とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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匿名ユーザー

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上条家の日常




思わぬ客人


御坂美琴は恋人、上条当麻と今日も一緒に帰っている。
しかし先程から上条は携帯電話の操作に夢中だ。
「あんた、さっきから携帯いじって何してるの?」
美琴の言葉に反応してやっと上条が携帯から目を離す。
「ちょっとロンドネットで特売情報をな」
「特売?」

『ロンドネット』
すでに200万人以上がが登録している学園都市SNSであり、美琴もこれに加入している。
9月10日から12日にかけてはロンドネットを中心とした騒動があったが、今でもサービス自体は続いている。

「ほら、インデックスの奴たくさん食うから上条家の財政を圧迫してしまって
 こういう情報に食いつかないと赤字になってしまうんですよ」
上条は呆れながら再び携帯の操作をする。
「お、いい特売情報を見つけた!ここから近いし、ちょっと行ってくる!」
「あ、じゃあ私も」
「いいよ、悪いって。お前はインデックスの相手をしておいてくれ」
上条は走って特売をしているスーパーがあるであろう方向へと走っていく。
「あ・・・・・・」
美琴は上条と買い物へ行きたかった(というよりも上条といれればそれでいい)のだろうが、それがわからない上条はやはり鈍感だ。
(せっかく当麻と買い物できると思ったのに・・・・・・)
しかしインデックスを放っておくこともできないので美琴も仕方なく部屋へと向かう。

へそが出てる明らかにサイズが合ってないセーラー服を着ている褐色の肌の少女が困った顔をしている。
「どうしたの?」
「道に迷ってしまってな。上条という人を探している」
聞きなれた名前に美琴は反応する。
「上条って、上条当麻?」
「そうだが、お前は?」
「私は御坂美琴。あいつなら買い物に行ったから私が案内するわ。あなた、名前は?」
「私はソーズティ=エキシカ。学園都市には1度来ただけでその時に上条に世話になったのだ」
「にしてもあなた、どこの人?それにその服は・・・・・・」
「私の出身はインドだ。それと服装はおかしいのか?学園都市の住人の8割は学生と聞く。
 この格好の方が目立たないだろう?」
上はともかく、パンツが見えそうなスカートが気になる。
しかし美琴がそれにツッこむことはできない。
常盤台の制服も似たようなものだからである。
「じゃ、じゃあソーズティ、行きましょう」
上条がまた何か事件に首を突っ込んだろう。
日常のことなのでもはや怒るまい。
そもそも美琴も上条に助けられた1人なのだから。



「ただいま、インデックス」
「おかえり、みこと。ん?」
「お、おじゃます」
部屋に入ってきたソーズティにインデックスが気づく。
「あ、あなたあの時の!」
「あの時は世話になったな。インデックス」
「今日はどうしたの?」
「今日はただの観光だ」
「そう、あれ?ねえみこと、とうまは?」
いつもなら美琴とともにこの部屋の家主も帰ってくるはずなのでインデックスは疑問に思う。
「あいつなら1人で買い物にいったわよ。その間はテレビでも見てましょ。ソーズティもそこに座ってて」
美琴がテレビをつけると占いをやっていた。
『それでは次は水瓶座のあなた。運勢は最悪。女性問題がややこしくなるかも。ラッキーアイテムはゲームセンターのコイン』
「占いねえ。この科学の街でそんなもの信じる人がいるのかしら」
「バカヤロー!占いは学問だ。数学と天文学に基づいた文明の礎だ!!」
突如怒鳴るソーズティ。どうやら怒らせてしまったようだ。
「ご、ごめんなさい」
美琴が謝罪すると、ん?と何かを思い出したのか美琴とインデックスを見る。
「短髪の女性と銀髪の女性・・・・・・思い出した。たしか」
「ただいまー」
ソーズティが何か言いかけたときこの部屋の家主、上条が買ってきた。手に持った買い物袋にはたくさんの食材が入っている。
特売の成果はあったようだ。
「おかえり、特売はどうだったの」
自分を置いてった上条に美琴は少しばかり起こっているようだ。
「安かったから少し買いすぎちまったよ。にしても何怒ってるんだよ」
「別に」
「特売、置いてった事か?悪かったって。今度埋め合わせするから」
「・・・・・・日曜日、デート」
「わかりましたよ。姫」
美琴もやっと機嫌を直してくれたようで上条もほっとする。
「それよりも、あんたにお客さんが来てるわよ」
「客?」
「おじゃましてます」
上条がやっとソーズティの存在に気付く。
「ソーズティじゃないか、今日はどうしたんだ、また何か事件か」
「いや、今日はただの観光だ、ついでに上条に会おうと思ったのだが、場所がわからなくてな。御坂に連れてきてもらったんだよ」
「そうだったのか。美琴、ありがとな」
美琴に礼をいいながら上条は荷物を置いて床に座る。
「別にいいわよ。えーっと何買ってきたのか」
美琴が買い物袋の中を漁る。
中身はじゃがいも、人参、豚肉などだ。
「これだったら今夜はカレーね」
「お、美琴たんのカレーですか」
「美琴たん言うな。んじゃ、ちょっと待っててね。ソーズティも食べてくでしょ?」
「そうだな、食っていけよ。ソーズティ」
「じゃあ、ご馳走に」
「うん。じゃあ出来るまでテレビでも見ててね」
美琴は買い物袋を持ってキッチンへと入っていく。



「そういえばソーズティ、あれからどうなんだ?」
「ああ、あっちでは良くしてもらっている。姉も元気だ」
それからソーズティはイギリスでのことを話した。
イギリス清教の女子寮でのこと、オルソラの料理やウレアパディーと回ったロンドンなど。
話している彼女はとても楽しそうだ。悩みなど何1つない。

「カレー出来たわよ。」
香ばしい匂いのする鍋を持って美琴が来る。
それをご飯をよそった4つの皿に盛る。
1つ、明らかに他のより大盛りのがあるがそれはもちろんインデックスだ。
「美味しそうだな」
「美味しそうじゃなくて本当に美味いんだぞ」
「ふふ、ありがと」
「そういえば、日本では食事の前に儀式があるらしい」
「儀式って・・・・・・まあいいか。こう、手を合わせて、『いただきます』って言うんだ」
「こ、こうか」
ソーズティも上条の真似をして手を合わせる。
「それじゃあ」
「「「「いただきます」」」」
楽しい食事の時間が始まる。
「こめんねソーズティ。インドのカレーとは全く違うけど、口に合うかしら」
「いや、美味しい。オルソラの料理にも引けをとらない」
どうやらソーズティには好評のようだ。
「そう、よかった」
その間もインデックスはガツガツとカレーを胃袋へと入れる。
「みこと、おかわり!」
あれだけの量をもう食べてしまった。
「はいはい、まだあるから慌てないの」
「でもでもみことのごはんは美味しすぎてついたくさん食べちゃうんだよ」
「インデックスのために大量に作っておいたけど、これじゃ明日の分もなくなっちゃうわね」
「何だと!おいインデックス!俺の分もちゃんと残しておけよ!!」
「はあ、慌てないの」
「3人は」
3人の雰囲気に置いていかれているソーズティが口を開く。
「3人はいつもそんななのか。私のいた組織はそんなにお互いが笑い合っていなかった。」
彼女の質問に上条が少し間を明けてから話し始める。
「人に言われると、たしかにそうかもしれないな」
でも、と上条は続ける。
「羨ましいとかは違うと思う。お前がイギリスでの話をしている時は本当に楽しそうだった。
 『前』がどうだったかは俺にはわからない。でも、『今』のお前は皆と笑っていられる。それだけで十分だろ」
「そうか、そうだな。今はイギリスで楽しくやっている。それだけで私は十分だ」
ソーズティは先ほどよりもさわやかな顔をしていた。
「それと、私にも、カレーのおかわりを」



夕食が終わり、片付けもあらかた済ませてしまい、4人はテーブルを囲んで座っている。
「そういやソーズティは寝る場所そうするんだ?」
「ん?今日はホテルにでも泊まるつもりだが」
「そうか、今日はもうこんな時間だし、狭いけど家に泊まってくか?」
上条にとってはなにげない一言が不幸の始まりだった。
「な、か、上条の家に泊まっていくだと!?」
「そうだが、嫌か?」
「日本の男性が自宅に女性を泊まらせる時は手を出す時と聞いたぞ」
「ちょっとソーズティさん!?どこでそんな間違った知識を仕入れたんですかね!?」
「ちょっとアンタそれどういうことよ!?私だってまだなのに!?」
「たしかに恩は返さなくてはならない。だからといって体で返すというのは・・・・・・」
「ひっぐす、わたしだって・・・とうまのことだいすきなのに・・・・・・うえーん!」
とうとう泣き出して前髪からバチバチと電流が出ている。
こうなると美琴は非常に面倒くさくなる。
「ちーがーうー!!大体インデックスだっているだろうが!!」
上条は叫びながら泣く美琴の髪を右手で撫でる。
「な、ち、違うのか?」
「だから違うって言ってるでしょ!!そして美琴もこれ以上泣くな!!隣に聞かれたら面倒だろうが!!」
実はすでに隣人には聞かれてたりする。
そしてその隣人が愛する義妹もいたりする。
「・・・・・・ごめん」
「すまない」
どうやら2人も落ち着いたようだ。
「で、結局お前は泊まってくのか」
「そうだな、せっかくだから1晩、世話になろう」
「・・・・・・私だってまだなのに」
ソーズティは泊まることに決まったが美琴は」まだいじけている。
「ああもういじけるな!来週泊まっていいから!!な!?」
「・・・・・・うん」
美琴が泊まる約束をしてこの問題は終了した。

現在、部屋には上条とソーズティの2人だけだ。
美琴はすでに寮へ帰りインデックスも風呂に入っている。
「なあ上条、覚えているか?」
ソーズティが上条に話しかける。
「ん?」
「前に私が中華料理屋で占いをしただろう」
「中華料理屋・・・・・・占い・・・・・・」
上条は思い出す。
たしか占いの結果は『短髪の女性と生涯を共にだろう、例えば結婚とか』と『銀髪の女性と一生はなれない運命にある』だったではなかろうか。
銀髪はインデックスのことだろう。
では短髪の女性とは?
「あれ?短髪ってもしか・・・・・・して」

ゴーン、ゴーンと鳴り響く教会の鐘。
目の前に映るのはウエディングドレス姿の美琴。
『よろしくね、あなた』

「いや、待て、俺はまだ高校生で美琴は中学生で」
恥ずかしくなって顔を手で覆う上条。
「でも何時かはそうなるわけでいやそういう問題じゃないわけであーもう!!」
「・・・・・・何してるのとうま」
「はい!ってあれ?インデックス?」
妄想から帰ってきた上条の前にはソーズティの代わりにインデックスがいた。
「お風呂から湧いて、ソーズティも入りにいったんだよ。で、とうまは何してたの?」
「・・・・・・忘れてくれ」



インデックスとソーズティはベッドで寝ていた。
「にしても、同居人がベッドで寝て、家主が風呂で寝るとは、日本というのは不思議だな」
またしてもソーズティは間違った知識を覚えてしまったようだ。

「ねえソーズティ、起きてる?」
「起きてるが、どうかしたのか?」
少しして、インデックスが話しかける。
「私は、ここにいてもいいのかな?」
「どういうことだ?」
「あの2人はね、わたしには絶対に割り込めない関係なんだよ。わたしがいたらじゃまになっちゃうかもしれないんだよ」
初めて吐き出す悩み。
彼女は裏ではここまで思いつめていたのか。
「お前は、どうしたいんだ?」
「え?」
「お前はここに居たいのか?」
「・・・・・・うん」
「そうか、ならそれでいいじゃないか。お前がしたいようにすればいい。それに決めるのは私ではない。明日、ちゃんと自分で上条に言うんだな」
「うん。ありがとうなんだよ。おやすみ」
「ああ、お休み」

何ていい所なんだろうか。
次は姉とともにこようと決め、彼女も眠りにつく。








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