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15-825

『The common feature       is white.』


「なあ、シン?」
「なんだよ?」
 体育の授業の休憩中に白石がオレに話しかけてきた。
「お前、お返しとかはもう決めたのか?」
「ハァ?なんの?」
「とぼけんなよ!お前結構チョコもらってたじゃないか、クソー!羨ましい奴め!」
 そう言って、1人で暴走して、オレの襟首を掴んで揺する白石。
「ちょ、ちょっと待て!何の話か全然わかんないんだけど………」
「だ・か・らホワイトデーだよホ・ワ・イ・ト・デー!」
 そう言って、なおもオレをかくんかくんと揺する白石。
「何だよそれ?」
「……お前、マジで言ってる?」
「ああ」
 …………。
「う、ヴソぉぉぉぉぉ!?」
 白石のそのリアクションの凄さは、オレにかつてのクルーだった人を思い出させた。

「ホワイトデーていうのは、コホン……3月14日にあるもので、簡単に言うとバレンタインのお返しに、男子が女子にプレゼントを渡す日なんですね~」
 なぜか、敬語で説明をする白石。しかもなんかしゃべり慣れてるな…ってもう数日しかねえじゃん!?
「プレゼントってのは何がいいんだ?」
「そうですねー。セオリーはマシュマロじゃないですかね?」



「マシュマロか……それなら、オレの金でも買えるな」
 思った以上の出費にならずにすみそうなので、オレは思わず胸を撫で下ろした。
 が、白石の次の言葉にオレは窮地に立たされる事になった。
「ただ~し!それは義理チョコだけの話!本命チョコはそれに見合ったプレゼントを渡すのが定番です!!」
「なんだってー!?」
 ……ということは、義理以上の手作りチョコをオレにくれたかがみ、つかさみゆきにはそれ相応のプレゼントを渡す必要があるってことか………。
 3人専用に改造したデスティニーを渡そうかとも一瞬思ったが、それを作る時間も金も今のオレには無かった。

「義理以外には何をプレゼントしたらいいんだ?」
「お、お前!やっぱり!?」
「ち、違う!本命じゃないけど、手作りのチョコもらったんだよ!!」
 再び暴走しようとする白石をオレは慌てて宥める。
「それでも羨ましいっうのー!!まあいいや、そうだな……手作りのお菓子とかはどうだ?」
「お菓子ね~………」
 確かに女の子でお菓子が嫌いな奴はいないだろうけど…オレがお菓子作れないんだけど……そうだ!
 オレの脳裏にある考えが閃いた。


「つかさ、頼みがあるんだけど………」
「な~に?」
「オレと付き合ってくれ」

 カラン

 あっ、お姉ちゃんがお箸落とした…って――
「えええぇぇぇ!?」
 い、今のってドラマとかで見るけど、こ、こ、告白だよね!?
 け、結婚式はやっぱり和風がいいかな?でもあの人は洋風っぽいし……ど、どうしょう!?
「ち、ちょっとまて!お前らなんかモーレツに勘違いしてないか!?今のは、つかさに放課後付き合ってくれって意味だぞ!!」
 わたし達の驚きの空気を察して、あの人は慌てて付け加えたの。
 …なんだ告白じゃなかったんだ………。

「驚かさないでよ!私はてっきりつかさに――」
「おや~?なんでかがみんが驚くのさ?」
「うっ!あ、あんただって、青い顔してたじゃない!!」
「してないもーん。髪の色が反射してただけだもん!」
「まあまあ御2人とも…それでシンさん、つかささんに御用があるのでは?」
「あ、ああ、そうだった。つかさちょっと」
 そう言ってあの人は廊下を親指で指しました。どうやらお姉ちゃん達に知られたくない話みたいだけど……なんだろ?
とりあえず、わたしは頷いてあの人と一緒に席を立ったの。




「な~にシンちゃん?」
「つかさ、ホワイトデーって知ってるか?」
「うん、知ってるよ。…あっ、もしかしてプレゼント?」
 でもなんでわたしなんだろ?頼みごとをする時、あの人はだいたいお姉ちゃんやゆきちゃんに頼むんだけど………。
「ああ。お菓子を作って、かがみとみゆきに渡そうと思うんだが、作り方がな……なんとか教えてくれないか?」
 なーるほど・ザ・世界!だからわたしなんだ。
「うん、いいよ。喜んで~♪」
 あの人が頼ってくれるのがすごく嬉しくて、わたしは迷わずOKしたの。
「助かったよつかさ、ありがとな」
「でもシンちゃん、どこで作るの?こなちゃんの家?わたしの家?」
「どっちもダメだ。こなたやかがみに見つかっちまう」
「見つかったら、困るの?」
「そりゃな。いきなり渡したほうが驚くだろ?」
 そう言うとあの人は子供みたいに無邪気に笑みを浮かべたの。
 あの人はいつもは大人なのに、時々子供になるの。そこがすごくかわいいんだよ♪
 そんなこというと怒るんだけどね………。
「とりあえず頼んだぜ」
 そう言うあの人の笑顔がまぶしくて、わたしは恥ずかしくて、頷く事しか出来なかったの。


 わたし達は今、スーパーでお菓子作りの材料を買ってまーす♪
 こうして2人だけで買い物してると、か、カップルにみ、見えたら……あの人に迷惑だよね……あの人と私とじゃ、つりあいがとれてないもん………。

「どうしたんだよ?さっきから百面相して」
「ううん、な、何でもないよ……シンちゃんはお菓子何を作るのかな~って」
「ホワイトデーってのを知ったの今日だから何も考えてない」
「え!そうなの!?じゃあ先に本屋に行けばよかったねー」
「あっ、そうだったな。でも、お菓子なんて基本の材料は一緒だろ?足りなかったら、また買いに行けばいいって」
「うん、そだねー。じゃあ、必要なのだけ買うね」


「え~と、砂糖と卵と生クリームと……それから~あっ、クッキングパウダーもいるよね。ベーキングパウダーもいるかな?……それと………」
「ま、まだあるのか?」
 ゲンナリした口調であの人がわたしに聞いてきたの。
「う、うん。まだ全然足りないよ~小麦粉小麦粉っと」
「オレお菓子作りを甘く見てたみたいだ………」
 あの人は溜め息を吐きながら、そう呟いたの。




「ねぇシンちゃん、これからどこに行くの?」
 つかさがそう尋ねて来たのは、オレ達が本屋でお菓子の本をを買い終えた後だった。
「オレのバイト先」
「それだと、こなちゃんにバレない?」
「別のバイト場所だよ。一つじゃいろいろと金が足りないしな」
「掛け持ちしてるんだ~すごーい」
 そんな尊敬のまなざしでみられてもな~………。

「さあ、ついたぜ」
「シンちゃん、ここってなんなの?」
「喫茶店」
「………」
 つかさの言いたい事はわかる。
 看板には『デザートタイガー』という喫茶店らしくない店名がかいてあるし、建物の形は店名の通りタイガーの形してるし、ここでバイトしてるオレですらここが喫茶店ということを、今だに見るだけじゃ信じられないくらいだからな。

「カッコいい~」
 呆気にとられてたんじゃなくて、見惚れてたのか………。
「見とれてないで、入るぞ」
 オレは苦笑を浮かべながら、喫茶店のドアを押した。


      ~つづく~


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最終更新:2009年04月23日 20:38
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