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世代論
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世代論 03/10/16
懐古のブームとはいつの時代にもあるもので、懐古する対象の時代が違うだけのことである。
今八十年代のブームだ何だと騒ぎ立てようとしている奴がいるが、それは単に世の中のあらゆる業職種の中にいる、八十年代に最も多感な時期を過ごした世代が社会の主力になっただけのことである。当然その前の世代が社会の主力であった頃は、その世代が多感な時期を過ごした時代が懐古の対象となり、何処まで遡ってもそれは変わらず、何処まで下ってもやはり変わらない。この仕組みは芸能・音楽・ファッション・果ては政治その他全ての分野に於いて通用する。そしてブームの変遷はそのまま世代交代を如実に表している。
だからこそ次の懐古ブームが何かというのは、次に主力となる世代が最も影響を受けたであろう時代の出来事を眺めればある程度は推測出来るのだ。
かと言って竹の子族がもう一度流行ると思えないのは、竹の子族が当時遍く普及していたブームだったわけではなく、あくまでも局地的な際物であったが故に、その世代が社会を動かす主力になっても恥ずかしくて懐古なんてしていられず、また流行を仕掛けられる程の多数派でもなく、仕掛けても誰も見向きもしないであろうからだ。そして竹の子族はただの徒花として輝くわけでもなく、皆が忘れたふりをし続ける。
この周期の判りやすい例は音楽であって、当時多感な時期を過ごした者が音楽業界である程度の実権を握ると、世代交代が明らかとなる。その曲が流行った頃はまだ生まれてもいない歌い手がカバーする。「いい曲だと思って」幾割かはその通りであろうが、実際は個人的な懐古に利用され、またその懐古を利用しているだけのことだ。
当然世代交代による再ブームを露骨に狙い過ぎて、墜落するには勢いも高度も足りなかった平成の漫才ブームという実に無惨な失敗例もある。
最も判り易い例はアメリカの政治だ。二大政党制で回していて、政権の交代が世代交代、人々の意識変化と見事に照応している。ある時期に割を喰った世代は対する政党に傾き、やがて社会の主力となると支配政党の交代劇が起こる。結果アメリカの政治はほぼ二十年毎に保守・革新・保守・革新を繰り返している。このあたりは霍見芳浩の著作が明快に解き明かしているので読むとよい。
世の中の変化が速く感じてもそれは表面的な変化に過ぎず、深い意識の変化は一定の周期に拠るとする世代論は何時の時代でも何処の世界でも通用する有効な理論であるから、流行に踊る事が如何に間の抜けた行動であるか、その流行を見抜く事が如何に容易であるか、そして仕掛けると成功する流行が何であるかが、簡単に判ることは、知っておく方がよい。
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LAST UPDATED 2025-11-07 22:03:36 (Fri)
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