2008/01/25 水俣の産廃処分場計画:地震対策などに意見 県庁でアセス審査会 /熊本【毎日】


 水俣市でIWD東亜熊本(同市)が計画している産廃処分場建設について、県の環境影響評価審査会が24日、県庁で開かれ、同社が作成した環境影響評価(アセスメント準備書について委員13人が審議した。
 審査会は県環境影響評価条例に基づく手続きの一つで、今回の計画を巡る審議は昨年7月に続いて2回目。水質や大気、騒音や生態系への影響などについて、県が取りまとめた骨子を基に意見を交わした。
 委員からは「地下水の動きについて、もっと客観的なデータを示すべきだ」「地震の安全対策へのデータが不十分で不安が残る」などの意見が出た。
 審査会には同社の関係者が出席したほか、水俣市の環境団体のメンバーら20人余りが傍聴した。審査会は2月の次回会合で意見を取りまとめ、知事はこれらを参考に3月21日までに意見書を同社に提出。これを受けて同社が最終的な環境影響評価書を作成する。【西貴晴】

2008/01/24 調査の不備、指摘相次ぐ 水俣市の産廃問題【熊日】


 県の環境影響評価審査会(会長・北園芳人熊本大大学院教授)は二十四日、県庁で会合を開き、水俣市でIWD東亜熊本(小林景子社長)が計画している産業廃棄物最終処分場の環境影響評価準備書に対する審査会意見の中間取りまとめを行った。委員からは準備書の不備を指摘する意見が相次ぎ、予定地の地質や地下水などの再調査を求めることを決めた。

 処分場は同市長崎と湯出地区の山林八三・四ヘクタールに計画、このうち約八ヘクタールに廃棄物を埋め立てる。会合では、同社が提出した準備書や水俣市長意見などをもとに、同社の環境影響評価(アセスメント)の適否を議論した。

 準備書が二重の遮水シート設置や国基準より厳しい排水の自主規制などを挙げて「地下水や土壌への影響が少ない」としている点について、委員からは「ボーリング調査の深さが足りず、場所にも偏りがあるため、(アセスの前提となる)地質や地下水の量、流れなどの把握が不十分だ」との意見が相次いだ。

 審査会は二月中旬の次回会合で最終意見をまとめる予定。知事は審査会意見などを踏まえて、三月二十一日までに準備書に対する意見を出す。同社は意見を参考に、最終手続きとなる評価書を作成する。(渡辺哲也)

2008/01/15 水俣の産廃処分場建設計画 公聴会で反対意見次々=熊本【読売】


 水俣市の水俣川上流域で「IWD東亜熊本」が計画する産廃最終処分場建設計画に関し、県は14日、同市文化会館で県環境影響評価条例に基づく公聴会を開いた。官民55団体で組織する「産廃阻止!水俣市民会議」(会長・宮本勝彬市長)の会員らを中心に反対派50人の「公述人」が意見を述べ、即時中止を求める声が相次いだ。公聴会は18日も開かれる。
 公聴会は、許認可権者の知事が同社の環境影響評価準備書に対する意見書をまとめる際の参考とするために開催。公述人からは「地下水への影響が心配」「公共関与の処分場予定地から除外されている」など環境面への影響を懸念する意見が相次ぎ、計画を許可しないよう訴えた。
 また、同市では原因企業チッソの工場排水によって水俣病が起きたことから、「公害の可能性がある施設を造ることで水俣病の轍(てつ)を踏んではならない」との主張が続出した。
 知事は、3月21日までに意見書を作成する。公聴会は午前10時から約10時間にわたり、会場には多くの市民らが傍聴に訪れた。
 計画によると、同社は市南部の山林約83・4ヘクタールの敷地に埋め立て面積約8・3ヘクタールの管理型最終処分場を建設する。埋め立て容量は約203万立方メートル、期間は15年間。同社は「水俣のつらい過去を考え、日本一安全な施設を造る」などと理解を求めている。


2008/01/15 産廃処分場計画で県が公聴会 水俣市【熊日】


 水俣市の山林でIWD東亜熊本(小林景子社長)が進めている産業廃棄物最終処分場計画をめぐり、県は十四日、同社の環境影響評価(アセスメント)準備書に対する公聴会を開いた。予定地の周辺住民や水俣病患者など約五十人が、計画に反対する意見を述べた。

 同市牧ノ内の市文化会館であり、約三百二十人が傍聴。意見を述べる住民が次々に登壇し、予定地周辺の豊富な地下水や崩れやすい地質などを挙げて、「準備書は調査が不十分で、不都合な事実に触れておらず信用できない」と指摘。県に対し「市民の水がめを汚し、災害の危険が高まる計画を許可すべきではない」と求めた。

 登壇者の多くが、水俣病の経験にも触れた。漁師の緒方正人さん(54)は「水銀ヘドロの埋立地は巨大な産廃処分場だ。苦痛を背負った人にまた毒を押しつけるのか」と批判。市立水俣病資料館語り部の杉本栄子さん(69)らは「県は二度と水俣市民を泣かせるようなことはしないでほしい」と悲痛な声で訴えた。

 公聴会は県環境影響評価条例に基づく手続き。県知事が三月までに述べる、準備書に対する「知事意見」の参考にする。公聴会は十八日もある。(渡辺哲也)

2008/01/15 水俣市産廃処分場計画 水源汚染など不安指摘 県主催で公聴会 公述人が意見【西日本】

 水俣市に計画されている産業廃棄物最終処分場建設に関する県主催の公聴会が14日、同市牧ノ内の市文化会館で開かれた。事前に申し出した98人のうち約50人が、意見を述べ、残りは18日の次回公聴会で意見表明をする。

 公聴会は、県環境影響評価(アセスメント)条例が定める手続きの一環で、業者に対して提出される知事意見書の参考とするために開かれた。意見を述べた公述人は、小学生からお年寄りまでと年齢層が幅広く、主婦や自営業、水俣病患者などさまざまだった。

 意見として多かったのは「市民の水源となる地下水汚染への心配」「土砂の崩壊の不安」「搬入道路周辺の騒音や振動問題」など。栄養士の女性は「私たちの水源の上に産廃処分場を造ろうとしている。私たちの1番大切な水を守らなければ」と訴えた。水俣病患者の男性は「被害が出てからでは遅い。それが水俣病の経験だ」と強調した。

 計画されているのは、約8.3ヘクタールの管理型最終処分場。知事意見書の提出期限は3月21日で、環境アセスの手続きは、業者が環境影響評価書を提出する最終段階を迎える。

2008/01/15 水俣産廃処分場建設計画【読売】

 水俣市の水俣川上流域で「IWD東亜熊本」が計画する産廃最終処分場建設計画に関し、県は14日、同市文化会館で県環境影響評価条例に基づく公聴会を開いた。官民55団体で組織する「産廃阻止!水俣市民会議」(会長・宮本勝彬市長)の会員らを中心に反対派50人の「公述人」が意見を述べ、即時中止を求める声が相次いだ。公聴会は18日も開かれる。

 公聴会は、許認可権者の知事が同社の環境影響評価準備書に対する意見書をまとめる際の参考とするために開催。公述人からは「地下水への影響が心配」「公共関与の処分場予定地から除外されている」など環境面への影響を懸念する意見が相次ぎ、計画を許可しないよう訴えた。

 また、同市では原因企業チッソの工場排水によって水俣病が起きたことから、「公害の可能性がある施設を造ることで水俣病の轍(てつ)を踏んではならない」との主張が続出した。

 知事は、3月21日までに意見書を作成する。公聴会は午前10時から約10時間にわたり、会場には多くの市民らが傍聴に訪れた。

 計画によると、同社は市南部の山林約83・4ヘクタールの敷地に埋め立て面積約8・3ヘクタールの管理型最終処分場を建設する。埋め立て容量は約203万立方メートル、期間は15年間。同社は「水俣のつらい過去を考え、日本一安全な施設を造る」などと理解を求めている。

2008/01/14 産廃問題で県が公聴会【RKK】(2008年1月14日 12:56 現在)


水俣市の山間部に計画されている産業廃棄物最終処分場問題で業者側が、環境への影響は少ないとした環境アセスメントに対し住民の意見を聞く熊本県の公聴会がきょうからはじまりました。
公聴会は、きょう午前10時から水俣市文化会館ではじまりました。
産廃処分場問題に関する関心は高く、意見を述べることを申し出た人は県内外から全部で98人です。
1日で終えることは出来ないためきょうと、18日の2日間行われます。
公聴会では、住民などが「水がめにあたる山間部の最終処分場建設は飲み水として使えなくなる恐れがある」「水俣病と同じ轍を踏まないようにしてほしい」などと述べ、処分場建設を熊本県が許可しないように訴えました。
公聴会での住民の意見を参考にして潮谷知事が3月21日までに環境保全の見地から知事意見書をまとめ業者側に提出することになっています。



2008/01/13 産廃処分場計画など議題…水俣病事件研究交流集会【読売】

 水俣病問題など水俣地域が抱える様々な公害問題について、意見交換する水俣病事件研究交流集会が12日、水俣市公民館で始まった。テーマは「いま、水俣は」。初日は「IWD東亜熊本」による市南部での産廃最終処分場計画問題を中心に、12組が意見を述べた。

 産廃最終処分場計画は、水俣川上流域の山林が予定地。市は、チッソ水俣工場の産廃(メチル水銀)が原因物質となり、未曽有の公害を引き起こした「水俣病の悲劇」を繰り返してはならないとして、市産業廃棄物対策室に事務局を置き、55団体の連合体として反対運動に取り組んでいる。

 この問題を取り上げた市産業廃棄物対策室の川野恵治室長は「なぜ水俣に造るのかが素朴な疑問」と指摘。具体的な課題として▽周辺には温泉街や学校がある▽予定地の下流域に上水道の取水地がある▽土砂災害が起こりやすい地質、地形▽搬入道路が狭い――を挙げ、「反対運動は長期戦になる。建設を止めるため市民の力を合わせよう」と訴えた。

 交流集会は、公式確認50年の2006年1月、前身の水俣病事件研究会を引き継ぎ、熊本学園大(熊本市)で始まった。3回目の今回はダイオキシン汚染土砂問題や水俣病裁判なども主題で、初日は約80人が発言に聞き入った。最終日の13日は、認定基準の是非を問う「溝口訴訟」の判決が25日に熊本地裁で言い渡されることなどを踏まえ、6人が意見を述べる。


2008/01/13 研究者が成果報告 水俣市で交流集会【熊日】


 さまざまな立場から水俣病を研究する人が成果を報告する「水俣病事件研究交流集会」が十二日、水俣市浜町の市公民館で始まった。十三日まで。

 交流集会は、熊本学園大の原田正純教授らが呼び掛けて一九九六(平成八)年から開いてきた「水俣病事件研究会」を若手研究者らが受け継いで企画しており、今年で三回目。研究者や学生、教員、水俣病患者ら約八十人が参加した。

 元新日窒労組執行委員長の山下善寛さん(67)は、水俣病の原因企業チッソがカーバイト残渣(さ)の埋め立て場所とした「八幡プール」を取り上げ、「水銀や重金属など多くの有害物質を含むカーバイトが埋まっているが、質量や危険性は公表されていない。海に流出する可能性もあるのに、何の対策も取られていない」と指摘した。

 水俣市の産業廃棄物最終処分場問題やチッソが排出し水俣湾などに堆積(たいせき)しているダイオキシン類の汚泥処理に関する報告では、発表者から「水銀ヘドロを押しつけられた水俣に、これ以上産業廃棄物の埋め立て場はいらない」との意見が相次いだ。

 この日結成四十周年を迎えた「水俣病対策市民会議」の紹介もあり、日吉フミコ会長(92)が「歩ける限りこれからもどこにでも駆け付けたい」と話した。

 十三日は、未認定患者の救済を求めて係争中の訴訟の論点や公害教育に関する報告などがある。(渡辺哲也)

2008/01/09 水俣の産廃処分場 「計画の撤回を」県に市長が意見書=熊本【読売】

 水俣市の水俣川上流域で「IWD東亜熊本」(小林景子社長)が進める産廃最終処分場建設計画に関し、同市は、県環境影響評価条例に基づき同社が作成した見解書に対する「市長意見書」を県に提出した。「地下水汚染などのリスクが極めて高く、設置そのものを再考すべきとの結論に達する」と撤回を求めている。
 「周辺環境への影響は少ない」としている見解書について、市長意見書は「客観性に乏しく、論理的にも科学的にも破たんしている」と批判し、水質や地質、希少動植物の生態系などの調査結果を示している。
 この問題を巡っては、県が14日に公聴会を開く。潮谷知事は、見解書や市長意見書、公聴会の内容などを検討した上で、3月21日までに「知事意見書」をまとめる。その後、同社は所定の手続きを経て環境影響評価書を作成するなどして、廃棄物処理法に基づく設置許可を県に申請。最終的に知事が許可・不許可を決定する。



最終更新:2008年02月04日 10:54