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ヒトクローン

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ヒトクローン 02/12/31

  クローン女児「イブ」が誕生したとの発表があった。

  クローンか否かである鑑定はこれからのようで、ヒトクローンについての是非はこれから更に激しくなろうが、おそらく数十年後、数百年後にはただの馬鹿騒ぎだったことにされているだろう。

  未来は常に過去にある。

  ガリレオが地動説を唱えた際にどれほどの騒ぎになっただろうか。そして今我々はその騒ぎをどのような気持ちで眺めているだろうか。魔女裁判が全盛だった頃、どれほどの騒ぎになっただろうか。そして今我々はその騒ぎをどのような気持ちで眺めているだろうか。宗教的倫理とは何だろうか。

  我々が、ガリレオを弾圧した宗教裁判所の頭の堅さを嗤い、魔女裁判を嗤うならば、当時の社会的状況を把握していないことになる。今現在の社会常識・社会通念・倫理観で過去の出来事を嘲笑する事ほど愚かな仕儀はない。しかし貴方はなんと下らない理由で騒いでいたのだろうと呆れる筈だ。数年前にローマがやっと地動説を認めたというニュースを覚えているだろうか。あの時は呆れるのを通り越して「宗教って馬鹿だ」と思っただろう。

  科学が進歩して未知の領域が解明された時、コペルニクスが召還されそれまでの常識が覆されることがよくある。しかしそれに抵抗して旧観念にしがみつく保守的な人々もいる。厄介なのはその保守的な人々が権力を握っていた場合だ。常識が覆っても権力がそのままならば変化とは言えない。

  ヒトクローンはいずれ常識になるだろうし、クローン技術の様々な実験をしている中でヒトクローンについて激しい反対運動が巻き起こっていることを我々の子孫から嘲笑される日が必ず来る。いや、もしかしたらクローンならば子孫とは呼べないかもしれない。そしてこの「クローンなら子孫とは呼べないかもしれない」という言葉さえも嘲笑される日がくるだろう。

  「なんと頭の堅い奴だ、科学が発達していない昔の人間は馬鹿なことをして馬鹿なことを言う。人間の本質は基本的に馬鹿なことをするように出来ているようだが、それにしても昔の人間は愚かなことだ」

  この言葉、我々が過去の人間に向かって発する言葉だろうか。それとも未来の人間が我々に向かって発する言葉だろうか。あるいはその両方だろうか。

  未来は常に過去にある。
 
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