善逸伝(鬼滅の刃)

登録日:2025/08/11 Mon 15:57:23
更新日:2025/09/15 Mon 16:12:35
所要時間:約 ? 分で読めます






凄ぇ!!みんなで鬼のボス倒したじゃん!!

やったじゃん!!


またひいおじいちゃんの嘘小説読んでるの!?





善逸(ぜんいつ)(でん)とは、推定大正時代後期から昭和時代初期にかけて執筆された小説。
著者は我妻善逸


概要


人間を喰らう「」という怪物とそれに対する鬼狩り組織「鬼殺隊」との戦いを描いた小説で、著者と同名の隊士・我妻善逸が主人公。
全79巻にのぼる大長編小説で、読破するにはかなりの時間が必要となる。

仮に著者の実体験を描いた自叙伝であれば『善逸自伝』、別人が著した実在人物の伝記であれば『我妻善逸伝』となるのが自然であり、
鬼という眉唾物な存在が題材なだけあってフィクション、つまり虚構とされる説が大方の見解であるが、著者の我妻は「全て事実である」と執拗に作中で言及している。
確かに、(事実を基にした)剣戟や鬼などの描写はリアリティがあり、息をつかせぬ展開ではあるが、物語の根本部分が荒唐無稽もいいところで、設定や時系列が滅茶苦茶かつ、他の章が極端な描写不足で、脇役の名前もところどころ食い違っているなど、はっきり言って小説としても破綻している。

なお、主人公である善逸と作中のヒロインで彼の妻・禰豆子の描写に関しては異様に気合いが入っており、外見描写だけで7ページ使用し、睫毛の本数に至るまで入念に描写されている。作品の分量が多い一因でもある。
一方で他の登場人物に関しては、多くて2行の雑な説明しか無いなど扱いの差が激しい。

著者の家の倉庫には原書と思われる和綴本が保管され、裏表紙には昭和以降に書き足されたと思しき新字体で題名が書かれている。


著者について


日本人には珍しい金髪が特徴的と言われている小説家。
小説には自画像が描かれているが凛々しい髭と精悍な顔をしており、いわゆる「美形」の男性。
しかし、一説によると実際は甘いものが大好きだったためふっくらした体格で、自画像とは似ても似つかないらしいが……?
小説によると身長は九尺(約2.7m)あるというが、恐らく著者の知識不足と言われている。「地球人で二メートル七十なんてお前以外じゃ灰色グマくらいなもんさ」


内容について


とにかく分量が多く、全25の章に分かれている。
しかも各章はあまりに突拍子もないタイトルが多い。本項目ではその代表例を紹介する。
  • 善逸の誕生編
  • 天女編~君のためなら死ねる~
  • 禰豆子ちゃんのごはんの美味さよ編
  • 戦国禰豆子編
  • 梅の木の精を愛した男の一生編
  • 善逸忍者伝~電光石火の愛~
  • 美女剣士禰豆子編
  • さすらいの黄金龍編~禰豆子を救え~
  • 芋大名編
  • 竜宮城編~永遠の禰豆子~
  • へそで茶が沸く団欒編
  • ピアニスト善逸編~雨だれの禰豆子~
  • 善逸の一攫千金ワッハッハ編
  • 大恋愛☆きらきら善逸編
  • 巨匠善逸編~大先生現る~
  • 君に千年恋して編~生まれ変わってもまた~
もはや、世界観すら整合性があるのかどうかすら判別しない内容ばかりなのがタイトルの時点でわかってしまう。



登場人物


  • 我妻善逸
本作の主人公。著者と同一人物とされているが、その信憑性は怪しい。
雷の呼吸の使い手で、勇敢な性格で人望も厚い。また身長は九尺もあり、かなりの美男子だったという。
あまりにかっこいいためにの一角である鳴柱となり、鬼殺隊の中心的存在となった。

  • 我妻禰豆子
本作のヒロイン。実生活においても我妻の妻がモデルとされている。
章によっては梅の木の精だったりお姫様だったりするようで、美しさに関する描写が異様に濃い。
また、我妻自身も、妻の姿については写真のような絵が描けると評判だった。
かつて、禰豆子の絵を売ってほしいと頼まれた際、我妻は「誰が妻を売るものか!!」と物凄い剣幕で怒ってズボンのお尻が破れたという逸話がある。

禰豆子の兄で、善逸にとっては義理の兄。
素朴だが垢抜けない顔が特徴。
どうしようもないダメ男だったようで、借金を作って妹の禰豆子を置いて逃げていった。
後の章では借金を返済して「善逸」に弟子入りしたらしい。

豚もしくは猪の顔をした鬼。
「猪との戦い〜闇の黒い葉っぱが舞う〜」の敵役で、「善逸」と熾烈な争いを繰り広げたらしい。
後の章では「善逸」の子分になった。

脇役。
豚鼻&出っ歯&そばかすが特徴的な不細工な男。

盗人で悪名高い犯罪者らしい。
傷だらけで人相が悪く、汚い髭も生やしている。


後世の評価


前述したように自伝としてはあまりに荒唐無稽というほかなく、フィクションとしても整合性に欠けて破綻しているため、「空想小説」と一笑に付されている。
しかし、著者の曾孫である我妻善照は本作の大ファンで、読破した際は感動の涙を流したという。
一方で、善照の姉である燈子は「あんな怖がりな曾おじいちゃんが一緒に戦ってるわけがない」と否定的*1









追記・修正は全79巻を読破してからお願いします。
























趣味で書く分には問題ないと思うけど単純に読みづらかった

全てが極端で偏ってる















真・概要

『善逸伝』とは、漫画『鬼滅の刃』に登場する我妻善逸が執筆した、「実在の人物をある程度下敷きにした」空想小説
登場人物に関しては実在の人物をモデルにしているものの、作中の出来事に関してはほぼ100%空想の産物である。
ファンブック弐巻の描き下ろし作品で内容が明らかになった。

元々は、全ての決着がついたあと、竈門兄妹の故郷・雲取山へ共に帰り、そこで彼らや伊之助と一緒に暮らし始めた善逸が、禰豆子と伊之助の仲の良さに嫉妬して仮病を使い彼女に甘え、それを炭治郎が注意したことがきっかけでへそを曲げ、現実逃避として書き始めたもの。
自分と禰豆子に関しては過剰なくらいに持ち上げる一方で*2、仮にも同期にして死線をくぐり抜けた親友である炭治郎や伊之助を徹底的にこき下ろしており、ぶっちゃけ八つ当たりのための創作としての性質が強い。
最終決戦で炭治郎が鬼になって茫然としていた癖に伊之助を平然と鬼にしたり、ボロクソに描いた当の本人で後には義兄となる炭治郎に反応を求めながら読ませたりするとか、どういう神経しているんだ善逸は……。
なお、善逸は小説の執筆中に5キロも太ったらしい*3

禰豆子に近づいた男はこぞって不細工だと描写しており、現実での優男っぷりとのギャップがあまりに大きい。
殊に、端正整った顔立ちである冨岡義勇(一応竈門兄妹の恩人である)は酷く描かれていた。
この様子だと、本編中では美丈夫として扱われている元音柱・宇髄天元辺りもこき下ろされているかもしれないし、鬼の首魁・鬼舞辻無惨に至っては(鬼だけど)人間の姿をしているかも怪しい。

また、個人的に恨みが強い*4元風柱・不死川実弥に関しては鬼殺隊士ですらない盗人として描き、もはや名誉すら穢している。

一度炭治郎に最初の読者として小説を読ませ、感想を求めた際は、炭治郎に忌憚ない意見としてボロクソに貶され善逸は号泣してしまった。どうして好評がもらえると思った!?
(その時の一部が本項目の偽メニューを超えたあたりにある文言である)
この時の炭治郎による講評は、仮にも親友かつ義兄である自分の扱いの悪さをスルー、徹底して娯楽小説としてみた場合の粗を指摘している。拙い作文にダメ出しを加える雑誌編集者の図。

しかし、「甘えてばっかりいると『弟』と認識されて異性として見なされなくなる」という炭治郎の忠告に恐怖した善逸は、ある程度生活を真人間として改め*5、小説での炭治郎達の扱いを多少まともにした。
本項目に載せている描写が扱き下ろされたパイロット版のものか、炭治郎に指摘された後の改訂版なのかは不明だが。

なお、善照が読んで感動していたみんなの力で鬼舞辻無惨を討伐した場面は、本の中程である。
そもそも全79巻で、善逸も長生きだったのでその後も書くことは多かったんだろうけども……。


余談

無限城にて兄弟子との因縁と自らのやらかしを清算し、その後も一生障害が残ることを覚悟の上で大技を繰り出し、炭治郎の辿った運命に心を痛めながらも奮戦したことで、これまでそのブレないクズぶりによって毀誉褒貶の激しかった善逸の評価が回復しつつあった中、ギャグ描写とはいえ終盤も終盤になって突然洒落にならないレベルで陰湿な面を披露したことについては、ワニ先生の作風とはいえかなり賛否が分かれる。兄弟子が善逸のことをカスと称したことはやはり正しかった。

『鬼滅の刃』の23巻(最終巻)の告知で、単行本の描き下ろし・加筆部分の内容を(広まってしまったデマを訂正する意味も込めて)告知した際、善逸が「描き下ろしは全部善逸伝だよ★オレの大活躍を見てね!」というホラの呼吸をぶちかまし、下に「善逸伝は含まれていません」と容赦なく書かれてしまった。
なお該当する描き下ろしは30ページ程度なので、仮に収録されていたとしても確実に尺は足りないであろう。





追記・修正は知人の名誉を穢さないようにお願いします。

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最終更新:2025年09月15日 16:12

*1 善逸が曾孫の記憶に残るほど永らえたことを示してもいる。

*2 ただし、鬼殺隊に入った理由が「強いから」ではなく「かっこいいから」になっており、自分の実力に関しては妙に認めている節もある。

*3 足の怪我を言い訳に家事の殆どをサボり禰豆子の手料理を誰よりも多く食べていたのも原因。

*4 柱合裁判で禰豆子を負傷させ、柱稽古で自分をしごき上げ、にもかかわらず最終決戦後に禰豆子と満更でもなさそうだった、という大きな要因がある。

*5 本当に足が痛いときでも泣き言一つ言わないもんだから禰豆子からは「善逸さん死んじゃうの?」と逆に心配されているが……