空気読めなくてすまん……
でも、もうそろそろここもゴールなんで、キャラのゴール後ネタを一つ。
泉こなたはシンと結婚した。そして……
「うわぁ~~可愛いぃ」
長女誕生。
お祝いに駆け付けたかがみ、
つかさ、
みゆきは
こなたの隣でスヤスヤと眠る新しい命を見て、黄色い声を上げた。
「こなちゃん! 名前は何にしたの」
「マユだよ」
問いに答えたのは、こなたではなく、その隣で、孫を見ながらニヤニヤしていた
そうじろうだった。
「シンはステラって名前にしたかったらしいが、こなたが猛反対してな」
「あたりまえでしょ~! 自分の娘に夫の初恋の相手の名前なんか付けられたら、私の立場はどうなんのさ~!」
父親に唇を尖らせるこなた。
と、ここで
かがみはこの現場に一人足りない事に気が付いた。
「ねぇ、こなた。ところで、パパはどこ行ったのよ?」
「ああ、シンなら買い物。出産っていうのは入り用な物が多くてさぁ~」
「ねぇ、こなちゃん。赤ちゃん抱いてもいいかな?」
「いいよ~」
先程からそれがしたくてウズウズしていたつかさは、許可が降りるやいなや、素早くマユを抱き寄せた。
「うわぁ、ちっちゃ~い」
しかし、つかさは起こさないようにゆっくり抱き上げたつもりだったが、いつのまにかマユは目を覚ましていた。
そして、マユはつかさに蹴りをくれた。
「痛っ」
その光景を見て、あらあら、と笑うみゆき。
「元気ですねぇ」
「きっとシンに似て、運動神経もいいんでしょうね。将来はスポーツ選手かな」
「いえ、シンさんは頭も良いですから、学者が教師になるもしれませんよ」
「シン君に似るなら、ルックスも良いと思うから、女優とかモデルっていう可能性もあるんじゃないかな」
夢一杯の話にもりあがる三人。しかし、彼女達はいささか片寄った言い方をしすぎた。
「……ねぇ」
「んっ? 何、こなた」
「私に似ると良い所は?」
「へっ?」
固まる三人。
「いやさ、さっきからシンに似ると良い所を上げてるけど、マユは私の血も半分混ざってるから、
当然私に似るところもあるはずだよね。そこん所どうなの?」
三人は上目使いで、頭を高速回転させる。そして……。
かがみ。
「え~と……ほら、あんた運動神経が良いじゃない――」
「それさっき出た上に、運動ならシンのほうが上だし……」
みゆき。
「泉さんはパソコンが得意じゃないですか。
その辺がマユちゃんに似ると、これからの情報社会、生きていくのに有利なステータスになるかと――」
「純粋なパソコン技能もあっちの方が上……」
つかさ。
「え~と、え~と。どんだけぇ……」
三人はオロオロしながら続けて何か言おうとするが、結局何も言えない。
「ねぇ、無いの? 私に似ると良いとこ……一つも?」
こなたはベット上で影を背負いながら精神的に三人に詰め寄る。
その圧力に押され、三人が冷や汗を垂らしながら、入り口近くまで後退すると、
「ただいま。って何やってるんだ三人とも?」
シンが帰ってきた。
「別に!」
シンの問いに答えたこなたは、頬を膨らましながら持っていたポカリにブクブクブクとストロー越しに空気を送った。
夜。全員が帰ると、シンは昼の出来事をこなたから聞いた。
「なんだ、そんな事があったのか」
「全く、失礼しちゃうよ」
「まぁ、どっちに似たって良いじゃんか。そんなの大した問題じゃ……」
シンはこなたがこちらをジッと見つめている事に気が付いた。
「な、何?」
「ねぇ、私のどこを好きになった?」
「はぁ?」
シンは素っ頓狂な声を上げた。
「だって、わたしに良い所があったから結婚したんでしょ?」
「そうきたか」
パイプ椅子を、ギシギシ鳴らしながら唸るシン。
そして出た言葉は、
「う~ん。オタクな所」
だった。
「はっ?」
「あと、人が言っても勝手に本や
アニメグッズを買うのを止めない所、俺がいるのにまだエロゲーを止めないところ。俺が一緒にいてもチャットを優先させる所、etc」
「…………帰れ」
こなたは、本気で怒って、そっぽを向いてしまう。
しかし、シンは落ち着いて、笑いながらこう言った。
「全部って意味だよ」
こなたはしばらく黙っていたが、やがて、
「三十点」
と言いながらこちらに振り向いた。もちろん、もう怒ってなどいない。
「三十点かよ。厳しいな」
「……シン、隣来て」
こなたはベッドをポンポン、と叩いた。
「へっ、隣?」
シンは言われた通りにする。
「これでいいか?」
すると、こなたは無言で、シンの胸に頭を預けた。
「お、おい」
「でもシンは三十点で良いよ……百点だったらキラ・ヤマトだし」
「殴っていいか?」
シンは微笑みながら言うが、目は笑ってない。
しかし、こなたはそんな事は全く気にせず、こう言った。
「わたしもシンのマイナスを含めて好きだし」
「ふっ、バ~カ」
シンは今度は優しく笑った。
「ねぇシン。もうちょっとこうしてていい?」
「もうすぐ面会時間が終わっちまうぞ」
「いいじゃん。誰かに注意されるまでここに居て」
「相変わらず我儘だな」
「そこも好き?」
「さぁな」
ぶっきらぼうな口調とは裏腹に、シンはこなたを優しく引き寄せる。
そんな夜は静かに更けていきましたとさ……。
最終更新:2007年12月02日 10:23