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  • ファースト・アラート

ファースト・アラート

最終更新:2008年11月14日 16:22

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ファースト・アラート◆S828SR0enc



 ふ、と彼女の意識が目覚めたとき、まず感じたのは頬に当たる砂のざらざらとした感触だった。
 次に、鼻で汐のにおいを、耳で穏やかな波音を感じるに至って、ようやく彼女はここが海なのだと悟った。
 泥のように重い体を起こせば、満点の星空の下に黒々とした水面が揺れている。
 夜の海ってなんだか不気味、と思い、次の瞬間ようやく彼女の意識は覚醒した。

「こ、ここは?」

 冷たい夜風が彼女の長い髪をざらざらとなでる。
 時空管理局のエースオブエース、高町なのはの悪夢はこうして始まった。


◆ ◆ ◆


 目覚めた彼女がまず行ったのは、現状の把握。
 体に特に異常はなし、強いて言えばどことなく気分が悪い程度だろうか。
 管理局のいつもの制服にもとくに異変はなく、まとわりつく砂を払えば本当にいつもと変わらない。
 そろりと足を踏み出せば靴の下で砂が鳴り、まとまりのない思考が一瞬これは夢なのかとも思う。

 だが、そんな彼女の脳内に先ほどの光景が蘇る。

 檀上の男と少女、人とは思えないカタチの生き物たち。
 そして、オレンジ色の水に溶けた少年。

 明らかな異常事態に、にわかになのはの精神が緊張する。
 背中を這い上る嫌な予感に眉をひそめながら、彼女は先ほどの光景を思い出そうと努めた。
 あの場所に集まっていた人々の戸惑いや驚きの声、空気から判断するに、彼女と同様に事情も知らないままに多くの人間――一部例外もあったが――が集められ、そして殺し合いをするように言われたのだろう。
 憤りを感じながら足を踏み出すと、いつの間にかそこに置かれていたデイパックにぶつかった。
 そっと開けてみると、まず小さなコンパスが見つかった。
 それと何本かの水の入ったペットボトルにビスケットのつまった袋が三つ、地図と小さなランタン、そして「名簿」と書かれた薄い本。
 さらに中を探っていくと、布にくるまれたナイフが目に入った。
 よく磨かれ、なのはの顔が写り込むほどに輝いている。


 このような凶器が彼女の手元に配られたことで、彼女の推測は確信に至った。
 異常者による、娯楽のための強制人殺しゲーム。
 何も知らない人々を集め、生き残りたければ人を殺せとそそのかし、本人はどこかからそれを見て楽しんでいる。
 それが彼女がこの事態に対して抱いた印象だった。
 そうとわかれば、彼女のやるべきことは決まっている。
 すみやかに巻き込まれた人々を保護して落ち着かせ、実行犯であるあの男と少女、およびその仲間の身柄を拘束し、時空管理局と連絡を取り合って事態の解決に努める。
 この事態に巻き込まれた時空管理局に所属する人間が自分一人かどうかはわからなかったが、不屈の精神と高い魔力をもってすれば、例え一人でも多くの人々を助けることができるだろう。

 そう考えたとき、なのはの背がぞくん、と震えた。
 さきほど目覚めた時から、背をじりじりとあぶられるような嫌な気分がずっと続いている。
 彼女はそれがこの異常事態に対する緊張感にほかならないと思っていたが、彼女の頭の中は自分の背中が冷や汗で濡れていくことを他人事のように感じていた。
 そうして、彼女が「名簿」と書かれた本に手をのばしたとき、

――ママぁっ!……

 突如として、なのはの耳の奥で小さな声が響いた。
 いや、それは空耳か、もしくは記憶がふと蘇っただけのことなのかもしれない。
 だが、その瞬間彼女の背筋は氷の塊を浴びせられたかのように震えあがった。

「ヴィヴィオ!?」

 なのはの大切な「娘」。
 JS事件に巻き込まれ、困難の末にようやく助けることのできた幼い少女。
 学校に通えるようになることを心から喜んでいたあの無邪気な子が、はたしてあの場所に、あの恐ろしい空間にいはしなかっただろうか。
 そして、自分に助けを求めてはいなかっただろうか。

 ぼやけた記憶が警報をならし、彼女の手はひったくるようにして名簿を拾い上げ、めくる。
 タイピングされずらりと並んだ名前の中で、『ヴィヴィオ』の文字だけがまるで浮き上がっているかのように目に飛び込んできた。

「ひっ……」

 予期せずして、なのはの喉から細い悲鳴が漏れた。
 恐怖のままに名簿を放り投げると、それは大きな水音を立てて波打ち際に落下する。
 だが、今のなのはにはそんなことを気にする余裕は欠片もなかった。

 明らかな人外の者たちが集い、殺気立った空気をあふれさせていたあの空間。
 非殺傷設定で戦っていた時とは比べ物にならないほどの死のにおい。
 あの中に、あの小さく無力なヴィヴィオが放り込まれているというのか。
 そして今もどこかで震えながら、自分の名前を呼んでいるというのか。
 いや、もしかしたら、もしかしたらすでに――

「……っ!」

 先ほどまでの落ち着いた動作が嘘のようにデイパッグに手を突っ込む。
 食糧や水を片っ端から引っ張り出し、砂浜に散らかしながら、必死の形相でカバンを漁る。
 だが、どれだけ探っても彼女のデバイス「レイジング・ハート」は出てこない。
 白い紙にくるまれたやたらと大きなコマが空しく砂浜を転がったが、彼女はそれには目もくれなかった。
 そして、先ほど見つけたナイフを最後にデイパックの中が空になったことを確認した時、彼女は初めて自分もまたこのゲームの一参加者にすぎないのだということを、おぼろげながらに理解した。


「……どうしよう」

 気丈な彼女には珍しく、消沈しきった声が出る。
 いつもの彼女ならばこれほど混乱するなどということは滅多にないが、今は状況が状況だった。
 体に常に満ち溢れているはずの魔力の実感がなぜか先ほどからやけに薄く、どうやらデバイスなしでは軽い飛行さえままならないようである。
 そして愛娘がこのような恐ろしい事態に巻き込まれているのに自分にはすぐさま助けに行くことさえ出来ない。
 それが彼女を軽く打ちのめしていた。
 しかし、こうしている間にもヴィヴィオが一人震えているかもしれない。
 ひょっとしたら、人を傷つけることをなんとも思わない人間や、殺し合いの雰囲気に混乱した一般人に襲われているかもしれない。
 九歳の時から片時も離れずともに歩んできたデバイスの不在もあって、焦りが頭の中に広がっていく。

 震えだしそうな足を叱咤し、混乱を抑えつけて少しだけ深く息を吸い、勢いをつけて立ち上がる。
 考えていてもしょうがない、今はとにかく歩いて情報を集め、ヴィヴィオを探そう。
 そう思って砂浜に投げ出した支給品をしまいなおす。
 波打ち際を見やったが、名簿は波にさらわれてしまったのかすでに影も形もない。
 しかたがないとあきらめ、最後にナイフを拾って一歩を踏み出したときだった。


「うわっ、スイマセンスイマセン! 許して、殺さないで!」


 いつの間にか近くに立っていた男が、悲鳴をあげて両手を高く上げていた。

◆ ◆ ◆


「いや、君がいい人で良かったよ。えっと、高町さん?」
「高町なのはです。呼び捨てでいいですよ?」

 砂浜に座り込み、自分のデイパックを覗き込みながら男が言う。
 どこか照れくさそうなのは、先ほどなのはを見て悲鳴をあげたからだろうか。

 突然現れた男は加持リョウジと名乗った。
 ごく普通の企業に勤める普通の人間で、目覚めたら少し向こうの方にある倉庫の中にいたという。
 何が起こったかよくわからないままあちこち歩いていたら人影を見つけて近寄ったが、その人影がナイフを持って自分の方を向いたから悲鳴をあげたということだった。
 最初こそ警戒したものの、魔力をまったく感じないこと、服装や口調がどこからどう見ても一般人だったこと、そしてこちらにまったく危害を加える様子がなかったことから、なのはは彼をこの悪趣味なゲームに巻き込まれた普通の人間だと判断した。
 見ている側にとっては、普通の人間が魔術師や人ならざるものの間に交じって悲鳴をあげるというのがきっとおもしろいのだろう。

 なのはが危害を加える意思はないこと、家族を探していることなどを告げると、加持はあからさまに安心した様子だった。
 そしてなのはに対し、こう持ちかけてきたのだ。

「なぁ、俺と一緒に東へいかないか?」

 加持が言うには、ここは地図ではA-3とA-4の境目くらいの地点であり、このゲームの会場である島の端の方に当たるらしい。
 パックから地図を出して確認すると確かにそのとおりで、そんな確認すらしていなかった自分になのはは少しだけ呆れ、そしてそんなことを考える余裕もないであろうヴィヴィオを思った。
 加持はなのはの焦りを感じたのか早口で、端の方にいては人にもそうそう会えないだろうから、ここから人が集まりやすいであろうホテル、あるいはデパートのある方向へと進みたいと思っていること。
 そして道すがら人に出会ったらヴィヴィオのことを聞いて回ればいいのではないか、ということを語った。
 一緒に、というのはひとりでは心細く、また武器も持っていないからということらしい。

 確かにやみくもに探し回っても人には会えないだろう。
 それなら、人の集まる場所にいってヴィヴィオを探せばいい。
 あるいは万が一殺し合いに乗った人がいても仲間がいれば対処できるかもしれないし、こういった非常事態に対して何か対策を持っている人がいるかもしれない。
 それに、いくら大人の男とは言えごく普通の人間である彼を一人にしておくのは気がひけた。
 彼女はれっきとした訓練と経験を汲んだ軍人であり、人命救助をほったらかしにするようでは自分で自分が許せない。

 そう思ってなのはが彼の提案に賛成したので、今二人は出発前の確認としてお互いの支給品を見せ合っているのだった。

 加持は砂浜の上に荷物の中身を出していく。
 なのはが一分一秒でも早くヴィヴィオを探しに行きたいのをわかっているのだろう、その手つきは素早い。
 デイパックの中からは水や地図などのなのはと同じ荷物、そして食料として大きめのカップ焼きそばが三つほど出てきた。
 お湯もないのにカップ焼きそばってなんだよ、とぼやきながら加持がバックを振ると、すとんと白い布が落ちてくる。
 広げてみるが、特に変わったところはない。

「これは?」
「さぁて、ね。調べてみたけれど何の変哲もない、ただの大きな白い布だったよ。
 護身用の武器さえないなんて、あのオッサンは何を考えているんだか」
「あ、でもほら、これがありますから」

 ひらりとナイフをかざしてみせると、頼もしいというかのように男が頷いた。
 魔術師であるなのはにとってナイフは良い武器とは言えなかったが、ないよりはマシだ。
 その布で支給品は最後だったらしく、彼のパックの中は空だった。
 加持が自分の荷物をしまいだすのを横目に、なのはも自分の荷物を男の前に並べていく。
 やはりこれといって変わったものはない。
 大きなコマに加持が関心を示して触ったが、ごく普通の素材でできた大きく重めのコマというだけで、鈍器くらいにしか使えないだろうな、という物騒な言葉を言うのみだった。

「よし、行こうか」
「はい」

 小さく声を掛け合って歩き出す。
 靴が砂にすれて音をたてるのが、静かな海辺だからかやけに耳につく。


 なのはは人を疑うのが嫌いだ。
 彼女の高い能力をさして「悪魔」だの「魔王」だの陰で呼ぶ人間がいるが、なのはは本来はとても心優しく暴力を嫌う性格をしている。
 どんな人間も心の底には良いものを持っていると信じているし、今までその心に則って行動し、生きてきたつもりだ。
 だからこんな場であっても、彼女に時折気遣う言葉をかけてくれる加持のことを信じたいと思う。
 先ほどの確認で特におかしなものを持っている様子はなかったし、彼女の事情を察して今後の行動方針を決めてくれた。
 ちょっと軽薄そうに見えるが、きっといい人なのだろう。

 それでも、彼女の緊張は解けない。
 ごく一般人というわりには、どこか隙のないふるまい。
 こういった非常事態に巻き込まれているというのに、加持の態度はいやに落ち着いているというか、余裕さえ感じられる。
 とはいえ、それは普段から冷静な人間であるとか、実はかなり焦っているのだがそれを表面に出さないよう努力にしているだけだとか、いろいろと理由は思いつく。
 それでも、じりじりと心をむしばむような感覚があった。
 本来ならなのはよりも肉弾戦においては戦えるかもしれないその男にナイフを渡さなかったのは、この警戒心のためだった。

(大丈夫、大丈夫だよ、きっと……)

 加持はよいせ、と言いながらデイパックを背負いなおし、警戒しているのかちらちらと時々あたりをうかがっている。
 その横顔は確かにごく普通の男性のものであり、なのはの分の荷物も持とうか、というその口調は親しみ深いものだったが、なのははどうしても心から微笑み返すことができなかった。


◆ ◆ ◆


 さくさくと砂を踏んで歩きながら、加持リョウジは安堵していた。
 なのはというこの少女とも女性とも言い難い年齢の人物との交渉が、思っていたよりもあっさりと終わったからだった。

 最初にその姿を見たとき、彼女は夢中でカバンをひっかきまわしていた。
 その必死の形相に接触を一瞬ためらったが、話してみた彼女は年に似合わぬ落ち着きと度胸を身につけていて、その上いわゆる『善良な人間』だった。
 一緒に行こうという提案も、支給品の確認にも同意し、それでいて警戒心を持ち合わせ、問えば理知的な答えを返す。
 ひとまず一緒に行動する分においては、まずまずといえる当たりくじだ。

 とはいえ、加持は彼女を完全に信用したわけではない。
 本人が言うには人命救助や文化・遺産の保護を請け負う組織に属しているらしいが、それが一般的な組織ではないということが物言いの節々からうかがえた。
 その白を基調としたかっちりとした服装のこともあり、加持は彼女を軍人ではないかと思っている。
 そしてそのことを直接的に自分には言えない理由があるのだろう、とも。

 しかし正直なところを言えない、話すつもりがないというのなら、それは加持自身もそうだった。
 なのはは本人いわく部屋で眠っていたところで気がついたらあのわけのわからない場所にいたらしいが、加持はそんな呑気な状況からやってきてはいない。
 加持はまさに目の前に弾丸が迫り自分を殺そうという、その瞬間からやってきたのだ。

 三つの組織を掛け持ちし、あちこちの秘密やタブーに触れながら生きていた以上、覚悟していた事態だった。
 だからこそやるべきことはすべてやり、必要な情報は全て発信した。
 悔いがあるか、といえばないと言ってしまえるくらいの、万全の死を迎えるはずだった。
 だが、心残りがないといえばそれは嘘になる。

(葛城……)

 ふと頭に浮かぶのは、いつも十字のネックレスをつけていた女のこと。
 別れは覚悟していたし、泣かせることになるかもしれないとも思っていた。そしてそれに独りよがりではあるが納得してもいた。
 だがそれでも、こうして生きている今となっては無性に会いたくてたまらない。
 都合のいいことを、と自分でも思う。
 彼女と彼女たちを裏切っていたのは自分にほかならない。
 だが彼女に会うのが高望みだというのなら、せめて生きることを願ってはいけないだろうか。

 死に納得していたとはいえ、死にたくて死んだわけではない。
 望みの場所へ到達できたわけでもない。
 そんな自分が何の気まぐれかこうして生き延びてここに立っている。その奇跡を活かさずしてどうしろというのか。


 なぜ銃弾を食らう直前の状態にあった自分が生きているのかは、今は考えたくなかった。
 今生きているのだからそれでいいじゃないか、とおざなりが思考が告げる。
 それよりももっと大きな思考が彼の頭を占めている以上、それは仕方のないことなのかもしれない。
 生き延びたい。
 それが彼の今の思考のすべてだった。
 自分の中の真実に到達するまで、せっかく拾ったこの命をむざむざ捨ててなるものか。

 それに、あの男と少女。
 LCLというエヴァを満たす液体の詳細については、ネルフやゼーレの中でもごく一部の人間しか知らないことだ。
 ましてや、それをあのように操り、人の体をLCL化するなどといった人類補完計画の核とも言うべき部分を手中に収めている。

 それはにわかには信じがたいことであった。
 考えられる可能性は一つ、彼らはゼーレの中でもトップに位置する人間であり、まだ加持の掴んでいない人類補完計画、そしてセカンド・インパクトの情報を持っているということだけだ。
 もちろん、彼らがただの人間ではないのはわかりきっている。
 これが夢だとか、あるいは未知の世界の出来事だというようなぞっとしない事態である可能性も残っている。
 だが、やってみる価値はあるはずだ。
 もとより加持がネルフとゼーレに属して行ったり来たりしていたのは、すべてセカンド・インパクトの真実を知るためだった。
 かなりの情報は手に入れたつもりだが、本当の真実にたどり着いたのか、自身はない。
 しかし、このふざけたゲームにおいて生き残っていれば、いずれ彼らと接触できる機会があるかもしれない。
 そこから彼らに属すか逆らうかはまだわからないが、少なくとも生き残ることは彼らの興味を引き、そして真実への道を作り出していくはずだ。

 だからこそ、加持は生き延びなくてはならない。
 そのためなら、ありとあらゆることをするつもりだ。
 なんなら人を殺して回ってもかまわない。
 だが、あの会場で見かけた化け物のような連中を相手にして、加持ひとりで勝ち抜いていくことが出来るとは到底思えなかった。


 だからこそ加持は仲間を募る。
 ただし心から信用する気はまったくなく、いざとなったら見捨てるか盾にするつもりである。
 三枚舌で生きてきた彼にとって、人をだまして自分を信頼させるのはさほど難しいことではない。
 そうして仲間を、出来ることなら戦闘能力が高い協力者を得たいと思っている。
 それが人殺しでも自分に手を出さないというのならまったく問題はない。自分の利益になるならパシリでも何でもしてやるつもりだ。

 だがその時困るのが、足手まといの存在だ。
 誰かを保護する気も助けてやる気もない以上、足を引っ張るような余計な人間を仲間に引き入れている余裕はまったくないのだから。
 だから、足手まといは殺す。
 邪魔になる奴がいたら、そいつも殺す。
 そんなことを思うと、先ほど名簿で確認した時に名前のあった顔見知り三人のことがふと脳裏によぎって申し訳なくも思ったが、すぐにその思いはかき消えた。
 親愛と自分なら自分を優先する、それが加持だった。
 ましてや、今は二度とないチャンスかもしれないのだから。

 (さて、この女はどこまで使えるかな?)

 早足で一歩先を行くなのはの揺れる髪先を見つめながら、加持は思う。
 ただの女とは言い難いだけの気配、ふるまいでありながらも、どうやら根はお人よしで困った人間を見捨ててはおけないタイプのように思える。
 探し人がいるというのに、自分と膝を突き合わせて会話していたのがいい証拠だ。
 まして、保護対象はまだ幼い子供だという。
 子どもと怪我人は相手を油断させる以外ではどう考えても使えない。この女の気質だと早々と交流を図ってどんな人間とも仲間になろうとするんだろうな、と思うと気が重い。
 時期を見極めて『どうにかしなくては』いけないかもしれない、とも思う。

 カップ焼きそばのケースの中に隠していた小さな拳銃が、デイパックの中でかすかに音を立てるのが聞こえた気がした。


◆ ◆ ◆


 常の聡明ななのはならば、あるいは加持が自ら荷物確認を行った意図に気がついたかもしれない。
 常の冷静ななのはならば、あるいは名簿に最後まで目を通し、仲間の存在に気がついたかもしれない。
 常の気丈ななのはならば、あるいは今デイパックに収まっている大きなコマ、それを包む紙の裏側にこう書かれているのに気がついたかもしれない。

 『そらをとぶコマ 説明:このコマに乗ると空を飛ぶことができます、乗り方は……』

 気付かないままに時は過ぎていく。
 高町なのはの悪夢は、まだ始まったばかりである。

【A-4 海沿い/一日目・未明】
【高町なのは@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
【状態】健康 強い焦り
【持ち物】基本セット(名簿紛失) デイパック 
     ハンティングナイフ@現実 コマ@となりのトトロ
【思考】1、ヴィヴィオを守る
     2、加持とともにホテル・デパート方面に向かいながら仲間を増やし、ヴィヴィオの情報を得る
【備考】※参戦時期は本編終了後です
     ※名簿はヴィヴィオの名前しか確認していません
     ※加持には管理局や魔法について、まだ話していません

【加持リョウジ@新世紀エヴァンゲリオン】
【状態】健康
【持ち物】基本セット デイパック アメリアのマント@スレイヤーズREVOLUTION
     グロッグ26(残弾11/11)と予備マガジン2つ@現実
【思考】1、何としても生き残る
     2、とにかく使える仲間を得たい、その際邪魔者は殺す
     3、ひとまずなのはと共に行動し、ホテル・デパート方面に向かう
【備考】※参戦時期は本編21話での死亡直前です
     ※主催の二人はゼーレの上位にいる人間ではないかとも思っています
     ※カップ焼きそばのうちの一つの中身が捨てられ、代わりにグロッグ26と予備マガジンが隠されています
      ふたつともすぐにでも取り出せる状態です


【コマ@となりのトトロ】
トトロが空を飛ぶために使用したコマ。コマにしてはかなり大きい。
通常のコマのように紐で回し、上に乗ると一定時間空を飛ぶことが出来る。
ただしコマなので乗るにはバランス感覚が必要な上に、操縦に慣れるまで時間がかかるかもしれない。
コマを包んでいた紙の裏に使い方などの説明が書かれている。

【アメリアのマント@スレイヤーズREVOLUTION】
アメリア=ウィル=テスラ=セイルーンの身につけているマント。
要するに白くてでっかい布。

【グロッグ26@現実】
グロッグ社が開発した自動式拳銃。
全長160mm、重量560gと非常にコンパクトで、掌に収まりそうなサイズながらも威力はなかなかのもの。
装弾数は10+1発。


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GAME START 高町なのは 君、死に給うこと勿れ
GAME START 加持リョウジ


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