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  • Nord Stream Pipeline -blow out-

Nord Stream Pipeline -blow out-

最終更新:2009年06月06日 09:00

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だれでも歓迎! 編集

Nord Stream Pipeline -blow out- ◆5xPP7aGpCE



爆撃で蹂躙された森は見るも無残な有様だった。
爆風で葉を吹き飛ばされ丸裸となった倒木が迫る炎にただ焼かれるのを待っている。

それでも冬月コウゾウは生きていた。
早々と逃走を諦めて倒木の下に潜り込んだのが幸いした。

爆発から身を守る最善の方法は窪地に伏せて爆風や破片に身を晒さない事。
土に顔半分を埋めながらひたすら暴虐の嵐に耐えていたがそれでも無傷とはいかなかった。

(攻撃は止んだか? 煙も酷くなってきたし早く逃げ出さねばならんな)

爆撃の影響で意識が朦朧とするが回復を待ってもいられない。
土まみれの身体を必死で動かし倒木から這い出す。
煙は空一面を覆っておりゼクトールから冬月の姿は見えない筈だ。

それは同時に冬月の視界も奪う事を意味している。
口に濡らしたハンカチを当てながら基本セットのコンパスを頼りに街を目指す。
しかし一面に裂けた倒木が横たわっておりゆっくりとしか進めない、しかも煙は次第に熱く濃くなって冬月を苦しめる。

火事の煙は熱いだけでなく様々な有害物質を含んでいる、更にこれ程の規模となればハンカチなど気休め程度で終わってしまう。
忽ち冬月は息苦しさに動きを止めた。
ペットボトルの水を頭から浴びると少しは楽になる、しかしすぐに苦しみは戻る。

気温は急速に上昇していた、一度濡れた髪があっという間に乾いてゆく。
これ程死を近くに実感したのはセカンドインパクト以来の事だった。

(夢の彼女と約束したのだ、絶対に生き延びねばならん)

状況は最悪だ、このままでは確実に死ぬ。
何か役立つ物は無いかとディバッグをもう一度開く、しかし中身など解り切っている。
ナイフや催涙スプレーは役に立たないし、バッグに腕を突っ込んで探りまわしても見落としたスーパーアイテムなんて残って無い。

思わず腕を伸ばしたところでふと気付く。
―――このディバッグは?

迷わず頭をバッグの中に突っ込んだ、途端に暑さと息苦しさが嘘のように消える。
ようやく冬月は安堵した、微かだが希望が生まれたのだ。
このままバッグの中で山火事を遣り過ごせないかと考える、しかしすぐに却下した。

(このバッグが火事に耐えてくれる保証は無い……そもそも中に隠れるという行為は可能なのか?)

その結果如何によって行動は左右される、冬月はそれを試す決意をした。
ゆっくりと被るようにして上半身をバッグに入れてゆく、もし若返っていなかったらつっかえてしまってたなと感謝した。

結果はすぐに解った、途中で急に抵抗が大きくなり気が付いた時には吹き飛ばされていた。
幸いディバックはすぐ見つける事が出来たが運が悪ければ死んでいた。

(やはり失敗か、だがこれは使える!)

しかし時間は無い、火の勢いは益々大きくなりつつある。
頭にバッグを被った状態でとにかく前に進む、ますます熱気が強くなる。
やはり―――その先にあったのは炎の壁、切れ目無く続くそれは恐らく全周囲に存在する。

足が火傷しそうな程に熱い、見れば靴が煙を上げている。もはや猶予はほんの僅かしか残されていなかった。
冬月は探した、僅かでも高低差が稼げる場所を。
炎の壁に沿って走る、露出している肌には既に水ぶくれが出来ていた。

そして見つけた、炎の壁が差し掛かろうとしている小高い崖を。
空気自体が燃えている様に熱い、最後の水を全身に振り掛けて一気に登った。
チャンスは唯の一度だ、失敗すれば黒焦げになって死ぬ。

息を止めてすぐさま地面に置いたバッグへと全身を入れる。
ほんの数秒だけ熱気が消えた。


―――次の瞬間、冬月は空高く飛び出していた。




       ※       ※       ※



「ゲロッ、このままだと焼きガエルになってしまうであります!」

ケロロは森と市街地の境目に居た。
足が自然とサツキの死んだあの場所へ向かわせたのたがそこは既に火の海となっていた。

マッハキャリバーは未だに生命反応を捕らえてない、それでもケロロは出来るだけ森に近付き探査の網を広げてゆく。
炎は既に民家にまで延焼中だ、この辺りもやがては炎に飲み込まれるだろう。

その時強い風が吹いた。
煙のカーテンが僅かに開き、ケロロの視線に何かが映る。

―――サツキ殿!?

ほんの一瞬、オレンジの炎の中に黒い人影が微かに見えた。
もちろん顔も人間であるのかも解らない、しかしケロロは―――それが自分が島で最初に出会った泣いていた女の子だという予感がした。

「マッハキャリバー殿、まだ生命反応は無いでありますか?」
『……YES』

それだけを聞くとケロロはその場を後にする。一度たりとも振り向かずに。
―――自分はここで立ち止まるべきではないであります、さようならサツキ殿


『生命反応! 前方5メートル先に落下します!』

走っていると突然マッハキャリバーが発言した。
視界の端から何かが飛んでくる、ケロロは考える間も無く両手を伸ばして身体を投げ出した。
受け止めきれない、それでも自身がクッションになって身を守る。

(誰か知らないでありますが今度こそ助けられたのでありますか?)

ケロロが受け止めたのはなのはに近い年頃の少年だった。
それにしても命からがら逃げてきたのだろう。
顔や服は土塗れで手足には火傷が有る、一刻も早くなのはの元に連れていかねばならない。
助け起こすと見知らぬ少年がようやく口を開いた。

「助かったよ、ケロロ君……」
「ゲロゲロ!? 何で我輩の名前を知っているでありますか?」



       ※       ※       ※



「少しでも体力と魔力を回復させないと……ウン、ムッ」

なのはは何枚目になるか解らないビスケットを水で無理矢理流し込む。
ケロロの事は信頼している、しかし見送るしか無かった自分が口惜しかった事には変わりない。
―――もっと体力を、もっと魔力を、命を助ける為に!

無理し過ぎたのか急に吐き気が込み上げた。
強く口元を抑えて逆流を防ぐ。
なんとか堪えて飲み込み直すとふらふらと立ち上がって窓際に行く。

何時の間にか火は住宅街にまで燃え広がっていた。
この民家にも間も無く火が回る、ケロロが戻らなければなのはぱ一人で行かなければならない。

空を見上げる。
煙の間に浮かぶ黒い影、あれが元凶。
感覚的にだがとてつもなく強い事は解る、今の自分では話にならないと解っているからこそなのはは辛い。

せめてここにレイジングハートが有れば、そして体調が万全であれば。
―――私が助けられたのに
無力でいる事はそれだけで罪に思える、救えるはずの命を見殺しにしたも同然の気分になる、しかしどうしようも無い。

ケロロが別の窓から戻ってきたのはそんなタイミングの時だった。
悪い方に考えていたなのはの思考がそれによって中断される。

「高町殿ーっ、ただいまであります! 驚くなかれ冬月殿がナイスなヤングに!」

アフロ頭に焦げ茶色なケロロにも驚いたが次に現れた人物にはもっと驚いた。

「……やあ高町君、私だ。見た目は違うが確かに私は冬月コウゾウという名前だ」
「あ、初めまして私は高町なのはといいます」

話を聞く前に思わず挨拶してしまった。
事情を知ってから私はなのはは何度も謝った。




       ※       ※       ※




「方針は簡単だ、我々は今より市街地から脱出する」

若返った冬月が即断する、仕方の無い事だった。
この場に居る冬月、ケロロ、なのはの全ては相当に体力を消耗している。

上空にはゼクトール、そして迫り来る大火災にやってくるかもしれぬ危険人物。
一度引いて体勢を立て直すのは至極当然と言える。

「ゲローッ、我輩も賛成でありますがどうやって脱出するでありますか?」

ケロロの疑問も当然だ、南は火災で通行不能。
北は海で行き止まり、残るは西か東だが他者と遭遇する可能性はどちらも高い。
しかしここで冬月は不敵な笑みを浮かべた。

「ケロロ君は知らなかったな、同じくリスクを冒すなら一気に遠くまで行けるかもしれぬ方法がある」
「あの空間転移装置ですか!? それは―――」

なのはが難色を示す、未知の装置に全てを委ねるとなれば当然だろう。

「危険は承知だ、しかし我々の体力と装備、それに他のルートを取るリスクを検討した上で私はそれしか無いと思っている」

力強く宣言し、間違っているかねと二人を交互に見比べる冬月。
風貌が若くなってもその貫禄は全く変わらない。
今の彼は人の上に立つ者として一つの判断を下したのだ。

「了解であります! ケロロ軍曹、市街地脱出作戦を実行するであります!」
「高町なのは一等空尉、命令を受領しました!」

なのはが、ケロロが敬礼する。
まるで以前からそうしていたような自然な動きであった。

「よしてくれ、私は君達の上司でもなんでもないぞ?」

自分に有るのは年の功ぐらいだ、力の有る君達がそこまでする必要は無いと冬月は苦笑する。

「ケロ~、身体が自然に動いていたであります! 先程のフッキーは我輩なんかよりとっても軍人らしかったのであります!」
「私も同じ理由かな? 今の冬月さんもとっても大人びて見えますよ」

二人はそう言って笑った。
冬月の判断に命を委ねる、そう言ってくれているのだ。
ならばこの脱出を必ず成功させてやろう、強い決意を持って冬月も二人に敬礼した。

「ゲロゲロゲロ~、三人とも必ず生き延びるであります」

しかし急がねばならなかった、同じエリアとはいえここと目的の民家は離れている。
特に上空のゼクトールに見付かる訳にはいかない、民家を出た三人は息苦しいが煙の濃い道をあえて選ぶ。
一つしか無いバッグがその為に使われた。
ハンカチが役立たない所では交代で中の空気を呼吸した。

『目的地まで直線距離で100メートル、しかし途中の火災を迂回せねばなりません』

ナビゲーションしているマッハキャリバーが一度メインストリートに出るしか無いと警告する。
そちらの方向は煙が薄い、だが他に道は無い。
煙は三人を守ると同時にゼクトールの姿をも隠している、探知範囲を超えている為上空のどの位置にいるのか解らない。

それでも覚悟を決めて三人は路地裏から一気に視界の開けた場所に出た。
目的地まで後50メートル。



       ※       ※       ※



「ケホゲホッ! 何よこれ……人間の仲間は何処にいるのよぉーーーっ!!」

アスカは煙満ちる市街地で一人苛立ちながら歩いていた。
煙の刺激で化け物に焼かれた肌が刺す様に痛む。
求めていた人間どころが”化け物”の姿さえ何処にも無い。

「ひょっとしたらアタシを騙して誘き寄せたってワケ? チクショウ!」

苛立ちの余り近くの建物を蹴りつける。
所詮無意味な行為、つま先に痛みを感じながら広い道路へ出てみようと路地を抜ける。

そんな彼女にアプトムもズーマも気付いてながら手を出そうとはしなかった。
アプトムは何も得られぬ狂女として、ズーマは何時でも殺せる弱者として彼女を見た。

(どうした深町、何故姿を現さない? お前にはこの煙が見えていないとでも言うのか?)

体力を消耗する為既に獣化は解いていた。
雑居ビルの内部、見通しの利くメインストリートを臨みながらアプトムは息を殺して探し人を待ち構える。

そして離れた区画ではズーマことラドック=ランザードが闇と一体化してやはり時を待っていた。
今はまだお互いに気付くことなく。



       ※       ※       ※



「最低でも二人……いや三人か? なのはやウォーズマンといった強者が含まれているのかは不明だな」

日が傾けば影も長くなる、上空のゼクトールは市街地の所々に現れる人影を何回も視界に納めていた。
それでも手出ししなかったのは煙でいずれの影も一瞬しか見えなかった事と強者を警戒しての事。
しかしいつまでも隠れているのならこちらから動く。

「既に一人は殺した。後二人だがもはや話を聞くまでもあるまい、一気に行く」

弱者は必ず潜んでいる、見つけ次第攻撃する事を決めて男は動く。



       ※       ※       ※



朝倉涼子はキョンの妹とヴィヴィオを従えてビルの隙間に隠れていた。
手元の探知機には自分たちも含めて光点が11も光っている―――うち一つは小砂の首輪だが。
かってない密集だ、常人ではない朝倉だが自然と掌に汗が滲む。

「もうすぐね……この先の通りで姿を確認できる筈よ」

観察の結果、光点のうち単独行動と思しきものが4つ、そして3つ纏まって移動してる小集団。
熟考した結果後者に接触を図る事を決めた―――そして彼女達は劇的な再開を果たす。

狭隘な小道の終わりは天国、それとも地獄の門?
大通りを挟んだ反対の歩道に姿を現したのは若い男女とクリーチャー。
朝倉が声を掛けるよりも、デバイスが向こうにいる彼女の事を知らせるよりも先にヴィヴィオは駆け出した。

なのはは突然飛び出した子供を見た瞬間、全身を熱い喜びが駆け抜けた。
何かを考える前に身体が動く、あんなに重かった筈なのに今は少しも気にならない。
目じりが熱い、キラキラと涙の軌跡を残して最愛の娘目指して腕を伸ばす。

「ヴィヴィオッ! ヴィヴィオ---ッ!!」
「ママッ! なのはママーーーッッ!!」

席の等級に差はあれど集った全員が二人を観た。

冬月が。
ケロロが。
朝倉が。
キョンの妹が。
アスカが。
アプトムが。
ズーマが。
ハムが。
夏子が。
そしてゼクトールが。

遮るものの無い大通りを無防備に走る二人。
各々が反応する、一気に膠着した舞台が動き出す。
驚愕、歓喜、傍観、警戒、好奇心、敵意に殺意。

「ヴィヴィオ、会いたかった……」
「なのはママ……」

しかし腕は届かなかった、天空からの熱線が二人の間を引き裂いた。
蒸発そして爆発、弾き飛ばされる親子の姿。
僅かな障壁だけが衝撃と破片から二人を守る、道路を転がってようやく止まる。

そして同行者達も一斉に気付く、空から雨の様に降り注くミサイルに。
狙いは全て道路の二人、命を刈り取るべく破壊の使者が飛来する。

「高町殿ぉーーーっ!! お助けするであります!!」
『イージスシステム起動! こんな所で死なせはしないぜ!』

ケロロがなのはを抱え去る、朝倉と妹もヴィヴィオをその場から引き離してビルの隙間に身を隠す。

爆発―――破壊の力が荒れ狂う。

付近の建物は全てガラスが砕け散った、特に開けたメインストリートは有効な圧力の逃げ場となった。
衝撃波は隣接するエリア、ハムと夏子の潜む喫茶店にまで到達して店内をガラスの破片で埋め尽くした。

「何処に居る……の、ヴィヴィ……オ」

なのはの魔力は先程の障壁で再び尽きた筈だった。
ケロロと冬月が身を挺しても無意味、爆発の瞬間に盾が出現しなかったのならば三人は即死してかもしれない。

愕然とした、道が無かった。
そこに有ったのは巨大な壕、爆発で掘削され鉄筋が突き出た建物片が散らばるだけの障害物。
爆煙で霞む中それでもなのはは行こうとした。

「助けて……ママ……」

朝倉達も辛うじて命を繋いでいた。
こちらはなのは達よりも負傷の度合いが低かった。
二つのデバイスとヴィヴィオの魔力が作り上げた障壁と妹の盾の二重の守りで爆発を凌げたのだ。

それでも無傷では済まない、特にヴィヴィオは大きく魔力を消耗した。
第三波が来れば耐えられる保証は無い。

双方のリーダーが決断する、”逃げるべきだ”と。

「私達は街の外に脱出する! 君達もすぐここから逃げるんだ!」

冬月はケロロと二人掛りで背後からなのはを引き止めた。
泣き叫ぶなのは、しかしここで行かせる訳にはいかない。
爆煙が薄まれば確実に全員狙い打たれる、残された猶予はごく僅か。

「私は朝倉涼子! ヴィヴィオちゃんの事は必ず守るわなのはさん!」

朝倉は告げる、娘を生き延びさせる事を。
それはしばしの別れの宣告、なのはの瞳より涙が落ちる。

「ママだいじょうぶ! ヴィヴィオはだいじょうぶだから!! だから泣かないでママ!!」

ヴィヴィオも朝倉に押さえられながら泣いていた。
それでも気丈に母を安心させようと言葉を放つ。

「私は冬月コウゾウだ! 必ずまた会おう!」

疲労したなのはは男二人の力に抗する事などできなかった。
強引に路地へ連れ込まれそのまま娘の眼前から姿が消える。

「必ずもう一度ママに会わせてあげるわ! だから行くわよヴィヴィオッ!」

朝倉もまた約束を果たす為に動く、ヴィヴィオを抱えて廃墟と化した建物の中に消える。
直後に三撃目のミサイルがより広い範囲に降り注ぎ先程まで母子が立っていた歩道を破壊した。



       ※       ※       ※



ビル全体が断末魔の叫びを上げる。
障壁と妹のスーツが作り上げた二重のバリアに包まれた中で三人は耐え続けた。

朝倉は探知機に目を落とす、数秒前確かに見えていた三つの光点が完全に消えていた。
―――首輪も残さずに死んだ? でも冬月と名乗った少年は自信有りげな顔をしていた、結論は放送まで保留しておこう。

キョンの妹は死なせたくない、死にたくないと強い気持ちで願っていた。
―――ヴィヴィオちゃんはあんな大切に思われてたんだ、死なせたくないよ。大事な人が居なくなるってすごくつらいんだよ、あの人をそんな気持ちにさせたくないよ!
スーツはそれに応えてくれた、天井の破片が盾に弾かれる。
ここで終わりにしたくない、なんとか盾を支えようと集中する。
―――まだ生きたいよ、ゲンキ君の仇を討つまで死ぬのは嫌だよ。この手でアスカを殺すまでは死ねないよ!

母を見送った娘はもう泣いてはいなかった。

「ヴィヴィオは泣かない、もう泣かないよ……」

有ってすぐ離れ離れになるのは本当に悲しくて辛い、でもヴィヴィオがそれ以上に辛かったのがなのはの泣き顔を見た事だった。
いつも笑って抱きしめてあったかい気持ちにさせてくれる母のあんな顔は初めて見た。

だからヴィヴィオは泣かない。
自分が泣けばきっとなのはママは悲しむ、これ以上ママに辛くさせたくないと強く想う。

「だから、なのはママも泣かないで……」



これは一つのすれ違い。
互いを想い合う母と娘は一瞬たりとも触れ合えずに別離した。

二人が再び出会えるのか、それはまだ誰も知らない。




       ※       ※       ※




「うう……ヴィヴィオ……」

なのはは両手で顔を覆って泣いていた。
無理も無い、最愛の娘と目の前で生き別れてしまったのだ。
そんな彼女を冬月とケロロは辛そうに横から見つめていた。

冬月達が気付いた時には薄暗い部屋の中に居た。
まさに間一髪だった、目的地の民家には既に炎の手が伸びており五分遅ければ隠し部屋にも火が回っていただろう。

「すまない高町君、いくらでも私を恨んでくれて構わない」

判断が間違っていたとは思わない、しかし彼女が身を切る様な辛さを感じている事はよく解る。
気の利いた言葉一つ掛けられない自分がもどかしく感じられた。

「ううん、解ってます。あのまま走り出していたら私もヴィヴィオも死んでいた。だから冬月さんが謝る事なんて本当に無いんです」

なのはは首を振った。
それが最善だった事は彼女も頭では解ってる、それでも感情が納得してくれないだけなのだ。

指の隙間からツゥと雫が落ちてゆく。
声を殺した泣き声が部屋の空気を湿らせる。

「大丈夫だ高町君、あの朝倉君と名乗った彼女は強い瞳を持っていた。信用して娘さんを任せてもいいと私は思う」

年は高町君より少し下と思われる彼女は必ず守ると母親に正対しながら約束したのだ。
あれだけ堂々した態度といい、きっと只者ではないと冬月は思っていた。

「はい……私も彼女を信じます」

なのははコクンと頷いた。
次の放送も近い、それでヴィヴィオや朝倉の名前が呼ばれなければ無事が確認できるのだ。
一人小さな女の子の名前を聞きそびれたなと冬月は思っていたが今更仕方が無い。
とにかくそれがなのはが立ち直る為の希望だった。

「ケロ~、それにしても此処は一体何処なのでありますか?」

デッキブラシや洗剤が並んでいるので物置らしいが何処の施設かまでは解らない。
それを確かめ同時に役に立つものがあれば手に入れたいと思いながら戸を開ける。
すぐさま有力な手掛かりが目に飛び込んで来た。


『この先15m大浴場 泉質:含ksk成分泉 効能:火傷、切り傷、打ち身、身体の疲れ、魔力の消費、虚弱体質』


―――温泉だった。



【G-2 温泉内部/一日目・夕方】



【高町なのは@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
【状態】疲労(特大)、魔力消費(特大)、深い悲しみ
【持ち物】基本セット(名簿紛失)、ディパック、マッハキャリバー@魔法少女リリカルなのはStrikerS
ハンティングナイフ@現実、コマ@となりのトトロ、白い厚手のカーテン、ハサミ
【思考】
0、ヴィヴィオ……
1、冬月、ケロロと行動する。
2、一人の大人として、ゲームを止めるために動く。
3、アスカと小砂を探す。
4、アスカと小砂を守る。
※「ズーマ」「深町晶」を危険人物と認識しました。ただしズーマの本名は知りません。
※マッハキャリバーから、タママと加持の顛末についてある程度聞きました。


【冬月コウゾウ@新世紀エヴァンゲリオン】
【状態】10代半ば、短袖短パン風の姿、疲労(大)、ダメージ(大)、腹部に刺し傷(傷は一応塞がっている)、決意
【持ち物】スタンガン&催涙スプレー@現実、ジェロニモのナイフ×2@キン肉マン、夢成長促進銃@ケロロ軍曹(一回使用済み)
【思考】
0、ゲームを止め、草壁達を打ち倒す。
1、仲間たちの助力になるべく、生き抜く。
2、1のためにまず体力回復を優先する。
3、施設と現在位置を調査する。
4、小砂、シンジ、夏子、ドロロを探し、導く。
5、タママとケロロを信頼。
6、首輪を解除する方法を模索する。
7、アスカの事情はわからないが、何とか保護したい。


※現状況を補完後の世界だと考えていましたが、小砂やタママのこともあり矛盾を感じています
※「深町晶」「ズーマ」を危険人物だと認識しました。
※マッハキャリバーから、タママと加持の顛末についてある程度聞きました。
※夢成長促進銃を使用し、10代半ばまで若返りました。
※夢については、断片的に覚えています。
※ディバックと基本セットは喪失しました。支給品は服に仕舞ってあります。


【ケロロ軍曹@ケロロ軍曹】
【状態】疲労(大)、ダメージ(大)、身体全体に火傷
【持ち物】なし
【思考】
0、冬月となのはと共に生き残る。
1、なのはとヴィヴィオを無事に再開させたい。
2、加持、なのはに対し強い信頼と感謝。何かあったら絶対に助けたい。
3、冬樹とメイの仇は、必ず探しだして償わせる。
4、協力者を探す。
5、ゲームに乗った者、企画した者には容赦しない。
6、で、結局トトロって誰よ?


※漫画等の知識に制限がかかっています。自分の見たことのある作品の知識は曖昧になっているようです




時系列順で読む

Back:Nord Stream Pipeline -on stream- Next:Nord Stream Pipeline -Disaster-

投下順で読む

Back:Nord Stream Pipeline -on stream- Next:Nord Stream Pipeline -Disaster-


Nord Stream Pipeline -on stream- 高町なのは 湯煙ボイン消失事件~砂漠の妖怪は泣いた~
ケロロ軍曹
冬月コウゾウ
ネオ・ゼクトール Nord Stream Pipeline -Disaster-
キョンの妹
朝倉涼子
ヴィヴィオ
アプトム
惣流・アスカ・ラングレー
ラドック=ランザード(ズーマ)
川口夏子
ハム

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