非常停止スイッチ
高専ロボコンではもう一般的な非常停止スイッチ.
でも,本当に非常時に停止できる?
実際怖いところがあるので,いろいろ考えさせるページ.
回路の止め方
もっとも確実に回路を止めるには電源を止めます.
電源を止めるには,電源のすぐ近くの配線を切ります.
本当にぶち切っても一応止まりますが,さすがに面倒なのでスイッチを切ることが基本です.
スイッチの耐久性
非常事態なのでスイッチをやさしく押してる余裕はありません.
まして小型だと押したくても押せないという状態になります.
一番よく使われるのはキノコスイッチと呼ばれるB型接点(押すと離れる)のスイッチ.
押すと切れて,回すと戻ります.
この類のスイッチの耐久性は高く,押して叩いても平気.
使用耐久回数も1万回超えしてるのでまったく問題なし.
ただし,電流に対しては10A程度しか耐えられない.
物理スイッチと半導体スイッチ
人が押して動かすのは物理スイッチ.
一方でトランジスタやFETを指す半導体スイッチもある.
ただし半導体スイッチは触っても変わりません.
半導体スイッチは簡単な駆動回路を必要としますが,電流に対しては非常に強いです.
大電流に対応した非常停止
非常停止である以上,緊急時に働かないと困る.
ロボコンでいう緊急事態といえば,発火や発煙.
どこかで回路がショートして,電流がたくさん流れたことが原因.
そんなときに,物理スイッチと半導体スイッチはどちらがいいのか.
まず物理スイッチに電流が流れた場合.
スイッチに電流が流れると,接点が発熱し始めます.
あくまで電流なので,電圧にはほぼ関係ありません.
最悪の場合,接点が溶着し回路が切れなくなります.
次に半導体スイッチに電流が流れた場合.
回路が壊れると,絶縁する場合と短絡する場合があります.
絶縁した場合は回路は止まるので交換すればいいですが,短絡した場合は止まりません.
結局物理スイッチと同じです.
で,どっちが強いの?
大きなスイッチを使えば使うほど,どちらでも強くできます.
ただしFETやトランジスタは並列にすることでも壊れにくくなります.
一方で物理スイッチは同時に切ることができないので,元から大きいスイッチを選ぶ必要があります.
それを考えると,物理スイッチより半導体スイッチのほうが強いといえます.
AND構成とXOR構成
回路の組み方を工夫すると,複数のスイッチを搭載できます.
AND構成やXOR構成が一般的です.
AND構成はすべてのスイッチが入らないと回路が動きません.
ようするにすべて直列.
XOR構成は2つのスイッチが同じ状態だと切れ,違う状態だとつながります.
簡単に構成することはできませんが,階段の照明に使われています.
安全を考えるとAND構成にして複数のスイッチ,特にロボットの反対側に配置することをお勧めします.
一方で作業性を考えるときは,XOR構成にするとどのスイッチでもロボットの電源を入れて消すことができます.
最終更新:2011年09月06日 21:47