4-482

今日はアスカさんと2人きりで帰宅。
はぅぅぅ、緊張します。

シン「高良、どうしたんだ。そんなに離れて。ひょっとして俺、口臭いか? 昼に食ったニンニクラーメン(チャーシュー抜き)が……」

みゆき「あ、いえ違うんです」
シン「そう。じゃあ、もっとこっちに寄れよ」
みゆき「は、はいぃ」

脇にぴったりと密着。側により過ぎたせいで自分の心音がアスカさんに聞こえないかと心配です。
その時です。アスカさんは『あ』とうれしそうな声をあげておもちゃ屋さんの前にまで駆けて行きました。

シン「すげぇ~『仮面ライダー』のガシャポンだ」
みゆき「……アスカさんって仮面ライダーがお好きなんですか?」

以外です。大人に見えるアスカさんにもこんな趣味があったなんて。

シン「まあな、ちょっとやっていいかな?」
みゆき「答えは聞かないけど、ですか?」

以前泉さんの家に泊まったときに見た台詞が自然と出てきてクス、と2人で笑います。
小銭入れから100円を取り出してアスカさんが一回、私が一回 ガシャポンを回します。

アスカさんが『仮面ライダーストロンガー』
私が『電波人間タックル』

一緒についてきた説明書(?)によるとこのストロンガーとタックルは2人で一緒に戦い、しかも互いに両思いだったヒーローだそうで。

り、両思い……。

みゆき「な…なんか照れますね」
シン「え?そうか?(ガシャポン回すの、やっぱ恥ずかしかったのかな?)」

その後、再び帰路を歩きながら、アスカさんに聞いてみました。

みゆき「なぜ、アスカさんは仮面ライダーが好きなんですか?」
シン「……仮面ライダーってさ。時代が、人々が呼べば、必ず現れてくれるんだ。それがたとえ戦場であろうとも」

泉さんが持っている漫画の話をアスカさんは話してくれました。

紛争で親のいなくなった子供達。
大人を信じられなくなり、笑うことすらできなくなった彼らを生きた兵器に改造しようと企んだ怪人。
その子供達のために、ボロボロになりながら怪人を倒したヒーローの話を。

シン「……分かっているんだけどさ。ヒーローなんていない。世界は結構 残酷だって」
みゆき「アスカさん」

しんみりした空気が辺りを包みます
今、思うと、なんであんな大胆なことが出来たのか分かりません。
ただ、アスカさんの悲しそうな瞳を見たとき、私はアスカさんの背に手を回し。

「そんなことありません!」

アスカさんに抱きついていました。

「わ、私にとって……アスカさんはヒーローです!!」
「お、おい……って……おれが!?」
「だから……ヒーローはいない、なんて残酷なこといわないでください」

アスカさんは黙って、私を抱き返してくれました。
あぁ、幸せです。

「高良…俺、お前を守るよ。ううん。お前だけじゃない。こなたも柊達も俺が守るから。みんな、みんな おれが守るから」


シン・アスカは決意する。
もう二度とこのぬくもりを手放しはしない。
大切な人は命をかけて自分が守る。

妹や踊ることの好きだった金髪の少女ような、あんな悲惨な目には決してあわせまいと。

そして少年はそのネガイを実感するかのように街頭の往来で少女ときつく抱き合ったのであった

FIN

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最終更新:2009年05月18日 05:01
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