小ネタ 「卒業」アフター
ここは学園都市のとある料亭。その一室に今にも逃げ出しそうな少年と、
それとは逆に落ち着いた表情の少女がいた。
「アンタちょっとは落ち着きなさいよ。」
少女ーー御坂美琴は言うが、
「でもやっぱ落ち着かねーよ」
と、少年ーー上条当麻は言う。
なんでこの二人がこんな所にいるかと言うと、美琴の父の旅掛に会うた
めである。
「もし認めてもらえなかったらって考えるとな・・・・・」
「認めてもらえなかったら駆け落ちしようね♪」
元々寮に住んでるので駆け落ちもなにもないのだがそこは気にしない。
「まぁ大丈夫よ。娘の恋愛に口を出すような人じゃないから」
美琴が上条を落ち着かせようとしていたら美鈴がやってきた。
「ゴメン遅くなって。それとももうちょっと遅くてもよかった?」
ニヤニヤしながら美鈴は言った。
「はいはい。で?父さんは?」
「ここにいるぞ」
美鈴の後ろからダンディな声がした。
「で?当麻君とは君か?」
上条は立ち上げってビシィ!と背筋を伸ばした。
「は、はい。上条当麻といいます。あなたが旅掛さんですか?」
いつものような敬語ではなく、ちゃんとした敬語で問いかけた。
「ああそうだ。よろしく」
そういって握手をした。
そして座敷に、右が美鈴、旅掛。向かい側に美琴、当麻という順で座った。
「さて早速だが聞きたい事があるんだが・・・・」
「ど、どうぞ・・・・」
上条は内心ビクビクしながら質問を待った。
「ではまず最初に、キスしたのは本当か?」
美琴はキスシーンを思い出して真っ赤になっている。
上条は多少恥ずかしかったが正直に言った。
「はい本当です」
「ではいま2人の関係はどうなっているんだ?」
「え~と・・・・一応付き合っています」
上条は少しビクつきながら言った。
「上条君は美琴を愛してると言い切れるか?」
「はい。言い切れます」
これは即答だった。
「そうか・・・美琴はどうなんだ?」
「も、もちろん愛してるわよ」
美琴はもじもじしながら答えた。
「ふむ、だったら二人の関係を認めようじゃないか」
「えっ?いいの?」
そういったのは美琴だった。
「何だ?認めてほしくなかったか?」
「いや、やけにあっさりしてるなと思って。」
「二人が愛し合ってるならいいじゃないか。俺に反対する理由はない」
「よ、よかった~認めてもらえて」
上条は大きく息を吐いた
「さあ堅い話はここまでにして何か食べましょ」
その後料理が来てからは美琴が当麻との出会いなどを話したり、
旅掛が仕事先での話などをしてくれた。
「そういえばこの前面白い男に会ったな。そいつの部下が言うには、
無意識の内にフラグを立ててしまうらしい」
上条はその男に心あたりがあった
「その人の名前ってもしかして刀夜じゃないですか?」
「ああ確かそんな名前だったな・・・知り合いか?」
「あ~・・・多分家の親父です」
「ほう、あいつの息子か。」
「やっぱり蛙の子は蛙ね・・・・」
美琴がぼそっとつぶやいた。
それからしばらくして店を出た。
そして旅掛は帰り際に当麻にこういった。
「ここでは美琴をたのんだよ」
「任せてくださいよ」
当麻は笑顔で答えた。
そして御坂家は今日全員で過ごすといって、当麻とは別々に帰った。
美琴は当麻を誘ったが、
「今日くらい家族水入らずですごせって」
といって断られた。
そして旅掛は夜、宿で美鈴と美琴に、
「当麻君になら美琴を任せてもいいな・・・・」
といっていた。
こうしてまだ付き合って2日目の2人は早くも親公認になった。
そして翌日、見送りの時に空港のロビーで「今ここでキスをしな
さい」と無理難題を言われることを2人はまだ知らない・・・・