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18-507

「どうしたもんかな………」
 オレは呟いて机に置いてある箱を見る。
 後1時間足らずでこなた誕生日を迎えるけど……こなたの機嫌は一向に直らず、オレとかがみはこなたと2日程会話をしていない。
 もちろんプレゼントは渡すけどどう言って渡すか、そこが問題だな。

 こなたの機嫌が悪くなった原因はやっぱり日曜の事でウソをついたことだよな。
 ウソはこなたとの会話でオレかかがみが自爆してバレると思てった……って、そんなの言い訳にならないよな。
 やっぱり正直にウソついたことを謝って……ってなんでオレが謝るの前提なんだよ!?
「ん?……ヤベェ!」
 ふと時計を見ると、短針は12を長針は10を指さそうとしていた。慌ててオレは箱を持って部屋を出た。

 こなたの部屋の前に来たけど、結局どうするかなにも考えてなかった……まあオレとこなたのことだから、話したらなんとかなるだろ。半ば開き直りオレはこなたの部屋のドアを叩く。

 ドンドン

「こなたー入るぞー!」
「………いいよ」
 少しの間があって、こなたが返事をしてきた。やっぱり機嫌は直ってないか。
 オレは息を強く吐き出しこなたの部屋のドアを開けた。



 わたしがドア越しに声をかけるとシンが緊張した面持ちで入って来た。

「あ、あのさ……その、なんだ………」
 シンは私の目の前に座るものの目を泳がせ、なかなか話を切り出さない、その態度から私の脳裏に二日前の夢が蘇る……認めたくないけど充分な証拠は出ている………。
 確かにシンは私の彼女じゃない……でも、シンがかがみと付き合ってると言って来たら、今日だけはかがみを恨んでもいいよね?シンを罵ってもいいよね?明日からは元の私に戻るから……いいよね………。

 ピピッ!

「あ、あのさ、これ………」
 日付が変わる時計の音が鳴ってからシンはラッピングされた箱を私のそばに置いた
 どう見ても、その中に結婚式の招待状が入っているとは思えない。じゃあ、これは一体………?
「誕生日おめでとう、こなた。それはオレからの誕生日プレゼントだ」
「………へっ?」
「なんだよ、その顔は……まさかオレがお前の誕生日忘れてるとでも思ったのか?」
「え……あっ……いや~、よ、予想以上にちゃんとした物が出て来たんでお、驚いたんだよ!」
 少しうわずっているものの、何とかいつもの軽口で返す私。
「お前な……馬鹿にすんな!」
「開けていい?」
 シンの返事を聞かずに私は逸る気持ちを抑えられずに箱を開けた。
 箱の中身は中心が赤くて縁は黒のペンダントだった私はそれを手に取って眺めてみる。
「それでかがみのことなんだけど………」
 先にプレゼントを渡したのは私の機嫌を取るためにしたことなのかな………。


「オレがかがみに口裏合わせてくれって頼んだだけで、かがみは悪くないんだ」
「随分、かがみを庇うんだね」
 私はシンに皮肉たっぷりの言葉をぶつける。
「そりゃな」
 その言葉に私の胸に一本の針が刺さる。だか、次のシンの言葉は私が予想してない言葉だった。
「そのペンダントを買う時にかがみが手伝ってくれたんだ。ペンダントをお前の好きな色にしろって」
「えっ!………」
 かがみは私の好きな色をシンに教えてくれたってこと?
 確かに赤と黒は私の好きな色で、好きな人の眼の色、好きな人の髪の色。
 私は無意識にペンダントを握り締める。
 その時ペンダントの裏に何か彫ってある事に気付いた。

 わたしがペンダントを裏返すと、そこには『SからKへ日頃の感謝を込めて~』と彫られていた……『K』って私のことだったの………?
「お前を驚かそうとして、黙ってたんだけど。それがお前を怒らせたんだな、ごめん」
 呆然としている私に本当にすまなさそうに頭を下げるシン。
 私の頭の中でかがみとシンの取った行動の意味がつながっていく。そして、脳裏に蘇る自分の勝手でバカな振る舞い。
「…アハ…アハハハハハ――」
「こ、こなた?……おかしくなったか?」
「違うよ、もう!………今年の誕生日はツンデレコンビのせいで最悪だよ!
最悪で絶対忘れられない誕生日だよ!」
「こなた………」

 今、私はどういう顔をしてるんだろ?きっと泣きながら、笑ってて酷い顔だよ。でも、しょうがないよ。こんな時どんな顔したらいいかサードチルドレンでも教えてくれないよ。



「じゃあオレは戻るな」
 こなたも機嫌が直って、プレゼントも喜んでくれたみたいだし。
 泣いてるところをあんまり見られたくないだろ。
「待った!」
 立ち上がろうとするオレをこなたが制した。
 ちなみにこなたの顔にはすでに涙はなく、いつもの顔だ。
「乙女を泣かせたまま帰れると思うなよ!私のターン!」
 そう言ってこなたはベットの下から箱を出して来た。
「なんだこれ?」
「いいから、見て見なされ♪」
 こなたに促されオレは箱を開ける
「こ、これは………」
 箱の中身はMGソードインパルスとブラストインパルスの箱が2つ
「こ、こんなの出てたか?」
「いや~苦労したよ。お父さんのコネを使って特注してもらったんだよ」
「…………」
「あれ?……気に入らなかった?………」
「いや、気に入る気に入らない以前になんでオレがプレゼントもらえるんだ?」
「やれやれ、まだわからないからな~」
「全然」
「今日は何の日?」
「お前の誕生日だろ?」
「はぁ~……今日はシンが私の家に来て1周年の日」
「えっ?………あっ!」
 言われるまで気付かなかった。そうだ、1年前のこの日にオレはあっちの世界からここに飛ばされて、みんなと出会って………。
 「まだ」とも「もう」とも、とれる1年。オレはその1年で大切な守りたい人達ができた。



「シン、会えてよかったよ。これからもよろしくね」
 会えてよかった、かオレもこなたと会えて―――
「だってさーシンがいないと、徹夜でゲームする相手いないし、秋葉に行った時荷物持ちいないし」
 オレはアンタの召使いかなんかか!?
「シン、今の言葉で泣いてもいいよ~」
「ああ、別の意味で泣けてくるよ!!……まあソードとブラストに関しては……ありがとな………」
「うむ、やっぱシンはかわいいね~」
 こなたのしたり顔を見てオレは確信した。こいつはオレがウソをついた仕返しでオレをからかっている、と。

「もういい!ホントに戻るぞ!」
「待った!まだやることがあるよ」
 まるでさっきの再現の様なやり取り。
 やることって………まだあるか?
「わたしのプレゼントペンダントだよね?」
「ああ、そうだけど………」
 なぜかは分からないが嫌な予感がする。
「じゃあ、つけて」
 そう言ってこなたはオレにペンダントを渡す。
「…ハァ?……それはオレがお前に、ってことか?」
「うん」
「な、な、なんでオレが――」
「今日は私の誕生日、だよね?」
 こなたがどこかの首長国代表の様な絶対的な言葉を出す。
「……く、クソー後ろ向けよ!!」
「あいあいさー」

 オレは震える手(もちろん怒りのためだ。念の為に言っとくけど)でこなたにペンダントをつけた。



 シンが恥ずかしさと怒りで部屋を出てった後、わたしは右手で首につけているペンダントを遊ばして、左手で携帯のメールの文字を打ち込んだり、消したりしていた。
 打っている内容はかがみに対する謝りのメールだ。
 わたしとシンどっちが悪いかはひとまず置いといて、かがみは今回は主にわたしにとばっちりを受けた側だ。
 謝って置きたいし何よりお礼を言いたいんだけど……何て送ればいいのか思い付かないし……それにガチ打ちするのはなんか恥ずかしい。
 という理由でさっきからまったく文面が進んでない。

「……これでいっか」
 さんざん考えて文面は『いろいろとごめんね~』に決めた。
 シリアスが苦手なわたしだとこれが限界だ。

 ♪誰だれだれがー♪

 かがみからの返信はすぐに来た。
 恐る恐るメールを開けるわたしに『許す』という短い文面が入って来た。
「ちょっ!かがみん、短すぎ!!」
 余りの男前なかがみのメールに思わず笑ってしまう。
 まあ、そんなかがみもシンの前じゃ……って私も一緒か。そんなことを考えると私の笑いは苦笑に変わる。

「さってと………」
 私は携帯をベッドに投げ捨てて、変わりに枕を持つと、部屋の入り口に向かう。

 行き先は決まっている。かがみも『許す』って許可してくれたし、朝シンに何か言われても誕生日を盾にすれば大目に見てくれるはず。

 そして今日もまた寝不足決定☆


~『28日』fin~



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最終更新:2010年01月24日 23:31
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