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  • 痛快娯楽復讐劇(前編)

痛快娯楽復讐劇(前編)

最終更新:2009年06月01日 19:13

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痛快娯楽復讐劇(前編) ◆igHRJuEN0s



「どこだ、アプトム……!!」

ボロボロの羽で空を駆ける異形の復讐者・ゼクトールは、復讐すべき対象・アプトムの名前を、ありったけの憎しみをこめて呟く。
彼は先程まで、仲間の仇であるアプトムを見つけ、己の手で殺す事ができるハズだった。
だがそれは叶わず、黄色いガイバー(消失したハズのガイバーⅡ?)により阻まれ、右腕を失い、アプトムを取り逃がすハメになった。

黄色いガイバーの戦闘力は並外れていた。
下手をすればガイバーⅠやガイバーⅢと同じかそれ以上に……おそらく今の自分では勝つ事は難しい。
それをわかっていたゼクトールは、少なくとも今は死ぬ気はなかった。
自身が死ぬより先にアプトムを殺すために、死を伴うリスクを背負う事は、今はまだしたくないのである。
それ故にガイバーとの戦闘は、可能な限り回避したかった。
……だが例のガイバー、ついでに言うなら他の参加者も、いつの間にやらどこかへといってしまったらしい。
ガイバーについては、本当に遠くへ行ってくれたのなら僥倖である。

しかし、当のアプトムも燃える市街地の煙に紛れて、どこかへ消えた。
せっかくのチャンスを、ガイバーのせいで失ったことにより、ゼクトールはかなり苛立っていた。
それはゼクトールにとって、目に入った物を全て壊したいほどの苛立ちである。
仇が取れる事の喜びを、仲間である四人の魂が報われる機会を、一人のガイバーに踏みにじられたからである。

「クソ……ッ!
……落ち着けゼクトール」

ゼクトールはかなりの怒りと憎悪を胸に抱きながらも、冷静さは失ってなかった。
復讐の機会はアプトムが生きている限りはまだある。
また、羽はボロボロで早くも高くも飛べないが、飛べること事態のアドバンテージは失っていない。
無理をしなければまだ飛び続けられるし、時間が経てば再生もできる。
憎きアプトムを捜すための機動力は残っている。
それらを思いだしたゼクトールは、苛立ちを胸の中にしまっておくことにした――少なくともアプトムを見つけだすまでは。

その思いを胸に、飛ぶゼクトールはB-6を越え、B-7へと入る。
そこで彼の目に、ある物が目につく。


「人影……?」

それを見つけられたのは彼の集中力の賜物か。
とある喫茶店の中でうごめく影を発見したのである。
その建物の中に確実に誰かがいることをゼクトールは確信する。
もしかしたらアプトムがこの喫茶店に逃げこんでいるのかもしれない……そうでなくとも人影の人物との接触、または殺害できれば件の褒美のための点稼ぎにより、アプトム捜索に数歩前進することができる。
そう思考したゼクトールは、喫茶店の近くへと降り立つことにした。


---

ガチャ カランカラン


「クッ!」
「ムハ?」

ゼクトールが喫茶店の扉を開けて入ると同時に、扉に立て付けられたチャイムが鳴り響き、内部にいた一人の人間と一匹の獣が反応する。
軍人――夏子は即座に来訪者・ゼクトールに向けて銃を構え、獣――ハムもまた身構える。
来訪者であるゼクトールといえば、人間に銃を向けられても、野兎のようなゾアノイド(彼はそう思っている)が居ようとも、動じる事はなかった。
いくら身体がボロボロのボコボコとはいえ、銃で撃たれても、並のゾアノイドに襲われても倒されない自信があるからだ。
そんなゼクトールは、まずはアプトムの行方について尋ねようとする。

「貴様らはアプトムという奴の居場所を――」
「ここから出ていきなさい!
さもないと発砲するわよ!」
「そ、そうです!
怪我をしたくなかったらとっとと出ていくのが懸命ですよ?」

「――知らないか?」と言う前に質問は遮られ、目の前の一人と一匹は、ゼクトールにこの喫茶店から出ていくようにと要求する。

「……言っておくが、俺はこのゲームの優勝に興味はないぞ」

それは先程、彼が殺した(と思っている)少年と会話の時に使った言葉と同じであった。
実際、嘘は言っていない。
だが、優勝に興味がないからとはいえ、それが二人の命を保証するという意味でもない。
彼が先程、小僧と呼んだ少年に襲いかかったのと同じ手口で、仇であるアプトムや筋肉スグルのような強者たちの情報を知らないようなら・・・・・・
いや、仮に喋ったとしても襲いかかる気である。
悪魔将軍が戦いたがっている強者たちについてはともかく、アプトムの行方は嘘でごまかされては痛い。
だったら、ここで目の前の二人を殺して、いっきに殺戮数を3にし、確実な情報になるであろうご褒美を得た方が都合が良い。
ゼクトールはそのつもりであった、が……

「その言葉は信用に値しませんぞ」
「私たちはここから、あなたのような化け物同士の戦いを見せてもらったわ」
「……」


夏子とハムは先程から、ゼクトールを含めた者たちの乱戦をリアルタイムで目撃していた。
当然、ゼクトールの立ち回りや実力も、それなりに見ていたのである。
彼女と野兎には、ゼクトールがさぞかし危険な存在に見えていることだろう。

(どうやら、警戒されているらしい)と思いつつ。
(まあいい)ともゼクトールは思っていた。
最初から殺すつもりではあったのだ。
(恨みはないが、死んでもらおう)

「そうか、ならば仕方があるまい……」

冷たくそう言い放つと、ゼクトールから急激に殺気が放たれる。
それを肌で感じた夏子とハム。

「何かするつもりなら容赦なく射殺する!」

夏子はあくまで平静を保とうとし、後退りながらも銃を下ろさずに強気そうな態度を見せる。
しかし、ゼクトールは抗戦の意を見せる彼女に対して余裕を見せ付ける。

「俺の戦いを見ていたならわかるだろう?
そんな銃が俺に効くと思うか?」
「くっ……」
「あわわわわ」

化け物相手に拳銃で太刀打ちできるとは思えない。
夏子もハムも、それは理解している。
しかし、ゼクトールの強力なレーザーから推測するに、喫茶店の裏口から逃げようものなら、避ける暇も無く一瞬で灰と化すだろう。

退こうにも退けず、背中も見せられない。
実力が違いすぎる怪物相手に真正面から戦うなど問題外だ。
しかし、状況をひっくり返せるような道具や武器も持ち合わせておらず、一人と一匹にできるのは相手が手を出してくる前に、逃げる手段や隙を探すのが関の山である。

一方で、ゼクトールも何も考えずに二人を殺そうとしているわけではない。
接触してから今まで、相手を値踏みしていたのだ。
店の外からミサイルやレーザーを撃ち込めば、事は済むとも思っていた。
だが、少年の後に殺そうとした母子に向けてレーザーを放った時の事を思いだす。
結果的に、仲間による援護・魔法か支給品と思わしきものの力によって、殺し損ねてしまった。
よって、ゼクトールなりに学習をした。
弱者と見える者でも、支給品や隠された力によって攻撃を凌がれる場合がある。
あえて余裕を見せたりしていたのは、そういった支給品や力を持っているかを測るため。
しかし、目の前の女性とゾアノイドの余裕の無い雰囲気からして、状況を打破できる物はもっていない事を看破できていた。
額から流れる汗や慌てようからして、実力を隠すための芝居にも到底見えない。
実力の意味でも、装備面の意味でも、弱者を発見できたことにゼクトールは、内心で微笑む。
また、より確実に相手を殺すために、近距離からレーザーを撃ち込むべく、自ら喫茶店の中に入った。
扉の前にいる自分には、即座に脱出できる退路があり、一人と一匹には裏口まで逃げるにも距離がありすぎて脱出は困難。
将棋で例えるなら、ゼクトールは王手・夏子とハムは詰み、である。

(よし、もう良いだろう。
時間が惜しい、さっさと殺そう)

痺れを切らしたゼクトールが、レーザー発射口にエネルギーをチャージすせる。
あと数秒も立てば、夏子とハムは灰燼と化すだろう。




――だが、そうはならなかった。

突然、夏子とハムの視線がゼクトール……の頭上に移動する。
その表情は、まるで信じられない物でも見ているように、驚愕していた。
これもまた、芝居には見えない。


(なんだ、何事か!?)

視線の先に何かがあるのかと思ったゼクトールは、上を見上げる。

そこにいたのは、天地逆転状態でゼクトールを見ている上半身だけのネコミミつけた男。
正確には、下半身をスライム状にして天上に張り付かせ、上半身だけを具現化させたネコミミを頭につけた男が、ゼクトールを見下ろし(見上げ)ている。
そして、ゼクトールと男との頭の差は僅か10センチ。

奇妙にして異常に不可解な姿の男だが、それができる者はゼクトールは一人しか知らない。
それは、復讐心と仲間への想い以外は全てかなぐり捨てまで殺そうとしていた相手。
仲間の仇。
組織の造反者。
殺すことこそが、己の唯一の救いである者。

抑えきれない憎悪が溢れ、ゼクトールは力強く叫ぶ。

「アプトォォォーーーーーム!!」
「やれ! ネブラ!!」
『了解した』

夏子やハムが押されてしまうくらいの気迫にアプトムは負けず、即座にネブラに指示を出す。
そして、アプトムの頭の上で変形したネブラから何本もの触手が放たれ、その全てがゼクトールに向かう。
お互いの距離は1mもなく、いくら損種実験体のゼクトールでも逃れられはしない!

まず、触手のうち、数本がゼクトールの首や腕に絡みつき、彼の逃亡を防がせた。

「許せ!」

アプトムがそれを言った直後に、ゼクトールを縛りつけた触手以外の複数の触手が、鞭のようにゼクトールにたたきつけられる。

「ぐああああああああ!!」

ネブラから伸びる触手の鞭の威力はゼクトールにダメージを与えるには十分であった。
その鞭が複数本あり、縦横から嵐のように絶え間無く叩きつけられている。

バシバシバシバシバシバシ……ッ
はたして一秒間に何本で何回叩きつけられていることか。
並の人間ならばとっくに失神しているほどの威力だ。

「ふ、ふざけ――」

そんな反撃を許さないような鞭のマシンガンラッシュの中でも、ゼクトールは意地で至近距離からのレーザーを発射しようとする。

『そうはさせん』

だが、それに気づいたネブラが攻撃を阻止すべく、触手を一本だけ先をナイフ状にし、レーザーを撃たれる前に横一閃する。

「なにぃ!?」

レーザー発射口が切り裂かれ、チャージされていたエネルギーが霧散する。
反撃は失敗に終わったのだ。

(ま、まだだぁ!!)

それでもゼクトールは諦めない。
執拗に攻めてくる触手を電撃で吹き飛ばそうと、体内でエネルギーをすぐにチャージする。
しかし、それも未遂に終わる。
電撃が体内から放たれるより先に、トドメと言わんばかりに、一際太い触手がゼクトールの頭に叩きつけられた!!

「ぐわあぁぁ……!!」

ゼクトールの脳みそがシェイクされ巨大なハンマーで砕かれたような衝撃が襲う。
元からボロボロであり、ダメージを耐えてきた彼だが、ここでとうとう限界を超えてしまったらしい。
すーーーっとゼクトールの意識がブラックアウトしていく。

「おのれぇ……アプト……ム……」

その言葉を最後に、ゼクトールは意識を手放し、その巨体が床に沈むことになる。

---

数分前。
ゼクトールから逃れるべく、市街地で起きた火災による煙に紛れつつ、喫茶店へ逃げ込んだアプトム。
(ちなみに、逃げることに夢中でお目当てでもあったガイバーに気づけなかったようだ)
文字通りゼクトールを煙に撒き、見失なわせることができた。
しかし、それも一時的なもので、すぐにでも追ってくるだろうとアプトムは予感していた。
そこで、喫茶店の先客であった人間の女と、雰囲気からしてゾアノイドには見えない二足歩行の巨大野兎に自身を匿うように要求した。
もちろん唯ではなく、金貨の詰まった箱を代金として取引とした。
しかし、返ってきた反応は……

「悪いけど、できないわ。
あなたを匿う気も、この箱を受け取る事も」

人間の女――夏子はアプトムに箱を返還し(余談だが、箱が返された時に野兎――ハムは、勿体ない、と惜しそうな顔をしていた)、銃口を向ける。

「あなたを信用するわけにはいかないわ。
即刻、でていかなかったら撃たせてもらうわよ」

厳しい顔をして、夏子は非常に濃い警戒の色を見せる。
交渉は決裂だった。

「そうか……」


アプトムは諦めを思わせるような態度を取ると、その直後に片腕を伸ばして夏子の首を強引に掴み、圧迫する。

「がっ!? な、なにを……!!」

突然の思わぬ攻撃に、夏子は焦燥する。
しかし、それでも軍人である夏子は反撃することは忘れず、手に持っていた拳銃の銃口をアプトムの額に向け引き金を引こうとする。
撃たれるよりも早く察知できたアプトムは、もう片方の腕を延ばして拳銃を奪い取る。
一瞬で攻撃手段を奪われてしまった夏子は唖然とする。

「馬鹿が!
こんな所で発砲すれば、奴を呼び込む事になるぞ!?」

アプトムは、火力の低い銃撃では簡単に死なないとは自覚しているが、問題なのは銃声でゼクトールが招きよせられてしまう事。
それを防ぐために夏子の拳銃を奪ったのだった。

「ハ、ハム!!」

武器を奪われた夏子はハムに助けを求めようとした。
しかし、返ってきたのは情けなく謝る彼の言葉と、喋るネコミミの報告。


「す、すいません夏子さん。
助けたくとも助けられなくなってしまいました……」
『飛び掛かろうとしたのか、逃げようとしたのかわからないが、何やら動きがありそうだったので無力化させてもらったまでだ』

夏子がハムを見ると、ハムはいつの間にやら彼女同様に捕縛されていた。
もっとも、ハムを縛りつけていたのはアプトムが頭に装着しているネブラであり、自身を変形させて大鎌の形状を作り、それをハムの首に当てていた。
その鎌の存在感は、何かすれば首と胴体をお別れさせると語っている。
そういう意味でハムは動けなくなっていた。
相変わらずの掴み所の無い飄々とした態度を取ってはいるが、心中は外見ほどの余裕は持っていない。

「め、面目ないです」
「くぅ……」

こうして、一人と一匹はあっさりと無力化されてしまった。
夏子の絞殺刑準備とハムの斬首刑準備は、アプトムとネブラによって整った。
ハムは打つ手無しと諦めたのか、両手を上げて降参のポーズをする。
夏子は力の無さを余計に痛感し、悔しさで泣きたくなる気分を持っていた。
二つ分の生殺与奪を握ったアプトムは冷徹に言葉をかける。

「わかるか?
これが力の差というものだ。
首をへし折られるか、切り落とされるのが嫌なら俺に逆らわない方が懸命だぞ」

取引できないなら、強行手段により強引に従わせる。
それがアプトムのとった方法だった。
いくらダメージを負っていたとしても、銃に頼るようなヤワな人間なら捩伏せられる。
また、ダークレイス(おそらく人間以外)ならネブラも快く戦ってくれる。
そして、制圧は簡単に成功したのである。

「どうだ?
従う気になったか?」
「だ、だからといってあなたのような危険のある人物を近くに置くわけには――がふっ」
「まだわからないのか?
この店に匿うだけで良いのに、なぜ嫌がる?」
「夏子さん!」

いまだに反抗の意思を持つ夏子の首を伸ばした身体でギリギリと締め付ける。
夏子は首を締め付ける腕を外そうともがくが、まったく外れる様子がない。

ある程度苦しめた所で、アプトムは腕の力を一時的に抜き、夏子は窒息から解放される。
首を締められたことにより、顔は充血で真っ赤だ。
「ゴホゴホ」とむせ返っているのは酸欠によるものである。


今度は穏やかな口調でアプトムは夏子とハムに語りかける。

「おまえたちだって死にたくはないだろう? それは俺も一緒だ。
だが、徒党を組むなりしなければ、殺し合いを生き延びることは難しいだろう?
それはおまえたちとて同じハズだ」

アプトムの言う通り、夏子とハムの最低限度の目的は生き残ること。
そのためには優勝だろうと、脱出だろうと――
少なくとも夏子は、シンジやみくるたちと徒党を組んだのも、優勝や脱出を目指すというより、生き延びる確率を上げるために徒党を組んでいたにすぎない……最初の内は間違いなくそうだった。
つまり、アプトムは夏子たちと同じ考えを持っていたとも言える。
だが、どうしても、感情やら得体の知れなさによりアプトムを拒絶したくなるのだ。
夏子をその拒絶反応を睨みつける事で顕にする。
しかし、アプトムは至って涼しい顔をしていた。

「安心しろ。
今すぐとって喰おうとは思わん。
安易に殺して、情報などが手に入らなくなるのは痛いからな」
「よく言うわね。
こんなことをしておきながら……」
「危機的に状況に陥れば誰だってこうするだろう。
立場と実力が逆だったら、きっとおまえたちもそうする」
「なるほど……この仕打ちはあなたなりの手荒い交渉といった所ですか」
「そういうことだ」

何やら納得したハムに、ハムの解答を肯定するアプトム。

「あの……そろそろ、この鎌を退けて欲しいのですが」
「返答は?」
「わ、我輩はあなたを匿うしかない……いや、匿っても良いと思いますよ」

先に折れたのはハムだった。
どこか調子が良く、飄々とした言葉には抵抗の意思が見られない。
そんなハムを一度怒鳴る夏子。

「ハム!!」
「だって夏子さん!
この状況はどう見たって我輩たちに勝ち目はありませんぞ!!
彼の方が何枚か上手だったんですよ」

ハムもまた、弁解をする。
言っている事は正しい事であり、このまま逆らうものなら犬死に確実。
犬死にを避けるには、今だけでもアプトムに従うしかないのである。

夏子もそれは頭ではそれを理解している。
ただ、折れるということは負けるということ。
自身の力不足を感じている彼女には、辛酸を舐めさせられるという事だ。

それでも例え辛かろうと、プライドに命は変えられない。
生き延びるためにはプライドを捨てることも、時には必要なのである。

「……クソッ
仕方がないのね……」
「よろしい」

結果、苦味を潰したような顔をしながらも、彼女も折れる事を宣言した。
それを聞いたアプトムは、これでゼクトールから逃れる事ができると、口を三日月にしてニヤリと笑う。
だが、その笑顔も、ネブラの報告により一瞬で掻き消える。

『奴が近づいてくるぞ、アプトム君』
「何ッ!?」

今まで二人に恐怖を与えていたアプトムが、今度は戦慄させられる。
ネブラはいち早くゼクトールの気配を察知し、その事をアプトムに伝えた。
すぐに夏子の首を締めていた腕と、ハムの首にかけていた大鎌からネブラの形状を元に戻し、割れた窓から外の様子を見る。
解放された夏子とハムも、アプトムに続いて窓を見た。
そこには、まだ距離としては遠いものの、ゼクトールが空を飛んでいた。

「来るにしても予想より早過ぎる……!」
『どうする?
目的はここかどうかは知らんが、確実に近づいてきているぞ』

迫るゼクトール。
人間程度なら軍人相手でも、問題なく押すことはできたが、流石に自分を痛め付けた当人である超獣化兵に勝てる自信はない。
アプトムに焦りがつのっていく……
そんな彼に、ネブラはあくまで冷静に質問する。
アプトムもまた、ただ焦ってばかりではなく、頭を働かせて考える。
そして――

よし、俺に考えがある」

そう言った途端、アプトムは身体をスライム状に変える。
だが、このスライム状態を正確に説明すると、元の姿から別の姿へ移るための中間形態である。
これを維持するには、かなりの無理をする必要がある。
よって、そこに現れたのはグロテスクな泥人形のごとき物体。


「ひッ!」
「うわぁ……」

夏子はその様子に絶句し、恐怖する。

ハムのような人外の生物は見慣れたつもりでいたが、生物的にはまずありえない、身体を自由自在に変形させてしまう者までいたことは、遥かに予想外だった。
現状のアプトムの形態だけでも、良くも悪くも普通の感性を持つ彼女にはおぞましい姿に見えた。
故にアプトムを脅威的な化け物と思えてしまう。
一方でハムも驚いてはいたものの、夏子ほどではない。
ハムのいた世界にも、身体がスライム状の種族は存在しているのである。
……流石に、アプトムほどの力は持ち合わせていなかっただろうが。

元・アプトムだった気味の悪い物体が声を発する。

「これは返す」
「!」

それだけ言うと、アプトムは夏子に先程奪った拳銃を投げて返した。
それはまるで泥人形が銃を吐き出したみたいな、奇妙な光景だ。
夏子が拳銃をキャッチしたのを確認すると、二人に命令を下す。

「奴がきたら、俺がここにいることは隠し通せ」
「ちょっと待ってください!
我輩たちはどうなるんですか!?」
「策はある……俺を信じろ。
いちおう、殺されないように動いてやる」


---

一方その頃、ゼクトールも喫茶店の中の人影を発見する。
アプトムがいる可能性は考慮していても、アプトムの存在に気づいている様子は無い。


---

『奴がこちらに気づいたようだ、明らかにこちらに近づいてくる』
「そうか、では行動開始と行こう」

アプトムは素早く床から壁を伝って天井に移動する。
床及び自分を踏まれた時の感触で、所在を気づかれるのはマズイと思ったからだ。
ゼクトールが来るまでの短い間に、アプトムとネブラは小声での会話をする。

『(策とは何かね?)』
「(単純な奇襲だ、奴があの二人に気を取られている隙に後ろを取って反撃を許さないように攻撃を浴びせる。
それにはおまえの力が必要だろう)」
『(心得た)』
「(あと、もう一つ。
絶対に殺さず無力化させてくれ)」
『(……なぜだ?)』

アプトムは自分の障害になる者には情け容赦をするつもりはなかったハズだ。
それが急に、「殺すな」と注文してきたことに、ネブラは無い首を傾げる。

「(理由は後で話す。
今は俺の指示に従う事だけ考えていろ)」

そして自分の体色をカメレオンのように周りの景色に合わせようと保護色を帯びさせようとする。
しかし、能力的には未熟なアプトム、彼が変身した部分は天井の色とは違うシミのようになっていた。
されど、決してそれは不自然では無く、周りの景色に溶け込んでいた。
なぜなら、先の爆風で天内は荒れていたため、ガラスの破片が散乱し、テーブルやイスが無造作に倒れている。
他にも汚れや傷だらけの店内で、天井に大きなシミが一つくらいあっても、不自然ではなかった。
これはアプトム自身が己のコピー能力の未完成さを知っているからこそできた技である。
最後に、唯一身体からはみ出ている首輪とネブラとディパックを、スライム状の肉体を覆い被せることで、隠す。

そして、全ての準備が整った所で、ゼクトールはやってきた……





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