とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

Part14

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匿名ユーザー

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○○学区 広場 美琴は先程見つけた人物の治療をしていた。

「……これでよし、と。はい、動いて良いわよ。怪我は軽いものだけど、場所が場所だしね、明日、病院に行くこと」

最後に包帯を巻き、治療を終えた。治療に使った道具は急遽近くのコンビニで揃えた物で、所詮応急処置にしかならないが何事もやらないよりはましである。

「……ありがと、みこと」

「いいわよそんなの。……それで? そろそろ何があったのか、落ち着いて話せる? インデックス」

美琴が先程遭遇したのはインデックスだった。なぜ誘拐された筈のインデックスが一人でいるのか、ならそのインデックスを探していた上条はどうなったのか、聞きたいことは山ほどあった。だが、先程のインデックスの様子ではそれを聞くのがとてもじゃないが、憚られた。

ーーーーー

15分ほど前、美琴がインデックスを発見した時のこと。インデックスは街灯にもたれ掛かり朦朧としているようだった。


「あ、あんた! インデックスじゃない! 誘拐されたって……ってあんたその怪我!?」

インデックスが額から血を流しているのに気付き慌てて駆け寄る。

「み、こと……? どうして?」

「あのバカから聞いて私もアンタを探してたのよ! ……よかった、そんなに傷は深くない、これなら痕も……」

「あのバカってとうまのこと……? そうだ、みこと、とうま、とうまが……!!」
「え……あいつに、あいつに何かあったの!?」

「とうまが……とうまが……!!」

「インデックス! 落ち着いて! 落ち着きなさい!」


インデックスは混乱しており、とても落ち着いて話が出来そうにはなかったので、美琴は先にインデックスを治療することにした。治療が終わる頃にはインデックスも落ち着くだろうと信じて。

そして、今に至る。

ーーーーー

「どう? 落ち着いた? 何があったのか話せる?」

上条のことが気になるが、はやる気持ちを抑えて落ち着いた口調で話しかける。するとインデックスはゆっくりと口を開いた。
「……うん、ごめんね、みこと。取り乱しちゃって。」

「そんなの気にしないでいいの。アンタがあれだけテンパるってことはそれだけのことがあったってことだしね。 ……じゃあ教えて。何があったのか、あのバカがどうしたのか」

「うん、それじゃあ何処から話そうかな……」


ーーーーー



○○学区 広場 美琴は先程見つけた人物の治療をしていた。

「……これでよし、と。はい、動いて良いわよ。怪我は軽いものだけど、場所が場所だしね、明日、病院に行くこと」

最後に包帯を巻き、治療を終えた。治療に使った道具は急遽近くのコンビニで揃えた物で、所詮応急処置にしかならないが何事もやらないよりはましである。

「……ありがと、みこと」

「いいわよそんなの。……それで? そろそろ何があったのか、落ち着いて話せる? インデックス」

美琴が先程遭遇したのはインデックスだった。なぜ誘拐された筈のインデックスが一人でいるのか、ならそのインデックスを探していた上条はどうなったのか、聞きたいことは山ほどあった。だが、先程のインデックスの様子ではそれを聞くのがとてもじゃないが、憚られた。

ーーーーー

15分ほど前、美琴がインデックスを発見した時のこと。インデックスは街灯にもたれ掛かり朦朧としているようだった。


「あ、あんた! インデックスじゃない! 誘拐されたって……ってあんたその怪我!?」

インデックスが額から血を流しているのに気付き慌てて駆け寄る。

「み、こと……? どうして?」

「あのバカから聞いて私もアンタを探してたのよ! ……よかった、そんなに傷は深くない、これなら痕も……」

「あのバカってとうまのこと……? そうだ、みこと、とうま、とうまが……!!」
「え……あいつに、あいつに何かあったの!?」

「とうまが……とうまが……!!」

「インデックス! 落ち着いて! 落ち着きなさい!」


インデックスは混乱しており、とても落ち着いて話が出来そうにはなかったので、美琴は先にインデックスを治療することにした。治療が終わる頃にはインデックスも落ち着くだろうと信じて。

そして、今に至る。

ーーーーー

「どう? 落ち着いた? 何があったのか話せる?」

上条のことが気になるが、はやる気持ちを抑えて落ち着いた口調で話しかける。するとインデックスはゆっくりと口を開いた。
「……うん、ごめんね、みこと。取り乱しちゃって。」

「そんなの気にしないでいいの。アンタがあれだけテンパるってことはそれだけのことがあったってことだしね。 ……じゃあ教えて。何があったのか、あのバカがどうしたのか」

「うん、それじゃあ何処から話そうかな……」


ーーーーー




「やっぱり、アイツ様子がおかしいと思ったら……ッ」

一通り話を聞いて自分が感じた違和感は杞憂ではなかったと美琴は危機感を抱いた。

「みことも感じた? ……うん。さっきのとうまはおかしかった。それになんだか、いつもは全然そんなことのないのに……正直こわかったかも……すごい、危ない感じ」

インデックスの話を聞いて美琴は苦虫を噛み潰したような顔をする

(……あのバカッ!! 一人で行くなって言ってるのに、いつになったらわかってくれるのよ!!)

美琴の様子を伺いつつ、インデックスは話を続ける

「肝心な相手の魔術結社だけど、正直そんな厄介な相手じゃないんだよ。今のとうまなら一人で難無く倒せるはずかも。問題は……」

「問題は?」

「やっぱり、相手が複数ってゆうのと、後は……ッ!?……」

「どうしたの? 何か気になることがあるなら教えて。今は少しの情報も惜しいわ。」

「……今回の魔術結社は新興の組織なんだよ。そんなまだ大した力もない魔術結社が学園都市に侵入出来たのはやっぱり、両サイドが疲弊してるのが大きいかも。
それでここからが本題。両サイドがこんな状態なのに、今まで暫く平穏続きだったのって、実はとうまのおかげかも」

「……それ、どうゆうこと? アイツまた何か厄介事に?」

「ううん。今回は直接は関わってない。たぶんとうまも気付いてない。」

「じゃあなんで……」

「美琴は科学側だから知らなくて当然なんだけど、それだけ、とうまのこれまでしてきたことは大きいってことなんだよ。つまりは影響力ってやつかも。
第三次世界大戦、先のグレムリンが特に大きいかな。とうまの、ううん、幻想殺しのことは魔術世界ではとても有名になってるんだよ。」

「あ、アイツがねぇ……普段のアイツ見てるととてもそうは思えないけど」

思い浮かべ美琴は少し笑う。するとつられてインデックスも口許を緩める。

「ふふふ、だよね。でもホントなんだよ。……それで、ここ暫くはそれがいい方に転がってたわけだけど、いざ相手が動き出すと、有名なのは余り良い条件じゃない。ましてとうまの場合は、名前よりもまず能力が先走って広まっちゃってるから……」

インデックスがそこまでいってから美琴はハッとした。

「対策を、施される……ッ」

「うん、『グレムリン』みたいにね……」
「……急いだ方が良さそうね。インデックス、悪いけど一人で帰れる?」

「うん。もう痛みもほとんどないし、大丈夫なんだよ。
……みこと、とうまを『助けてあげて』。それができるのは、みことだけだから。私にはとうまを助けられないからッ……」

言いながらうっすらと瞳を潤ませるインデックスを見て美琴は胸をキュっと締め付けられた気持ちになる。インデックスは今、相当の決意をして美琴に上条のことを託したのだと察した故に。
美琴は少し目を潤ませつつインデックスを優しく抱き締め、インデックスに語りかける。

「みこと……?」

少し、声を震わせつつ

「ふっふーん。この私を誰だと思ってるの? 学園都市第三位の御坂美琴様よ? 魔術師数人、負けるもんですか!」

そこで一旦区切り、インデックスの肩に手をおいて向かい合う。ついにはこらえ続けた雫をこぼして尚、美琴は強い意思をもった表情で続ける。

「絶対に私があのバカを連れて、『インデックス』の所に連れて帰ってくるから!!だから、後は美琴お姉様に任せなさい!!」

「……ホントに美琴はお人好しだね……そんなんじゃ盗られちゃうかも……」

そう言いつつインデックスは静かに涙を流した。

「な、なにおぅ!?」

「あはは! ……とうまをお願いね。みこと」

「……うん。任されました。」



ーーーーー

一方その頃の上条当麻は魔術師と交戦していた。

……といっても既に片方、魔術師は疲弊しており勝敗は決したかに見える。立っているのは上条と結社のリーダーの青年だけだった。部下の男達は既に動けないほどの大怪我。 ……それは普段の上条ならあり得ない惨状であった。

「……お前ホントに、異能を打ち消すだけしか力のない、ただの人間か……?」

「……そうだよ、ただの無能力者で、魔術師でもない、家族を傷付けられてぶちギレた、ただの高校生だ」

「……みくびっていたよ幻想殺し。厄介なのはその右手だけの、ただのあまちゃんのガキだと。戦争を生き残っただけはある、なかなか卑劣な手で部下をやってくれた」
「……」

「あえて、隙をつくり、魔術を使わせてそれを部下を盾にして防ぐか。耐性があるから良いものの、普通の人間なら死んでるぞ」

「……インデックスを傷付けた人間が俺に何か言えんのか、元々はそっちが始めたことだろうが!!」

「いやいや、何も攻めるつもりはないさ、ただ幻想殺しは聞いてたような聖人君子ではなく人間臭さもあるやつだって知ってホッとしてたところだ。だが、殺しはしないんだな。そこは流石ってとこか。だが、それがあまちゃんてことだよな」

「……動けないなら問題無いだろ。戦力に数えるだけ無駄だ」

「たしかになぁ。あれだけやられちゃ、まともに魔術もつかえない。けどよ? 腕一本動かせたら、使える武器があるだろ? 他でもない科学の武器がよ!」

「……!?」

その刹那、上条の脇腹に焼けたような熱が走った。

ーーーーーー

「あーあ。これだけは使いたくなかったんだけどなぁ。これじゃグレムリンのやり方真似ただけじゃねえか……」

そう言う青年の前にはさっきまでピンピンしていた上条が倒れていた。

「ただ、思ったよりやりやがったな、こいつ。あのまま続けてたらヤバかった。いい判断だお前、えー名前、なんだっけか? まあいいや」

青年は最後の力を振り絞って上条を『拳銃』で撃った部下の一人に語りかける。だが、既に気絶したため、意識はない。

「さて、後は逃げた禁書目録を捕まえて高跳びするだけだけども、その前に、だ」

そこで青年は、倒れている上条を見る。それも、虫を見るような表情で。

「こいつ、まだ息があるな。『ここで殺しとくか』。かの幻想殺しを殺したとなりゃ、敵は増えるだろうが、名前は売れる。それにどうせ、なにか襲ってきたところで、10万3000冊がありゃどうとでもなる」

そう言って青年は魔術に使うのであろう物品を上条の周囲に等間隔て並べ、それらをチョークで書いた線で繋いでいく。

「それじゃさよならだ、幻想殺し、俺らのデビュー戦にはなかなかの相手だったよ」
そして、青年は、魔術の起爆剤であろう、言葉を呟き始める。



その時だ。



青年の目前をまばゆい閃光が瞬いた。


その閃光は、上条を囲んでいた物品の一つを見事に吹き飛ばし、青年の魔術は不発に終わる。

一瞬のことに驚いた青年は少しの間、閃光が消えていった方向呆然の見続けるも、ハッとして先程の閃光が射たれてきた方角を振り替える。

見事に消し飛んだビルの壁に空いた大きな穴の外には、あの少女が少し息を切らして立っていた。



御坂美琴である。



美琴は青年の足元に大量の血を流してたおれている上条を見、表情を変えた。

「……アンタか、アンタが、そいつを、当麻を傷付けたのかぁぁぁあああ!!!!」
「今の閃光、こいつ、超電磁砲か!? クソッ!! ここでこんなのが出てくるなんざ分が悪すぎるだろうが!?」

青年はとっさに、行使の容易い魔術を発動させるも、電撃の槍を使って難なく打ち消す。

その後も幾重に魔術を行使するも、美琴は表情一つ変えずに魔術を消し飛ばす。

「(無理だ、どんな魔術も力で消し飛ばされる!? デカイの撃とうにも時間がかかりすぎるし、何よりさっきの超電磁砲で触媒を潰された! 部下ももう誰も動かねぇし、どうしたら!? 一体どうしたらいいんだよぉぉぉぉおおおお!!!???)」

考えた末、余裕のない青年は、『逃げた』。背中をさらして、無様に。

それを美琴が見逃す筈もなく……

「電撃から、逃げられるとでも思ってんの!! このバカ野郎がッ!!」

「ぶはぁっ!?」

電撃は直撃し、青年は意識を失った。



ーーーーーーー

上条当麻の意識は暗闇にあった。

名前を呼ばれている。

上条にとって、大事な人の声だ。

だが、不思議な違和感がある。

何となく聞き慣れない感じ。

あれ?、こいつに名前呼ばれたことこれまであっただろうか?

そうだ。いつもいつもアンタだの、バカだの呼ばれてるせいで、まともに名前を呼ばれたのは初めてだ。

そうわかると、多少怒りが沸くものの、それよりも大きな感情がある。

こいつに名前を呼ばれると、何故だろうか。元気が沸いてくるというか、こう、胸のうちが暖かくなる。

だが、一つ気になることがある。

少し、名前を呼ぶ声が震えているのだ。

そういえば、こいつは強いように見えて、以外と泣き虫だったっけか。

……放って置けないよな。


俺はこいつの、『御坂美琴の周りの世界を守る』、そう誓っているのだから。


そうして、上条の意識は覚醒する。



ーーーーーー

「……ぅま……とう……当麻!! 目を覚ましてよ! こんな、あんな奴に殺されるなんて許さないわよ!」

「……み、さか?」

上条が目を開けるとそこには、強気の発言のわりにぐしゃぐしゃに顔が崩れている御坂美琴がいた。

後頭部が暖かく、美琴の顔が近いことから、自分が今、美琴に膝枕されていると、察する。

場所、理由こそ異なるが、『あの時』と今の状況が重なる。

その事が少し可笑しくて、上条はフッと笑う。

「何、笑ってるのよ……なんで、そんな体で笑ってられるのよ! 当たりどころが悪かったら死んでたかも知れないのよ!?」
「はは……、いやですね? 脇腹撃たれるの、これで2回目だなーなんて思いまして」

「んなこと言ってる場合!?」

「ははは、申し訳無い……」

そこに来てようやく上条は傷口を覗く。
撃たれた所には包帯が巻かれていた。
美琴が治療してくれたのだろう。その視線に気付いたのか美琴が口を開いた。

「応急処置よ……弾は貫通してたから、傷口を止血して包帯巻いたわ。インデックスを治療した余りがあってよかったわ」

「そうか、インデックスは無事か……」

「ええ、怪我も大したことないわ。何処かのバカと比べればね。」

「返す言葉もございませぬ……」

「今救急車呼んでるからすぐ来るわ。それまで少し休みなさい。膝、貸してあげるから」

いつものやり取りでホッとしたのか、美琴はいつもの凛々しさを取り戻す。
……顔は、酷いままだが。

「……御坂」

「何? 話すなら程々にね」

「お前が助けてくれたんだな。俺のこと、インデックスのことも」

「インデックスに関しては助けたのはアンタでしょ。私は、ただ保護しただけよ。」
「……お前は、いつも俺を助けてくれるよな。ロシアの時も、グレムリンの時も、今回だって。自分は関係無いときでも、進んで俺に関わって助けようとしてくれる。」
「それ、アンタには絶対に言われたくないんだけど?」

「はは、違いない……でもさ、なんでだ? 俺はあの時、観覧車でお前を……」

「……うん、だね」

「……あの後、先に助けを求めたのは俺だ。けど、何もここまで関わる必要もないだろ。インデックスを助けたかったにしても……」

上条の態度に業を煮やしたのか、美琴は唸る。

「……あーもう! そんなに難しく考えるんじゃないわよ! アンタらしくもない! 」

「いや、でも……」

「じゃあ、あえて逆に聞くけど! アンタなら目の前に苦しんでる人間がいたらどうする? 絶対に力になろうとするでしょ!?」

「それは、まあ、そうかも知れねぇけど……」

その言葉を聞いてから、美琴は感情を落ち着かせ呟く。

「……結局、私とアンタは似た者同士って事なのよ。目の前に困ってる人がいたらほっとけないし、なんでも一人で解決しようとするバカなら尚更ほっとけない、ね」

その言葉を多少自分に当てはめながら言った美琴の言葉は、上条にしっかりと届いていた。

「(似た者同士か……言われてみれば、こいつの行動は確かに、俺っぽい、か。ははは)」

上条は内心、自嘲気味に笑いつつハッとした。

「(……そうか、だからこいつは特別なんだ。
不幸でも無いのに、わざわざ巻き込まれに来て、俺を、救おうとしてくれる。その前にどんな壁があっても乗り越えて。ロシアん時なんか、俺からは何一つ関わってもないのに、あんなとこまで来て、助けようとしてくれた。そんな奴、他にはいないよな。ほんと、全く、あの行動力には参るよ……)」

等と考えつつ、上条の中にはある意識が芽生えつつあった。いや、漸く理解した。と言うべきか。

「御坂」

「何? これ以上、でもだの何だの言ったら電撃かますわよ」

そこで、上条は美琴の頭に手を乗せて、ニッコリ笑ってこう言った。









「俺はお前が好きだ」



美琴の脳は完全にフリーズした。

「(あれ? 今こいつはなんて言ったの? なんかありえない言葉が聞こえた気がしたよ? ここはどこわたしはだれ?)」

……いや、どっちかと言うとオーバーヒート?

「御坂? おーい御坂さん? 流石にさっきのスルーだと上条さんも泣いちゃいますよ?」

「……ごめん、ちょっと頭が理解してくれないんだけど」

「第三位様が何おっしゃいますやら。
……だから、俺はお前が」

「だぁぁぁああ!!?? 聞こえた聞こえたから!!」

「じゃあなんか言ってくださいよー」

「いや、だっておかしいじゃない!? 私、今日アンタに振られたはずでしょ!?」
「あぁ、確かにな。あの時俺はお前を拒絶した。自分のお前に対する気持ちがどんなもんか分からなかったからだ。
けど、今ようやくわかったんだ。

何度も何度も俺の助けになろうとしてくれた。今度は一人じゃない、私も力になれるって。……そんなこと言ってくれたのお前が初めてでさ、すげー嬉しかったよ。……巻き込みたくなくておいてっちまったけど。
そうして突き放してもお前は俺を助けようとしてくれた。今回だって。
だからお前は特別だった。そして、その特別は好きって特別なんだって、ようやくわかったんだ」

「う、そ……」

上条の言葉が信じられなかった美琴は両手で口を覆ってそう呟く

「嘘じゃねぇよ。だから何回でも言ってやる。俺はお前が好きだ。お前の気持ちが変わってないのなら、俺と付き合ってほしい」

それに対し美琴は満面の笑みで、少し涙を浮かべつつ答える。

「……バカ。そんな簡単に人の気持ちが変わるわけないでしょ。……私も、アンタが好き。上条当麻のことが好き。」

美琴の言葉に顔を赤くした上条は照れからか少し顔を背けて話した。

「……なんか、珍しくすげー素直だなお前」

「言わなかった? 私素直になるって決めたのよ」

「……俺は不幸な人間だ。だからこれからも色んな事に巻き込まれると思う。付き合うってなったらお前も巻き込まれるはずだ。それでも……」

「誰に聞いてるの? 私がその程度でアンタを諦めると思う? 私が諦めの悪いのはアンタはよく知ってるでしょ」

「ばーか。わかってて聞いたんだよ。……それじゃよろしく頼むぜ美琴。俺がお前とその周りの世界を守る。お前は俺のことを支えてほしい」

「お断りよ。支えるんじゃなく、私も守るわ。当麻と、その周りの世界を」

「……はは、参りましたね。これは」

そして、上条は少し体を起こして

「守られるだけのお姫様なんて性に合わないのよ」

美琴は少し背中を丸めて

「これじゃあ上条さん、美琴さんしかダメになってしまいます」

「私は当麻じゃなきゃダメなんだからおあいこでしょ」

ゆっくりと二人はキスをした。



そのあとのこと

「……あのー美琴さん?」

「ごめん。ちょっと待って。今ヤバイの。顔みないで」

「いや、そうゆーことじゃなくですね」

「ヤバいヤバい。にやけすぎて止まらない! ……えへへ」

「……今すんごい可愛いのは分かるんだけど、ボチボチ上条さんの意識は限界ですチキショー! もう救急車きたから乗せてください!」

「えへ、えへへ……」

「くそう! 全然話きいてねー!」


的なやり取りがあったとかなかったとか



end








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