とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

Part04

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3章 乙女の決意


翌朝―――
美琴が起きた時にはすでに上条は起きていて朝食の準備をしていた。
「起きたか御坂、おはよう」
美琴は返事をしない。
「もうすぐご飯が出来るから待っていてくれ」
「お腹空いたんだよ!」
「インデックスもう少しだから我慢して」
「早くするんだよ!」

昨日はよく眠れなかったのだろう、美琴の顔にはクマが出来ていた。
そして、美琴は誰にも聞こえないような小さい声で「よし」とつぶやいた。
朝食ができた、上条が作った朝食はどこの家庭でもおなじみのトーストとハムエッグである。

「「いただきます」」

インデックスは美味しそうにトーストにモグモグとかぶりつく。
上条は自分の分のトーストとハムエッグを美琴のサイズに小さく分ける。
美琴は嬉しかった、上条の小さな気遣いが・・・・優しさが嬉しかった。
でも―――

「いらないわ」

「お前なぁ、昨日の夜も何も食べてないじゃねーか」
小さくても、美琴の顔が少しやつれているのは分かる。
「それが何?」
心配してくれている上条に対して冷たく当たる。

「そうだよ短髪!食べないと大きくなれないんだよ!」
小さくなった美琴のその言葉をかけるのは若干不謹慎なような気もするがインデックスは気にしない。
「こんな不味そうなもの食べたくないって言ってんのよ!」

もちろん本心では無い、美琴は必死に涙を我慢した。
上条とインデックスの優しさを踏みにじる言葉。
決して許されない言葉。

それでも、美琴は元に戻るために覚悟を決めたのだ。
小さいままでずっと迷惑をかけ続けて生きていくほうが嫌だった。

「不味そうとか言われると、さすがの上条さんも傷つくんですが・・・・・・」
「ふん!私はお嬢様なんだからお嬢様にふさわしい朝食を用意しなさいよ!」
「へいへい・・・・」
上条は少し悲しげに返事をした。

「さすがにわがままが過ぎるんだよ」
変わって美琴に注意したのはインデックス

「うるさいわね!アンタも居候ならコイツにばっかり家事させないで少しは手伝ったらどうなの?」
「うぅ・・・・」
家事のことを言われたらインデックスも反論できない。インデックスは一蹴されてしまった。
「御坂いったいどうしたんだ?」
「別にどうもしてないわよ」
(何かおかしい?御坂は目を合わせようとしないし・・・・・・)



「おはようございます」
白井がテレポートでいきなり現れる。
「あぁ白井かおはよう、テレポートでいきなり入ってくるのはやめてくれないか?」
「おはようなんだよ」

「こんな朝早くからなんの用なのよ」
「お姉様が心配で・・・・・・」
「別に心配くれなんて頼んでないわよ」
「お姉様?」

思いがけない言葉に白井は一瞬戸惑った。

「白井ちょっといいか?」
「なんですの?」
上条と白井は御坂には聞こえないように二人で話した。

「今日の御坂はちょっと機嫌が悪いみたいなんだ」
「そのようですわね」
「小さくなって3日目だし、ストレスがたまってるんだと思う」

「二人で何ヒソヒソ話してんのよ!」

「なんでもありませんの」
「それより今日はどうするんだ?」
「私は一人になりたいから、アンタ達でどこか行けば?」
「今のお前を一人に出来るはず無いだろ」
「私は子供じゃないんだから一人でも大丈夫よ!」
「そう言ってもお姉様・・・・」

そのとき上条の携帯電話が鳴った。
「上条です」
『上条ちゃんですかー、今日補習があること忘れてないですよね?』
「小萌先生ですか・・・・今日はちょっと簡便して欲しいんだけど」
『ダメですー、上条ちゃんはバカだからたくさん勉強しないといけないのですー』
「ちょっと待ってくださいよ」
『それじゃ遅れないように来るのですよー』

補習の呼び出し、どうしてこんな時に・・・・・・
とも思ったが、それは文字通り日ごろの行いが悪いからである。

「悪い・・・・今日補習だった・・・」
「ふーん、アンタ馬鹿なんだからさっさと行って来たら?」
再び美琴は冷たいように言い放った。
普段から上条のことを馬鹿と呼ぶことはあっても、それは素直になれない裏返し。
自分で意識して言うことは辛かった。

「そんな言い方しなくてもいいだろ?」
上条は悲しげに美琴を見つめて、ため息をついた。
「うっさいわね」
「お姉様、さすがに言いすぎかと・・・・・」

「黒子もジャッジメントの仕事があるんでしょ?」
「そうですが・・・・・」
「だったらこんなところにいないで、ジャッジメントの仕事に行けば?」
「ですがお姉様」
「心配されて自分のことも後回しにされても迷惑なのよ!」
「御坂言い過ぎだ!」
「私は本当のことを言ってるだけよ!やらなければならないことを後回しにして心配だけされても迷惑だって言ってんのよ!」



その一言にキレたのは上条だった。
「なんだよそれ! 誰のためにみんな心配してると思ってるんだよ!!」
「そうですわ、お姉様! 全員で知恵を集めればきっと解決策はみつかりますの!」
「それが余計なお世話だって言ってんのよ! 別に心配してくれだなんて頼んでないわよ!」
「短髪! 言いすぎかも!!」

美琴は3人の視線が痛かった。
どうして?なんで?もう元に戻りたくないのか?
上条と白井とインデックスは当然の疑問に答えは出なかった。

美琴は必死に涙を我慢した、泣いてしまえば全てがバレてしまう。
(泣くな私、泣けば全てが終わる!)
上条一人にターゲットを絞るとすぐにボロが出てしまいバレてしまう恐れがある。
よって自分を慕ってくれている白井にも冷たく接しないとダメだった。

「お願い・・・・・・もうほうっておいてよ」

その言葉に白井は何かを決意したように、凛とした表情で美琴に答えた。

「わかりましたお姉様、ジャッジメントの仕事に行ってきますの・・・・」
「白井・・・・・・」
「上条さんも補習があるのでしょう?でしたら急ぎませんと。インデックスさん、お姉様のことよろしくお願いしますの」
「インデックス後は頼む・・・・」
「任されたんだよ」

インデックスは力強く返事をした。
彼女も彼女なりに美琴のことを心配している。
自分の知識で助けられなかったのを気にしている。

上条と白井はそれぞれ部屋を出て行った。

(御坂はいったいどうしてしまったんだ?昨日までは普通だったのに―――)
こうして上条は小萌先生の待っている高校へ向かう。

(お姉様、わたくしに出来ることは何か―――)
白井はジャッジメント177支部へ向かう。

それぞれの立場は違うが、全員美琴を心配しているのは確かだ。


部屋に残った美琴とインデックスは重い空気の中にいた。
美琴のことを心配しているとはいえ、インデックスも先ほどの美琴の行動には腹を立てているのである。

「短髪いったい何を考えてるの?」
「・・・・・・・別に何も?」
美琴の反応はやはり変わらなかった、インデックスに対しても冷たく当たる。

「こんなことになってヤケになるのもわかるけど、ちょっとやりすぎかも」
「・・・・・・・・」

美琴は口を開こうとしなかった、かまわずインデックスは続ける。
「短髪がはじめてこの部屋に来た日、あの鏡と何を話したの?」
「・・・・・・・・」

美琴は答えない、答えたくない。
「もしかして一生元に戻る事は出来ないって言われたの?」
それは当たらずも遠からずだった。

「私はシスターだから話なら聞いてあげるんだよ」
「うるさいわね、私は一人になりたいの! あんたも私をほっといてどっか行けばいいでしょ?」
「それは出来ないんだよ、とうまとくろこに短髪を頼むっていわれたもん」
「だったら私が出て行く」
「ダメだよ短髪!」
「うるさい!」
小さくなっても電撃の威力は変わらない、まるでスタンガンを使ったように美琴はインデックスを気絶させた。
(ごめん・・・・・・インデックス)



インデックスを気絶させたところで突然鏡が話しかけてきた。

『がんばってるようね?』
「何の用よ?」
『嫌われて元に戻ったら本当のことを打ち明けて仲直りするつもり?』
「・・・・・悪い?」
『悪くないけど、良いことを教えてあげようと思って』
「良いこと?」
『この前貴方に言った元に戻る条件のことなんだけど、ひとつ隠していたことがあるの』
「何よそれ!」
美琴は少し希望が見えた、もしかして元に戻るための条件が他にあるのかと。

『残念だけど、一度嫌われるだけじゃ元に戻らないわよ』
「え?」

『永遠に嫌われ続けないとずっと小さいままよ?』

「そんな・・・・・」

その言葉は絶望しかなかった。
「どうして・・・・・・そんなことするの?」
『嫌いなの、貴方みたいな女が』
「なんでよ・・・・・・」
『まだ心の奥であの男が自分を救ってくれると信じてるでしょ?』
「・・・・そうよ」
『男なんて信じるに値しない生き物なの。私の過去を教えてあげようか?まあ知ったところで貴方のすることは変わらないけど』
「・・・・・・・」
美琴は返事をしなかった。
やはり元に戻るには上条に嫌われるしかないのである。


そして次の瞬間、鏡の記憶が美琴の中に流れ込んできた。


そこには二人の姿が見えている
一人は肌の白い女性、もう一人は男性だ。

―――ずっと一緒にいるって言ったじゃない。
まさか君が魔女だったなんて・・・・・・
―――あなたのことを信じて打ち明けたのに。
ごめん、君とはもう一緒にはいられない。

―――待ってよ、お願いだから・・・・・・

場面は切り替わり狭い路地裏
肌の白い女性が必死に逃げているのが分かる。

いたぞ!魔女だ!!
―――どうして?どうして私の存在が・・・・・・まさか!?
捕まえろ、魔女は皆殺しだ!
―――やめて、乱暴にしないで!!

再び場面は切り替わる
女性は両手両足を縛られ、虐待を受けている。
―――どうしてあの人は私を裏切ったの?

―――どうして?

「やめて・・・・・」
美琴は想像を絶する光景に、思わず声に出してしまった。
そして次の瞬間、目の前は炎に包まれた。

「もうやめてよっ!」
そう叫んだ直後、記憶の流れは止まる。

「あんたは・・・・・・」
『・・・・・・・・』
全てを語った鏡はもう何も言わなかった。
そして美琴には絶望しか残されていなかった。







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