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駄洒落おじさん

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駄洒落おじさん 03/05/15

  いい年をしたおじさんの中に何故駄洒落を連発する人がいるのか、長い間疑問だったが、ついにその謎が解けた。こうだ。

  元々駄洒落を連発する人ならばいい年になれば洗練されてきて洒落を発するようになる。あまりにもくだらない駄洒落を連発するおじさんの生成過程を見てみよう。

  まずは駄洒落を言わない普通の青年がいる。この段階で彼は上司或いは上の世代の駄洒落に愛想笑いしている。嫌悪感を抱いているかもしれない。

  やがて彼が結婚する。くだらない駄洒落に愛想笑いしなければならないことの愚痴を零す相手が出来たわけだ。

  やがて子供が生まれる。妻とともに夜泣きにも負けず溺愛する。子供が最も可愛く、一生分の親孝行を済ませてしまうとされるこの時期を夢中で過ごす。

  やがて子供が何か喋るようになり、それを周囲に触れて回り、親馬鹿な奴と微笑ましく見守られる。

  やがて子供は言葉の意味を理解するようになる。子供に色々な言葉を教え、それを逐一周囲に報告する。当然その頃には他にも結婚した奴がいるので周囲はそろそろ飽きてくる。

  やがて子供は「おしっこ」「うんこ」などで笑い転げる時期がくる。

  やがて子供は「かけことば」つまり駄洒落を理解するようになる。

  ここだ。

  やがて子供を喜ばせるべく気に入られるべく駄洒落を発するようになる。初めのうちは喜ぶが、繰り返しているうちにネタ切れとなる。子供と戯れ、喜ぶ顔が見たくて必死で洒落を繰り出すが、難しく高級な洒落は理解してくれない。

  やがて寝ても覚めても何か駄洒落はないかと考えっ放しになる。子供のいない所で駄洒落を考え、収集し、調査し、試す。そろそろ周囲はそろそろ疲れてくる。

  やがて子供は成長し、父の駄洒落が下らないものであると認識し、軽蔑するようになる。ところが父親にとって子供はいつまでも子供であり、駄洒落で笑い転げてくれた可愛い姿が忘れられない。

  もう一度笑い転げてほしい。その一心で駄洒落を連発する。子供に「面白くない」と言われても、妻に「もうそれじゃ笑わない」と言われても、この数年駄洒落漬けとなった彼は止まらない。周囲は既に顔が引き攣っている。

  やがて子供は駄洒落を連発する父親を見下し、相手にしなくなる時期がくる。その頃には彼は社会的地位も多少はあがり、愛想笑いをしてくれる部下もついている。

  子供に相手にされなくなった駄洒落を喜んでくれる部下がいる。大喜びしてくれる取引先がある。ホステスが笑い転げてくれるクラブに通う。嗚呼、裸の王様ここにあり。

  かくしてここに重度の駄洒落おじさんが完成する。

  なお、長い長い長い長いリハビリを経て駄洒落が体から完全に抜けた頃、孫が生まれる。

  苦行ですな、本人も周囲も。特に子供が。
 
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