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繊維

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繊維 03/11/23

  「環境に優しい」という掛け声のもと、玉蜀黍の繊維を使った皿箸フォークなどが束の間脚光を浴びたのは長野五輪の時で、今ではアメリカで「玉蜀黍繊維毛布」が開発、発売されている。

  しかし毛布とはまた微妙なところを狙ってきたもので、捨ててもその内分解されることになっているわけだが、これはつまり何がしたいのか。完全に玉蜀黍のみではなく、まだ羊毛と混合してあるようだが、こんなものを作るならばもっと身近な買物袋やら下着靴下にした方が可能性は拡がる筈だ。

  以前「貸しオムツ」とは何事かと疑問に思ったわけだが、どうもそのようなサービスが成り立っているらしい。もし玉蜀黍で何とかなるのであれば、いっそ自然分解するオムツを作ればよいではないか。街中ではなかなか捨てることは出来ないが、回収サービスをそのまま保持して巨大コンポストを設置すれば、極上の肥料が山のように生産可能だ。最近の赤ん坊は色々栄養のある物を流し込まれているだろうし、完全に消化しきれず排泄される糞は実に養分に富んでいることだろう。

  完全に自然派の素材が安く供給可能な体制をとり主流になってしまうと、石油系素材の燃焼危険服業界のぼろ儲け構造が破綻してしまうので、慌ててインジィオのライセンスを取ったり何か別の素材を開発を目指したり右も左も狼狽えているところだ。

  日本企業なら天然素材として絹の復権でも目指せばよいのに、生糸の税を廃止するのが遅過ぎて今では往年の勢いがない。だからこそ絹製品の安価な供給体制を、技術力で確立すれば新世代のシルクロードが開けるであろうところを、絹の生産が落ち込み、合成素材の開発に現を抜かしているから玉蜀黍毛布で泡を喰うことになるのだ。

  玉蜀黍に限らず一年草で、繁殖力が強く、繊維質つまり腰のある日本に溢れている草を使って新繊維の開発をせい。あれだ。ススキ。あの繊維は呆れるほど強い。何しろ芒野原を歩くだけで切り傷だらけになってしまう、あの強さを研究せずして未来はない。何しろ古くは屋根を葺いていたほどの素材だ。耐水性、耐久性もあるのだ。そして芒が枯れた頃のふわふわを集めれば、あれは詰物に使える。

  放っておいても人より高く成長する草だから、生育には殆ど手が掛からないだろう。農薬など不要だ。芒が高く伸びる足元では日光が届かないし、何よ芒の根が踏ん張っているから雑草は生えず、完全放置でよい。年に一度纏めて刈り込むだけで、多く遊ばせている河原で芒を育ててそれを売ればよい副収入になるし、昆虫やら小動物、鳥などが憩う場所、ビオトープにもなる。しっかり根を拡げているから少々の増水で土手が崩れることはない。いいこと尽くめと思わないか。

  しかしながら河川の管理、つまり雑草刈りなどは税金をばら撒いているのであって、そして税金の分捕り合戦から退却するほど日本のお役所はできていないから、これはつまり夢のまた夢、せいぜい個人レベルで芒を刈って何やらせっせと編み上げて、朝のニュースで「こんなアホなことしてる奴おるで」と全国に紹介されるだけで終わる可能性が高い。
 
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