上条は焦っていたせいで気が付くことができなかった。秦舞が悪そうな笑みを浮かべていたことを。
そして、校長は驚いていた。

校長 「自己紹介ありがとう上条君。いや~、ハードな教育実習をするのだね~」
上条 「へ?」
校長 「秦舞先生は全教科を教えることのできるオールラウンドな先生なのだよ。まぁ、頑張ってくれたまえ。」
上条 (そっちにエリートだったのかーーー!!!!!いや、もしかしたら最初からこうするつもりだったのか!?)

秦舞の方を確認してみるとニヤついている。あの笑みは確実に確信犯だろう。




こうして上条当麻の教育実習が幕を開ける。








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