とある乙女達の乙女達による乙女達の戦い
後日談&おまけ
3日後
あの自販機(賽銭箱)のある公園
ベンチでそわそわする不審な少女がいた。
「今日は初デートか~」
「こんなことならもっと早くに素直になっておけばよかった…昔の私をはっ倒したいわね」
そう言った美琴は先の大会の告白を思い出していた。
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「御坂選手お願いします!」
呼ばれて、美琴は競技場の中央に向かってゆっくり歩いていった。
中央には普段はまず見かけることのできないであろう照れた姿の上条が立っていた。
「アンタって本当に損な性格してるわよね。不幸よね…困ってる人を見たら手を差し伸べずにはいられない。まぁそれで私は助けられたわけだし、アンタのそういうところが好きなんだけどさ…」
「本当はすごく不安なの。アンタがいつかいなくなっちゃうんじゃないかとか…実際、第22学区でもロシアでも死にかけたじゃない。だから本当はそんな事して欲しくなんかない…!」
「でもそれは私の我儘。さんざん助けてきたアンタが相も変わらず助けたいって言ってるのを止められるわけがない!本当は危険な事をしてほしくないとか思っていたって、それでも…それでも肩を叩いて送り出してやるのが良い女って奴でしょ!」
「だったらせめて少しは人を頼りなさいよ!アンタの抱えている重荷、私も背負う!もうアンタは一人じゃない。アンタと私は同じ道を進んでるの。そのことを忘れんじゃないわよ!」
全てを吐きだした美琴はようやく自分の言ったことの恥ずかしさに気付いたのか、顔を赤くして、「うわああああああああん」という声を残してどこかに行ってしまった…が
途中で捕まってしまった。他の誰でもない上条当麻に。
「待て、御坂。逃げんな!」
「離して!もう生きられないの。こうなったらあの鉄橋から飛び降りてやる!うわああん」
「死んだら、俺はどうなる?一緒にいられないぞ?」
「うっ、それは困る…」
「なら結果発表までおとなしくしてろ。つってももう決まったようなもんだけどな」
「え?」
「え?じゃねえよ。周り見てみろよ。皆泣いてんぞ」
確かに上条の言葉通り会場の人々は皆涙を浮かべていた。一方通行に至っては号泣して、打ち止めに慰められていた。
「皆、どうだろう。俺はもう決着がついたと思うんだけどさ」
「ぞうでずね。でもルールはルールですから、一応ジャッジしましょう」
美琴 五和 打ち止め オリアナ 木山
6 0 0 0 0
「このような結果となりました!ということは…」
「はい!優勝者は御坂さんとなります!おめでとうございます!」
「御坂さんは中央に来てください。上条さんお願いします!」
「何を?」
「告白に決まってるじゃないですか!」
「ええ!アドリブで?」
「でも上条さんはそういうの(説教)得意なんですよね!」
佐天の爆弾発言が飛んだ後、上条と美琴を取り巻く空気の温度が10度下がった気がした。
「え?アンタ、まさか他の女の子にも…」
「いや、違うぞ!これはなんかの間違いだ!」
「ア~ン~タ~は~外国行って何してんのかと思えば、そう…そういうことをやってたのね…ほほ~う」
「だーちくしょう!落ちつけ御坂!俺がそんなことするわけないだろ!」
「わー抱きしめられた。良い匂い…じゃなくて!アンタならやりかねないって言ってんのよ!よくフラグ立てるし」
「だーいじょうぶだ。もう俺の心は御坂のものなんだぜ?あんな告白されたら誰でもKOされるさ」
「でも…」
「ったくちったあ俺を信用しろよ。どうしたら信用してくれるんだ?」
「どうやって私を信用させる?」
そう言った二人の口は数秒後にくっついた。いわゆるキスというやつだ。
なんかどこかで「ぎゃああああああ!御坂さああん!」という声が聞こえたような気がしないでもない。
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「うへへ。当麻とのキス嬉しかったな~もっかいしたいな~」
まだ妄想の世界にいるのか美琴は体を振ってイヤンイヤンしてる。
「にしても、当麻遅いな~」
いや美琴ちゃん、それは来ないよ。だってまだ待ち合わせまで3時間あるもん。
いくら上条さんが恋愛脳になったからといって、こんな早く来るはずがないよ。
「おーっす、美琴!早いな」
えええええ!まじか上条さん!つかあんた本当に上条さん?上条さんの格好をしたエツァリなんじゃねーの?
「ちょっと、アンタ誰よ!」
「は?いやいや上条さんだからね」
「ふざけるなあああああ」
美琴を騙そうとした上条(仮)に天罰(美琴の本気)が下った。
「あばばばばばばばあば」
「なめんじゃないわよ。アンタがいくら上手に変装しようと私には違いが分かるのよ」
「私がどんだけ当麻を見てきたと思ってんのよ」
ここでようやく本物が現れた。
「よお、美琴!早いなーってこれ何!?」
その瞬間美琴の顔は乙女のそれに変わった。
「気にしなくていいわよ。それより遅いわよー!罰として…」
「悪い悪い、これで許してくれるか?」
こうして二人は公園を後にした。
「おーい生きてるかー」
「なんとか…」
「言っておくがお前に同情の余地はないからな」
「分かっていますよ、ショチトル」
「どうだ、私と第13学区に新しくできた喫茶店に行かないか?」
「……喜んで同行させてもらいますよ」
オマケ
それぞれの告白
五和編
「上条さん、これをどうぞ!!」
「なにこれ?」
「タオルです!おしぼりから進化しました!」
「変なタオルだな…ってこれ下着じゃねえか!!」
「間違えました!すみません、すみません」
「五和、それはタオル作戦じゃいかんのよな、やっぱりハンカチでなくては」
「いや、それもどうかと思いますよ、建宮…」
打ち止め編
「上条さん、実験の時はありがとうございました!だーい好き!」
「打ち止めェェェ!!離れろ!!やっぱりソイツとは刺し違えてでも殺す!!」
「大丈夫だよ一方通行!本当に好きなのはアナタなんだからってミサカはミサカは思い切って告白してみたり」
「そ、そうか…まぁそういうことなら仕方ねえなァ////」
「あれ、俺は蚊帳の外?」
オリアナ編
「この後ホテルでも行かない?」
「まーただよこの人は。行かないからな!?」
「またまたー本当は興味あるくせに~」
「ないとは言わない!だけどそれだとアイツが悲しむからな」
「ふー、お姉さんじゃこの子落とすのは無理そうね」
「悪いな」
「いいのよ別に。あっ君君今からお姉さんとほt」
「幼稚園児誘ってんじゃねえええ!!言わせないからね!!」
木山編
「告白か…どうやってやるんだい?」
「それを今聞くのか?」
「いやー生まれてこのかた異性に興味が湧かないもんだから」
「さっきも言ってたけどなんで応募した!」
「君と親しくなれば、幻想殺しの研究ができると思って」
「研究して何をする気だ」
「世界を手に入れる」
「子供か!ていうかさせないよ!?」