水俣市に計画される産業廃棄物最終処分場建設中止を求める要望書


 貴職におかれましては、水俣市の再生・活性化のために、日ごろから適切なご指導と多大なご支援を賜り心から感謝申し上げます。

さて、この度、熊日新聞報道によりますと小池百合子環境大臣は、8月4目午前の閣僚後会見において、㈱IWD東亜熊本による表題計画について、「水俣病被害地域の再生の観点から懸念を表明した」と報道されております。このことは、今計画発表いらい、水俣市民が訴え続けていたことを代弁していただいたものと受け止め、大いに歓迎いたしております。計画当人の㈱IWD東亜熊本・小林景子社長でさえ、F水俣市民は、水俣病という健康被害、環境破壊に直面し、悲しく苦しい経験をされており、そのことを思う時、何にもまして、この環境問題への不安を取り除くことが、一番大切なことと考えます。」とはっきりとした認識を公言されております。さらに小池環境相は、「この問題に対し‥他の地域と違う部分がある。地元での対応の必要性を強調した」とあります。

私たちは、これまで書簡でも直接対面でも幾度も、小林景子社長に対し意見交換、住民との対話を申し入れてきました。このことに関しましては、知事にもそのことに応じるよう企業に申し入れていただくようお願いをいたしました。しかしながら、いまだに実現されないまま今日に至っております。小林社長自ら、「地元の不安を取り除くことが、一番大切なこと」と明言しておきながら片方では、「反対を前提にした住民とは会わない」などと明言したり、その努力に背を向け続ける企業に対し、水俣市民はどのように対応すればよろしいのでしょうか、前述の、小池環境相の発言は「『このような施設は必要と思う』としながらも水俣が適地であるとは考えられない」とする意向が明らかに伺えます。地元熊本県が、計画民間企業の受付窓口にならざるを得ない現行法とはいえ小池環境相の意向に最大限添えるようご尽力を期待いたします。

そこで、知事に衷心よりお願い申し上げます。  

要望

 一、東亜道路工業株式会社、㈱IWD東亜熊本に対し、先の小池環境相の意図するところを熟慮され、水俣市長崎木目野地区の最終処分場建設計画から勇気ある撤回を決断されるよう進言して頂きたい。また潮谷知事始め熊本県自ら当地に対し、計画不適の意思表示をされますようお願い申し上げます。

この度、IWD東亜熊本に対し、水俣市民の2086通の意見を収集いたしました。一つ一つに目を通し、恒常の生活を、子を、孫を、水俣を守ろうとする市民の悲痛な声を要約し、概要としてまとめましたので、本日、要望書とともに添付いたします。よろしくご査収くださいますようお願い申し上げます。

    平成18年8月29日 「水俣の命と水を守る市民の会」会長・坂本ミサ子
最終更新:2006年09月06日 02:38