魔道学園 エピローグ


”異界の扉”の開放によって漆黒の闇が覆う荒廃の地と化してしまったクロム・マグナ魔道学園ーー
生徒会執行部と黒猫を連れた一人の魔法使い、強大な”敵”である学園長 ダンケル・アダムスが繰り広げる戦いは決着を迎えようとしていた。

自分を犠牲にしてでも、生徒会の仲間たちを守り抜くという使命感で流剣を振るった、生徒会副会長イツキ。
大好きな人のため、大好きな学園のために傷だらけの体に鞭を打って弓を引き続けた、生徒会会計ニコラ。
”仲間”という大切なモノを与えてくれた生徒会メンバーに恩を返すため、相棒たちと果敢に敵に立ち向かった、生徒会書記ヴォルフ。
学園祭を台無しにされ、大切な人たちを傷つけられたことによる純粋な怒りで銃器の引き金を引いた、生徒会書記シャーリー。

生徒会の代表として、学園の未来を救わなくていけないという強い責任感で焔刀を握った、生徒会会長リンカ。

生徒会メンバーの強い想いが宿る魔法の力と、共闘する魔法使いの渾身の一撃が強大な闇の力をかき消した。
若き学園の精鋭たちは、幾多の苦難を乗り越え、ついに学園の平和と未来を取り戻すことができたのだ。

闇の支配から解き放たれ、自我を取り戻した学園長ダンケル。
そして、底を着きかけた魔力を振り絞って唱えられた詠唱によって再び開かれる"異界の扉”。
それは…イツキ達にとって元の世界でもある”鋼鉄の剣と魔法に支配されし異界”へと続く扉だった。

学園を襲った未曾有の大事件を共に戦った"魔法使いと黒猫"との別れの時。
共に戦い、学園の危機を救ってくれた感謝の気持ちと再会の誓いを告げ、生徒会執行部の面々とダンケルは元の世界へと還っていく。

元の世界には、事件があった際に行方不明になった多くの人たちの姿。
どうやら「彼らが行方不明になった」のでは無く、行方不明になっていたのは自分の方だったという事に気がつき、
生徒会執行部の面々は改めて無事に戻ってこれたことの喜びを分かち合う。
そんな光景を見つめる学園長の目には涙が……そして改めて思うのだった、我が生徒たちこそがこの学園の”誇り”だと。

学園長がふと空を見上げると……? 一枚の紙切れがひらひらと舞い降りてくる。
その不思議な力を感じる紙切れを手に取ると微笑み、閉まりかける”異界の扉”へと放り投げる。

ーーその頃、クエス=アリアスでは君と黒猫”ウィズ”が次の目的地に向けて歩みを進めようとしていた。
……? ウィズが何かをくわえている。
君はそれを手に取ると思わず笑みがこぼれ、大事そうに懐へしまった。

クロム・マグナ魔道学園の平和と発展を願いながら、ウィズたちは再び永き冒険の道のりへと駆け出した。

最終更新:2014年08月04日 12:28