「よう、御坂」
突如、後ろから声を掛けられた。
振り返るとアイツがいた
振り返るとアイツがいた
「へ、あっ…う、うん」
「"うん"って何だよ。折角、名前呼ぼうぜって言ったのに」
「"うん"って何だよ。折角、名前呼ぼうぜって言ったのに」
…そういやそんな事あったっけ…
「ほら、あの俺がクリスマス終えて、正月も終えて、2月入るのにまだ…」
と言いつつポケットからケータイを取り出す。
「見ろ。ケータイ、無事なんだぜ?」
ケータイにはクリアブラウンのアクセがぶら下がっている。
当麻は、すげーよな、とか言って笑う。
当麻は、すげーよな、とか言って笑う。
「… あ、あったりまえでしょっ!レベル5の私にかかればアンタの不幸とかなんてねぇ…」
「分かってますって。だからこうして感謝してるんだろ。っと、そうだ暇か?」
「え…まぁ、うん。暇…だけど」
「よかった。頼みがあるんだが」
「分かってますって。だからこうして感謝してるんだろ。っと、そうだ暇か?」
「え…まぁ、うん。暇…だけど」
「よかった。頼みがあるんだが」
当麻が凄い嬉しそうな顔をする。
なんだろう、気になるな。特に断る理由もないんだけれど。
なんだろう、気になるな。特に断る理由もないんだけれど。
「俺と一緒にそこのスーパーまd「まさか、スーパーのお買い得品の為に"お一人様"になってくれ、とか言わないわよね?」
数秒、時が止まった。
「…アンタ……」
「わーっ、待て!待て!!それも頼みなんだが!」
「わーっ、待て!待て!!それも頼みなんだが!」
当麻が右手を私に突き出しながら、声を大きくさせる。
迸る電撃を表面上だけで押し止める。
迸る電撃を表面上だけで押し止める。
「……何よ」
「いや、そのさ…」
「いや、そのさ…」
当麻がしどろもどろしつつ私にゆっくりと近付いてくる。
多少の抵抗を、生じる電気量で表してみるが、そのまま近付いてくる。
そしてずっと前に出した右手を私の頬に添わせる。
まだ2月だ。手は当然冷たい。
多少の抵抗を、生じる電気量で表してみるが、そのまま近付いてくる。
そしてずっと前に出した右手を私の頬に添わせる。
まだ2月だ。手は当然冷たい。
「ひゃっ!」
思わず身を強張らせて震えあげる。自己発電も、現在無効化中だ。
「な、何すっ…」
言い切る前に、私の目の前にあった当麻の顔は私の横にあった。
頬に当てた右手はそのまま背中に回され、当麻の匂いが私の鼻をくすぐる。
突然の事で吃驚して、手にしていた鞄を放してしまった。
頬に当てた右手はそのまま背中に回され、当麻の匂いが私の鼻をくすぐる。
突然の事で吃驚して、手にしていた鞄を放してしまった。
「ちょっ……何してんのっ!!?」
「いや、…まぁ、クリスマスに…しちゃったワケで」
「…い、今更悪気出てきたとか言わないでしょうねっ!?」
「あーいや、そういうんじゃなくてだな…」
「いや、…まぁ、クリスマスに…しちゃったワケで」
「…い、今更悪気出てきたとか言わないでしょうねっ!?」
「あーいや、そういうんじゃなくてだな…」
耳にちくちくと髪が当たるのも気になるけど、それ以前に、あ、アイツが…当麻の、熱が…っ
顔が赤くなっているのが分かる。
誰か歩いてる人がいないか気にしていたが、車も人も全く往来していない。
――――ふ、ふたりっきりっ!?
顔が赤くなっているのが分かる。
誰か歩いてる人がいないか気にしていたが、車も人も全く往来していない。
――――ふ、ふたりっきりっ!?
「御坂、こうしてるといい匂いがするな」
「…っ せ、セクハラ…よっ」
「…まぁ、否定はしないです」
「変態」
「…じゃあ何でお前の手は俺の背に回っているんだ?」
「…っ せ、セクハラ…よっ」
「…まぁ、否定はしないです」
「変態」
「…じゃあ何でお前の手は俺の背に回っているんだ?」
…私も、アイツを抱き締めていた。温かくて、気持ち良くて。好きで。
「…っさいわね」
「へいへい。 …そうだ、御坂。頼みなんだが」
「…別に買い物くらい、付き合ってあげるわよ」
「へいへい。 …そうだ、御坂。頼みなんだが」
「…別に買い物くらい、付き合ってあげるわよ」
何なら、料理もしてあげたいんだけど。
当麻が私から離れて、2歩退く。
当麻が私から離れて、2歩退く。
「そうじゃなく…いや、それもなんだが…」
頭を掻きながら、何かを言い出したそうにしているも、迷っているようだ。
はぁ、と溜め息を吐いて、私はポケットからケータイを取り出した。
私のクリアブラウンの勾玉が揺れる。
はぁ、と溜め息を吐いて、私はポケットからケータイを取り出した。
私のクリアブラウンの勾玉が揺れる。
「これ、買った時言ったわよね?」
嘘を吐かない、正直に言え。口にはしてないけど、誓った。
これを見せると、流石に抵抗できないらしく、一度深呼吸をしてから真面目な顔になる。
これを見せると、流石に抵抗できないらしく、一度深呼吸をしてから真面目な顔になる。
「…お前の事、『美琴』って呼んでも…いいか?」
「……え」
「何回か、その、デートはしてて…お前は当麻って呼んでるのに、俺は御坂だろ?
ずっと何か抵抗があってだな… …ダメか?」
「…そんな事で悩んでたの?」
「…はい。まぁ、そうです」
「……え」
「何回か、その、デートはしてて…お前は当麻って呼んでるのに、俺は御坂だろ?
ずっと何か抵抗があってだな… …ダメか?」
「…そんな事で悩んでたの?」
「…はい。まぁ、そうです」
…はぁ。
何か、また出掛けるだったり、会えなくなるだったり、もっと大事かと思ってたのに…。
何か、また出掛けるだったり、会えなくなるだったり、もっと大事かと思ってたのに…。
「…ま、こっちの方がマシか」
「は?」
「何でもないわよ」
「は?」
「何でもないわよ」
一気に背負うモノがなくなった気がして、私は当麻の手を取って引っ張る。
「おわ、何すんだよ御坂っ」
「買い物よ買い物っ!特売品なら急がないとね」
「急ぐのはご尤もだが、返事くらいはくれよ」
「買い物よ買い物っ!特売品なら急がないとね」
「急ぐのはご尤もだが、返事くらいはくれよ」
引っ張りつつも、私は足を止め、爪先立ちで、アイツの高さに合わせる。
目を閉じて、一瞬だけ―――唇を合わせた。
目を閉じて、一瞬だけ―――唇を合わせた。
「野暮過ぎる質問すんなってことよ」
ほら行くわよ、と言って、呆然としている当麻を、また引っ張る。
「サンキューな、美琴」
「どーいたしまして」
「どーいたしまして」