2病理まとめ
◎不可逆性細胞障害を伴う細胞内小器官の変化
1.ミトコンドリアの腫大
2.核の濃縮
3.リソソームの破裂と自己融解
4.小胞体の融解
5.細胞膜の断裂
6.ミトコンドリア基質への高Ca密度物質の沈着
○細胞障害の一般的な生化学的機序
1.ATPの枯渇・・・ミトコンドリアでのATP合成の障害
2.酸素欠乏・・・虚血、低酸素血症
3.Ca濃度のホメオスタシスの消失・・・細胞内のCa濃度上昇
4.細胞膜・形質膜透過性の傷害・・・原形質膜の直接傷害
5.ミトコンドリアの傷害・・・ミトコンドリアの透過性変異
○フリーラジカルによる主な細胞障害反応
1.膜基質の過酸化
2.DNAの断片化
3.タンパク質の架橋と断片化
4.ポリペプチドの断片化
○ストレスに対する細胞内での変化と反応
1.リソソームの関与と変化(分解・貪食)
2.sERの誘導(肥大)
3.ミトコンドリアの変化(透過性の変異)
4.細胞骨格異常(中間径フィラメントの凝集→マロリ体)
5.熱ショックタンパク(HSP)の誘導
○萎縮の種類
1.生理的萎縮
2.褐色萎縮(肝臓)
3.圧迫萎縮(水腎症、水頭症)
4.神経原性萎縮(横紋筋の萎縮)
5.飢餓萎縮
○肥大と過形成のちがい
肥大:細胞の大きさの増加
過形成:細胞の数の増加
○化生と異形成のちがい
化生:1度分化・成熟した組織、細胞が他の成熟した組織に可逆性をもって置き換わる(気
管での円柱上皮の扁平上皮化生など)
異形成:組織中の細胞成分の大きさ、形、形態・構築が変化する。
○転移性石灰化と異栄養性石灰化のちがい
前者:正常組織にCaが沈着し、高Ca血症とCa代謝異常を伴う
後者:血清Ca値は正常で、壊死や壊死しそうな組織にCaが沈着する
◎リソソーム貯蔵病
疾患 欠損している酵素
糖原病
Ⅰ型(von Gierke病:肝型) グルコース-6-ホスファターゼ
Ⅱ型(Mc Ardle症候群:筋症型) 筋ホスホリラーゼ
Ⅲ型(Pompe病:混合型) リソソームのグルコシダーゼ
ムコ多糖症(MPS)
Hurler病 L-イズロニダーゼ
Hunter病 L-イズロノスルフェートスルファターゼ
Tay-Sachs病 ヘキソサミニダーゼA
Niemann-Pick病 スフィンゴミエリナーゼ
Gaucher病 グルコレセブロシダーゼ
○鉄代謝異常と銅代謝異常
鉄:ヘモジデリンが沈着。先天性の場合はヘモクロマトーシス(色素性肝硬変)
銅:ウィルソン病では、銅が肝臓に沈着
○壊死の種類
1.凝固壊死:細胞骨格を形成するタンパク質、酵素タンパクが変性するので死細胞のタンパク融解が進まない。原因は、血流の急激な途絶や最近の毒素。
例)脾梗塞、心筋梗塞、腎梗塞
2.融解壊死:壊死になった組織の急速な軟化、融解。例)脳軟化、膿瘍
3.脂肪壊死:膵消化酵素が周囲へもれることで、脂肪細胞が壊されそれによりトリグリセライドが放出されて水解する。すると脂肪酸が遊離してCa-脂肪酸を形成する。(石鹸化)
4.乾酪壊死(結核症):マイコバクテリアが重要で、Ⅳ型アレルギーの一種。
5.フィブリノイド壊死:動脈壁への血漿タンパクの侵入によって、血管壁が好酸化する。
◎アポトーシスの機序
①シグナル伝達
②調節と整合:致死的シグナルを実行するか否かを決定
③アポトーシスの実行:カスパーゼによるタンパク分解。アポトーシス小体の形成
④死んだ細胞の除去
○急性炎症の4主徴
発赤、腫脹、熱感、疼痛
○白血球活性化のメカニズム
走化因子と白血球表面の受容体の結合
→ホスホリパーゼの活性化
→細胞内Caの増加
→アクチンフィラメントの増加
→偽足を形成→運動!
炎症での血管透過性亢進作用のあるケミカルメディエーター
1.血管作動性アミン(ヒスタミン、セロトニン)
2.血漿プロテアーゼ(Hageman因子)
キニン系:ブラジキニン、カリクレイン 補体系:C3a、C5a
3.アラキドン酸代謝産物(プロスタグランジン、ロイコトリエン)
○急性炎症での血管透過性亢進のメカニズム
1.内皮細胞の収縮による間隙形成
2.内皮細胞の損傷(直接or白血球依存性)
3.細胞内小胞を経由する細胞内物質輸送亢進
4.新生血管からの漏出
◎白血球の血管外遊出のメカニズム
1.血管内皮の活性化
2.辺縁趨向marginationと回転rollingが起こる(白血球の蓄積)
3.接着(インテグリンと免疫グロブリンスーパーファミリー)
4.遊出
○ケモカインについて
1.分子量が小さく、構造的に相互に関連のある一群のタンパク質
2.造血前駆細胞を刺激し、多種類の白血球の活性化因子や走化性因子として作用する
3.ケモカインの組み合わせで、炎症巣の炎症性細胞の構成が決定
4.線維芽細胞や平滑筋細胞などの間葉系細胞を活性化
5.細胞外基質に結合し、補給された細胞が一定方向へ遊走する濃度勾配を維持
6.標的細胞上のGタンパク質と共役した特異的レセプターと結合して活性化
○炎症の種類
1.化膿性炎:好中球の浸潤を特徴とする。敗血症
2.線維素性炎:フィブリンの析出。絨毛心、大葉性肺
3.漿液性炎:タンパク濃度の高い液状成分の滲出物が主体
4.出血性炎:ペスト菌の感染、Weil病
5.壊死性炎
○慢性炎症の特徴
1.マクロファージ、リンパ球、形質細胞を含む単核球浸潤
2.炎症反応に関連する持続的な組織破壊
3.小血管の新生と線維芽細胞の増加をもたらす組織修復
○慢性炎症における活性化マクロファージの作用
1.盛んな貪食能により、病原体を除去
2.抗原提示作用
3.活性酸素ラジカルやプロテアーゼを産生する
4.走化性因子やサイトカインを産生
○肉芽腫性炎について
肉芽腫granuloma→活性化されたマクロファージ系由来の類上皮細胞と、多核巨細胞か
らなる小結節。
○肉芽腫性炎を呈する感染症
○肉芽腫性炎を呈する非感染性疾患
- サルコイドーシス
- 慢性関節リウマチ
- Wegener肉芽腫症
- 原発性胆汁性肝硬変
- 異物肉芽腫
○細胞間信号伝達のパターン
1.Gap junction
2.Autocrine
3.Paracrine
4.シナプス伝達
5.内分泌伝達
○細胞外基質の接着性糖タンパクについて
- フィブロネクチン→2つの結合ドメインをもつ。(ECM成分とインテグリンに結合する)
- ラミニン→十字形で、ECM成分と細胞表面とを結合させるドメインを持っている。細胞
の生存、増殖、分化、運動性を調節。
◎血管新生のメカニズム
○創傷治癒の比較
二次治癒の特徴
1.大きな組織欠損自体によって、除去される必要のある大量の壊死性崩壊産物、滲出物、線維素が生じる
2.はるかに大量の肉芽組織が形成される。
3.創傷収縮を生じる。
○NK細胞について
→ペアード受容体を持つ(活性型と抑制型)
NK阻止受容体KIR(Killer Inhibitor Receptor)
標的細胞のMHCクラスⅠを認識して、NK細胞による細胞溶解を抑える。
○スーパー抗原について
- ある特定のTCRβ鎖V領域二反応してT細胞を活性化する
- MHCクラスⅡの側壁に結合して提示
→MHC拘束性がなく、CD4、CD8をもつT細胞の両方を活性化
→広汎なサイトカインを産生
→G(-)菌由来のLPSに誘導されるエンドトキシンショックに似た状態
◎アレルギーの分類
○中枢性免疫学的寛容について
自己反応性のT細胞、B細胞がその成熟過程で、胸腺(T細胞)や骨髄(B細胞)で除去されること。
○末梢性免疫学的寛容の機序
①アネルギーの誘導:抗原と遭遇したときに誘導されるリンパ球の(不)可逆的な不活性化
②活性化誘導性細胞死:Fas-FasLシステムによる活性化T細胞のアポトーシス誘導
③T細胞による末梢性抑制:他のT細胞を調節する抑制型T細胞(Treg)による、抑制型サイトカインの分泌
○免疫寛容不全の原因
1.T細胞アネルギーの破綻
2.活性化誘導性細胞死の不全
3.T細胞による末梢性抑制の不全
4.分子擬態
5.多クローン性リンパ球活性化
6.隔絶自己抗原の暴露
○ADCC(抗体依存性細胞仲介性細胞傷害)について
IgGに覆われた標的細胞が、IgGに対するFcレセプターをもつ細胞に殺される。
◎SLE患者での特徴的な所見
皮膚:融解性変性、浮腫
心臓:Libman-Sacks心内膜炎
脾臓:玉ねぎ皮病変
腎臓:ループス腎炎
○色々な自己免疫疾患
→自己抗体はリウマチ因子。パンヌス、滑膜上皮の絨毛心増殖、リウマチ結節。
→自己抗体はScl-70抗体。CREST症候群(Reynaud現象)
→フィブリノイド壊死
→自己抗体はP-ANCA。特徴は皮疹
→特徴は、連合弁膜症
→自己抗体はJo-1抗体。ヘイオトロープ疹、ゴットロン徴候
→糸球体腎炎、びまん性肺胞出血
○橋本病とBasedow氏病(Graves病)について
両者とも自己抗体は、抗TSHレセプター抗体であるが、橋本病では甲状腺機能が低下するのに対し、Graves病では甲状腺機能は亢進する。
○アミロイドの特徴と、沈着を証明する方法
<特徴>
1.均質な好酸性の硝子様の細胞外基質として見られ、蓄積がひどくなると周囲に侵入して近くの細胞を圧排して萎縮させる。
2.単一の化学的構造を持たない。
<証明法>
1.コンゴーレッドで染色すると赤くなる。
2.偏光顕微鏡で見ると、黄緑に見える。
◎全身性アミロイドーシスの前駆体タンパクと原因となる疾患について
前駆体 疾患
AL型 免疫グロブリン軽鎖 多発性骨髄腫
AA型 SAAタンパク質 慢性炎症状態
透析関連 β₂-ミクログロブリン 慢性腎不全
◎AIDSについて
AIDSにおいて、AIDS
ウイルスはCD4を発現する細胞(ヘルパーT細胞)、マクロファージ、樹状細胞、ミクログリアなどに感染する。AIDSの主な病態は、日和見感染症、腫瘍、中枢神経系侵襲である。
◎原発性免疫不全症について
(B細胞に異常を来すもの)
Bruton病:B細胞の前段階の細胞が成熟B細胞に分化できないので、血中にγ-グロブリンができてこない。
IgA単独欠損症
(T細胞に異常をきたすもの)
DiGerge症候群:T細胞の分化不全を伴う遺伝的胸腺発達障害。リンパ節、脾臓、末梢血中にT細胞は存在せず、小児はウイルス、真菌や原虫感染症に非常にかかりやすい。
○免疫不全症でみられる感染症
- カリニ肺炎
- サイトメガロウイルス
- ヘルペスウイルス
○アミロイドーシスの発生機序について
○悪性貧血について
自己抗体:壁細管抗体、ブロッキング抗体、結合抗体
胃粘膜での所見:萎縮と胃壁細胞の消失
原因:B₁₂の吸収が障害される
骨髄での所見:巨赤芽球の過形成、白血球の減少
○結核について
巨細胞の名前・・・多核巨細胞
壊死の名前・・・乾酪壊死
菌が肺病巣から経脈管的に他の臓器へ散布された病態・・・粟状結核
最終更新:2010年06月29日 14:44