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石版

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石版 04/06/30

  今我々が活用している紙や電子系の記録媒体の寿命が短いことは当然として、維持保管に格別の注意を払わねばならないことは、つまり人の営みが途切れると記録もまた失われることを示している。

  我々が数千年前の文明史に接するのは骨に刻まれたり石に刻まれたりする内容から推す場合であり、当時やそれ以前の自然現象を知るには地層から推測すればよいのだが、如何なる文明が栄えていたかを知るには不足であり、何を食べていたか位の事は判明しても文明文化を知るには無理がある。

  今日我々が数千年前の文化を知る術として壁画や石版を頼りにしている状態から導き出されるのは、すなわち記録媒体としての石版や壁画は数千年を耐え得る優れたものであるということだ。当時の文明が滅び、そこにいた人々も滅び、守り伝える者がいないにも関わらず我々はエジプトで飲まれていたビールを再現すること出来る。

  であるならば、我々は我々の文明が滅んで後、数千年後数万年後に発生するであろう次の文明へ贈る我々の存在証明を、紙や電子媒体ではなくて石版に残すことで伝えることが可能なのではないか。

  石版とは言っても当時はただの粘土板であっただろうと推測するならば、水に浸潤され腐食して中身が数十年で原型を留めないような金属製のタイムカプセルと称するお遊びよりも、数千年後には石となる粘土板に我々の言語食事生物種植生歴史科学その他の事々を刻み込み、先史文明の資料が多く残っている地域ならばこの先数千年も残るであろうと想定して保管する。

  表記する言語は表音文字か表意文字か、とにかく辞書にあるような舌位置の絵をまずそのまま刻む。文字の一覧と文法を示し、その上で記述する。この記録を残し上手く保存されて数千年後に発見され解読成った場合には、それを残した言語の文明が我々の時代を代表とする文明と認識されることになる。

  数千年前の文明を伝える手段として石版が有効であることを我々は知っている。だから我々もまた数千年後の文明へ向けて石版を残そうじゃないか。ねえ、誰かやってみませんか。次の文明へ「我々は確かにここに居たんだよ」という手紙を残す為に石版造りの団体を作ってさ、それを税金対策にするならば、税金対策が主でもいいけどその出資者は今の時代を代表する有力者・大金持ちとして遥か後世から認められることになりますよ。
 
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