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渓流釣り

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渓流釣り 04/05/15

  「渓流釣りの構造」なる話が纏まったから聞いてくれたまえ。

  渓流釣りとは文字通り渓流で釣りをすることだ。狙う対象は岩魚であろうが何であろうがここでは関係がない。

  渓流釣りの基本としてあるいはこつとして、出来るだけ人の踏み込まない沢と呼ばれる細い流れを探して遡る必要があるわけだ。既に誰かが入った沢に踏み込まないのは、暗黙の了解でもあるが、もし入っても追い越さない、あるいは先行者の心が拡ければ協定を結んで交互に遡ってゆくことも可能であるが、まずは冷やかに険悪な空気が流れる。

  その日まだ人の入っていない沢だと魚の警戒心もまだ緩いので吊り上げる確率が高くなる。既に人が入っていると難しくなる。どうすれば釣れるか。人より先に沢に入る。人の入った沢を強引に進んで追い越す。人の入った沢を避けて別の沢に入る。

  しかし最も有効なのは、今まで誰も入ったことのない処女沢であって、もしこれを見つけることが出来たならばそこの魚は殆ど入喰いで根こそぎ浚うことも可能だ。

  中には七面倒なことをせずただ養殖放流された魚を相手にするだけの腰抜け釣り師もいる。ある程度の釣果が期待出来るならば、その質は問わないというわけだ。

  魚を消費者、釣り師を仕掛け人、沢を市場と考えたならば理解出来るかね。

  「隙間産業を見つけろ」「新規需要を掘り起こせ」「銭の匂いを嗅ぎつけろ」といった言葉を高尚な表現で煙に巻き、根拠のない無意味な威厳を漂わせたい時には、この話を思い出してくれたまえ。それから君が養殖された魚ではないことを祈るよ。
 
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