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飲んだ

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飲んだ 04/05/12

  とにかく最近だれてきたので闘魂を注入するべく酒を用意した。

  通常であれば軽く酔ってそのままふにゃりと失すればよいが、この度は喝の意味が含まれているのでボトルで勝負することになる。しかし大好きな Blantonが入手出来ず、仕方なくEARLY TIMESで妥協する。考えてみればボトル一本勝負というのは久方ぶりの話であって、寒い冬?フ原付にボトルを積んで信号待ちの度に少しづつ含んで寒くもならないが酔いも回らない、という不毛を平然と行っていた時代は一日あたり一?{が当然という危険な水域を漂っていたが、いくら宿酔しない技術があっても着実に体の方々が軋んでくるのであって、二回目に血の混じった?ン液を吐いたあとは一日一本という根性も萎れてしまい、煙草との併用で鋭い差込も増えた頃から序々に酒量は減ったわけだ。

  酒との付き合い方のおおまかな進行は、まず飲めないと思い込んでいる時期があり、飲んでみてやっぱり飲めないと体感した時期があり、やがて以前と比べて飲めると気付いた時期があり、ひたすら量を求める時期があり、やがて味を求める時期があり、体が変調した時期があり、そして精神的な安定を求めて飲む時期があり、少々飽きた時期がある。

  最近は飽きているのであって、しかしあまりに酒を飲まないとくだらない考えを弄ぶ余裕がなくて妙に理屈っぽくなるからここで一発ぶっ飛んでみるのも悪くはないとし、空腹のまま肴を全く用意しない硬派な態度でボトルを掴んできりきりと蓋を開け、「香りでえづいたら体調のよろしくない証」という健康度判別法を恐る恐る試してみると、まことに芳しい焦樽の甘くて濃厚なバーボンの香りが鼻の奥から拡がって後頭部が軽く痺れ、身体は絶好調であることを理解した。

  ボトル一本を注入して精神的な化学変化を求めたわけだが、化学変化とは「適度に酔ったまま頭が解放される」「過度に酔い色々忘れて翌日頭が解放される」「宿酔になって解放されない」の三通りが一応前向きとされる。宿酔だって「宿酔の苦しさで一時的に他の苦しさを忘れる」という効能が認められるので前向きと考えられる。

  で、何を色々並べているのかと言えば、まず結論としてボトル一本飲んだが宿酔はせず、飲み進める最中意識も飛ばず身体もぐらつかず割に冷静なまま、空けてしまった。「ぁぁぁ。空いたなあ」とぼんやり考えていただけで、期待した何かの科学変化は別段起こらず、突如狂ったように何かを書き続けるということもなく、ただ「久しぶりにこんな飲んでも酔わへんのは凄いんちゃうか」と、まあ医学的になら酔っていることになるだろうが、酒にどっぷり浸かった経験のある者の場合、「酔う」とは「真っ直ぐ歩けない」「まともに喋れない」「寝たまま何かを吐いている」状態を指すのであって、ごく普通の足取りで煙草を買いに行ったり出来るならそれを酔っているとは言わない。確かに途中の電柱の張紙に書いてある事がどうしても理解出来ず、何度も何度も何度も何度も何度も読み返していたような記憶もあるが、その割には内容を覚えていないが、酔ってはいなかったと思う。およそ四時間後に突如目覚めて「うを。寝てた。うを。空いてる。うを。宿酔してへん。うををを・・・」

  かくして闘魂は注入されず、化学変化は起きず、宿酔もせず、単に「ボトル一本空けても大丈夫である」ことを確認しただけであった。

 
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