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  • 鎧袖一触~鎧は殴るために在る~

鎧袖一触~鎧は殴るために在る~

最終更新:2010年07月10日 07:21

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鎧袖一触~鎧は殴るために在る~ ◆2XEqsKa.CM



――――身を隠す。
視界に突如飛び込んできた大量の水、オアシスといったところか。
砂漠で生きる川口夏子にとってそれは二度目に見る威容。
だが彼女が素早く林の中に引き返したのは、湖に気圧されたからではない。
湖の中心、リングの上に二つの影が見えたからだ。
二人以上の侵入者を感知し、試合に備えてライト・アップされたリング上。
そこにあった影は、双方とも彼女が知るものだった。

(万太郎君と……古泉! まさか、悪魔将軍もすぐ近くにいるの!?)

先刻の万太郎の叫び声から予測はしていた事だが、あれからまだ2分も経っていない。
悪魔将軍の手先である古泉がこうも早く万太郎に接敵している事を考えれば、それは容易に推測できた。
万太郎と一度戦っているはずのオメガマンも、今や悪魔将軍に与しているのだろう。
敵は四人……万太郎に引きつけさせておけばいいという考えは捨てるべきか?

(朝比奈みくると離れ離れになった時、私達は隠れていたのに悪魔将軍たちに発見された……この距離はマズイ!)

リングからここまで、おおよそ200mといった所だろうか?
ガイバーの能力ならば、派手に動けば察知される可能性は決して低くないだろう。
彼女は数十m先まで救急車で来ていたが、その駆動音が気付かれているのでは、という懸念は捨てた。
気付かれているなら、既に攻撃されているはずと考えたのだ。
夏子は息を潜め、同時に嗅覚を研ぎ澄ます。
この近くに落ちたはずのロケットが噴出していたガスの臭いを捉える。
発臭元を目で追えば、ギリギリ視界に入る位置に地面にめり込んだ弾頭と、それに括られたディバックが見えた。
林の中だ。リング上からは見えないはず……夏子は僅かに身を揺らす。
今は動けない。運よくやり過ごせる事を願うしかない……。
身を焼くは悔しさ、憎悪、怒り。自分の弱さが情けなかった。力があれば、こんな雌伏で時間を取られる事もないだろうに。
歯軋りも出来ず、視線を再びリングに戻す。
激しく言い争いをしていた万太郎と古泉の様子に、異変が生じていた。
静かな夜に、音を反射する水面の上での会話だ。
先ほど万太郎の声を聞きつけたように、この距離で耳を澄ませばある程度の大声なら内容も聞こえるのではないか?
目を凝らし、静かに銃を抜いて、事の成り行きを見守る。

(ごめんなさい、万太郎君……私には君を助けてあげることは出来ない。
 だからせめて一人でも多く、連中を道連れにしてね……?)

これからここで確実に起こるであろう、惨劇の成り行きを。


◇


背後で水音が聞こえ、飛沫があがったと万太郎が気付き、振り向いた時。
既に古泉一樹は、ガイバーの飛行能力によってリング上に飛び込んでいた。
湖から爆風で流れ込んだ水でマットを濡らし、万太郎を睨みつける。

「ガ……ガイバーⅢーーーっ! 一番手はキミってことだね! さっきみたいにはいかないよ!」

「あなたは……」

ボロボロの体でファイティング・ポーズを取る万太郎。
そんな正義超人に向け、殺意すら込もった呆れ声で古泉が言葉を繋ぐ。

「あなたは、バカですか?」

「な……なんだってぇ!? 超人界でプロフェッサーとまで呼ばれたボクに対して何たる暴言!」

「ヘタレ。貴方は俺をそう呼びましたよね。これでおあいこって事で」

「あ、あれは単なる挑発だよ! ひょ、ひょっとして悪魔将軍も今の君くらい怒ってた?
 ヒャワワワ~~ッ! お、お前のカーチャンデベソは言い過ぎたかな~~っ」

「知りませんよ」


つい先ほど勇猛果敢な叫び声を上げたとは思えない取り乱し様の万太郎の問いに、冷たく答える古泉。
その返答と態度は、狼狽する万太郎の目にも奇怪に映った。

「知らないって……キミは悪魔将軍の手下だろう? ひょ、ひょっとして正義の心に目覚めてヤツと別れたとか……。
 そうか! やっぱりあの時のビームはボクを生かす為に手加減してくれてたんだね!」

「……そう、なりますかね」

無難な言葉を返しながら、万太郎を観察する古泉。
コンディションだけ見ても、仮にこれから自分と二人がかりで悪魔将軍に立ち向かったところで返り討ちにされるだろう。
反逆の時には、やはりまだ満ち足りない。一刻も早くここを離れるべきだと、万太郎に注進する。

「それはできないよ! 悪魔将軍を放っておけば必ずその犠牲者は増えていく……だから、ボクはここに来たんだ!」

「勝てないとわかっているのに、ですか」

「勝てるさ! キミが協力してくれれば、きっと勝てるよ! あのノーヴェって娘も悪い子には見えなかったし、
 彼女だって説得すれば協力してくれると思うんだけど、ガイバースリーはどう思う?」

「いえ、それはないです。だから一刻も早くここを……」

言いつつ、古泉は万太郎の言葉に妙な説得力を感じていた。

(流石は将軍が恐れていた"キン肉マン"の眷属といったところですか……ヒーロー的なカリスマがありますね。
 追い詰められる程、それが表面化するタイプと見ました。しかし、それも万全ならば、の話です)

古泉は、激しく脳を働かせて策を練る。
悪魔将軍とオメガマンはまもなくこの場に来るだろう。
ノーヴェは……来たとしても、もう自分の味方になるとは思えなかった。

(俺は彼女を裏切ったんですからね。希望的観測は避けるべきでしょう)

必ず悪魔将軍たちを倒そうとポジティブに自分に詰め寄る万太郎を適当にいなしながら、古泉は周囲に気を配った。
……気配は感じない。まだ僅かに猶予はあるか。と、万太郎が聞き捨てならない言葉を発した。

「悪魔将軍やオメガマンはそりゃ強いけど、決して無敵じゃない。だって20年以上前にボクの父上に負けてるんだからさ。
 今じゃ没落した悪魔超人軍の首領が何故ここにいるのかはわからないけど、勝てない相手じゃないはずだよ。
 いや……むしろ奴等に勝てなきゃ、ボクは超人オリンピック二世代制覇なんて到底なし得ないんだ!
 ボクだって父上の血を引いて火事場のクソ力を習得したキン肉マン2世! きっと勝てるさ、ガイバースリー! 」

「え……? 20年前って……どういうことですか、万太郎さん!?」

「く、食いつくところおかしくないかな……?」

万太郎が、淡々と悪魔将軍たちの出自、そしてその末路を語る。
それは彼にとっては訓練所の授業で習った当たり前の、常識とも言えるものであった。
が、古泉はその情報に大きな衝撃を受ける。数秒の逡巡。古泉の頭を様々な情報が駆ける。

超人。正義超人。悪魔超人。悪魔将軍のプライド。ノーヴェ。オメガマン。朝比奈みくる。復讐。未来。没落。"彼"。

様々な要素を組み重ね、やがて古泉は会心の"策"に辿り付いた。

「万太郎さん。悪魔将軍とオメガマンがここに着き、俺とあなたにタッグマッチを挑むとします。
 そうすれば、我々のコンディションでは絶対に勝てない。それは理解してくれますか?」

「ム……そ、それはそうかもしれないけど、正義超人はどんな苦境でも逃げない――」

「俺は正義超人じゃありません。でも、あなたと同じく悪魔将軍に危険を感じている。
 彼は俺の目の前で俺の仲間を殺した。そして、俺を悪魔超人として改造しようとしている……。
 これはまだ言っていませんでしたね? 将軍は自分のためなら、他者をどこまでも利用し、蹴落とすことが出来ます。
 いずれは自分の意に沿わない者全てを殺しつくすでしょう。間違いなく、彼は最も優勝に近い参加者の一人です」

「なんだって! そ……そうか!やはりキミは仲間を殺されて、脅されてあんな悪魔と同行してたのかい?
 ボクとしたことが告白されるまではっきりそうだと分からかったなんて! 必ず仇は討つ……いや、一緒に討とう!」

自分の事のように古泉の仲間が殺されたことに憤慨する万太郎。
そんな男に僅かに心を和まされる古泉だったが、その安息を即座に捨てる。
自分は"駒"として万太郎を利用しようとしているのだ。情は捨てろ、要点だけを話せ、と心に刻む。

「ですから……ここは一時撤退すべきなんです。失礼ですが、今貴方は感情的になりすぎている。
 試合をするならベストコンディション、これはどんな格闘技にも通じる常識のはずでは?」

「ボクが感情的になってるって? それはないよ、ガイバースリー。ボクは今『無我』の教えを取り戻してる!
 例え相手がどんな酷いやつで、こっちがどんなにボロボロでも、リングの上では正々堂々戦えるよ!」

「……」

ダメだ、と古泉は説得を諦めた。自分とはあまりに考え方が違いすぎる。
自分のように、憎しみで動く者の冷静な打算など、この万太郎にとっては一生無縁の物なのだろう。
体育会系と文科系、なんて生易しい差異ではない(もっとも、古泉はそのどちらでもないが)。
ならば、と古泉はシンプルに、万太郎をこの場から離す為の簡易策を発動させる。

「あっ! ノーヴェさん! いくら湖で夜だからって裸で何を!?」

「えっ!? あの子そんなに大胆なタイプだったの?」

「ふんもっふ!」

股間を隆起させながら凄い勢いで振り返った万太郎の腹部に、古泉はガイバーの武器、"重圧砲"を打ち込んだ。
呼吸を激しく乱され、口をパクパクさせながら気絶する万太郎。

「やっぱりダメじゃないですか……」

万全の状態でも万太郎は振り向いただろうが、こんな弱い一撃で気絶はしなかったはず。
苦笑しながら古泉は自分のディバックから紙を一枚取り出し、サラサラと"策"を記す。
リング中央に、風などで飛ばされないように、そしてちょっとした演出を狙い、コンバットナイフで紙を突き立てる。

「さて……」

古泉は気絶した万太郎を抱え、迷わず湖に身を投げる。
激しく痛む身体を歓喜でなんとか持たせ、ガイバー・ユニットによる重力制御で水面上を飛ぶ。
歓喜。古泉には、今その感情しかない。
なぜならば――遂に、憎っくき悪魔将軍に挑戦状、下克上を叩きつけたのだから。


◇


何が、間違いだったのか。
私は荒々しく歩を進めている。キン肉万太郎への制裁を行うべく、だ。
しかし、その歩みは決して早いものではない。
当然だ、自分が"負けた"歴史の存在を聞かされたのだからな。
オメガマンは嘘を言っているようには見えなかった。
ならば、私はキン肉スグルに負けたのだろう。奴の生きた時代ではな。
時間超人の存在を知る私にとっては、それは大した問題ではない。
心を乱される必要もない、これからその"敗北"の歴史を塗り替えればよいのだから。

「とはいえ、キン肉マンが私に勝った時空もあるならば、それについて考える意味はある」

ぼそりと呟き、キン肉マンが自分に勝利するイメージを浮かべる。
キン肉マンが持つ不可思議なスキル、火事場のクソ力以外に自分が遅れを取る事は想像できなかった。

「万太郎がキン肉王家の一員であることは間違いあるまい。あんなセンスのないマスクを選ぶのは奴らくらいだ」

ならば、万太郎が火事場のクソ力を持つ可能性もなくはない。時空が入れ乱れて参加者が集っているとわかった今、
キン肉万太郎はキン肉スグルの実子である、などといった無茶苦茶な可能性すら許容されるのだ。
だからこそ、私自らが赴いているのだからな。火事場のクソ力を奪う事はあのバッファローマンにも出来なかった。
だがこの悪魔将軍ならば、それも不可能ではないはず。キン肉マンの唯一の長所を得られれば、私の勝ちは揺らがない。
と、湖の方から言い争う声が聞こえる。ここからでは内容までは聞き取れないが、万太郎に誰かが接触しているのか?

「……少し急ぐか」

別に本気で火事場のクソ力を欲している訳ではないが、もし自分より先に古泉やノーヴェが万太郎を始末しては拙い。
キン肉王家はこの手で断絶したいし、古泉たちが自分の命令を無視したならそれに対する制裁もせねばならない。
私は歩幅を広げ、数分で湖にたどり着いた。しかし。

「万太郎の姿がない……逃げたわけではないだろうが……む?」

私の視界に、リングに突き立てられたナイフが映った。
何かを固定しているのか……?

「ボートを漕ぐのは面倒だな」

すぐ側に新しいボートがあったが、ノロノロ漕いでいっては何分かかるか分からん。
私はディバックからユニット・リムーバーを取り出し、全力で投げる。
自身もプラネットマンの宇宙的レスリングを彷彿とさせる跳躍でリムーバーに飛び乗り、
一直線に湖中央のリングに向かった。リムーバーがマットに突き刺さり、着地成功。リングに刺さったナイフを抜く。
そのナイフは、一枚の紙切れをリングに縫い付けていた。


「汚い字だな……」

灯りを取り出し、紙切れに書かれた文字を読む。
それは、挑戦状だった。万太郎からのではなく、我が部下からの。


『拝啓 悪魔将軍様

 俺はあなたを裏切ります 理由は単純 あなたと居るメリットが消滅したからです
 驚愕しましたよ あなたがあれほど雄弁に語っていた悪魔超人軍の権威が地に落ちていたとはね
 もはやあなたに就く意味なし そう判断させていただきました そしてあなたへケジメをつけさせて頂きます
 翌日 09:00 あなたにここ湖上リングでタッグマッチを申し込みます そちらのパートナーは誰でも構いません
 こちらのパートナーはもちろんあなたを破ったキン肉マンの息子 あなたにとっては未来の超人、キン肉万太郎氏です
 歴史を繰り返したくなければ逃げることをお勧めしますよ 我々マッスル&ガイバーズからね

                                                   正義超人  古泉一樹より   』


「ほう」

薄々古泉の叛意には気付いていたが、こうも明確に反逆するとはな。
小癪にも時間稼ぎの為に時間指定までしておるわ。
ヤツと同行していたノーヴェも恐らく既に殺されているだろう。
まったく、愚かなヤツよ。だから古泉には気を許すなと忠告したものを。

「マットはまだ温かい……そう遠くへは行っていないだろうが……」

挑戦状を懐にしまい、私は古泉について考えを廻らせる。
奴が裏切ったのは、万太郎が私の未来について語ったからだろう。
この文面を見てもそれは明らかであり、悪魔超人界に入ることを断念した理由としては妥当だ。
何らかの理由で正義超人に鞍替えする悪行超人などそう珍しくもない。だが、私は古泉の本心を見抜いていた。

「愚かな……オメガマンもそうだが、この私に一度仕えた者が私から離れて生きていけると思うのか……!」

声のトーンが危険さを増し、湖全てに流れ込むように私の怒りが漏れる。かまうものか。
古泉は、結局朝比奈みくるの死と涼宮ハルヒの呪縛から逃れられなかったのだ。
やはり人間が手に入れ得る悪魔の精神など、あの程度が限界だったか。
少しは期待していたが、恥知らずにも正義超人を名乗るようではもう見込みはない。
アシュラマンの替わりは他で探すとしよう。

「……が、この悪魔将軍に挑戦状を叩きつける気概は買ってやらねばな。いいだろう、古泉よ! 明日九時、ここで!
 貴様の挑戦、しかと受け取った! 聞いているなら精々身を休め、引退試合に恥じぬ状態でリングに上がるのだな!」


湖全体に轟く叫び声を上げ、私は再びユニット・リムーバーを投擲、騎乗する。
今すぐ古泉たちを追えば容易に捕らえられるだろうが、試合を挑まれてそんな無粋な真似をする超人はいない。
無論、私とて紳士というわけではないから、試合前に"偶然"出くわせばそこで決着をつけることになるだろうがな。
さて……適当なタッグ・パートナーを探さねばな。
湖上の深々とした裂風を身に浴びながら、陸地が迫る。
私の目に、風になびく赤い髪が映った。


◇


「……僥倖でしたね、オメガマンが将軍を裏切っていたとは」

E-8中央部分、湖の畔の木々の枝根にて。
湖上を飛ぶ悪魔将軍に憎悪の目を向けながら、指向性マイクから耳を離して古泉が一人ごちる。
片脇には気絶した万太郎。いびきや鼻息で悪魔将軍に気取られては笑い話にもならないので、布で口を縛られている。
古泉にとっては悪魔将軍があの挑戦状を受け入れる事は予想通り。
悪魔超人の首領が、正義超人から試合を挑まれて受けないはずがない。
最も、あの場に留まって直接試合を申し込んでも素直に時間を与えてくれるような人物ではない。
ゆえに、噴飯物の古風な挑戦状などを使わざるを得なかったのだが……。

「あのリムーバーがある以上、俺は悪魔将軍の前ではほとんど無力……だから、今まで大人しく従ってきたわけですが」

遂に、悪魔将軍の行動を操作できるチャンスが来た。
"明日" "朝九時" "ここ"に、悪魔将軍は確実にやってくるだろう。
しかし、古泉が狙う好機はその瞬間ではない。
古泉は超人ではなく、リング上での試合に拘ることもない。

「万太郎さんをどう言いくるめるか……それも面倒ですが、俺にとっての理想の展開は一つ。
 そこに持っていく為に、早速行動するとしましょう」

古泉の計画は、果し合いではない。奇襲。試合前の緊迫した時間……七時から八時辺りになるだろうか。
その時間帯に、できるだけ多くの仲間を集めて悪魔将軍をリング外で襲撃し、打ち倒す。
人数が居れば、前衛に将軍を抑えてもらってリムーバーの効果が及ばない距離から援護に徹することも出来る。

「オメガマンの協力はなんとしても欲しいところですが……危険が大きい。ノーヴェさんや"彼"は論外として……。
 朝比奈さんと行動していた女性と動物や、朝倉涼子……知り合いの中にはそう信頼を置けそうな人物はいない、か」

戦力的にも、関係的にも、自分が知っていて現在生き残っている者に期待を寄せるのは難しそうだった。
まだ見ぬ強者に加勢を望むしかないのか……幸い、時間は10時間近くある。ガイバーのままなら、眠くなることもない。
必死で会場を駆けずり回り、悪魔将軍が見込んでいた『高町なのは』や『キン肉スグル』を探し出す、それしかないか?
蜘蛛の糸を渡るような、ハイリスクでローリターンすら期待できない作戦だ。
だが、古泉が悪魔将軍への復讐を遂げる為には、この薄氷を踏み砕く覚悟と、冗談のような強運が必要なのも事実。

「将軍としばらく過ごしていて、寝首を掻くのは不可能だと分かりましたからね。裏を掻くのが無理ならば、
 正面から――いえ、側面から、といったところですか。横合いから殴りつける、これしかありません」

漁夫の利を狙うつもりなどない。
あくまで、将軍を倒すのは自分だと古泉は胸中に言質を込める。
強者を集め、彼らの協力の下で将軍を倒す。言葉にすれば簡単だが、
古泉自身がこの計画の問題点を深く理解している事は彼の仮面の下の苦悶の表情からも明白であった。
彼は自分が仲間だと思っていた者に偽の悪評を流され、悪魔に加担していたという事実さえある。
参加者に広まる自己の風評次第では、この計画は一瞬で崩れ去るだろう。

「それでも……引き返すわけにはいかないんですよ、ノーヴェさん」

自分が裏切り、下手をすれば将軍に処刑されるかもしれない状況に追い込んだ女性に詫びるように呟き、
古泉……ガイバーⅢは、自分が滅ぼすべき悪鬼が去ったことを確認し、暗く沈む闇の中に消えていった。

【E-8 森林/一日目・夜】

【キン肉万太郎@キン肉マンシリーズ】
【状態】ダメージ(大)、疲労(大) 気絶 勃起
【持ち物】ザ・ニンジャの襟巻き@キン肉マンシリーズ
【思考】
1.悪魔将軍を倒し、ガイバーを解放する。
2.危険人物の撃退と弱者の保護。
3.夏子たちと合流する。
4.頼りになる仲間をスカウトしたい。
  父上(キン肉マン)にはそんなに期待していない。 会いたいけど。
【備考】
※超人オリンピック決勝直前からの参戦です。


【E-8 森林/一日目・夜】

【古泉一樹@涼宮ハルヒの憂鬱】
【状態】疲労(中)、ダメージ(中)、悪魔の精神、キョンに対する激しい怒り
【装備】 ガイバーユニットⅢ
【持ち物】ロビンマスクの仮面(歪んでいる)@キン肉マン、ロビンマスクの鎧@キン肉マン、みくるの首輪、
      デジタルカメラ@涼宮ハルヒの憂鬱(壊れている?)、 ケーブル10本セット@現実、
      ハルヒのギター@涼宮ハルヒの憂鬱、デイパック、基本セット一式、考察を書き記したメモ用紙
     基本セット(食料を三人分消費) 、スタームルガー レッドホーク(4/6)@砂ぼうず、.44マグナム弾30発、
     七色煙玉セット@砂ぼうず(赤・黄・青消費、残り四個) 高性能指向性マイク@現実、ノートパソコン@現実?

【思考】
0.復讐のために、生きる。
1.悪魔将軍と長門を殺す。手段は選ばない。目的を妨げるなら、他の人物を殺すことも厭わない。
2.この場から離れる。
3.使える仲間を増やす。特にキン肉スグル、朝倉涼子、高町なのはを優先。
4.地図中央部分に主催につながる「何か」があるのではないかと推測。機を見て探索したい。
5.デジタルカメラの中身をよく確かめたい。

◇

「起きろ」

「んあ……?」

戦闘機人、ノーヴェが湖が見える位置まで着いたと思った瞬間。その眼前には悪魔将軍が佇んでいた。
バチン、と電源が落ちたような音。取り戻したばかりの意識が、再び一瞬消滅する。
身体がうつ伏せになっている事に気付き、寝ぼけ眼で立ち上がろうとする。
……立ち上がれない。悪魔将軍が、ノーヴェの背中を踏みつけていた。

「え……? しょ、将軍……?」

「お前は……要らん」

冷たく言うと、悪魔将軍はその体重をノーヴェの矮躯に押し付けた。
メリメリと、機械と肉が軋む音。
悲鳴すら上げられずに、ノーヴェは激痛にその身を支配されていた。

「ッガッ……ァ……」

「ふん」

体重を除け、ノーヴェの短い髪を掴み、持ち上げる。
堰を切ったように咽込むノーヴェの顔を、殴る。悪魔将軍は、殴る。

「え……? なぁ……?」

殴られながら、しかしノーヴェは反撃できない。
痛みに苛まれているから、ではない。
明確な殺意。それを今まで向けられる事のなかった彼女は、混乱していた。
敵意とは違う。彼女が過去向けられた害意は、あくまで対等な"敵"あるいは"標的"が放つものだった。
蠅を潰すような動作で、躊躇なく自分を破壊しようとする……こんなものでは、決してなかった。
混乱は戦慄に、戦慄は恐怖にシフトしていく。目の前の存在は、先ほどまで同行していたモノと同じとは思えなかった。

(これ……将軍……だよな? なんで、だ? 古泉が裏切ったからか?)

「私のくれてやったアドバイスを言ってみろ」

「え……ひっ……」

「復唱しろ!」

「こ、ここ古泉に対して、けけ警戒をおをお怠るな、だよな? わわ、悪かったよ、あた、あたしがあ、甘」

がくがくと膝を笑わせながら、呂律の回らない謝罪をするノーヴェ。
表情にはうっすらと笑いを乗せ、自分に対し殺意を向ける悪魔将軍に媚び、宥めるような意志を伝えている。
しかし、それは将軍の拳で遮られる。
顔面を殴られて「ひっ」と声を漏らし、涙を漏らす戦闘機人に、普段の勝気な性格は欠片も見えない。

「貴様が甘いことなど、その様を見れば知れるわ。最も、古泉も甘い……貴様を生かしていったのだからな」

「ご、ごめん。ごめん。あたしが悪い、わる、悪かったって。今度から、今度から気をつけ」

「貴様に次などあると思うか?」

悪魔将軍は淡々と呟き、渾身の力でノーヴェを近くの木に押し付けた。
    .......
いや、押し込んだというべきだろう。木に押し付けられたノーヴェが、僅かに樹皮にめり込むほどの勢いだった。

「ちょ、ちょっと待てって、ま、まだ放送、放送来てないよな? ま、万太郎を殺せば、って、って約、約束」

「……貴様を倒した古泉はその万太郎と合流し、私に挑戦状を叩きつけていったぞ?」

「えっ」

一瞬、恐怖が追いやられ、ぎょっとした顔になるノーヴェ。
本当に将軍を裏切ったのかよ……? と目で語るノーヴェの腕を取り、悪魔将軍は少女を地面に叩きつけた。
最初の態勢と同じ、うつ伏せの形に戻るノーヴェの腹部に、容赦なく横からの蹴りが入る。

「はッアッッ……アアアッ! ガッ! や、やめ……」

「ノーヴェ」

「……ぁ、ァァ……」

「ノーヴェ!」

「なな、なんだ、なんで、なんですすす、か」


蹴りがやみ、仰向けにされるノーヴェ。血と涎の混ざった汁を吐き出しながら、空ろな目で将軍を見上げる。
慣れない敬語を使おうとしたのか、戦々恐々とした顔で尻切れトンボに小さく呟いている。

「貴様、強くなりたいのではなかったのか」

「……」

「ならば、何故私のアドバイスに背く。何故甘さを捨てない」

「……」

「貴様のやり方では、永遠に強くなどなれんぞ」


断じるように言う将軍に、普段なら反発の色を露わにするノーヴェも、一言も言い返せない。
今の彼女は、この恐怖から、初めて感じる"死"の恐怖から逃れることだけを、求めている。

「……わ、分かった、分かったよ。もう将軍の言う事に逆らわないから。逆らわないから。ごめん。ごめんな、さい」

「いや、もういい」

貴様は要らんといっただろう、と悪魔将軍が吐き捨てる。

――殺される。

そう直感したノーヴェは、悪魔将軍の足元に縋りつき、体を震わせながら懇願した。

「もう……もう、将軍の言う事を疑ったりしないから! み、見捨てないでくれ……あたし、あたし強く、強く……」

なりたいんだ、と吐露する。ノーヴェは、今まで真面目に将軍の下につく意味を考えたことがなかった。
しかし、それを今直感で理解する。将軍が自分に向けた殺意を、自分が他人に向けるイメージを持つ。
今――ノーヴェは、悪魔の精神の土壌を得た。戦闘機人のプライドが、将軍の配下である事のプライドに置き換わる。
しかし、返答は無情。

「仏の顔も、三度まで。そう言ったはずだ。貴様は三度誤った」

「……」

「……だが、三度も謝った貴様に対し、私も少々思うところがないでもない。そうだな……。
 後一度、チャンスをやろう。可愛い部下よ、キョンという奴の事は覚えているな? そいつを探して連れてくるのだ。
 そいつ以外にも、私と気が合いそうな者がいたら集めて来い。タッグ戦の日取りが決まったのでな。
 パートナーが必要なのだ。……オメガマンには気をつけろ、奴も私を裏切ったからな」

「あ、あたし一人で、か?」

「休息は許さん。行け。私はモールにでも行って貴様を待っていることにしよう」

いましがた、製造(うま)れて初めての恐怖を味わったノーヴェにとって、夜道を一人で歩く事は厳しい試練であった。
だが、将軍はそんな怯えを許さない。縮こまるノーヴェを一瞥すると、ディバックからユニット・リムーバーを取り出した。
腕に装着し、振りかぶる。ノーヴェの脳裏によぎるのは、このユニットで無惨な姿になった女性の死化粧。

「い、行く、行くよ! キョンって奴と、将軍と気が合いそうな奴だな! わかった!」

「ノーヴェ」

「な、なななんだよ」

「弱い貴様は、今死んだ。心に悪魔のプライドがあれば、誰にも負けることはない」

「!! ……行ってくるぜ、将軍!」

見ようによっては不器用な励ましにも取れる将軍の言葉を胸に、僅かに覇気を取り戻し、ノーヴェが駆ける。
それをつまらないものを見るような目で見送り、悪魔将軍もまた反対方向へと駆け出した。
      ...
「あんなものが悪魔を名乗れると考えていたとはな。我ながら不覚、だ」

――冷たい、鎧の拳を握りながら。

【F-09 森林/一日目・夜】
【悪魔将軍@キン肉マン】
【状態】健康、万太郎への激しい敵意。
【持ち物】 ユニット・リムーバー@強殖装甲ガイバー、ワルサーWA2000(6/6)、ワルサーWA2000用箱型弾倉×3、
 ディパック(支給品一式、食料ゼロ)、朝比奈みくるの死体(一部)入りデイパック コンバットナイフ@涼宮ハルヒの憂鬱
【思考】
0.他の「マップに記載されていない施設・特設リング・仕掛け」を探しに、主に島の南側を中心に回ってみる。
1.翌日09:00に湖上リングへ行き、万太郎、古泉を自らの手で殺す。
2.ノーヴェは見限る、使い捨てとして扱う。
3.強い奴は利用、弱い奴は殺害、正義超人は自分の手で殺す(キン肉マンは特に念入りに殺す)、但し主催者に迫る者は殺すとは限らない。
4.殺し合いに主催者達も混ぜ、更に発展させる。
5.強者であるなのはに興味。
6.もしもオメガマンに再会したら、悪魔の制裁を施す。
7.モールでタッグパートナーを待つ。

【ノーヴェ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
【状態】 疲労(小)、ダメージ(大) 悪魔の精神(弱) 恐慌
【持ち物】 ディパック(支給品一式)、小説『k君とs君のkみそテクニック』、不明支給品0~2
【思考】
0.強くなる
1.悪魔将軍の命令に従う
2.ヴィヴィオは見つけたら捕まえる。
3.タイプゼロセカンドと会ったら蹴っ飛ばす。
4.ジェットエッジが欲しい。
5.キョン、悪魔将軍と気が合いそうな奴を探してモールまで連れて行く。

※参加者が別の世界、また同じ世界からでも別の時間軸から集められてきた事に気付きました。


◇


誰も居なくなり、数分ほど置いて灯りも消えた湖のリングを眺めながら。
川口夏子は、先ほど聞いた情報、特に将軍の怒声の内容を頭の中で組み替えていた。
結局小声での会話の内容までは聞き取れなかったが、手に入れた情報は三つ。

  • 古泉が万太郎を気絶させ、リングになんらかのメッセージを残して去った。
  • そのメッセージを読んだ悪魔将軍の叫びによれば、オメガマンと古泉が悪魔将軍を裏切った。
  • 明日9時にここで古泉らと悪魔将軍の戦闘が起こる可能性大。

古泉と万太郎の関係、悪魔将軍達と共にいた赤髪の少女の行方など不明な点も多かったが、これだけ分かれば十分だ。

(……あの悪魔将軍たちも一枚岩ではない、ということね。付け入る隙があると分かったのは良かったわ)

9時から始まるという内戦。自分が今後どのようにこの島で立ち回るにしても、有益な情報を入手できた。
万太郎がそれに巻き込まれている様子なのは同情を誘ったが、自分にはどうしようもない。
夏子はわずかに笑みを浮かべ、念のため這ってロケットの元に向かう。

(悪魔将軍……危険なのは確かだけど、戦力として見れば彼以上の逸材はいない)

口先での説得が可能だとは思えないが、リングの上での様子を見る限り実力を重視するタイプの人間に見えた。
少なくとも先ほどまでの、ロボット兵のような意思疎通すら困難な怪物という認識は薄れた。

(恩を売って、有用と言えるほどの力を見せれば協力できない事もないでしょうけど……何を考えてるんだか、全く)

知り合いを最低でも一人は殺している参加者と共闘を考えるなど、と己を軽く律する。
ロケットに括り付けられたディバックに到達。中身を引っくり返し、出来るだけ素早く確認。
ハムとの待ち合わせ時間まで、そう時間はない。

壊れた剣。金貨がぎっしりつまった箱。ディバッグ複数(食料も水もある!)。更に首輪の残骸。
ウィンチェスターM1897。これは確か、水野灌太が愛用していた銃だ。
他にもガラクタが大量に詰まっていた。これらも、使い方次第によっては十分な利器となるだろう。
総合してみれば、時間を割いて回収しに来た甲斐はあったといえるだろう。
と、ディバッグの隅に押し込まれた饅頭を見つける。

「包みもなしとはね」

苦笑しながら口に運ぶ。緊張で小腹が空いていたのだ、丁度いい。

『……噛まないでもらいたい』

「そげぶっ!?」

彼女、砂漠の凄腕美人・川口夏子を知る者なら想像も出来ない声。
だが無理もない。食べようとしていた饅頭がしゃべり、耳を突き出してギョロ目で彼女を見たのだから。
あたふたと饅頭を取り落としつつも、懐から無駄のない動作で拳銃を取り出し、構える。

「ななっ!? えっ? じゅ、銃を……う、動くな!」

『今はそんな事をしている場合ではない! 一刻も早く私を連れてここから離れてもらいたい!』

喋る饅頭に指図されるという異常事態。しかし考えて見ればウサギやブタが喋るのだ、饅頭が喋ったって……。
と、そこまで考えたところで、夏子が饅頭に見覚えがある、と気付く。これは……。

「あなた、アプトムの頭に付いてた……えっと、ネブラ、だったかしら?」

『そうだ。君は確かアプトムに脅されていた女性だな。私の能力を知っているなら手っ取り早い。
 私を頭につけてくれたまえ。君はそれで飛べるようになる、この場を離れられるのだ』

「……」

正直、かなり抵抗があった。夏子にとってネブラ(というかアプトム)には悪い思い出しかない。
しかし、このネブラという生物……なんというか、可愛……いや、妙な安心感がある気がする。
結果、夏子は自分に憧れていた小砂のように、嫌悪していたアプトムのように、ホイホイネブラを身に付けてしまった。

「……はい、これでいいかしら。ああ、飛ばなくてもいいわよ。車があるから」

『車……ああ、地球の機械か。飛んだほうが早いと思うが……』

「お断りよ。目立ちすぎるわ」

きっぱりと斬り捨てつつ、夏子は頭部でウニョウニョ動くネブラの異様な感触に参っていた。
フラフラと立ち上がり、戦利品を全て抱えながら歩く。

『ちょっといいかね?』

「荷物でも持ってくれるの?」

『いや、私の前の持ち主が産んだミサイルを私の中に入れて欲しいのだ。
 私に装填していればすぐに発射できるし、君の頭部が重くなる事もない』

「……どんな奴よ、ミサイル産むって」

なんとなく予想はつく気はしたが(市街地で暴れていた奴だろう)、一応突っ込む夏子。
と。

「……」

ミサイルを自身に収納するネブラを見て、夏子の目つきが変わる。
湖畔に目を向け、中心にあるリングへの距離を目で測る。

「ネブラ。そのミサイル、あそこまで届くかしら」

『あのリングまで、かね? 届くと思うが……』

「あなた、自在に動けるのよね? 銃、扱える?」

『教えてもらえば大抵の作業はできる。今は平常時よりテンポが遅れるかも知れんがね。
 それより早くここを離れよう。君は見ていたのだろうが、先ほどここにいた闇の者(ダークレイス)は……。
 あれは、マズイ。アレは、私の処理能力を大幅に超えている。今のままでは勝てないだろう』

「悪魔将軍の事? ……そうね、待ち合わせの時間ももうすぐだし、あまり時間を潰すわけにもいかないわ」

『頼む。私がここに来た詳しい経緯や、私の詳細は追って教える。今はここを離れてくれ』

はいはい、と請け合いながら、夏子は隠してある救急車の元へ歩き出す。
満面の笑みで。いかな色にも染まる、真っ白な満面の笑みで。
"力"を手に入れた、実感を伴いながら。

この湖周辺に集った五名。

復讐鬼:古泉一樹。復讐の殖鎧を纏う者。
セイギノミカタ:キン肉万太郎。筋肉の正鎧を纏う者。
無始無終:悪魔将軍。虚ろな邪鎧を纏う者。
隷属者:ノーヴェ。恐怖の弱鎧を纏う者。
傍観者:川口夏子。白地の黒鎧を纏う者。

さて、一番恐ろしいのは誰か。
それは今後のお楽しみ、と。

【D-09 湖畔/一日目・夜】

【川口夏子@砂ぼうず】
【状態】顔にダメージ、強い決意。
【装備】ネブラ=サザンクロス@ケロロ軍曹 ゼクトールの生体ミサイル(10/10) 救急車
【持ち物】デイパック×4(支給品一式入り、水・食糧が増量)、基本セット(水、食料を2食分消費)、ビニール紐@現実(少し消費)、
 コルトSAA(5/6)@現実、45ACL弾(18/18)、夏子とみくるのメモ、チャットに関する夏子のメモ
 各種医療道具、医薬品、医学書 光の剣(レプリカ、刀身折損)@スレイヤーズREVORUSION、
 金貨一万枚@スレイヤーズREVORUSION ヴィヴィオのデイパック、ウィンチェスターM1897(1/5)@砂ぼうず
 ナイフ×12、包丁×3、大型テレビ液晶の破片が多数入ったビニール袋、スーツ(下着同梱)×3
 消火器、砲丸投げの砲丸、喫茶店に書かれていた文面のメモ 首輪の残骸(アプトムのもの)
 黄金のマスク型ブロジェクター@キン肉マン、ストラーダ(修復中)@魔法少女リリカルなのはStrikerS、、

【思考】
0、何をしてでも生き残る。終盤までは徒党を組みたい。
1、19時半を目安に、ゴルフ場の事務室でハムと待ち合わせ。20時までに来なければ、単独行動を行う。
2、キン肉スグル、ウォーズマン、深町晶、キョン、朝倉涼子を探してみる。
3、ハムは油断ならないと思っているが今は自分を見放せないとも判っている。
4、生き残る為に邪魔となる存在は始末する。
5、翌日09:00に湖上リングに向かい、臨機応変に行動。
6、ネブラと情報交換する。
7、水野灌太と会ったら――――

【備考】
※主催者が監視している事に気がつきました。
※みくるの持っている情報を教えられましたが、全て理解できてはいません。
※悪魔将軍、古泉、ノーヴェ、ゼロス、オメガマン、ギュオー、0号ガイバー、怪物(ゼクトール、アプトム)を危険人物と認識しています。
※深町晶を味方になりうる人物と認識しました。
※トトロ(名前は知らない)は主催と繋がりがあるかもしれないと疑いを持っています。



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Back:彼女らのやったコト Next:『4分33秒』

I returned キン肉万太郎 ザ・ネゴシエーター
古泉一樹
悪魔将軍 寸善尺魔~憎魔れっ子が世に蔓延る(前編)~
川口夏子 魑魅魍魎~つどうファクター・トゥ・ダイ~
Grazie mio sorella. ノーヴェ 闇夜の森の隠れ鬼


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