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缶蹴
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匿名ユーザー
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缶蹴 04/09/05
缶蹴だ。
もう久しくやっていないが、不意に懐かしく思い出したのは垂直に立てた缶を踏み潰した瞬間のことだった。
誰か一人を鬼と決め、蹴力に自信のある者が缶を遠くに蹴り飛ばした瞬間、鬼以外の者は脱兎駆けで必死に物陰に隠れる。鬼はまず蹴り飛ばされた缶を回収して、拓けた平地の真中に立てて置き、誰かを見つけたら缶を上から缶竹馬の要領で「誰々見っけ!」と叫びつつ踏む。すると発見された者は捕虜となり、缶の周辺に佇んでいなければならない。鬼が「見っけ」と踏む前に立ててある缶を蹴り飛ばせば再び皆は散って隠れる。全員が捕虜になれば鬼は交代する。関東では「見っけ」の後に「ポコペン」と発声するらしいが、「駄目」という意味だから間違っているわけではないようだ。
あまりに拡い平地の真中に缶を立てた場合、鬼は蹴り飛ばしに来ようとする者を簡単に捕虜に出来るが、遮蔽物が殆どなければ蹴り飛ばしに行こうとする気は失せてしまうのであり、適当な平地をうまく見つけることが楽しむ要諦だ。
全員が捕虜になった後の鬼の決め方は地方によって違う模様で、奈良の場合は一番最後に捕まった者が鬼となる決めであった。最後の一人になるまで隠れ続けた卑怯な奴は、最後の勝負に負けてしまうと鬼と化す。
この缶蹴、公園などでは大抵禁止されているのであって、それは蹴っ飛ぶ缶が危険であるからとする思想に基づくものらしい。ただでさえ遮蔽物豊かな遊び場の減っていることを考え合わせれば、廃れるのも止む無きかと思う。
しかしそこで缶蹴の復権を目指す回路が繋がる。竹刀を使う剣道ではなくて、スポンジだかウレタンだかの模擬剣や薙刀を使うスポーツチャンバラと呼ばれる競技がある。あれを応用して、スチール缶やアルミ缶ではなく、例えば缶のサイズに合わせたウレタン製の円柱を削り出して使えばよいではないか。スポンジでは遠くまで蹴り飛ばすことが難しいが、ウレタンならばそれなりに飛びそうだ。
それだけならば誰かが考え実践していても不思議ではない。しかしこれを缶蹴専用の玉として、玩具メーカーが本腰入れて作ってみてはどうかと思うのだ。当然ただのウレタン円柱では面白くも何ともないから、ブーブークッションの機構を組み込んで、立てて真上から踏めば「ぽう」と鳴り、腹を横から蹴れば「きゅう」と鳴るように、二つの空気穴がそれぞれ違う音の出る笛になるよう調整し、なにしろウレタン製だから当たったところで怪我はないから「安全な缶蹴」を合言葉に売り出せばよい。
程よく安く、そして耐久性は抜群でよい。どうせすぐに紛失するのだから、下手に壊れやすいように作ったりすればそっぽを向かれてしまう。耐久性が抜群であれば、ゴミ同然の姿であろうとも、それを見つけた者が支障なく再利用することまで考慮に入れて、誰か、どこか、作ってみよ。基準となる缶の大きさだが、やはりこれは伝統的な「UCCの缶コーヒーサイズ」が望ましいように思われる。
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