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16-743

夕飯の買い物帰り、ひかげがシンとバッタリ遭遇して――

シン「まさかこんな所でひかげちゃんに会うとは思わなかったな。
   時間も時間だし、心配だから家まで送って行くよ。
   あ、そうだ。その袋、俺が代わりに持ってあげるよ」
ひかげ「…結構です。このぐらい一人で持てます。だから私の側に近付かないで下さい、はっきり言って迷惑です」
シン「はは…こいつは手厳しいな」
ひかげ「…何のかんの言っておきながら、どうせ本当はお姉ちゃんに近付く口実に私を利用したいだけなんでしょ?
    その為に私に恩を着せようとしたって、そうはいかないんだから」
シン「いや、そんなつもりは無いよ。俺はただ、本当にひかげちゃんのことが心配で――」
ひかげ「心配!?お姉ちゃんに言い寄ろうとしてる人なんかに、私、心配なんてされたくない!
    あんたの言うことなんて信じられない!もうこれ以上、私達に関わらないでよ!
    あんたなんて――私とお姉ちゃんの前からいなくなっちゃえばいいんだぁっ!!」
シン「ひかげちゃん!そんなに走ると危な……ッ!?」

逃げ出すように道路の曲がり角へと走り出したひかげの目の前に、一台の車が突っ込んで来る。

ひかげ「え……」
シン「ひかげちゃんッ!!」

駆け出して来たシンが硬直して動けずにいたひかげの体を掴んで、ギリギリの所で救出に成功する。

シン「大丈夫かい、ひかげちゃん!?」
ひかげ「え、あ……う、うん…」
シン「良かった…本当に良かった…」
ひかげ「……。…そ、その……い、いつまでも掴んでないで、いい加減手を離してください!
    胸に手が当たってます!ろ、ロリコンなんですか、あなたって人は!?」
シン「あ。ごめんなひかげちゃん、乱暴に押し倒しちまったりして」
ひかげ「……って、あれ?」
シン「どうしたんだい?」
ひかげ「た、立てない……腰、抜けちゃったみたい……」

ひかげ「…やっぱり恥ずかしい!降ろして下さい、もう私一人でも歩けます!」
シン「そうはいかないよ。無理して歩こうとしないで、今はまだ大人しくおぶられていた方がいいって。
   それにこれ以上、ひかげちゃんをさっみたいな目に遭わせる訳にはいかないしな」
ひかげ「……あの、一つだけ聞いてもいいですか?」
シン「ん?何だい」
ひかげ「どうして、私を助けてくれたんですか。一歩間違ったら、あなたの方が車に撥ねられていたかもしれないのに…
    私、いつもあなたに酷いことばっかり言ってるのに。
    それなのに、さっきみたいに命の危険を冒してまで…死んじゃうかもしれなかったのに…」
シン「…ひかげちゃんに何かあったら、絶対にひなたさんは悲しむって思ったからさ」
ひかげ「お姉ちゃんが……」
シン「ひかげちゃんとひなたさんは、たった二人の姉妹なんだろう?
   今、ひなたさんが頑張っていられるのは、ひかげちゃん、君という妹がいるからなんだと俺は思う。
   でもね、そうした家族が目の前からいなくなるっていうのは…とても辛いことなんだ。
   そんな辛さ、寂しさ、悲しさを、俺はひなたさんに味わわせたくなかった。
   それを思ったら後はもう無我夢中で、体の方が勝手に動いていたんだ。
   勿論、俺自身がひかげちゃんを助けてあげたかったからっていうのも本当のことだよ」
ひかげ「………」
シン「本当にひかげちゃんが無事で良かった。あんな悲しい想いは…もう誰にもさせたくない」
ひかげ「……えっと。そう言えば私、まだちゃんと言ってなかったですよね…」
シン「うん?」
ひかげ「その、さっきは助けてくれて……どうもありがとう…お兄ちゃん」
シン「…ひかげちゃん」
ひかげ「…っ!な、何ですかその目は!?あーっもう、何だかまた急に恥ずかしくなって来た!
    やっぱり降ろして下さい!私、アスカさんにおぶられなくちゃいけない程子供じゃないです!」
シン「ふふ、だーめ。ひかげちゃんは危なっかしいからなー。心配だから家に帰るまで降ろしてあげない」
ひかげ「もぉーっ!意地悪っ!スケベ!あんたなんかだーいっ嫌いッ!!」

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最終更新:2009年07月10日 03:25
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