先の発言でうっかり死亡フラグを立ててしまったシン。死亡フラグが示す通り、その戦いは・・あまりに悲惨だった。
シン「そ・・・そんな!なんで・・?」
シンは驚愕していた。己の操る機体の体力が、もうレッドゾーンに突入しているということに。
攻撃しまくっているのに、相手に全く当たらない。
それなのに相手の攻撃は確実に・・確実にシンの操るデスティニーの体力を削っていく。この状況から、シンはイライラしていた。
シン「くそぉ!!なんで・・なんで当たらないんだーーッ!!!!」
シンは苛立ちを対戦相手の
こなたにぶつけるが、全くこなたは物怖じしていない。
そして、こなたは余裕の表情でトドメに入った。
こなた「じゃあ・・・居合いー!ありがとじゅしたー!」
その声と共に、画面の中のデスティニーは・・・こなたの操るストフリに容赦なく真っ二つにされた。
シン「また・・・負けた。なんて火力とパワーだよ・・そいつ(ストフリ)は・・!」
シンは力なく項垂れる。ZAFTのエース・・その自負が完全に砕かれ、シンは今にも風に吹かれて飛んでいってしまいそうだった。
こなた「やたー!これで42連勝だー!」
シン「ってことはオレは42連敗ってことなのか・・!?って待て、オレはそんなに負けてない。まだ・・35連敗ぐらいの筈だ!」
…勝者と敗者。その差があまりに痛々しい。
こなた「・・それでもかなり負けてるじゃん。っていうか、あんなに格闘振りまくっても当たらないのだよー」
シン「な・・何を!やらなきゃ、やられるだけだろ!?」
こなた「なんというか・・こう・・駆け引きってモンがあるんだよね。でもさ、それにしてもシンくん・・弱いね」
弱い。その言葉はシンにとって最も許せないもの。早い話、ブロックワードのようなものである。
シン「・・よ・・・弱いだって・・!オ・・オオオオレは・・弱くなんか・・・弱くなんかッ・・・・!!」
そういってシンは逃げるようにこなたの部屋を出て行った。
さらに、その際の捨て台詞が
シン「必ず・・必ず汚名挽回してやるからな・・!足を洗って待ってろ!アンタのストフリ・・・オレが必ずブッ潰す!」
もはや仮にも主人公のものとは思えないモノであった。
こなた「足??・・・それに汚名挽回って、それなんてジェ○ド・・?」
シンはこれからも負け続けるフラグを自身で立ててしまったことに・・・気づくはずもなかった。
そしてシンは自身の部屋に戻り、対ストフリの作戦を練ることにした。単細胞なようで意外と律儀な面もあるシンは、負けた理由を分析する。
シン「・・少し格闘を振りすぎた。どうやらそうそう当たるもんでもないらしい。・・オレはかなり当てられたけど。タイミングなのか?
とにかく、もっと冷静になれれば・・勝機はあるはず。それに覚醒もパワーよりスピードの方がいいか・・?」
シンは着々と研究を重ねていく。主人公というのは努力を積み重ね、精神的にも肉体的にも強くなっていく。それが王道である。
ただ、シンの場合はそれが必ずしも報われるわけではない・・・ということなのだが。
そんな中、シンの部屋を訪ねる人影がひとつ。
そうじろう「よぉシン。何やってるんだ?」
シン「・・親父さんですか。何の用です?」
質問にも答えず、シンはぶっきらぼうに返答する
そうじろう「いやぁ、こなたから聞いたんだけど・・あのゲームで君がカモにされてるって聞いてね。同じ境遇のものとして・・一つアドバイスをあg」
シン「同じ境遇?・・なら、別にアドバイスなんていりませんよ。負けた人の経験なんか、参考になりませんから。
それと研究の邪魔ですから、出てってくれます?」
家主のご厚意をシンは容赦なく切り捨てた。言っておくが・・シンはこれでも一応、居候の身である。
そうじろう「うう・・・。そ・・そんな・・・!あ、あんまりだーーーッ!!!」
そういってそうじろうは、泣きながら部屋を出て行った。
シン「へッ!アドバイス言うだけなら、誰にだって・・・!」
こうまでシンが冷たいのも、ストレスからかシンの精神がとても荒廃しているからであろう。そう思いたい。
そうこうしてる間に、シンの研究は更に進む・・。が、ここでシンは超えられない壁にぶつかった。
それは、純粋な実力差の問題であった。
精神的な面、戦術的な面はどうにかなるものの・・肝心の自身の実力が伴っていないことにシンは気づく。
タイマンなので、相手がストフリなら2回落とせばいいのだが、先の戦いでは一回すら落とせていなかった。
しかし、今更引き下がることなど・・シンにできるはずもない。
シンの目から輝きが消え、乾いた笑みを漏らしはじめる。
シンは、決めてはいけない覚悟を決めた。
シン「・・・オレは・・勝つんだ・・。どんな手を・・使ってでもな・・!!」
もはや、その目は血に飢えた野獣が持つそのものである。
さらには勝利への貪欲なまでの執念が具現化したのか、シンの体からはドス黒いオーラが出ていた。
シン「オレは・・主人公だ・・・!」
その禍々しい姿を見て、シンを主人公だと思う人物は・・・残念ながら誰もいないだろう。
こうしてシンは、こなたの部屋にノックもせず乱入した
こなた「おお・・きたか小童よ。・・ってアレレ?シンくん、そのドス黒いオーラは何なのさ?」
シンはオーラを纏ながら、ゆっくりとした足取りで・・こなたに近づく。
シン「優しさ・・戸惑い。オレはそれら全てをかなぐり捨てた・・!ただ、アンタを倒すためだけにな・・!!」
こなた「なんか気合入ってるじゃん。じゃあ、勝負する?」
シン「望むところだ。・・それと始めに言っておくが、勝負には卑怯もクソもないよな・・?」
こなた「へ?・・今なんて言ったn」
シン「・・答えは聞いてない!」
問答無用で会話を終わらせたシンは、自分からプレステの電源を付ける。
そうしてこなたの隣に座り、シンは彼女を鋭い視線で睨んだ。禍々しいまでの執念・・、それは彼がいろんな意味で輝いていた対フリーダム戦を思い起こさせる。
しかし、こなたはそのシンの憎悪を受けてなお、平然としている。
そしてシンがテレビを付けると、ストフリのタイトルバック画面が現れる。・・それがシンの神経を逆撫でした。
シン「なんでストフリがタイトルバックなんだよ!!普通はデスティニーだろ・・!!一体・・何考えてんだ・・」
こなた「まぁ、仕方ないって。
アニメは後期からこうだったしさ。それに主人公がこんな小さな事気にしてちゃいけないよ。それにデスティニーのタイトルバックだってあr」
だがシンは話を最後まで聞かずに、こなたに憎悪を込めてこう言い放つ。
シン「・・・まぁ、いいさ。徹底的に・・・徹・底・的・に・・アンタを倒すッ!!」
こうして二人は機体を選ぶ。シンは無論、デスティニー。こなたもストフリである。覚醒は両者ともにスピードを選択した。
パイロットに自身の名前を入力したこなたは、オプション画面で時間制限などの設定を始める。
…が、ここでこなたは異変に気づいた。
こなた「シンくん・・・なにやってんの?」
なんと・・シンが自身側の覚醒時間や覚醒増加率を∞に設定したのである。
シン「・・こうでもしないと、デスティニーがオレの操作についてこれないんだ・・。おっと・・悪いけど、卑怯と罵られても俺は何も感じない。
勝負には卑怯なんてないんだ・・!それに何と言われようとオレは・・アンタに勝つためなら外道にでも成り下がっt」
こなた「んー、別にいいよ。それより早く勝負しようよ」
あくまで余裕の態度を取るこなた。その態度は、更にシンを逆撫でするものであった。
「余裕こいてられるのも・・今のうちだけだ・・!!オレが薙ぎ払ってやる・・!」
ついに戦いが始まった。やはり常時覚醒という反則的な能力を持ったシンが有利・・ではあるのだが、こなたは見事にそれに対応していた。
シン「くそぉ・・!なんで落ちないんだよ!いい加減落ちろッ!!」
こなた「いやぁー、落ちろと言われても・・そう簡単に落ちるわけにもいかんのだよー♪」
シン「・・・負けてたまるか!オレは・・・絶対に・・絶対にッ!!」
熱戦が繰り広げられるこなたの部屋。戦いもついに終盤へと入る。お互いの体力はもうレッドゾーンに差し掛かるというところだ。
こなたは覚醒を使用したものの決定打には至らず・・結局、常時覚醒という状態のシンが有利なのは変わらずであった。
シンが下手なのもあるが・・それでもその状態のシンと互角に戦うこなたは賛辞に値するだろう。
シン「・・・この戦いも終わりだな。・・勿論、オレの勝利で!!」
こなた「いやいや、勝負は下駄を履くまでわかんないもんだよ」
そこでシンは、目を閉じる。そして、・・・集中した。
シン(落ち着け・・落ち着くんだ。・・・オレはいつも大事なところで冷静さをなくし・・負け続けてきた。
でも・・でも!今日は違う。相手のブーストを冷静に把握しろ・・・!オレは勝つ・・勝つんだ!)
シンは目を開く。その視界はどこか澄み切ったような・・クリアな感じであった。相手の動きが・・なぜか手に取るようにわかるのだ。
一方、こなたもシンの異変を感じていた。
こなた「ムムッ!!・・シンくんの動きが変わった。・・熱くなってるようで・・冷静でもあるや・・」
そしてシンはこなたの動きを・・完全に見極めた。
相手のブースト残量・・ゼロ。そして壁際。こちらにもブーストはないが格闘性能でこちらが上回っている。もう避けることなどできない。
シン「そこだぁぁッ!!!!!!」
シンは魂を乗せた渾身の横格闘を繰り出す。それはストフリから撃たれていたビームを見事に避けている。
そして・・・その一段目が見事に命中した。
シン「殺った!!!」
ついに・・・勝った。シンは喜びで目から涙が溢れそうになる。
だが・・・無常にもこの台詞も負けフラグだった。
こなた「シンくん。まだ終わってないよ」
シン「何を!今からデスティニーのサマーソルトが・・サマーソルトが・・ってアレ・・?」
シンは信じられない光景を目にした。なんと、デスティニーの格闘が2段目から外れていたのだ。
こなた「壁際だったり、当たり方とかで格闘って・・たまにズレたりして2段目以降が当たらないってことも結構あるんだよねー・・」
シン「・・バカな・・そんな・・そんなッ・・!!」
こなた「それじゃー、ポチッとな」
そう言ってこなたはサブ射ボタンを押した。
フルバーストが格闘硬直の残るデスティニーに容赦なく降り注ぐ。
シン「う・・うわぁぁあぁぁ嗚呼ぁぁあぁぁぁあ!!!!!!」
…シンはまたも敗北したのだった。
こなた「いやー、危なかったよー」
勝負の後、シンはまた項垂れていた。その姿は正に敗者のものである。
シン「勝つべくして・・勝つはずだったのに・・!・・頼む!もう一回・・勝負してくれないか!?」
こなた「うーん。負けを負けと認められないなんて、男らしくないよ」
シン「でもオレは・・アンタに勝つまで納得できないんだ・・。頼む!」
するとこなたは何を考えているのか、少し意地の悪い笑みを浮かべる。
その笑みを見たシンは・・一瞬、寒気を覚えた。
こなた「じゃあさー、私が使うパイロットを変えるけど、それを認めてくれるなら別にいいよー」
シン「え、たった・・それだけでいいのか?それにパイロット変えたって別に機体の性能は変わらないんじゃ・・?」
こなた「いいからいいからー」
そしてシンは・・こなたが選択したキャラを見て、愕然となる。
シン「ス・・・ステラ!!」
するとこなたはニヤニヤしながらシンにヌケヌケとこう言った。
こなた「それがどうしたの?顔が真っ青だよー」
シン「オ・・オレに・・・ステラを攻撃しろってのか、アンタは・・!!?そんなことできるわけ・・・・って、アンタ卑怯だぞ!!」
だが、こなたは動じない。
こなた「アハ♪卑怯なんてないって言ったのシンくんだもん♪それに卑怯なんて言葉知らないもーん♪」
全く持ってシンに返す言葉などない。それまでシンが卑怯といえる行為をしていたのだから。でも、言い返さずにはいられない。
シン「こ・・・このアホ毛ーーーッ!!!!!」
…戦いは終わらない。
その後も、攻撃できないシンをいいことに・・こなたはデストロイinステラでシンを徹☆底☆的♪に弄り殺したとか・・そうでないとか。
なんにせよ、シンがそのゲームに手を出すことは・・二度となかったという。
シンに新たなるトラウマが増えたのであった・・。
終
最終更新:2007年11月10日 08:31