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  • 時間の謎

時間の謎

最終更新:2009年05月24日 09:42

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時間の謎 ◆O4LqeZ6.Qs




 少し時間はさかのぼる。


「少々遅くなってしまったでござるな」

 遊園地(D-2)のスタッフルームにあるパソコンを立ち上げながら、ドロロがつぶやいた。
 同じ部屋には、ドロロがここまで行動を共にしてきた魔法使いの少女、リナ=インバースの他に新たに2人の人影がある。
 1人はメイド服を着た女子高生、朝倉涼子。
 もう1人は5歳ぐらいの金髪の女の子、ヴィヴィオである。
 ちなみにヴィヴィオはまだ目を覚ましておらず、スタッフルームのソファーに寝かされている。

「少しぐらい遅れたって仕方ないって。あんな事があったんだし。
 放送前には充分間に合ってるんだから、問題ないわよ」
「確かにそうかもしれぬでござるな。あとはあちらに何事も起こっておらねばよいのでござるが……」

 そうつぶやいてドロロはパソコンが立ち上がるのを待つ。
 しばらく経つとデスクトップ画面が表示された。
 壁紙は青いもふもふした生物とそれより一回り小さい白いもふもふした生物がてくてくと歩いている画像だ。
 そしてアイコンは『Ksknet Explorer』のみ。
 最初に見た時となんら変化はない。
 だが、ドロロはふとその白い生物に注意を引かれ、しげしげと観察し始めた。

「リナ殿。この白いもふもふした生物はもしや小トトロでござろうか?」
「え? ああ、そう言えば白くてもふもふしてるわね。じゃあ横の青いのがトトロかしら?」
「うーむ。とりあえず後で晶殿に聞いてみるしかないでござるな」

 実物を見ていないのだからどうしようもないと思い直し、ドロロは『Ksknet Explorer』をダブルクリックした。
 すぐにksknetの画面が表示され、掲示板、チャットルーム、kskという3つのコンテンツが表示される。

「へえ~。こんな風になってるのね。でもインターネットには接続してないのよね?」
「そうでござるな。直接アドレスを入れても繋がらぬようでござる」
「そう…… まあ、いくら何でも外部と簡単に連絡を取れるわけはないか……」

 朝倉がそう言ってドロロの左側にやって来て椅子に座り、画面を覗き込む。
 リナも右横に座って画面を見ているので、ドロロは両手に花といった状態である。
 もっとも、ドロロはその事を特に意識してはいないのだが。

「そうだ、ドロロの治療もついでにやっといた方がいいわね。この先も何が起こるかわかんないし」

 リナはそう言って、ドロロの傷に治癒(リカバリィ)をかけ始める。

「リナ殿も魔法を使い続けて疲れておられるのではござらんか?
 ここまでヴィヴィオ殿を背負ってきたのでござるし。無理はせぬ方がよいでござるよ?」
「心配しなくても大丈夫よ、ドロロ。落ち着ける時間があれば回復する方法もあるしね」
「う~む。リナ殿がそう言うのであれば……」

 ドロロはまだ遠慮しているようだが、それ以上は何も言わない事にしたようだった。
 そこで、ふと気になってドロロが朝倉に尋ねる。

「そう言えば朝倉殿。ヴィヴィオ殿は見ていなくてよいのでござるか?」

 ヴィヴィオが眠っているソファーはパソコンのある机から4メートルほど後にあった。
 放っておいても問題は無いのだろうが、小さな子をほったらかしにするというのは心情的に少し気になったのだ。

「ええ。寝ているだけみたいだし、何かあったらすぐに教えるようにバルディッシュに頼んでおいたから大丈夫よ」
「なるほど。こういう時もデバイスというのは頼りになるでござるな。
 では早速、と言いたい所でござるが、まずは掲示板のチェックをしておいた方がよいでござろう」

 ドロロはそう言ってまず掲示板をクリックする。
 掲示板の内容はほとんど既に読んだものや自分で書き込んだものだが、1つ新しい書き込みが増えている。
 書き込んだ時間は昼過ぎ。書き込んだ人物の名前は「名無しさん@kskいっぱい」
 つまり名前無しの書き込みである。


『学生服を着た茶髪の男は危ない、気を許したと思ったら隙を見て襲い掛かってきた。古泉、という奴だ
 そいつは既に人を殺してる、涼宮ハルヒという元の世界の知り合いを高校で殺したと俺に言った』


「確かに第1回の放送で友達に殺された人が居るとは聞いてござったが……」
「これを書いたヤツが誰なのかわからない以上、話半分に聞いておくしかないわよね」

 新しい書き込みへの感想を言ったドロロに、治癒の魔法をかけ続けているリナが答えた。
 しかし、朝倉は彼らの知らない情報を持っていたため、より踏み込んだ意見を述べる。

「これはたぶん嘘よ。涼宮さんを殺したのはキョン君。たぶんそれは間違いないわ。
 目撃者はヴィヴィオちゃんだからね。
 ただ、キョン君は変な鎧を着ていて、顔を見たわけじゃないらしいけど。
 ヴィヴィオちゃんから聞いた特徴からして、ズーマが着ていた鎧と同じタイプのものかもしれないわね。
 でも、そいつは涼宮さんと話していたそうだから、まず間違いないと思うわ。
 キョン君も涼宮さんの親しい人間だからね」
「うーむ、またガイバーでござるか。鎧の色は何色だったと言っておられたでござるか?」
「あの鎧、ガイバーって言うの? でも色までは聞いてないわね」
「そうでござるか。ガイバーⅠという事はないであろうが、0号ガイバーという可能性はあると思ったのでござるが」

 ドロロはあえて晶がガイバーⅠだとわからぬように注意しながらそう言った。
 朝倉にそれを打ち明けるのはどうしても必要になってからでいいだろうという配慮であった。

「ガイバーⅠとか0号っていうのがいるの?」
「うむ。ガイバーⅠは水色。0号ガイバーは緑色のはずでござる」
「確かズーマの鎧は黄色だったわね。ガイバーってこの島に一体いくつあんのかしら?」
「さあ。それはなんとも言えぬでござるな。
 あと、気になったのでござるが、涼宮殿を殺したキョンというのはつまり、先ほど話された妹殿の……」

 ドロロが朝倉の方を向いてそう尋ねると、朝倉は少しうつむいて答えた。

「ええ。実のお兄さんよ」
「やはり、そうでござるか……」

 気まずい沈黙が流れる。
 だが、リナがその沈黙を破って、チャットを開始する事を促す。

「まあ、その話はその辺でいいんじゃない?
 あんまりこの事で時間潰してもしょうがないわ。ドロロ、チャットを始めましょう」
「そうでござるな。わかったでござる」

 リナに言われて、ドロロはすぐにチャットに移ろうとするが、朝倉がそれを止める。

「ちょっとだけ待って。他の書き込みも私は見てないの」

 朝倉がそう言って横からキーを操作して画面を上にスクロールさせたので、ドロロは椅子を引いて朝倉に場所を譲った。
 朝倉は「ありがとう」と礼を言って、素早く書き込みのチェックを始める。

(朝比奈みくるは主催者の仲間……か。ある意味間違ってないけど、それなら私の方がよっぽど長門さんに近いわね)

 朝倉は自分と長門の関係を告げるかどうか一瞬考えたが、結局話さない事にした。
 今のところ良好な関係になれそうなのに、疑われるような事を進んで話すのはデメリットが大きすぎるからだ。
 後でばれた時にスパイだなどと疑われるのも嫌だが、この2人はかなり冷静に物事を見るタイプのようだ。
 自分に懐いているヴィヴィオも一緒だし、弁明できる可能性は高いと判断した。

 その他の書き込みは危険な人物について警戒を促す同一人物によると思われる書き込みだった。
 だが、その中でゼロスに関する書き込みを発見し、朝倉は興味を引かれる。

「このゼロスって人には会ったわ。
 問答無用で襲いかかって来たりはしなかったし、むしろ友好的と言っていい相手だったけどね。
 でも、確かに何か信用ならない感じのする人ではあったわね」
「この一連の書き込みをしたのは拙者でござる。
 ゼロス殿についてはリナ殿が詳しくご存じなので、書いたことに嘘はないはずでござるよ」

 ドロロの言葉に、朝倉は思わずリナの方を向いて確認する。

「本当? リナさん」
「ええ。本当よ。
 ただ、あいつが友好的に接してきたってのもわからなくはないわね。
 あいつだってこの殺し合いの島から出来れば逃げ出したいと思ってるだろうし。
 そのために情報や味方を集めてるって事はありそうだわ」
「拙者が会った時も、首輪に関係する人物は殺さないと言っていたでござるな」
「ふうん。あ、そう言えば、ゼロスさんは『セイギノミカタ』を探してるみたいだったわよ?」

 朝倉のその発言に、リナは少し不思議そうな表情になる。

「正義の味方? なんでかしらね?」
「さあ、それはちょっと……」

 聞かれてもゼロスの考えなどわかるわけはない。朝倉はあやふやな返事をして他の書き込みに感心を移した。
 その後の中・高等学校に危険人物がいるという書き込みについてもリナといくらか話をして朝倉は掲示板を見終える。
 そして、その頃にちょうどリナによるドロロの治療も終了した。

「ほい、これでとりあえず目立つ怪我はふさがったわよ」

 リナはぽんとドロロを軽く叩きながらそう言って、ひとつため息をつく。
 制限を受けているせいか、やはり回復魔法を使うのにも結構な疲労が伴うようだ。

「かたじけないでござる。疲れているようでござるが、大丈夫でござるか? リナ殿」
「う~ん、結構疲れたわね。あとで回復しとかないと……」

 疲れを口にするリナに、朝倉もドロロにパソコンの前の場所を譲りながら気遣う言葉をかける。

「ありがとう。もういいわ、ドロロさん。
 リナさん、私の怪我を治したせいでごめんなさいね?」
「ああ、いいのいいの。
 回復するまで魔法は控えないといけないけど、もしヤバイのが襲ってきてもドロロがなんとかするから」
「いっ!? そ、それはまあ、なんとかしようとは思うでござるが……」

 ドロロが焦ってそう答えたので、リナは笑いながらドロロをぽんぽんと叩く。

「やーね。冗談よ冗談。さっきドロロが見た限りでは人の気配はなかったんでしょ。
 大丈夫よ、大丈夫」

 リナが言うとあながち冗談でもないような気がするドロロと朝倉であった。
 だが、ドロロは気を取り直してチャットを開始しようと2人に声をかける。

「では、チャットを始めるでござるよ」

 2人に異論は無さそうなので、ドロロはマウスを操作して掲示板からトップページに戻り、チャットのページに入った。
 それからチャットの名前入力画面に移ると、そこには現在チャットに1人入室していると表示されている。

「おお、ちゃんと待っていてくれたようでござるな」
「まあ、深町晶だからね」

 リナのその言葉に朝倉は深町晶だと待っていてくれるという事になるのだろうかと疑問を抱くがあえて口にはしない。
 わかった事は深町晶がリナに信用されているか、よほど舐められているかのどちらかだという事だ。

 そんな事を朝倉が考える間に、ドロロは名前欄に『泥団子先輩R』という名前を入力してチャットに入室する。

「なんなの? その泥団子先輩Rっていう名前」
「いくら何でもチャットに本名で入るのは抵抗があったゆえ、知り合いだけにはわかりそうな名前を考えたのでござる。
 この名前を見ればたぶん拙者の知り合いにはわかるはず。わかると思う。わかったらいいな……」
「ちょ、ちょっとドロロさん、どうしたの?」

 タママあたりが「こんな名前知らないですぅ」と言っている姿が容易に想像できたので、ドロロは落ち込みそうになる。
 だが、こんな所で鬱になっていても2人や晶たちに迷惑なのでどうにか持ちこたえるドロロなのであった。

「い、いや、なんでもないでござるよ。
 うむ、やはり中にいたのは晶殿でござったな」

 チャットに入ると、画面右側には『ゴーレムの友』という名前が表示されている。
 ドロロは手早くキーを叩き、チャットを開始する。


  (泥団子先輩Rさんが入室しました)
  泥団子先輩R>お待たせしたでござる。


 だが、なかなか晶からの返事がない。

「離席してるのか、画面を見てないんじゃないかしら。
 いくら待ってるとは言っても、ずっと画面に張り付いてるのも疲れるだろうし」

 朝倉が推測を述べる。
 そして、ドロロとリナもそれには納得したので、しばらく待ってみることになった。

「ところで、その深町って人とチャットをして何か得られるものがあるの?」

 朝倉が素朴な疑問を口にする。

「うーん、あんまり意味があるかどうかはわかんないけど、あっちで調べてくれてる事があってね。
 それにせっかくの協力者だから、関係を密にしておくに越したことはないでしょ」
「何を調べてくれているの?」
「博物館の前に特設リングっていうのがあるらしいのよ。
 で、そこでスバルって女の子とガルルっていうケロン人。それにアシュラマンっていう参加者が戦っていたらしいのね。
 その戦いの映像があっちのパソコンで見られるから、それを確認してもらってるの」
「ケロン人って?」
「拙者のような地球のカエルに似た姿の宇宙人の事でござるよ」
「宇宙人……?」

 朝倉はさすがに言葉を失った。
 宇宙人と言えば朝倉がまさにそれに近い存在である。
 また、その上位に存在する情報統合思念体は、その形態は異質なれど、間違いなく宇宙人と言っていい存在である。
 だが、自分がこの二足歩行カエルと同じような存在だと思うと少々微妙な気分になる朝倉なのだった。

「拙者の居た世界では宇宙人はそれこそ星の数ほどいるでござる。
 地球人には姿を見せぬようにしているでござるが、地球にも多くの宇宙人が訪れているでござるよ」
「ふ、ふう~ん……」

 一体どんな宇宙人なんだろうと朝倉は想像しかけたが、すぐに画面に変化があったので我に返って画面に集中する。

「む、あちらから返事が来たでござるな」
「どうやら問題が起きたってわけじゃなかったみたいね。さあ、ドロロ。頼んだわよ」
「心得たでござる。
 それでは、まずは互いの状況確認からでござるな」

 リナにそう答えると、ドロロはキーを叩き始め、チャットが本格的に再開された。

  ゴーレムの友>返事が遅れてすいませんでした。
  泥団子先輩R>いやいや、こちらこそ待たせて申し訳ないでござる。
  泥団子先輩R>そちらは何事も無かったでござるか?
  ゴーレムの友>危険な事は何もありませんでしたが、2人の参加者とコンタクトが取れました。
  ゴーレムの友>1人は川口夏子という人で、そちらが退室した後にチャットに参加して来た人です。
  ゴーレムの友>もう1人は雨蜘蛛という男の人で、こちらは博物館で直接会った人です。
  泥団子先輩R>直接会ったという事は、今も近くにいるでござるか?
  ゴーレムの友>はい。
  ゴーレムの友>雨蜘蛛さんはその、今は殺し合いには乗っていませんが、生き残ることが最優先という方です。


「生き残る事が最優先、ねえ。
 変なのに引っかかってるんじゃなきゃいいんだけど……」

 リナが目を細め、疑うような様子で言った。

「まあ、殺し合いに乗っておらぬということでござるし、ただ単に生きる事に必死な方かもしれぬでござる。
 この時点ではなんとも言えぬという事は確かでござるが……」
「ねえ。深町さんたちが何者かに人質を取られたりして脅されているっていう可能性はないの?」

 朝倉はかわいい顔をしてずばっと嫌な可能性に言及した。
 と言っても、もちろん雨蜘蛛の姿と名前が一致しない朝倉が雨蜘蛛の正体に気付いたわけではない。
 単に気になったことを口にしただけだ。

「そうね。その可能性もあるかも」
「しかし、今のところ判断できる情報がなさ過ぎでござる。
 とりあえず話を進めるしかないのでは?」

 ドロロとリナは少しの間う~んとうなって考えたが、リナが決断を下した。

「まあいいわ。とりあえず余計なことは言わないように釘を刺しておいて、話を進めましょ。
 チャットしてて助けを求めているようなそぶりがあればその時に考える。それでいいわ」
「釘を刺す、でござるか。とにかくやってみるでござるが……」


  泥団子先輩R>その雨蜘蛛殿には失礼かもしれぬでござるが、拙者たちが信用しているのは晶殿とスエゾー殿でござる。
  泥団子先輩R>よって、こちらの情報はあまり伝えぬようにしていただきたいのでござるが、よろしいでござろうか?
  ゴーレムの友>わかりました。合言葉も誰にも教えていません。
  ゴーレムの友>そちらに迷惑がかかることだけは無いように注意します。
  ゴーレムの友>ただ、そちらの名前や多少の情報は伝わってしまいますが、よろしいでしょうか?
  泥団子先輩R>名前程度であれば構わないでござろう。
  泥団子先輩R>一緒に行動する以上、ある程度やむを得ない事は理解できるでござるよ。
  ゴーレムの友>ありがとうございます。ご心配をかけてすいません。


「とりあえず助けを求めている感じは無さそうだけど……リナさんはどう思う?」
「う~~ん。たぶん普通にややこしい参加者を引き込んじゃったって感じだとは思うけど。
 考えても仕方ないわね。ドロロ。話を続けて」
「了解でござる」



◇



「おいおい~。こいつ、俺の事を信用できないって言ってるぜ~~
 おじさん傷ついちまうなあ~~」
「いや、それはしょうがないんじゃないかな。
 雨蜘蛛さんの事を相手は何も知らないんですから」
「そうやで。タダでさえ相手の顔が見えへんのに、生き残るんが最優先やって聞いたら心配すんのもしゃあないで」

 博物館の学習室のパソコンを前にして、ガイバーⅠ、スエゾー、雨蜘蛛、小トトロの2人と2匹が話し合っていた。
 話し合いと言っても「泥団子先輩R」に釘を刺されたことに雨蜘蛛が愚痴を言っているだけなのだが。
 ついでに言えば小トトロはみんなの顔を見回して頷いたり首をかしげたりしているだけなのだが。

「おいおい。お前らちょっと俺に冷たくないか~?
 生き残るのが最優先なんて、誰だって同じだぜ?
 なあ~、俺怒っていいかな~? なあおい、晶、どうなんだ? ヴルルゥァ~~」

 そう言って雨蜘蛛はガイバーをまとった晶の肩をグーでゴンゴンと叩く。
 ガイバーは丈夫なのでその程度では痛みも感じないのだが、精神的にはかなり気になる。

 この雨蜘蛛という人物は確かに晶に無いものを持っている。
 それはきっと狡猾さとか非情さとか言ったたぐいのものだ。
 それは0号ガイバー・キョンとの戦いを経験した晶が欲したもの。
 そして、それはこの島で生き抜いて殺し合いを潰すために必要になる事もあるだろう。
 だが、それに呑まれてしまうわけにはいかない。それが晶の動かせないスタンスであった。

「我慢して下さい、雨蜘蛛さん。
 とりあえず今は情報のやり取りをする事が先決なんですから」
「ちっ。しょうがねえなあ。まあ、俺はこっちで休んでるから、さっさと終わらせちまいな~~」

 晶に説得されて、雨蜘蛛はしぶしぶパソコン画面から離れた椅子に腰掛けて脚を組み、腕を組んでふんぞり返った。
 無駄に偉そうである。

「しゃあないやっちゃなあ。まあ、食いもんとか荷物とかの恩もあるし悪いヤツやないとは思うんやけど」
「いや、俺はどっちかっていうと、あの人は悪い人に分類できるような気がするよ……」

 雨蜘蛛が語った彼の世界。
 どこもかしこも砂漠で覆われた砂の世界。
 そこでは人が野垂れ死にしようが誰も気にしない。盗賊や人買いは風景の一部だと言っていた。
 人の命がひどく軽く、法も道徳も役に立たない。雨蜘蛛はそんな世界の住人なのだろう。
 そこでは当たり前の考え方は、晶たちにとっては悪だと思える事も充分ありえる。
 そうでなければいいとは思うが、この島ですでに人を殺している可能性だって0ではないと晶は考えていた。

「悪人やったらアカンやんけ! どうするつもりやねん晶!」
「……それでも俺たちはあの人をも味方にして行かなきゃいけない。そう思うんだ。
 あの人が一緒に居ることは、きっと俺たちにもプラスになると思うからね。
 もちろん全部を受け入れるとは言わない。俺たちの絶対譲れない所を譲歩するつもりはないよ。
 それにあの人だって手加減してくれていると思う。
 本気で俺たちを利用するつもりなら、騙すにしろ脅すにしろ、あの人はもっとうまくやれる気がするんだ」

 晶とスエゾーがそんな事を話し合っていると、後ろから雨蜘蛛のツッコミが入る。

「おお~ぅい! 小声で言っても聞こえてんぞぉおお~~ぅ!」
「やかましいわ! ちょっとおとなしゅう待っとれ!」
「前途は多難かなぁ……」

 そうつぶやく晶の方を見て、小トトロが首をかしげる。

 しかし、そんなやり取りをしながらも晶はちゃっかりチャットを進めていた。
 晶も少しこの空気に慣れてきたのかもしれない。



◇



  ゴーレムの友>そちらは何事もありませんでしたか?
  泥団子先輩R>こちらも2人の参加者と合流したでござる。
  泥団子先輩R>朝倉殿という若い女性と、ヴィヴィオ殿という幼い少女でござる。
  泥団子先輩R>どうやら信用に足る相手のようでござるよ。
  泥団子先輩R>とは言え、もちろんこちらも簡単には晶殿やスエゾー殿の事を話さぬようにはするつもりでござる。
  ゴーレムの友>わかりました。
  泥団子先輩R>あと、ズーマという危険人物を倒したでござる。
  泥団子先輩R>と言っても名簿に名前が載っておらぬのでござるが。
  泥団子先輩R>首輪はしていたようなので、おそらく名簿には別の名で載っているのだと思うでござる。
  泥団子先輩R>ズーマはリナ殿の世界にいた暗殺者なのでござるが、なぜか黄色いガイバーをまとっていたでござる。
  ゴーレムの友>私の知っている黄色いガイバーはガイバーⅡと呼ばれています。
  ゴーレムの友>私の世界ではかなり前に私が破壊したのですが、この世界にはあったんですね。
  ゴーレムの友>もっとも、大昔の存在である0号ガイバーが存在するのですからそれも不思議ではないのでしょう。
  泥団子先輩R>主催者は失われたものも手に入れられるという事でござろうか?
  ゴーレムの友>もしかしたら異世界を行き来するように時間も移動できるのかも。
  ゴーレムの友>いや、これは考えすぎでした。すいません。


「時間移動……できると思うわ」
「しかし、拙者たちの科学でも時間移動は困難でござるが……」
「あたしも時間移動ってのはさすがに難しいと思うけど……」

 時間移動をあっさり肯定した朝倉に対し、ドロロとリナの反応は否定的であった。

「私は自分の世界で実際に時間移動していた人物を知っているし、主催者にもできると思うわ。
 私たちにとっては必ずしも不可能な事ではないしね」
「じゃあアサクラもできるの?」
「今は無理よ。元の世界でも必要もなく安易にできるようなものじゃないし。
 でも、主催者が異世界を渡り、その技術を全て持っているのならできても不思議じゃないわ」
「それ、信じていいのね?」
「ええ。ただし、時間移動と言っても自由自在というわけではないけどね。
 さまざまな制約の中で出来る事と出来ない事があるの。
 それでも、限定された過去から人や物を取ってくるぐらいの事なら充分できると思うけど」
「そうでござるか……これは一応晶殿たちにも伝えておくでござる」


  泥団子先輩R>いや、あやまる必要はないでござるよ。
  泥団子先輩R>どうも朝倉殿の意見では主催者が時間を移動できる可能性は高いようでござる。
  ゴーレムの友>そうですか。我々にとってはどうにも困った話ですね。
  泥団子先輩R>ただし、時間移動と言っても自由自在というわけではないようでござる。
  泥団子先輩R>と言ってもそれで充分やっかいではあるのでござるが。
  ゴーレムの友>そうですね。


「ドロロ~。困った困ったって言っててもしょうがないから話進めない?」
「む、そうでござるな。失礼したでござる」

 その後、ドロロは朝倉に聞いた話を元に、市街地であった火事についても簡単に晶たちに伝えた。
 ただし、キョンの妹やアスカ、そしてゲンキについてはあえてここでは伝えなかったが。
 そして、話題はようやく本題に入る。


  泥団子先輩R>それはともかく、リングの映像で何かわかったことはあったでござるか?
  ゴーレムの友>はい。
  ゴーレムの友>あの後、リングに例の背中に手のある怪人が現れたんです。
  ゴーレムの友>怪人の名前もわかりました。オメガマンです。
  ゴーレムの友>オメガマンとアシュラマンは殺し合いに乗った者同士協力してスバルさんやガルルさんと戦いました。
  ゴーレムの友>でも、激しい戦いの末にスバルさんとガルルさんはその2人に勝ったんです。
  ゴーレムの友>スバルさんはアシュラマンに自分が勝ったら殺し合いをやめるようにと約束させていました。
  ゴーレムの友>そして、アシュラマンはそれに従おうとしていたのです。
  ゴーレムの友>その時に試合の勝敗のルールを無視してオメガマンが襲ってきて、不意を突かれた3人は重傷を負いました。
  ゴーレムの友>オメガマンはスバルさん、ガルルさんだけでなく、アシュラマンも攻撃したのです。
  ゴーレムの友>おそらくガルルさんの致命傷と思われる、銃で撃たれた傷はこの時のものです。
  ゴーレムの友>スバルさんはオメガマンに一矢報いましたが、特に重傷だったガルルさんを抱いて去っていきました。
  ゴーレムの友>スバルさんはアシュラマンの事も気になっていたようですが、仕方なかったと思います。
  ゴーレムの友>その後、アシュラマンは改めてオメガマンと戦いましたが、敗れて殺されてしまったのです。
  ゴーレムの友>これがあの戦いで起こった事の大まかな流れです。
  泥団子先輩R>なるほど。あいわかり申した。


「どうやらこのオメガマンってヤツはかなり危険なヤツみたいね」
「不意打ちも人殺しもなんとも思っておらぬようでござるな」
「この深町さんが嘘を言っている可能性は?」

 深町晶をよく知らない朝倉はおもむろにそんな疑問をぶつけてきたが、2人はかなり晶を信用しているようだった。

「考えにくいわね。もちろん100%とは言わないけど、9割以上信じられると思うわ」
「うむ。晶殿が何者かに脅されているという線も考えにくいでござる。
 少なくとも前回のチャットの時と比べて違和感は感じられないでござるよ」

 2人にそう言われては朝倉もある程度深町晶の発言を信じざるを得ない気がしてくる。

「そうすると、アシュラマンは悪い人に戻っていたのかしらね。
 話を聞くと最後は改心しつつあったみたいだけど」
「あれ? アサクラはアシュラマンってやつを知ってんの?」
「ええ。ごめんなさい。言ってなかったわね。
 アシュラマンについてはキン肉マンやウォーズマンから話を聞いたわ。
 昔は悪い人だったんだけど、今は改心して正義超人になったって話だったんだけど……」
「じゃあなんでスバルとガルルを襲ってきたのかしら?
 深町晶……ショウは最初に襲ってきたのはアシュラマンで、しかも不意打ちを仕掛けてきたって言ってたわよ?」
「何か誤解があったか、この場に連れてこられてから悪人に逆戻りしていたのでござろうか?」

 2人の疑問を聞きながら、キン肉マンやウォーズマンの発言を思い返し、朝倉は少し考える。
 確かにこの殺し合いに連れてこられて心変わりするという可能性は充分あるだろう。
 だが、キン肉マンやウォーズマンのあの信頼からすると、アシュラマンが容易く心変わりすることは考えにくい気がする。
 そして、深町の話を信じるなら、アシュラマンは殺し合いに乗ってもなお約束は守るような人物なのだ。
 そこからも簡単に心変わりしたという予想はしっくり来ない。
 となればもう一つの可能性は……

「アシュラマンは改心する前の時代から連れてこられたのかも……」

 その朝倉の発言をリナはしばらく頭の中で検討し、意見を述べる。

「その可能性はあるかもしれないわね。ショウもキン肉マンたちも嘘は言ってなさそうだし」
「でも、時既に遅し、といった感があるでござるな。
 アシュラマン殿はもう……」
「それは仕方ないでしょ。他にも別の時代から来てる人がいるかもって事がわかっただけでも収穫だわ。
 っていうか、そうとでも思わなきゃ虚しくなるじゃない!」

 そう叫ぶリナにドロロが少し気圧されつつも同意する。

「ま、まあ、確かにそうでござる。おっと、まだあちらの話は続くようでござるな」


  ゴーレムの友>あと、リングで戦いが始まった際に実況中トトロという生物が現れました。
  ゴーレムの友>小トトロに似ていますが、体は青くて少し大きいです。
  ゴーレムの友>会話はできないようですが、不思議なプラカードで文字を使って意思の疎通ができるようです。
  ゴーレムの友>本人は特設リングのレフェリー兼実況兼観客だと主張しています。
  ゴーレムの友>実際にこの中トトロが試合の審判をしていました。
  ゴーレムの友>つまり、彼は主催者側の存在ということなのですが、小トトロとも無関係ではないようです。
  ゴーレムの友>というのは「仲間か?」と尋ねたら本人が頷いたような気がしたからですが。
  ゴーレムの友>ただ、私たちはそれでも小トトロを疑ってはいません。


「中トトロ……体が青いもふもふって確かさっきの絵に居たのよね?」
「そうでござった。壁紙の件を尋ねてみるいい機会でござる」


  泥団子先輩R>1つお尋ねするでござる。
  泥団子先輩R>そちらのパソコンの壁紙は何が表示されているでござるか?
  泥団子先輩R>こちらには青いもふもふした生物と小さくて白いもふもふした生物が歩いている画像なのでござるが。
  ゴーレムの友>そうですね。こちらの壁紙も同じです。
  ゴーレムの友>この小さいのが小トトロで、少し大きいのが中トトロで間違いありません。


「やっぱりそうなのね~
 と言っても、そんなことがわかったってどうって事もないんだけどさぁ」
「でも、パソコンの壁紙に使うって事は、このゲームのシンボル、マスコット的な存在なのかもしれないわね。
 なんていうか、イメージキャラクターみたいな?」
「うーん。でも、特に意味があってそうしてるとは思えないんだけど……」
「とにかく中トトロについてもう少し聞いてみるでござる」

 その後、ドロロは晶に中トトロの能力を尋ねる。
 だが、プラカードに文字を表示させる以外は特殊な能力の無い、ただの審判ということらしい。
 そして、さらに深町晶の話は続く。


  ゴーレムの友>そして、スバルさんについてですが。
  ゴーレムの友>彼女はオメガマンに銃で撃たれたガルルさんを連れてリングから立ち去ったっきり映像に出てきません。
  ゴーレムの友>ガルルさんの遺体はここの西に埋葬されていたので、西に行ったのだと思います。
  ゴーレムの友>その後の彼女の行った先はわかりませんが、ここより西のどこかに居る可能性が高いかもしれませんね。
  ゴーレムの友>スバルさんはアシュラマンを改心させようとしたほどの人ですから、きっと味方になれると思います。
  泥団子先輩R>同意するでござる。
  泥団子先輩R>もし会うことができたら協力するように努めるでござる。


「そう言えばスバルって……クロスミラージュに聞いたわ。
 ヴィヴィオちゃんの知り合いだと思う」
「えーと、クロスミラージュって確かデバイスっていうヤツね。
 だったらもしかしてバルディッシュもスバルの事知ってるのかしら?」
『Yes. スバル・ナカジマ二等陸士の事は存じ上げています』

 ソファーで眠るヴィヴィオの首にかけられたバルディッシュがそう答える。
 ただし、ヴィヴィオを起こさないようにとの配慮か、あまり大きな声ではなかったが。

「それなら後でバルディッシュにも話を聞いた方がいいみたいね」
「そうでござるな。他にもいろいろ聞けることがあるやもしれぬでござる。
 この事は一応晶殿たちにも伝えておくでござるか?」
「う~ん。そうね。隠しておくのもアレだし。
 アサクラはどう? ショウたちに教えてもいいかしら?」
「私は構わないわ。それで困るという事は無いだろうし」
「では伝えておくでござる」


  泥団子先輩R>スバル殿については、ヴィヴィオ殿が持っておられるデバイスというものが知っているようでござる。
  泥団子先輩R>デバイスというのは喋るペンダントなのでござるが、魔法のサポートをする品物らしいでござる。
  泥団子先輩R>今は少々都合が悪いゆえ、後で話を聞くつもりでござる。
  ゴーレムの友>わかりました。
  ゴーレムの友>映像の話の続きですが、オメガマンのその後も確認しました。
  ゴーレムの友>しばらくオメガマンはリングの跡で休んでいました。
  ゴーレムの友>その後、空から大きなカナブンが現れて、オメガマンの怪我を治したのです。
  ゴーレムの友>さらにオメガマンはそのカナブンの背中に無理矢理乗って、北の方へ飛んでいったようです。
  ゴーレムの友>その後、私が確認した範囲ではオメガマンもここには戻ってきていません。
  泥団子先輩R>カナブンが怪我を治した、で間違いないのでござるか?
  ゴーレムの友>はい。空を飛んだまま不思議な光をオメガマンに当てて治していました。
  ゴーレムの友>良く映像を確認したのですが、首輪はしていないので参加者ではなさそうです。


「まあ、カナブンに首輪ってのも難しいでしょうしねえ?」
「参加者でないとしたら、支給品かしら?」
「う~む。この島で起こることはよくわからぬ事が多いでござるなあ……
 む。また何か追加情報のようでござる」

 ドロロがそう言ってディスプレイを見たので、リナと朝倉も画面に目を向ける。


  ゴーレムの友>あと、雨蜘蛛さんからの情報で0号ガイバーの名前がわかりました。
  ゴーレムの友>彼はキョンという名前のようです。


 その書き込みを見た朝倉の表情が少し硬くなる。

「キョン君? 0号ガイバーって……」
「さっきも少し話に出たでしょ? ショウとスエゾーを襲ったガイバーよ。
 雨蜘蛛って人の情報なのが気に入らないけど、これが本当ならヴィヴィオちゃんの証言と辻褄は合うわね」
「襲ったっていう事は、やっぱり殺し合いに乗っていたのね?」
「ショウはそう言ってるわね。たぶん嘘じゃないわ。
 確か叶えてもらいたい願いがあるとか言って襲ってきたって言ってたっけ?」
「そうでござったな。説得する晶殿を偽善者だと言って話を聞こうとしなかったとも」
「……キョン君。何やってんの……」

 彼の叶えたい願いというのが何であるのかは、現時点では朝倉にもわからない。
 深町を偽善者呼ばわりしたという事は、やはり元の世界に帰るのが目的だろうか?
 正義感の強い人物とは思っていなかったが、まさかこうまであっさり殺し合いに乗るとは。
 他の願いがあるのかもしれないが――

 いや、彼の願いなどどうでもいい。
 いずれにしても彼が涼宮ハルヒを殺した事に違いはないのだ。
 貴重な『進化の可能性』である涼宮ハルヒを殺した。
 なんという短慮。なんという愚行であろうか。

(やっぱり、彼は殺すって事で決まりね。言い訳ぐらいは聞いてあげてもいいけど……)

 そんな物騒な事を考える朝倉だったが、表情からはそんなそぶりは見られない。
 リナが朝倉からゼロスに似た印象を受けたのも、こういう所が原因だろう。

 そして、考え事をして何も言わなくなった朝倉を気にしつつも、ドロロは晶とのチャットを続けていた。


  泥団子先輩R>川口夏子という方とはどういうやり取りをしたのでござろう?
  泥団子先輩R>もちろんそちらに不都合のない範囲でかまわないでござるが。
  ゴーレムの友>川口さんにはこちらの持っている危険人物の情報だけは伝えてあります。
  ゴーレムの友>あちらからの情報はオメガマンが10時過ぎぐらいにモールに居たという事だけでした。
  ゴーレムの友>ただ、川口さんは18時に公民館で仲間と待ち合わせていると言っていたのが心配です。


「公民館ねえ。確か火事の中心近くにあったはずよねえ?」
「そうでござるな。もし早めに向かっていたのなら火事の中に居たのかもしれないでござる」
「でも、その人本当に信用できるのかしらねえ?
 なにしろショウの言うことだしねえ……」
「正確なやり取りがわからぬ以上、なんとも言えぬでござるよ。
 でも、そんなに心配なら一応注意だけはしておくでござる」

 リナにそう言いながら、ドロロはまたキーを叩き始めた。




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ヴィヴィオ
リナ=インバース
ドロロ兵長
深町晶
スエゾー
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