クロム・マグナⅢ 臨海学校
「クロム・マグナⅢ 臨海学校」、いよいよ7月28日16時より開催!
概要
学園長の提案で臨海学校に向かう、「クロム・マグナ魔道学園生徒会+α」。
生徒会入りを目指す少女「ノア」の登場により、イツキ達の関係に大きな変化が……?
少年・少女が織りなす、ひと夏の学園ストーリー。そして学園長ダンケルの思惑とは!?
クロム・マグナ臨海学校は、相当な高難度レベルです。
学園長のイメージが変わってきています(笑)。
クロム・マグナ魔道学園は、ギャグ要素が入っていますね。
学園長の悪ノリで臨海学校めちゃくちゃです。
初回クリアするまで消費魔力0
各級クリアで「ノア」の進化素材が入手できます。
ドロップ率1.5倍期間
2014年8月3日 0:00~23:59
2014年8月10日 0:00~23:59
2014年8月17日 0:00~2014年8月18日 15:59
クエスト
ストーリー
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プロローグ |
——クロム・マグナ魔道学園、学園長室。
呼び出された少女……生徒会長リンカは、わずかに目を見張った。
「彼女は転校生なのだが、さっそく生徒会入りを志願してくれていてね」
リンカの前、執務席に着いた学園長ダンケルが、穏やかに微笑む。
「ありがたいことですが……実力はいかがでしょうか」
この鋼鉄の剣と魔法によって支配された世界では、各地で争いが打ち続いている。
ゆえに、クロム・マグナで魔法を学び、戦闘訓練を受けた卒業生は、いずれ自らの故郷に帰り、戦いに駆り出されることになる。
いわばクロム・マグナは、戦闘のエリートを輩出する学園なのだ。
そんな学園の生徒代表たる生徒会メンバーには、特に優れた能力の持ち主が選ばれる。
実際、今の生徒会は、いずれも優秀な成績を収める面々で構成されている。
「彼女のクラスは決まっていますか?」
「いや。彼女は君より2学年下でね。まだクラス分けがされていないのだ。ただ——」
ダンケルの微笑みが、面白がるようなものに変わる。
「見たところ、すばらしい潜在能力の持ち主だ。まだ開花してはいないがね」
ダンケルは吸血鬼の末裔。秘められた魔力には敏感なのだ。
「では、まずは見習いという形で、生徒会の作業を手伝ってもらいましょうか」
「ああ。そうしてくれたまえ」
「承知いたしました」
「そうそう。ヴォルフ君は、その後どうかね? 学園祭で『1年間の私闘禁止』というルールが施行されたわけだが……」
「あ……はい。平穏に日々を過ごせているようです」
「それはよかった。彼は争いを嫌う優しい若者だからね。はは、さぞかし女子生徒の人気も高いのではないかな」
「い、いえ……そういったことは、その、私ではちょっと……」
どこか歯切れ悪く、リンカは答えた。
その後、いくつかの連絡事項をやり取りし、リンカは学園長室を退出した。
残されたダンケルは、背もたれに身を預け、天井を見上げる。
(やはり——ヴォルフ君の話題になると、ああいう反応になるか)
凛とした生徒会長らしからぬ姿を思い出し、あごに指を這わせる。
(まだ自分自身、気持ちの整理をつけられていない……というところかな)
若者たちの青春の悩みは、ダンケルにとって微笑ましいものだ。
時に、辛さや苦さを噛みしめることもあるだろうが、それを乗り越えて強くなってほしい、と切に思う。
(だが……)
残念なことに——彼女たち生徒会の面々に関しては、『ただ見守る』というわけにはいかない。
(多少、荒療治になるが……平和が続いている今のうちに、悩みを乗り越えてもらわなければならないのだ)
ダンケルは、机の上に置かれたままの封書に視線を移した。
『クロム・マグナ魔道学園 臨海学校へのお誘い』。
その本当の目的は——
「……そうだ」
声に出して、ダンケルはつぶやいた。
口の端に、わずかな笑みが刻まれている。
「生徒会が挑むべき試練……となれば、呼ばねばならぬ友人たちがいたな」
——あの魔法使いと黒猫なら、きっと、生徒会のメンバーが試練を乗り越える手伝いをしてくれるだろう……
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生徒 ノア |
「アキラくん!」
教室の隅で帰り支度をしていた赤毛の少年——アキラは、1人の少女に声をかけられた。
くくった髪を活発に揺らす、ジャージ姿の女子だ。
「どうしたよ、転校生」
「ノア、だってばっ。そろそろ覚えてよ〜」
「悪ぃ、悪ぃ。で、オレに何か用?」
「うん! アキラくん、お兄さんが生徒会の副会長なんだって?」
「おう、まあな」
とたん、ノアの瞳がきらきらと輝いた。
「じゃあさ、じゃあさ、他の生徒会の人たちとも知り合いだったりする?」
「あったりまえよ! 会長のリンカさんとはたまに組手するし、書記のシャーリーやヴォルフ先輩とはよくメシ食いに行くし、会計のニコラさんにはよく勝手に屋台こしらえて怒られてるぜ!」
「すごーい!」
「すごいだろー!」
自慢げに胸を張って、アキラは、はたと気づいた。
「あれ? おまえ、生徒会に興味あんの?」
「うん!」
ぶんぶんと、勢いよくうなずくノア。
「先週さ、学園に魔物が出てきたじゃん?」
誰かがうっかり魔法の壺を割ってしまい、封じられていた魔物が何体か、校内に出現したのだ。
すぐに教師たちが駆けつけて戦いを挑んだほか、アキラの兄——イツキたち生徒会の面々も、生徒を逃がしながら魔物と戦っていた。
「そのとき、実はあたし、生徒会の人たちに助けてもらってさ!」
ノアは、あこがれの瞳で語る。
「あたし、近くにいたから戦おうとしたんだけど、手も足もでなかったの。でも、生徒会の人たちは、みんなで協力して、すごく、こう……バッチリ戦ってたの! だから、ホントすごいなー、って思ったの!
それで……」
ぎゅっ、とノアは胸の前で固く拳を握った。
「あたし、すごくあこがれて……生徒会に入りたいって思ってさ!
だから、アキラくん! あたしを生徒会に紹介してくれない!?」
アキラは、ノアの瞳をじっと見つめた。
(——熱い)
直感する。
(こいつの瞳は、本物だ。夢に燃え立つ炎の瞳だ! 例えるなら、鉄板で焼かれ香ばしく踊る焼きそば! いや、丸いからタコ焼きか……!)
「わかった!」
アキラは、ドンと自らの胸板を叩いた。
「おまえの熱意に負けたぜ! 兄ちゃんたちに紹介してやらァ!」
「わーい! ありがとー!」
「でもな、ノア。オレにできるのは紹介までだ。おまえが生徒会に認められるには、アピールってもんがいる!」
「アピール! どうすればいいの?」
「おまえのやる気とガッツを、熱く示さなきゃなんねー。
そのために必要なのは……決めポーズだッ!!」
「決めポーズ!?」
「そう! 誰が見ても『こいつはやる気だ!』とわかるポーズ! そいつを見せりゃ、兄ちゃんたちも一発で納得って寸法よ!」
「そうなんだ! じゃあ……こんなのどうかなっ?」
「お! いーんじゃねーか? けど、ちょっと足りねーな。指は焼きそばを喰らう箸のように鋭く伸ばすんだ! こんなふうに!」
「おお! じゃあ……こう!?」
「そう! そして、こう! さらにこうして、最後にはこうだぁーっ!」
教室の隅で延々と決めポーズを取る2人を、他の生徒たちは唖然と見つめていた。
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最終更新:2014年08月12日 18:30