心臓・循環器疾患書籍
病気がみえる vol.2 循環器 第5版
極論で語る循環器内科
循環器のトビラ
J ロドニー レヴィック (著),岡田 隆夫 (監訳), 心臓・循環の生理学
ハーバード大学テキスト 心臓病の病態生理 第4版
循環器病ロジカルテキスト
井上博,専門医のための循環器病学
井上博,不整脈学
むかしの頭で診ていませんか?循環器診療をスッキリまとめました...気になる
心臓・循環の生理学
循環とは何か?虜になる循環の生理学
心筋細胞の電気生理学..持ってない
心電図書籍
3秒で心電図を読む本
心電図ハンター胸痛/虚血編
-
感度特異度とかの視点は知らなかった
-
救急外来でのEmergencyに絞った観点から学べる
心電図ハンター失神・動悸/不整脈編
-
救急外来でのEmergencyに絞った観点から学べる
心電図のみかた、考えかた 基礎編
心電図のみかた、考えかた 応用編
図解心電図テキスト
心電図の読み方パーフェクトマニュアル
心電図・心エコーコンパクトナビ
レジデントのためのこれだけ心電図
もし心電図で循環器を語るなら 第2版
循環器ジャーナル エキスパートに学ぶ知っておきたい心電図診断のコツと落とし穴
循環器機能検査症例集
EP大学 3ステップで学ぶ心電図
山下武志, 心電図判読ドリル
判読ER心電図 I 基礎編
判読ER心電図 II 応用編
心電図検定公式問題集&ガイド 改訂3版
実力心電図-「読める」のその先へ-
心電図マイスターによる3→1級を目指す鑑別力grade up演習
心電図マイスターを目指す基礎力grade up講座
マイスターが教える1・2級合格への最強メソッド 心電図完全攻略マニュアル
そのPVCはどこから?
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佐野内科ハートクリニック
トーアエイヨー心電図
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WEB
CIrculation
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the journal of thoracic and cardiovascular surgery
annals of thoracic surgery
Journal of Vascular surgery
循環器用語ハンドブック
ガイドライン
急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)
慢性冠動脈疾患診断ガイドライン(2018年改訂版)
成人先天性心疾患ガイドライン(2017 年改訂版)
先天性心疾患並びに小児期心疾患の診断検査と 薬物療法ガイドライン(2018 年改訂版)
2020 年改訂版 大動脈瘤・大動脈解離診療ガイドライン
小児循環ガイドライン
急性冠症候群ガイドライン
心電図判読へのステップアップ
AHAガイドライン
解剖・生理学
解剖学
心膜の構造
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表から内部へ以下の通り
心膜
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漿膜性心膜
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臓側心膜
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漿膜性心膜に包まれてるのが心膜腔で心嚢液がある
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壁側心膜
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線維性心膜
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心筋
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心内膜
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心内腔
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心臓:冠動脈分岐
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右冠動脈(Right Coronary Artery: RCA):#1-#4
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#1:右冠動脈起始部から鋭縁部までを二等分した近位部、#1から洞結節枝(sinus node branch: SN)、円錐枝(conus branch: CB)が分岐する。
-
#2:右冠動脈起始部から鋭縁部までを二等分した遠位部、#2から右室枝(right ventricular branch: RVB)、鋭縁部からは鋭角枝(acute marginal branch: AM)が分岐する。
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#3:右冠動脈鋭縁部から後下行枝(poster descending branch: PD)まで
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#4:後下行枝(poster descending branch: PD)、#4から#4AV:房室結節枝(atrioventricular node branch: AVN)が分岐する。
-
左冠動脈(Left Coronary Artery: LCA):#5-#15
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#6:左主幹部から左前下行枝の第一中隔枝(first septal branch: 1st SB)まで、#6から#9:第一対角枝(first diagonal branch: D1)が分岐する。
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#7:第一中隔枝から#10:第ニ対角枝(second diagonal branch: D2)まで
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#9:第一対角枝(first diagonal branch: D1)
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#10:第ニ対角枝(second diagonal branch: D2)
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左回旋枝(Left Circumflex Coronary Artery LCX):#11-#15
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#11:左主幹部から左回旋枝#12:鈍角枝(obtuse marginal branch: OM)まで
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#12:鈍角枝(obtuse marginal branch: OM)
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#13:後側壁枝(posterolateral branch: PL)まで
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#14:後下降枝(posterior descending artery: PD)
AHA分類: 狭窄度
・0%:狭窄なし
・25%:25%以下の狭窄
・50%:25%超から50%以下の狭窄
・75%:50%超から75%以下の狭窄
・90%:75%超から90%以下の狭窄
・99%:90%超から99%以下の狭窄
・100%:完全閉塞
と分類します。通常、75%以上の狭窄を有意狭窄と判定し、治療対象とします。
いろいろ
生理学
心静止液(心保護液)
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Del Nido Solution
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心筋保護液“del Nido Chikamori Modification”の調製
-
リドカイン+高Mg+低Ca液らしい
作用
陽性変力作用 心臓の収縮能力を強くすること
陽性変時作用 心拍数を高めること
陽性変伝作用(陽性変伝導) 房室伝導を早くすること(房室伝導間遅延を短くする)
陰性変力作用 心臓の収縮能力を弱くすること
陰性変時作用 心拍数を低下させること
陰性変伝作用(陰性変伝導) 房室伝導を遅くすること(房室伝導間遅延を長くする)
刺激伝導系
洞房結節 (SA-node、sinu-atrial node)
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前結節間路 中結節間路 後結節間路
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房室結節 (田原結節、AV-node、atrio ventricular node)
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ヒス束
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右脚
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プルキンエ繊維
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心室筋、乳頭筋
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左脚
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プルキンエ繊維
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心室筋、乳頭筋
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左脚前枝
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Bachmann束
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→左房
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0 相
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脱分極相
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速い内向き Na+電流(INa)
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速い内向き Na+電流(INa) (急速 Na+チャネル Open)細胞外から細胞内に L(Lasting、持続型)型Ca2+電流(ICa−L)が流れ、脱分極が起きる。
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1 相
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オーバーシュートからの戻り
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一過性外向き電流(Ito)
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一過性外向き電流(Ito)と呼ばれる外向き電流が一時的に流れ、部分的に再分極する。TO: Transient Outward もしくはTemporary Outward、本によって何の略か違う。
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2 相
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プラトー相
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緩徐内向きCa2+電流 遅延整流性K+電流
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L(Lasting、持続型)型Ca2+電流(ICa−L)が流れて、2 相を形成する。 遅延整流K+電流の早い成分(IKr)が流れ、それに続いて、遅延整流K+電流の遅い成分(IKs)が流れて、第 3 相に移行する。200msec~300msec
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3 相
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再分極相
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Kr、IKs、内向き整流性K+電流
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K1遅延整流K+電流(IK)には、早い(rapid)成分(IKr)と遅(slow)成分(IKs)の二種類がある。過分極誘発内向き電流(IfあるいはIh)が流れ、 そのあと T 型Ca2+電流(ICa−T)が流れて、ゆっくり脱分極し、L 型Ca2+電流(ICa−L)の閾値に達して、再び第 0 相に移行する。
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4相
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静止膜電位
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I_K1、リーク電流
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疾患
不整脈
心房細動
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Atrial Fibrillation, January 28, 2021, N Engl J Med 2021; 384:353-361
徐脈性心房細動
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室結節が連絡することができず、結果的に心室の脈は遅くなってしまうことがあります。これが徐脈性心房細動で、心房細動に房室ブロックが合併した状態ともいえます。
心不全
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2021年 JCS/JHFS ガイドライン フォーカスアップデート版急性・慢性心不全診療
弁膜症
先天性心疾患
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成人先天性心疾患ガイドライン(2017 年改訂版)
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先天性心疾患並びに小児期心疾患の診断検査と 薬物療法ガイドライン(2018 年改訂版)
大動脈疾患
大動脈解離
心筋梗塞
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ST上昇型急性心筋梗塞の診療に関するガイドライン(2013年改訂版)
肺塞栓の診断スコア
検査
BNPとNT-PROBNPの違いについて
-
HANPは心房で合成・分泌されるホルモンであり、透析患者の至適体重管理によく用いられます。
-
BNPは心室で合成・分泌され左室拡張末期圧を反映することから、心不全の診断補助として使用されています。
-
NT-proBNPは、前駆体ホルモンであるproBNPが分解されて生じるホルモンであり、1:1の割合でBNPと共に血中に放出され、BNPと同様に心不全で診断補助に使用されています。
-
BNPとNT-proBNPは共に心不全の診断などに使用され両者の有用性はほぼ同等との報告があります。
しかしながら、NT-proBNPは”血清”で検査が可能であり、また、採血後の検体の安定性に優れ、生化学検査と同一の採血管で依頼が可能などの運用面での有用性があります。
また、BNPと異なりNT-proBNPは代謝経路が腎臓のみであることから、糸球体濾過値の低下と共にBNP以上に上昇することから、心機能のみならず腎機能も併せて評価する心腎関連マーカーとして注目されております。
目的Based検査
左房肥大
-
心電図
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I,II誘導にて0.12sec以上(3mm以上)の幅広い二峰性P波
-
V1 誘導で、P波が幅、深さともに1mm以上の大きな下向きの揺れ
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胸部X線
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左第3弓の突出
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二重陰影: 左房拡大により、右第2弓の内側に左房辺縁が観察され二重の陰影に見える。
左室肥大
-
心電図
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左室肥大による心筋量増加による左軸偏位
-
V5 or V6のR波の高さ+V1のS波の深さの和>=35mm
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V5 or V6のR波の高さ>26mm
-
V5 or V6のT波のストレインパターン
右房肥大
-
心電図
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II,III,aVfで肺性P波:P>=0.25mV=2.5mm
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V1誘導で右房性P波:P>=0.25mV=2.5mm
右室肥大
-
心電図
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右室肥大による心筋量増加による右軸偏位
-
V1でのR/S比>1
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V1,V2のT波のストレインパターン
-
胸部X線
-
右室拡大により左室が後上方に圧排され左第3弓の突出となることもある
問診
Fontane分類
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I: 冷感、しびれ
-
II: 間欠性跛行
-
III: 安静時疼痛
-
VI: 潰瘍や壊死
http://www.okayama-daiichi.jp/clinic/vascular_lab/aso/index.html
診察
脈拍測定
測定可能部位
顔
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浅側頭動脈
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耳介前部(こめかみ)
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顔面動脈
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下顎下縁、咬筋内側
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総頚動脈
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頸動脈三角
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上肢
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腋窩動脈
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腋窩
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上腕動脈
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上腕内側部
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橈骨動脈
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橈骨手根屈筋腱の橈側
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尺骨動脈
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豆状骨の橈側近位部
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下肢
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大腿動脈
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大腿三角
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足背動脈
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長母指伸筋腱と長指伸筋券の間
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後脛骨動脈
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内果の後下方約2cm
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左右差、上下差のあるもの
大動脈縮窄症
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上肢血圧>下肢血圧
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高安動脈炎
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上肢血圧の左右差、上肢血圧<下肢血圧
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閉塞性動脈硬化症(ASO)
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血圧の左右差
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胸郭出口症候群
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上肢血圧の左右差
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安静時は50〜100回/分
頻脈(100回/分以上)
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徐脈(50回/分以下)
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発熱
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脳圧亢進
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薬剤(β刺激薬)
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薬剤(β遮断薬、ジギタリス)
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甲状腺機能亢進
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甲状腺機能低下症
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頻脈性不整脈
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徐脈性不整脈
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心不全
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貧血
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不整脈(心電図でみたほうがよいかも)
呼吸性不整脈
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吸気時、脈が早くなる
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期外収縮
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脈が一つ抜けたように感じる
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絶対性不整脈
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リズムが不規則
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心音聴診
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ベル型
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低周波を聴取するときに用いる。基本的にはすべての周波数成分を聴取することができる。
-
膜型
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高周波成分が聞こえやすい。膜が低周波成分を減衰させる役割がある。
-
押さえつけると聞こえ方変わる
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II音
-
IIa: 第2肋間胸骨右縁
-
IIp: 第2肋間胸骨左縁
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鑑別
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亢進
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IIa
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高血圧、強度の動脈硬化
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IIp
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肺高血圧症、肺塞栓症、僧帽弁狭窄症、心房中隔欠損症(→肺血流増加)
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減弱
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IIa
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低血圧、大動脈狭窄症
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IIp
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肺動脈弁狭窄症
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II音の分裂
分裂
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主な疾患
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病態
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生理的分裂 吸気時にIIp が遅れる
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健常者
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吸気時に胸腔内圧が減少し、静脈還流が上昇する。それにより、右室から肺動脈への血液が増加し、駆出時間延長し、肺動脈弁の閉鎖が遅れる。
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固定性分裂 IIa,IIpの間隔が呼吸によらず一定
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心房中隔欠損症
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呼気・吸気時に右房と右室の血流量が変化しない
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奇異性分裂 (IIpがIIaに先行する。吸気時より呼気時のほうが分裂がはっきりする)
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大動脈弁狭窄症
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左室から大動脈への駆出が妨げられる。それにより、左室の駆出時間延長により大動脈弁の閉鎖が遅れる。
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左脚ブロック
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刺激伝導系の左脚の伝導系が遅れ、左室の収縮が遅れ、それにより大動脈弁の閉鎖が遅れる。
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病的分裂(IIa〜IIpの間隔が呼気・吸気ともに幅広く分裂する), IIaが早くなる場合
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僧帽弁閉鎖不全症
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左室から左房に血液が逆流し、左室収縮時間短縮し、大動脈弁の閉鎖が早くなる。
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心室中隔欠損症
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左室から右室に血液が逃げるため、左室収縮時間短縮し、大動脈弁の閉鎖が早くなる
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病的分裂(IIa〜IIpの間隔が呼気・吸気ともに幅広く分裂する), IIpが遅くなる場合
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肺動脈弁狭窄症
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右室から肺動脈への駆出が妨げられるため、右室の駆出時間延長し、肺動脈弁の閉鎖が遅れる。
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右脚ブロック
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右室の収縮が遅れ、それにより肺動脈弁の閉鎖が遅れる
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単一II音(分裂なし)
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III音
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拡張早期に心房から心室へ流入した血流が心室壁で急に阻止されたときに生じる音
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VI音
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心房収縮により心室へ駆出された血流が心室壁で急激に阻止されたときに生じる低い音
心雑音部位
場所
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雑音種類
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鑑別
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病態、特徴
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2RSB:胸骨右縁第2肋間(大動脈弁領域)
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収縮期雑音
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AS:大動脈狭窄症
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頚部へ放散する
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2LSB:胸骨左縁第2肋間(肺動脈弁領域)
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収縮期雑音
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PS:肺動脈狭窄症
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吸気時に増強する
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ASD:心房中隔欠損症
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ASDによって二次的に生じる相対的なPSによる雑音
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VSD:心室中隔欠損症
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ECD:心内膜床欠損症
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連続性雑音
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PDA:動脈管開存症
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3LSB:胸骨左縁第3肋間(Erbの領域)
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収縮期雑音
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VSD
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HOCM
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拡張期雑音
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AR:大動脈弁逆流症(大動脈弁閉鎖不全症)
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PR:肺動脈弁逆流症(肺動脈弁閉鎖不全症)
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連続性雑音
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Valsalva洞動脈瘤破裂
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4LSB:胸骨左縁第4肋間(三尖弁領域)
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VSD
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TR
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5LSB中線:心尖部
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MS
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MR
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静脈圧
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内頚静脈怒張
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90度座位or立位で内頸静脈の拍動が見える=右房圧が10cmH20以上
視診
ばち指
チアノーゼ
心エコー
Asynergy:心筋梗塞部位のエコーによる推定
左室駆出率(EF: Ejection Fraction)
EF=100☓(LVEDV-LVESV)/LVEDV [%]
-
LVEDV(Left Ventricular End-Diastolic Volume):左室拡張終期容積
-
LVESV(Left Ventricular End-Systolic Volume):左室収縮終期容積
圧較差
-
Bernoulliの簡易式により
-
P(mmHg) = 4x(v(m/sec))^2
-
圧較差=4x最高速度^2
左室D-shape
-
右室の拡大と心室中隔の左室への偏位,圧排(左室D-shape)
スワンガンツカテーテル(右心カテーテル)
-
大腿静脈、内頚静脈、尺側皮静脈よりスワンガンツカテーテルを挿入する。
-
測定できるもの
-
右房圧
-
右室圧
-
肺動脈圧
-
肺動脈楔入圧
-
酸素飽和度
-
心拍出量(熱希釈法)
SPP(Skin Perfusion Pressure: 皮膚灌流圧測定)
-
ベッドに仰向けに寝ていただいて、血流を調べたい場所、主に足先にレーザーセンサと血圧計の帯(カフ)を巻きます。そのカフに空気を入れて膨らませ一旦血流を遮断してから徐々にカフから空気を抜いて血流が再び戻るポイント(皮膚灌流圧)を測定する検査です。皮膚レベルの微小循環の指標、つまり毛細血管に血流がどの程度あるかを調べる検査です。
-
血圧から血流を調べる検査で、任意の場所で測定でき、毛細血管を調べることができるという点がABIと異なります。動脈硬化が進行し末梢動脈疾患により安静時にも疼痛がある方、潰瘍・壊死がある方の有益な検査です。血管内狭窄および閉塞が原因の重症下肢虚血(CLI)の重症度評価、下肢カテーテル治療・バイパス術後の経過観察、難治性潰瘍の治療予測、四肢切断レベルの判定に用いられます。
心電図
CVR-R
レシプロカルチェンジ
持田製薬株式会社:心電図クイズ
やさしい心電図の読み方
心電図検診判定マニュアル
臨床心臓電気生理検査に関するガイドライン
測定系
-
四肢誘導
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赤
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右手
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黄
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左手
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緑
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左足
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黒
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右足(グラウンド)
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標準四肢誘導
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I
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右手→左手
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II
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右手→左足
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III
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左手→左足
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増幅単極四肢誘導
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aVr
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不関電極→右手
|
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aVl
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不関電極→左手
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aVf
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不関電極→左足
|
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単極胸部誘導
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V1
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第4肋間胸骨右縁
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赤
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V2
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第4肋間胸骨左縁
|
黄
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V3
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V2とV4を結ぶ線の中点
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緑
|
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V4
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左鎖骨中線と第5肋間の交点
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茶
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V5
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V4の高さの水平線と前腋窩線の交点
|
黒
|
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V6
|
V4の高さの水平線と中腋窩線の交点
|
紫
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-
ST上昇(虚血)などの情報を読取る
V1,V2
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心室中隔
|
前壁中隔(右室)
|
広汎前壁
|
V3,V4
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前壁
|
前側壁
|
V5,V6
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I
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aVL
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側壁(左室)
|
|
II,III
|
aVF
|
下壁
|
|
|
リズム
-
洞調律
-
すべてのP波にQRS波がつづく
-
すべてのQRS波にP波が先行する
-
I,II,III誘導でP波が上向きである
低電位か?
-
低電位の基準は、
-
I,II,IIIの標準視誘導全てで、QRS波形の合計の振幅が5mm以下
-
胸部誘導全てでQRS波形の振幅の合計が10mm以下
頻脈 or 徐脈
-
心拍数=300/太マス数 →正常では60〜100/分
|
鑑別
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|
頻脈
|
頻脈性不整脈
|
|
|
心不全, 心筋炎
|
|
|
甲状腺機能亢進症
|
|
|
発熱、呼吸器疾患による低酸素血症
|
|
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徐脈
|
スポーツ心
|
|
|
徐脈性不整脈
|
|
|
甲状腺機能低下症
|
|
|
脳圧亢進
|
|
|
Adamas-Stokes症候群
|
|
|
左房、右房拡大のチェック(電気軸など)
左房・右房拡大
|
II誘導
|
V1誘導
|
左房拡大
|
僧帽性P波(二峰性P波)
|
Pの逆波が大きくなる
|
右房拡大
|
P波増高
|
|
-
心負荷の評価
|
|
右心負荷
|
左心負荷
|
|
電気軸
|
右軸偏位
|
左軸偏位
|
|
P波(心房)
|
II誘導(0.25mV:2.5mmより大きい)
|
増高
|
二峰化
|
|
V1,aVf誘導
|
増高
|
一部が陰性化 (サインはの一周期みたい波形)
|
|
R波
|
V1でR>S
|
V5, V6(側壁誘導)でR増高(26mm以上)
|
|
|
|
|
|
|
|
電気軸の簡易検査
I
|
aVf
|
範囲
|
|
+
|
+
|
正常範囲
|
|
+
|
-
|
左軸偏位
|
左室肥大、左脚前枝ブロック、房室中隔欠損症/心内膜欠損症による刺激伝導系の位置異常
|
-
|
+
|
右軸偏位
|
右室肥大、左脚後枝ブロック
|
-
|
-
|
不定軸(極度軸偏位)
|
|
異常Q波
-
Q波の幅>=0.04sec(1mm)
-
かつ
-
Q波の深さ>=R波の高さ✗1/4
-
注意事項
-
III,aVL, V1誘導で見られるQ波は必ずしも異常所見ではない。
間隔
|
|
|
|
|
P波(Primary wave)
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心房の電気的興奮(脱分極) 心房の興奮(脱分極)を表す部分。 洞房結節で生じた 興奮が右房⇒左房に広がるため、P波の前半部が右房、後半部が、 左房の興奮を反映する。
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0.1s以内(0.07~0.1s)
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0.25mV以下
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PQ間隔
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0.12〜0.20秒 太枠1マス以下
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QRS複合(QRS群)
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心室の電気的興奮(脱分極)
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0.1s以内(0.06~0.1s) 細枠3マス以下
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1.0mV程度(0.6~1.6mV)
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QT時間
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補正QT時間がQT/root(RR)が0.36〜0.44秒 近似的にはRR間隔の半分を超えていなければQT延長はない
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T波
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心室の再分極
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0.1~0.25s
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0.5mV以下(0.2~0.5mV)
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PQ間隔(PR間隔)
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Q波がない場合は、PR間隔という。 房室伝導遅延(房室間伝導時間)を示す。 房室間興奮伝導過程(洞房結節で掃除た興奮が、 心房⇒房室結節⇒ヒス束をへて心室に伝わるまでの過程)
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0.12~0.2s
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J点
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脱分極の中期 心室虚血でも障害電流が流れない。 障害電流⇒ST変化(上昇&下降)
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波
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定義
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P波
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心房の興奮時(脱分極)に生じる波形
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QRS波
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心室の興奮時(脱分極)に生じる波形
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T波
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心室の興奮(脱分極)からの回復時(再分極)に生じる波形
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U波
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回復時(再分極)の終了時に生じる
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ST-T変化
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J pointは、SからT波の途中の直線から曲線に変わる部分である。
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そのJ pointが基線上にあれば、ST-T変化なしと捉える。
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ST上昇と対応するレシプロカルチェンジ(ミラーの関係)があれば、対応する場所の心筋虚血を疑う。
回転のチェック
脚ブロックのチェック
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完全脚ブロック or 不完全脚ブロック
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完全脚ブロック
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不完全脚ブロック
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QRS幅
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0.12sec以上 wide QRS
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0.10〜0.12sec narrow QRS
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電解質異常
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高K血症(参考:検査値ドリル)
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Kの変化
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>5.5mmol/L
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>6.5mmol/L
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>7.0mmol/L
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>8.8mmol/L
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>10mmol/L
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波形の特徴
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テント状T波 QT間隔短縮
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P波振幅低下 QRS幅延長 ST低下
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P波平坦化 PQ間隔延長 QRS幅のさらなる延長
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P波消失 QRS幅のさらなる延長と振幅低下
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QRS幅のさらなる延長 正弦波状
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高K血症(参考:Year Noteより)
Kの変化
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軽症(6.0〜7.0mEq/L)
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中等症(7.0〜8.0mEq/L)
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重症(8.0〜9.0mEq)
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波形の特徴
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テント状T波
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P波消失 QRS延長
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サインカーブ
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低K血症:(参考:Year Noteより)
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Kの変化
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中等症(<=3.0mEq/L)
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重症(<=2.0mEq/L
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波形の特徴
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U波 T波の平坦化
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ST低下 U波の著名化 T波の陰性化
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冠動脈造影
X線読影(胸部X線)
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通常、正面像(Anterior → Posterior)
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心陰影の輪郭
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異常所見
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左第1弓
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大動脈弓
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突出:大動脈瘤、大動脈解離で突出
軽度突出:高齢者で動脈硬化がある場合
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左第2弓
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肺動脈
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拡大:左→右シャントによる肺血流量増加、肺動脈弁狭窄や肺高血圧症で拡大する
平坦化or消失:完全大血管転位症(III型)、Fallot四徴症などの肺血流量が低下する先天性心疾患では平坦化する
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左第3弓
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左心耳
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通常はほとんど弓として認めない 僧帽弁狭窄または閉鎖不全、心不全など、左房拡大をきたす病態で突出する。
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左第4弓
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左心室
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挙上:心尖部は、大動脈弁狭窄症や肥大型心筋症による左室肥大で挙上する
左下方偏位:大動脈弁閉鎖不全症や僧帽弁閉鎖不全症では左下方へ偏位する
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右第1弓
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上大静脈
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右第2弓
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右心房
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右房拡大で突出 右室拡大でも右房を右方向に偏位させ突出させる 二重陰影:左房拡大があると、右第2弓の内側に左房辺縁が観察され二重の陰影にみえる
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心拡大(CTR:心胸郭比)
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心拡大の原因となる疾患
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東京医科歯科大学: 研修医用 胸部 X 線読影の基礎 1 (系統的読影)
CT
心筋シンチ
治療
両心室ペーシング機能付埋込型除細動器 (CRTD)
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2006年8月より本邦でも両者の機能を持ち併せた両心室ペーシング機能付埋込型除細動器 (CRTD)の使用が可能となりました。本体は、数センチ大で(重さ約75g)電池とマイクロコンピューターが搭載されたチタンでできています。それにつながるリード線が血管(静脈)を通って心臓内にその先端が置かれ、心臓が発する電気情報を絶え間なく本体に送り、致死的不整脈の発作が起きたときには、本体からの電気刺激を心臓内に伝え治療を行います。そして正常な拍動を取り戻させる働きをします。
CRT:心臓再同期療法
現在、薬の治療によって症状の改善しない重症心不全に対しては心臓移植といった治療手段もありますが、臓器提供者の慢性的な不足等により進んでいなのが現状です。
このような状況下で重症心不全症状を改善する治療として心臓再同期療法 (CRT=Cardiac Resynchronization Therapy) があります。この治療は、(右心房と)右心室に加え、全身に血液を送り出す左心室にも、ほぼ同時に電気刺激を与えて心臓の機能を高めることで、①心不全の予防や改善、②生命予後の改善、③生活の質(QOL)の改善を目的としており、7割くらいの方で心機能の改善がみられます。
ペースメーカー
ペーシング
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ペーシングの表現記号の組み合わせ
ペーシング部位
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センシング部位
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センシング方式
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A:atrium V:ventricle D:double
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A:atrium V:ventricle D:double O:none
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I:inhibited T:triggered D:double O:none
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体外ペースメーカ
抗血小板薬・抗凝固薬
アスピリン:抗血小板薬
チエノピリジン系抗血小板薬(チクロピジン,クロピドグレル)
ワルファリン:抗凝固薬
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ワルファリンはビタミン K エポキシド還元酵素を阻害することによって,活 性型である還元型ビタミン K の合成を抑制し,ビタミン K 依存性の凝固因子(II VII IX X)の合成を阻害する.図に示すように,それぞれの凝固因子は生体内 半減期が異なる
ヘパリン:抗凝固薬
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ヘパリンは分子量 5,000~20,000 のムコ多糖である.アンチトロンビンは Xa 因子,トロンビンを阻害し抗凝固活性を発揮する.
FXa阻害薬
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体内の血液が固まる作用の途中を阻害し、血栓の形成を抑え脳梗塞や心筋梗塞などを予防する薬
利尿薬
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利尿薬の使い方
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Case1: うっ血性心不全の症例です。ニトログリセリンを使用して心収縮力改善を行い,フロセミドにより利尿を促し,さらに前負荷を軽減させる治療を行いました。結果的に酸素化を改善させた。
プロスタグランジン製剤(PGI2とその誘導体)
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エポプロステノール、ベラプロスト
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末梢血管拡張薬として用いられる
エンドセリン受容体拮抗薬
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ボセンタン、アンブリセンタン
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ET(エンドセリン)は、生理活性ペプチドであり、血管内皮細胞で産生されるET-1は強力な血管収縮物質である。
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エンドセリン受容体拮抗薬は、ET-1とその受容体の結合を阻害し、血管拡張に働く
PDE5阻害薬
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シルデナフィル、タダラフィル
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cGMPの分解酵素であるホスホジエステラーゼ5(PDE5)を阻害し、cGMP濃度の上昇を介して血管拡張する。
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肺動脈性肺高血圧症、勃起不全に用いられる。
抗不整脈薬
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ヴォーン・ウィリアムズ分類
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一般名
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作用機序
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主な適用
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注意事項
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I群(Na+チャネル遮断薬)
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Ia
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プロカインアミド ジソピラミド キニジン
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心筋の活動電位の立ち上がり(0相)を抑制し、興奮伝導速度を低下させる(中程度) APDを延長させる(K+チャネル遮断作用)
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頻脈性不整脈(上室性、心室性)
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QT延長やTdPの発生QRS幅の拡大に注意必要
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(シベンゾリン) (ピルメノール)
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頻脈性不整脈(上室性、心室性) ピルメノールは心室性のみ
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Ib
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リドカイン メキシレチン
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立ち上がり(0相)の抑制(軽度) APDを短縮させる
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頻脈性不整脈(心室性) アプリンジンは上室性にも有効
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Ic
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プロパフェノン フレカイニド ピルシカイニド
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立ち上がり(0相)の抑制(高度) APDは変化なし
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頻脈性不整脈
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II群
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プロプラノロール
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交感神経のβ作用を抑制し、洞結節や房室結節を抑制 4相の傾きが低下 再分極の遅延→不応期の延長
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頻脈性不整脈
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III群 (K+チャネル遮断薬)
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ソタロール アミオダロン ニフェカラント
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再分極を遅延させAPDおよび不応期を延長(QT延長)
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心室頻拍 心室細動
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VI群 (Ca拮抗薬)
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ペプリジル ベラパミル ジルチアゼム
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Ca2+流入によって脱分極する洞結節や房室結節を抑制 立ち上がり(0相)の抑制 再分極の遅延→不応期の延長
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フォガティーカテーテル(動脈塞栓除去用)
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治療デバイスとして用いられています。本製品は動脈内の塞栓除去用に設計され、柔らかい赤色血栓に対応します。
循環器外科:用語集兼リンク集
A
AAA: Abdominal Aortic Aneurysm
AAE: annuloaortic ectasia
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合併疾患
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マルファン症候群
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Ehlers-Danlos 症候群(EDS
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Loeys-Dietz症候群
Af: Atrial Fibrillation:[疾患名](緊急な不整脈)
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概要
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心房各部分の高頻度で無秩序な電気的興奮が原因である。
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その電気的興奮により、P波が消失し、心房の興奮が心室へ不規則に伝導するため、心迫リズムが不整となる状態をいう。
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高齢者、高血圧、弁膜症、心不全、虚血性心疾患などの心疾患や甲状腺機能亢進症などの基礎疾患がある患者に好発する。
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左房内で血栓が生じやすく、心原性塞栓症の予防が重要である。
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脳梗塞、上腸間動脈塞栓症
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左房内(特に左心耳内)に血栓を生じやすく、それが流出して脳塞栓を合併することがある。
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手術時に左心室をはさんで血流遮断することがある。
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原因
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心不全、術後、心膜炎、褐色細胞腫、心筋炎、甲状腺機能亢進症
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心筋梗塞、くも膜下出血、心臓手術、脳梗塞、低酸素、高血圧症
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肺血栓塞栓症、弁膜症、感染症、肥満
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検査
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心電図:RR間隔が不整、
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QRS波は基本的に正常(narrow QRS)、
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P波が見られない、
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V1に基線の細かい動揺(心房細動波(f波))を認める。
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治療法
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塞栓症予防:抗凝固療法(ワルファリン、直接阻害型経口抗凝固薬(DOAC))
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レート治療:β遮断薬、Ca拮抗薬(ベラパミル)、ジギタリス
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リズム治療
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洞調律化:カルディオバージョン or Naチャネル遮断薬(Ia or Ic群)、Kチャネル遮断薬
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再発予防:カテーテルアブレーションor Naチャネル遮断薬(Ia or Ic群)、Kチャネル遮断薬
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カルディオバージョン
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電気的除細動とカルディオバージョンはともに、除細動器を用いた電気ショック(カウンターショック)により直流電流を心臓に通電し、心臓全体を同時に脱分極させて,不整脈を洞調律に戻す治療である。
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QRS波に同期せずに通電するものを電気的除細動といい、
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R波を検知してQRS波に同期して通電するものをカルディオバージョンという
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短形性VT、発作性上室頻拍(PSVT)、心房細動(AF)、心房粗動(AFL)に適用になる
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第2〜3肋間(胸骨右縁)と第5肋間(左前腋窩線上)の間に電気ショックを加える。
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カテーテルアブレーション
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不整脈の起源部位やリエントリー回路中の異常伝導部位を高周波などのエネルギーによって焼灼する頻脈性不整脈の治療法である。
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電気生理学的検査(EPS)で不整脈の発生機序を同定した後に施行する。
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Maze手術
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Mazeとは迷路を意味する。心房筋を一定の幅以下で切離し再縫合することで、AFの原因となる回路をすべて切断する手術。
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肺静脈隔離も同時に行われる。弁置換術など他の心臓の手術を行う場合やカテーテルアブレーションの不成功例などで行われる。術後、左房収縮が不良になる欠点がありこの点を改良したものにRadial手術がある。
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電気生理学的検査(EPS)
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心カテーテル検査に一つであり、電極カテーテルを心臓内に挿入し、心臓内部の電気的活動を調べる検査である。
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12誘導心電図と異なり、胎内から電気活動を調べることができるためより正確に病態を把握できる。
AFL: Atrial FLutter[疾患名] (緊急な不整脈)
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概要
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心房粗動とは、電気的興奮が規則正しく心房内を旋回し、多くの場合、一定の頻度で心室に伝導する状態である、心房興奮は規則的であるために、心房細動とは異なりRR間隔が一定であることが多い。
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検査
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心電図
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規則正しいRR間隔
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狭い幅のQRD波
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P波の代わりに規則正しい心房粗動波(ラージF波)を認める。
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治療法
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血行動態が安定している場合
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心拍数調節のために、β遮断薬、ジギタリス、Ca拮抗薬、
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血行動態が不安定な場合
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根治療法
ALCAPA: Abberant origin of Left Coronary Artery from Pulmonary Artery
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左冠動脈肺動脈起始
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別名:Bland-White-Garland syndrome
AORSCA(ARSCA): Abberant origin of Right SubClavian Artery
abd Ao: abdominal aorta
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The abdominal aorta is the largest artery in the abdominal cavity. As part of the aorta, it is a direct continuation of the descending aorta (of the thorax)
AL: anterior leaflet
Asystole(超緊急な不整脈)
ATA: Anterior Tibial Artery
AMI: Acute Myocardial Infarction
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合併症
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機械的合併症
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心破裂(左室自由壁破裂)
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心室中隔穿孔
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乳頭筋断裂
Ao: Aorta
Ao arch: Aortic arch
APC: Atrial Premature Contraction(経過観察でよい不整脈)
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心房期外収縮
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上室期外収縮(SVPB: SupraVentricular Premature Beats)と同義
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概要
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洞結節の興奮よりも早期に心房から興奮が出現するものである。心室期外収縮と並んで臨床上よく見られる不整脈で、加齢と共に頻度が増加する。
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病態
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正常であれば洞結節から命令がでるが、心房期外収縮はこの命令が出る前に心房や房室結節、ヒス束から早めに命令が出てしまう状態であり、正常な命令が一回休む。
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検査
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心電図
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洞調律よりも早期にP波が出現し、そのP波が正常の形と異なる
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治療
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基本は無治療
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自覚治療が強い場合は、β遮断薬やNaチャネル遮断薬を用いる
AR: Aortic Regurgitation
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症状
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一回拍出量増加による、「動悸」
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肺うっ血症状による、「呼吸困難」「息切れ」
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大動脈拡張期圧低下による冠動脈への血流低下「狭心痛」
AV: Aortic valve
AVD: Aortic Valve Diameter
AscAo: Ascending Aorta
AVSD: Atrioventricular septal defect :[疾患名]
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概要
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胎生期の心内膜床の形成不全から発生する疾患で、房室中隔部の欠損と同時に房室弁の形成異常を伴う「、
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先天性心疾患の2〜3%を占め、21トリソミー(ダウン症)に伴ってみられることが多い。
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不完全型(一次孔欠損):心房中隔下部の欠損と僧帽弁の裂隙(mitral cleft)を伴う
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不完全型の多くが、心房中隔欠損症と同様の経過をとり、幼児期に期待的に手術する
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完全型:心房中隔下部と心室中隔上部に欠損があり、僧帽弁と三尖弁が分離せず共通房室弁尖を有する
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完全型では心室中隔欠損と同様に、乳児期から心不全を呈し、房室弁逆流を呈する場合は重篤で早期に手術が必要となる。
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房室弁については、左側が僧帽弁形態でなく、左側房室弁、右側も三尖弁形態ではなく、右側房室弁と表現する。
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検査
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心エコー:四腔像で左側房室弁(僧帽弁)と右側房室弁(三尖弁)と高さが一致し、その頭側に一次欠損孔を認める。
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心臓カテーテル検査:右心カテーテルを左房から左室へ容易に挿入できる。
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心血管造影
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左室造形正面像では、狭小な左室流出路と左側房室弁の付着異常によるgoose neck signが特徴的
AVN: atrioventricular node
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房室結節(別名:田原結節)
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心房中隔の右側で冠状静脈洞口の上方(コッホ三角)にある。40回/分の頻度で刺激を発生するが、リズムが洞調律よりも遅いため、通常は洞調律の中継点として働く
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刺激伝導系:洞房結節(キース・フラック結節)→房室結節→ヒス束→右・左脚→プルキンエ繊維
AS: Aortic Stenosis
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症状
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左心不全症候→息切れ
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心筋虚血→狭心痛
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心迫量低下→失神発作、めまい、遅脈、小脈、血圧低下
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検査
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聴診
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駆出音、第2肋間胸骨右縁に頸部放散を伴う収縮期駆出製雑音
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IIa音減弱とII音の奇異性分裂
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確定検査
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断層心エコーで、大動脈弁の開放制限、石灰化、肥厚
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ドプラー心エコーで、大動脈弁口面積の減少
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治療方法
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年齢、全身状態、合併疾患、解剖学的形態により術式を決定する。
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大動脈弁置換術(AVR)、経カテーテル的大動脈弁留置術(TAVI)
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疫学
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無治療での平均予定は、狭心痛出現後は5年
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失神発作出現後は3年
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心不全症状出現後は、2年
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死因の半数以上は、うっ血性心不全である
ASD: Atrial Septal Defect
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概要
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胎生期の心房中隔の発達障害により、先天的に心房中隔に欠損孔が存在し、欠損孔を通じて、左→右シャントを生じ、右房・右室への容量負荷をきたす。幼児期や学童期に発見されることが多く、30〜40代以降に心不全症状が出現する。近年、我が国でもカテーテル治療が開始された。
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症状
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1)小児期から心雑音をしてきされていたが、発育や身体機能に異常なく経過することが多い。
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2)思春期〜中年期以降になって労作時呼吸困難、易披露性
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検査
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3)聴診
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II音の固定性分裂、相対的PSにより、肺動脈弁領域の収縮期駆出性雑音を聴取する。
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右房の容量負荷による相対的TSにより、胸骨左縁下方でのI音の亢進、三尖弁性拡張期雑音(ランブル)が聞こえる
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4)心電図
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右軸偏位、右室肥大、不完全右脚ブロック、心房細動(中年期以降)を認める
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確定診断
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カラードップラー心エコーにより、左房→右房シャントの確認
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心カテーテル検査で、右房でのO2 step up(肺を経由したのが入るため、酸素濃度が7%以上増加)を確認する
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治療
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心室中隔欠損症の自然閉鎖はまれである
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軽症では無治療に場合が多い(肺体血流費<1.5)
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1)〜4)が揃っていれば、就学期前後、あるいは発見後可及的早期に、手術(欠損部の直接縫合 or パッチ閉鎖)またはカテーテル治療を行う。
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治療の対象は、肺体血流比(1.5〜2.0)である。
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もっとも多いのが、心房中隔の壁の真ん中である卵円孔の位置にあいているもの(二次孔欠損)ですが、他にも心室中隔に接するところに開いているもの(一次孔欠損)、上の方に開いている(静脈洞型)、心臓の静脈の壁にあいている(冠静脈洞型)があります。
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心房中隔とは心臓の4つの部屋(右心房、右心室、左心房、左心室)のうち、右心房と左心房の間を隔てる筋肉の壁のことです。心房中隔欠損は、この壁に欠損(あな)が開いている状態です。先天性心疾患(生まれつき心臓に何らかの異常を伴う)はだいたい100人に1人(1%)の割合で起こると言われています。心房中隔欠損(ASD)はその先天性心疾患の中の大体7%を占めています。左右の心房を隔てる壁にはだれでも胎児のときには血液の交通があります。赤ちゃんがおなかのなかにいるときは自分で息をする必要がなく、お母さんからへその緒を通して酸素をいっぱい含んだ血液が、心房中隔のあなを通って、赤ちゃん自身の肺を素通りして体に赤い血が流れるようになっているのです。胎児の時にだれもがもっていたこの穴は卵円孔と呼ばれ、通常は生まれて数時間後には自然に血液の交通がなくなり、ただのくぼみ(卵円窩)になってしまうのですが、心房中隔欠損の患者さんでは生まれたあともこの穴が穴として残っているのです。心房中隔欠損は卵円窩以外の場所に穴があいている場合もあり、場所によって4つに分類されています(図参照)。もっとも多いのが、心房中隔の壁の真ん中である卵円孔の位置にあいているもの(二次孔欠損)ですが、他にも心室中隔に接するところに開いているもの(一次孔欠損)、上の方に開いている(静脈洞型)、心臓の静脈の壁にあいている(冠静脈洞型)があります。穴のあいている場所や穴の大きさによって、病気の程度、症状出現の時期、治療の必要性・方法などが異なります。
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血行動態(血液の流れ)
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心臓は肺と全身に血液を送り出すポンプの働きをしています。肺には全身から帰ってきた静脈血(黒っぽい血液)が、右心房、右心室を経て肺動脈へ駆出されます。全身へは肺静脈から帰ってきた動脈血(赤い血)が、左心房、左心室を経て大動脈へ駆出されます。しかし肺と全身では血液の流れ安さ(血管抵抗)がことなり、両者を比べると肺の方がはるかに血液が流れやすい(血管抵抗が低い)のです。そのため血液を送り出すポンプの働きをしている右心室と左心室を比べると、右心室の方が楽をしているためつくりも華奢(きゃしゃ)にできています。ゴム風船にたとえるなら右心室は柔らかい風船で左心室はかたい風船です。すると左右の心房から左右の心室に血液が流れ込むときに、左右の心房の間に交通があると、血液はどうしても柔らかい方の風船である右心室に流れ込もうとします。そのため心房中隔のあなを通って左心房から右心房を経て右心室へ流れる血流が生じます(左→右短絡という)。
本来全身から帰ってきた黒い血だけが肺に流れるべきところを、左心房に肺から帰ってきた赤い血がもう一度肺に流れる余分な血液の流れが生じるのです。この状態でも左心室には全身には必要なだけの血液が流れこんでおり、右心房と右心室だけが通常の血液+余分な赤い血液を肺動脈に送り出す状態(高肺血流)になります。心臓が一回収縮する間に心臓が肺と全身に送り出す血液の量の比率(肺体血流量比という)は心臓の壁にあなが無い状態では1:1ですが、心房中隔欠損があると肺動脈によけいに血液が流れるために、これが2:1になったり3:1になったりするわけです。
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これに対応するため心臓は右心房と右心室の部屋が大きくなり(心拡大)ます。心拡大が起きても心臓が収縮する力が衰えなければ症状は出ませんが、長期にわたって(2,30年の経過で)拡大が進むと、いわゆる風船のゴムがのびきった状態となり、ポンプの働きが不十分な状態(心不全)になるのです。もうひとつは心臓の壁の筋肉が引き延ばされると心臓の壁を通っている脈の信号伝達の異常を来し、脈の乱れ(不整脈)を生じます。また三尖弁といって右心房と右心室の間にある右心室の入り口の弁のつけねの部分(弁輪という)がゆるんで弁の合わさりが悪くなるため三尖弁逆流を来たしたり、拡大した右心室が左心室を押さえて左心室の入り口の弁である僧帽弁にも逆流を来すことがあります。こういった状態になると、動悸やめまい、ちょっとした運動で息切れしやすくなったり、足や体のむくみ、腸の壁のむくみから食欲低下、全身倦怠といった様々な症状を来たしてきます。
あともう一点注意すべき点は、肺に流れる血液が多い(高肺血流)状態だと、通常は大変低い肺動脈の血圧が上がり始め、そうすると肺動脈の壁が固く分厚くなっていきます。さらにそれが継続すると、肺動脈が肺のすみずみで細かく枝分かれしたところで肺動脈の血管が目詰まりし始めます。そうすると残りの開存している肺動脈への血流がますます増えるため、さらに目詰まりが進行していき肺動脈の血圧がどんどん高くなっていきます(肺高血圧症)。
こうなると本来きゃしゃなつくりの右心室に、血液の量の負担だけでなく血圧の負担がかかり、右心不全を来しやすい状態になります。またいったん目詰まりしてしまった肺動脈は心房中隔のあなをたとえ手術で閉じたとしても、再開通することは期待しにくく、こういった状態になる前にあなを閉じておかなければなりません。肺高血圧症が重症化すると、肺動脈の血圧が、全身の血圧と同等かそれ以上になることがあります。そうなると心房中隔のあなを通る血流が左→右ではなく右→左となり静脈血が全身に送り出されるチアノ-ゼと呼ばれる状態を来します。これをアイゼンメンジャー(Eisenmenger)症候群といって、こうなると心房中隔のあなを閉じると、かえって右心室の血液の逃げ場がなくなり、心臓に血液が流れなくなるのです。
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治療
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心不全症状が出現してきた場合には、利尿剤やジゴキシンといった内科的治療で心臓への負担を軽減します。また不整脈を合併する場合には不整脈をおさえる薬(抗不整脈薬)を用いたり、また血栓症を予防するため血液をさらさらにする薬(抗凝固療法)を用いたりします。また弁の逆流を来しているような場合には、感染性心内膜炎を引き起こす可能性があるので、歯の治療の際などには注意が必要です。
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通常、肺体血流量比が1.5:1を超えるような交通孔が開いていると診断された場合には、心房中隔欠損閉鎖術(あなとじ)が必要です。閉鎖術には大きく二通り、カテーテルインターベンションといってふとももの付け根の太い血管から、折り畳みの傘のような装置を挿入して閉じる方法と、手術で直接あなを見て縫って閉じる方法とがあります。現在日本では、カテーテルインターベンションはまだ、装置の治験の認可待ちの状態です。カテーテルインターベンションでは、人工心肺といった装置も使わず、また傷も非常に小さくてすむのが大きな利点ですが、どのような心房中隔欠損にも使用が可能なわけではなく、小さめの穴で周りの壁がしっかりあって、静脈の開口や弁の開口と穴の位置とに距離があることが条件となります。手術治療は、全身麻酔下に、心臓を切って開いて、直接穴をみて、これにパッチといってあてものをするか、もしくは直接心臓の壁同士を縫って閉じてしまいます。あてものの素材にはゴアテックスといて人工繊維の布きれを用いたり、心膜といって心臓をおおっている袋の一部を切り取って用いたりします。また三尖弁逆流などの合併がある場合には、弁の修復術も併せて行います。また不整脈に対しても、不整脈手術といって、外科的な治療を併せ行うことが可能な場合もあります。心臓を切って開いているあいだ、心臓の拍動を止めなくてはならないため、人工心肺といって心臓と肺の代わりをしてくれる装置を用いて行います。
ASD: Atrial Septal Defect
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概要
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胎生期の心房中隔の発達障害により、先天的に心房中隔に欠損孔が存在し、欠損孔を通じて、左→右シャントを生じ、左房・右房・右室への容量負荷をきたす。
ASD CS Type: ASD Coronary Sinus Type
ASD SV Type: ASD Sinus Venosus Type
AT: Atrial Tachyarrhythmia
APC-Fontan-AtrioPulmonary Connection Fontan
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上大静脈(上半身の血液がもどってくる静脈)、下大静脈(下半身の血液がもどってくる静脈)の両方を肺動脈をつなぐ手術
AVB: AtrioVentricular Block:[疾患名](緊急な不整脈)
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概要
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心房から心室への興奮伝導が房室結節およびHis束で遅延、途絶するもので、1度、2度(Wenckenbach型、MobitzII型)、3度(完全房室ブロック)に分類できる。
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MobitzII型房室ブロックと3度房室ブロック(完全房室ブロック)は徐脈や心停止による心拍出量低下から様々な症状を引き起こすため、ペースメーカの適応となる。
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検査
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聴診:心音のI音が数拍おきに大きく聴かれる←完全房室ブロックの特徴
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心電図:P波とQRS波が独立してそれぞれ一定間隔で出現
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治療(1度房室ブロック、Wenckenbach型II度房室ブロック)
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治療(MobitzII型房室ブロックと3度房室ブロック(完全房室ブロック))
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可逆性の原因がある場合:原因除去
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可逆性の原因がない場合:恒久的ペースメーカ、つなぎとしてアトロピン(抗コリン薬)、イソプロテレノール(β刺激薬)
[分類]
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1度房室ブロック
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PQ間隔が正常(0.20sec以下)以上に延長したもので、QRS波は脱落しない
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Wenckenbach型II度房室ブロック
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PQ間隔が次第に伸びて、QRS波が脱落する。しかし長時間の心停止をきたすことはない。
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Wenckenbach型II度房室ブロック
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PQ間隔は一定(徐々に延長することはない)で、P波のあとのQRS波が突然脱落する。
B
BAV: Baloon Aortic Valvotomy(balloon aortic valvuloplasty)
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重症大動脈弁狭窄症に対する経皮的バルーン 大動脈弁形成術 (balloon aortic valvuloplasty ; BAV)
BAS: Baloon Atrial Septostomy
BDG: Bidirectional Glenn
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上大静脈(上半身の血液がもどってくる静脈)と肺動脈をつなぐ手術
BBDG: Bilateral Bidirectional Glenn
BVAD: Bilateral Ventricular Assist Device
BCP: Blood Cardioplegia
BCA: BrachioCephalic Artery
BTS: Blalock-Taussig Shunt
BWG: Brand-White-Garland Syndrome
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ALCAPA: Abberant origin of Left Coronary Artery from Pulmonary Artery
C
CABG: Coronary artery bypass grafting
CPB: Cardio Pulmonary Bypass
cPA: Centrral Pulmonary Artery
CP: cardioplegia
CoA: Coarctation of Aorta
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概要
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大動脈峡部 or 下行大動脈に局所的な狭窄をきたしたものをいう。大動脈峡部の狭窄は、他の先天性心疾患を合併する場合と合併症のない単純型にわかれる。下行大動脈の狭窄はまれである。
CoPA: Coarctation of Pulmonary Artery
CVAC: Commno AtrioVentriventricular Cannal
CAVV: Common Atrio-Ventricular Valve
CFA: Common Femoral Artery
CILV(RV): Common Inlet Left Ventricle(Right Ventricle)
CLBBB: Complete Left Bundle Branch Block
CRBBB: Complete Right Bundle Branch Block
ccTGA: congenitally corrected transposition of great arteries
cAS: Critical Aortic Stenosis
cPS: critical pulmonary stenosis
D
DKS: Dams-Kaye-Stansel
DFA: Deep Femoral Artery
DesAo: Descending Aorta
dex: dextrocardia
DILV(RV):double inlet left ventricle(right ventricle)
DORV: double outlet right ventricle
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病態
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大動脈と肺動脈の両方の大血管がどちらも右室から起始する
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必ず合併する心室中隔欠損(VSD)の部位と両大血管の位置関係により病型分類される
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肺動脈狭窄の合併も多い
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症状
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チアノーゼの出現時期や程度、肺血流量は病型ごとに様々
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心不全をきたすことが多く、体重増加不良、哺乳障害が見られる
dTGA: d-transposition of great arteries
E
Ebstein's anomaly
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概要
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右室壁と三尖弁の形成異常により三尖弁閉鎖不全となり、三尖弁逆流から右心不全をきたす疾患である。重症で胎児死亡するものから、無症状のまま生涯を終えるものまで幅広い臨床像をもつ。
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検査
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心不全症候があるため、聴診にて、全収縮期雑音、III音、VI音を聴取する。
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心電図で、右房性P波、PQ延長、右脚ブロック、WPW症候群B型を認める
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胸部X線で、右第2弓の突出を認め、肺血管陰影は正常〜減弱
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確定診断
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心エコーにて、三尖弁の右室側への偏位、三尖弁閉鎖不全による逆流を確認する。
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著しい右房圧上昇例では、心房中隔欠損や卵円孔を介した右→左シャント血流が認められる。
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治療
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チアノーゼ、心不全徴候が軽度れあれば、経過観察
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チアノーゼ高度(SpO2<=90)で心不全が強ければ、三尖弁形成術とASD閉鎖
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新生児発症の重量例では、Starnes手術の後に、Fontan手術
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WPW症候群を合併する場合は、カテーテルアブレーションを行う
EC-TCPC: Extra Cardiac Total CavoPulmonary Connection
ECC: ExtraCorporeal Circuit
ECMO: ExtraCorporeal Membranous Oxigenation
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「人工肺とポンプを用いた体外循環回路による治療」をECMOと呼びます。人工呼吸器や昇圧薬など、通常の治療では救命困難な重症呼吸不全や循環不全のうち、可逆性の病態に適応されます。
ECMOは呼吸と循環に対する究極の対症療法であり、根治療法ではありません。通常の治療では直ちに絶命してしまう、または臓器が回復不能な傷害を残すような超重症呼吸・循環不全患者に対し、治癒・回復するまでの間、呼吸と循環の機能を代替する治療法です。
ECMOはextracorporeal membrane oxygenation「体外式膜型人工肺」という機器の略語ですが、欧米人にとってECMO(エクモ)は発音しやすく、広く使用されています
EIA: External iliac artery
EVAR: endovascular aortic repair
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ステントグラフトは人工血管(グラフト)と金属製の骨組み(ステンレス、ナイチノール)で構成され、これを鼠径部の小さな切開創から血管内に留置するのがステントグラフト内挿術です。ステントグラフトを留置する部位(=動脈瘤が存在する部位)により、胸部であればTEVAR(thoracic endovascular aortic repair)、腹部であればEVAR(endovascular aortic repair)と呼ばれます。動脈瘤自体は体内に残りますが、ステントグラフトを留置することにより動脈瘤内への血液流入を防ぐことで動脈瘤に血圧がかからなくなるため動脈瘤の破裂を防ぐことができます。
H
HLHC: Hypoplastic Left Heart Complex
HLHS: Hypoplastic Left Heart Syndrome
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左心低形成症候群は左心室と左心室から出ている上行大動脈が非常に小さい(低形成な)先天性心疾患です。左心室の入り口と出口をなす僧帽弁と大動脈弁も、狭いかあるいは完全に閉じています。通常、動脈管開存、大動脈縮窄も伴っていて、なんらかの治療無しには新生児期を生き延びられない重篤な疾患です。
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背景:左心低形成症候群とは、左心室が小さく、左心室から出ている上行大動脈が細い先天性心疾患です。左心室の入り口の弁である僧帽弁は狭い(僧帽弁狭窄)か閉じて(僧帽弁閉鎖)おり、出口の弁である大動脈弁も狭い(大動脈弁狭窄)か閉じて(大動脈弁閉鎖)います。左心室の低形成の程度、大動脈弁、僧帽弁の状態に多少幅があるため、ひとまとめにして左心低形成症候群とよばれます。いずれの場合も動脈管開存症と大動脈縮窄症を伴っており、全身への血流は右心室が肺動脈に送り出す血液から枝分かれする動脈管を通じてまかなわれています。したがって動脈管開存が維持されなければ致命的となり、なんらかの治療なしには新生児期を乗り切ることができません。1979年にNorwood手術が開発されて以来、段階的な外科治療によりチアノ-ゼのない状態で発育発達が可能となる道が開かれました。一方、欧米では心移植の対象としている施設もあります。
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症状、経過:全身への血流が動脈管を通じて肺動脈からまかなわれているため、動脈管が閉じ始める生後1、2日の間に急速に症状が出現します。すなわち低体温とくに手足が大変冷たい、脈が速い、脈が触れにくい、全身性チアノ-ゼ、肝臓が腫れている、などいわゆるショック状態を呈してきます。これらの症状は動脈管の開通が得られなければ回復せず致命的となります。動脈管開存が維持されれば、ショック状態は回避されますが、脈が速い、呼吸が速い、軽度のチアノ-ゼの状態は続きます。
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血行動態(血液の流れ):左心低形成症候群では、心臓の主たるポンプの働きは右心室によってまかなわれています。肺から左心房に還った赤い血は心房中隔欠損を通して右心房に合流し、ここで体からの静脈血と混合し右心室→肺動脈へと送り出されます。肺動脈に送られた血液の一部は動脈管を通して全身に送られ、それ以外は肺に送られます。このとき肺と全身に送られる血液の配分は、どちらの方がより血液が流れやすいかという血管抵抗の比で決まります。肺に流れる血液量が増えるとチアノ-ゼは軽くなりますが、体の血圧が下がり、尿が出にくくなったり、脳や冠動脈に十分な血流がいかなくなったりします。また反対に肺に流れる血液量が減ると、チアノ-ゼが強くなり低酸素血症を来します。すなわち左心低形成症候群では肺と体の血流の微妙なバランスの上になりたっており、バランスがどちらに傾いても生命の維持が難しくなります。そのため患者は新生児集中治療室での注意深い管理が必要となります。
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治療:まずプロスタグランディンの持続静注を行い動脈管からの血流を維持します。患者の状態によっては人工呼吸器の補助が必要です。体と肺の血流のバランスをとって管理しながら手術治療を計画します。術前に動脈管が閉じかってショックを来した患者では、腎不全、腸閉塞、敗血症、アシドーシス(体の血液が酸性に傾く)などを来しやすいため、必要により強心剤、利尿剤、抗生物質を使います。
手術はNorwood(ノルウッド)手術(第一期手術)を行います。右心室のからでている肺動脈幹から上行大動脈→大動脈弓→下行大動脈へと新しい大動脈の再建を行います。もともと肺動脈幹から出ていた左右の肺動脈は切り離します。肺への血流の確保は当センターでは右室-肺動脈間に人工血管の導管で作成する方法を行っています。Norwood手術後は6ヶ月前後にBidirectional Glenn(両方向性グレン)手術呼ばれる第二期手術をおこない、さらに2歳前後にFontan(フォンタン)手術(第三期手術)まで到達すれば、チアノ-ゼの無い状態でその後の成長・発育が望まれます。
I
IA: Iliac Artery
IAA: Interrupted Aortic Arch
IABP: Intra Aortic Balloon Pumping
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大動脈内バルーンパンピング
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胸部下行大動脈の位置にバルーン付きのカテーテルを挿入し、拡張期にはバルーン拡張、収縮期には収縮させる。それにより、拡張期のバルーン拡張時は体血流が停止するたに冠血流が増加する。一方、収縮期のバルーン収縮時は末梢血管抵抗が減少するために、血液が急速に流れる。
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大動脈弁閉鎖不全症や大動脈解離、大動脈瘤のアル例では、病態を悪化させるため禁忌となる。
IAG-Fontan: Intra Atrial rerouting Fontan
IAR-FOntan: Intra Atrial Graft Fontan
ICD: Implantable Cardioverter Defibrillator, Intra-Cardioverter Defibrillator
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適用
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QT延長症候群->TdP
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Brugada症候群(ポックリ病)->VF
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器質的疾患によるVF,VTを繰り返す人
IE: Infective Endocarditis
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概要
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弁膜、心内膜、大血管内膜に、細菌、真菌、リケッチア、クラミジア、ウイルスなどの感染性微生物を含む疣腫を形成し、菌血症、心障害、血管塞栓などによる多彩な臨床症状を呈する全身性敗血症性疾患である。その多様な発症形式ゆえに他疾患との鑑別が難しい。
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病態
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病態の中心は、菌血症と弁膜の炎症性破壊による心機能不全、疣腫による塞栓症である。
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基礎疾患
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VSD, PDAなどの先天性心疾患やMR、AS,MVPなどの後天性弁膜症であり血流ジェットを生じる心疾患をベースとする。
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末梢血管塞栓症状
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眼瞼結膜、頬部粘膜、四肢に点状出血、爪下線状出血、Oslet結節、Janeway発疹、Roth斑
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爪下線状出血
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Oslet結節
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Janeway発疹
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Roth斑
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炎症反応
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WBC、赤沈、CRP、ガンマグロブリン、フィブリノゲンの上昇
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確定診断
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血液培養で原因微生物の検出
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心エコーで、弁周囲の疣腫、膿瘍、弁の新たな部分裂開の検出
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治療
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原因菌に応じた抗菌薬を経静脈投与
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外科治療
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うっ血性心不全
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抵抗性感染:原因菌に対する抗菌薬投与を行っても、薬剤活性が弱く治療効果が現れにくい状態
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感染性塞栓症リスクが高い場合
ILBBB: Imcomplete Left Bundle Branch Block
IRBBB: Imcomplete Right Bundle Branch Block
IVC: Inferior Vena Cava
innV: innominate vein
iAVSD: intermediate AtrioVentricular Septal Defect
IIA: Internal Iliac Artery
IMPELLA
J
JET: Junctional Ectopic Tachycardia
JR: Junctional Rhythm
L
LT-Fontan: Lateral Tunnel FOntan
LAVV: Left Atrio-Ventricular Valve
LA: Left Atrium
LBBB: Left Bundle Branch Block
LCCA: Left Common Carotid Artery
LCA: Left Coronary Artery
Leriche症候群
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終末大動脈閉塞症のことである。 本疾患の動脈閉塞は腎動脈分岐部以下の腹部大動脈に始まり総腸骨動脈分岐部周辺にて終るが症例によっては外腸骨動脈ないし浅大腿動脈にまで及ぶ。 病因は血管炎、動脈硬化症、塞栓症、動脈内膜剥離、動脈瘤、血管外傷、腫瘤圧迫などである。
Liso: Left isomerism
LIH: Left Isomerism Heart
LPS: Left Pulmonary Stenosis
LQTS: long QT syndrome
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概要
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QT延長とは心筋活動電位の延長によりQT間隔が延長するもので、torsades de pointes(TdS)という特殊な多形性心室頻拍をきたすのが特徴的である。失神発作を繰り返し、突然死に至ることがある。
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検査
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非発作時の心電図で、QT延長(補正QT間隔(QT/sqrt(RR))が0.48secを超える=RR波の半分にT波が重なる)
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治療
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TdPを繰り返す場合は、硫酸マグネシウム静注が有効
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先天性LQTSでは
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β遮断薬、徐脈が高度の場合は一時ペーシング
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β刺激薬は禁忌である
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二次性LQTSでは
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原因の除去が基本である
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高度な徐脈があれば、一時的ペーシング、イソプロテレノール点滴静注
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低K血症があれば、 K製剤
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二次性LQTSの原因
薬剤性
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抗不整脈薬(I群、III群など) 向精神薬(フェノチアジン系、ブチロフェノン系) 抗菌薬(エリスロマイシン)
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高度な徐脈
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完全房室ブロック 洞不全症候群
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電解質異常
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低K血症、 低Mg血症 低Ca血症
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その他
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心疾患 中枢神経疾患 代謝異常
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LSCA: Left Subclavian Artery
LV: Left Ventricle
LVAD: Left Ventricular Assist Device
LVEDP: Left Ventricular End-Diastolic Pressure
LVEDV: Left Ventricular End-Diastolic Volume
LVESV: Left Ventricular End-Systolic Volume
LVOTO: Left Ventricular Outflow Tract Obstruction
levo: levocardia
M
meso: Mesocardia
MA: Mitral Atresia
MR: Mitral Regurgitation
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概要
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僧帽弁の閉鎖不全により、収縮期に左室から左房に向かって血液が逆流する状態で左室が容量負荷を受けるため心拡大をきたす。僧帽弁逸脱や虚血性心疾患を原因とするものが多い。
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所見
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左心不全症状が現れ、労作時呼吸困難、動悸、息切れ、易疲労感、発作性夜間呼吸困難、起座呼吸
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起座呼吸:仰臥位になると呼吸困難を生じるため、坐位にて呼吸を行おうとすること。左心不全でみられる。仰臥位では、静脈還流量、肺血流量が増加し、肺うっ血が増大するために起こる。
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触診で、心尖拍動
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聴診で、I音減弱、III音、心尖部で全収縮期雑音
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検査
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心電図:左房負荷、左室高電位、心房細動
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胸部X線:左3弓、左4弓の突出がみられる
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治療
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内科的治療
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心不全に対する耐症的な薬物投与
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AF合併例にはワルファリンを投与する
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外科的治療
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僧帽弁形成術(Mitral Valve Reconstruction, Mitral Valve Repair, Mitral Valvuloplasty)、僧帽弁置換術(MVR)を行う
MV: Mitral Valve
MVP: Mitral Valve Prolapse
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病態生理
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収縮期に僧帽弁(特に後尖:後尖は大きいから)の一部が左房内に逸脱(弁尖閉鎖位置の左房側への移動)することにより、前尖と後尖との接合が悪くなり、左室から左房へ血液が逆流する。
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収縮期の途中で、M弁が左房に落ち込む
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収縮期に雑音が増え、収縮中期逸脱のときは収縮後期雑音、全収縮期逸脱のときは、全収縮期雑音がみられる。
MB: Moderator Band
MICS: Minimally Invasive Cardiac Surgery
P
PAF: Paroxysmal Atrial Fibrillation
PAH
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肺動脈性肺高血圧症
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左心系の圧上昇を伴わない肺高血圧症である。
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突発性PAH(IPAH)と遺伝性PAH(HPAH)は、従来原発性肺高血圧と言われた。
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治療方法
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プロスタグランジン製剤(PGI2とその誘導体)
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エポプロステノール、ベラプロスト
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末梢血管拡張薬として用いられる
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エンドセリン受容体拮抗薬
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ボセンタン、アンブリセンタン
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ET(エンドセリン)は、生理活性ペプチドであり、血管内皮細胞で産生されるET-1は強力な血管収縮物質である。
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エンドセリン受容体拮抗薬は、ET-1とその受容体の結合を阻害し、血管拡張に働く
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PDE5阻害薬
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シルデナフィル、タダラフィル
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cGMPの分解酵素であるホスホジエステラーゼ5(PDE5)を阻害し、cGMP濃度の上昇を介して血管拡張する。
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肺動脈性肺高血圧症、勃起不全に用いられる。
PAPVC(PAPVR): Partial Anomarous Pulmonary Venous Connection(Return)
pAVSD: partial AtrioVentricular Septal Defect
PDA: patent Ductus Arteriosus
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概要
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胎生期に開存している動脈管は通常72時間(3日)以内に閉鎖して動脈管索となるが、そのまま残っているものが動脈管開存症である。常に左→右シャントであるため、大動脈圧は収縮期・拡張期ともに肺動脈圧よりも高い。
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動脈管径の大きい場合は、肺血管抵抗の低下した乳児期早期に肺血流増加による左室容量負荷を生じ、左心不全症状を呈する。
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低出生体重児では動脈管が閉鎖しないことがあり、インドメタシンなどの薬物治療による閉鎖ができない場合は早期手術となる。
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2LSB(胸骨左縁第2肋間(肺動脈弁領域))の連続性雑音によって診断できる。
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検査
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心エコー:ドップラー法により動脈管での左右シャントを認める
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心臓カテーテル検査:右心カテーテルでカテーテルが肺動脈から動脈管を抜けて、下行大動脈に挿入できる。肺動脈での酸素飽和度の上昇を認め、重症例では肺高血圧を呈する。
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造影検査:動脈管から肺動脈が造影される。
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手術適応
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短絡量が少ない場合でも放置すると心内膜炎の罹患率が高いとされている(Ebidence不明)。
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silent PDAは2mm以下の動脈管の一部は心雑音を聴取しない。
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低出生体重児も含め乳児期に心不全を呈する場合は、早期手術の適応となる。無症状の場合は
就学前の3〜6歳で手術する。
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高齢者の場合は、重篤な肺高血圧を呈しており、手術のリスクが高い
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手術方式
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左側方開胸により、動脈管を剥離して血管クリップで閉鎖もしくは結紮を行う。
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動脈管の形態によっては、カテーテルによって動脈管を閉鎖する(閉塞栓やコイル)。
PDV: Patent Ductus Venosus
PEA: pulseless electrical activity(超緊急な不整脈)
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定義:
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何かしらの波形が出ているが脈(頚動脈)を触れなかったらPEA
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ただし、心室細動、心室頻拍を除く
PFO: Patent Foramen Ovale
PCPS: percutaneous cradiopulmonary support
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ECMOは導入目的や送血方法により大きく2つ(VA ECMOとVV ECMO)に分類されます。
循環器不全および循環不全を合併した呼吸不全や、救命処置にはVA ECMOが用いられます。日本ではPCPS(Percutaneous cardio pulmonary support:経皮的心肺補助)という用語がよく用いられ、PCPSはVA ECMOとほぼ同義です。静脈から脱血し、人工肺で酸素化した血液を遠心ポンプで動脈に送血するものがこれにあたります。一方、循環補助を必要としない重度呼吸不全にはVV ECMOが用いられます。静脈から脱血し、人工肺で酸素化した血液を静脈に返すものがこれにあたります
PS: Pulmonary Stenosis
PSVT: Paroxysmal Supraventricular Tachycardia[疾患名](緊急な不整脈)
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概要
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発作性上室頻拍は、房室結節や副伝導路などを介するリエントリーによる上室性の頻拍である。房室結節リエントリー頻拍と房室回帰頻拍の2つで約8割を占める。
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症状
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突然起こり、突然停止する動悸(頻拍感)
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重症例ではめまいや意識消失
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治療方法
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発作的に血行動態が安定している場合
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迷走神経刺激法(Valsalva法)
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効果がなければ、Ca拮抗薬、ATPを静注
PTA: percutaneous Transluminal Angioplasty
PTA: Persistent Truncus Arteriosus
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概要
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総動脈幹は、体制初期に動脈幹中隔によって大動脈と肺動脈に分割されるが、この分割が行われず総動脈幹が心室中隔欠損に跨る形で左右両室の血流を受ける。
PTAV: percutaneous transluminal aortic valvotomy
PTPV: percutaneous transluminal pulmonary valvotomy
pmVSD: perimembranous type ventricular septal defect
PPS: peripheral pulmonary stenosis
PLSVC: persitent left superior vena cava
PV: pulmonary vein
PVC: Premature Ventricular Contraction
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VPC(Ventricular Premature Contractionと同義)
PVE: Prosthetic valve endocarditis
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人工弁感染性心内膜炎(Prosthetic valve endocarditis: PVE)
popA: popliteal artery
PL: posterior leaflet
PTA: posterior tibial artery
PG: pressure gradient
PA: pulmonary artery
PAT: pulmonary artery trunk
PA/IVS: pulmonary atresia with intact ventricular septum
PA/VSD: pulmonary atresia with ventricular septal defect
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肺動脈閉鎖を伴う心室中隔欠損症(極型ファロー四徴症)
PA/VSD/MAPCAs: pulmonary atresia with ventricular septal defect/major aorto-pulmonary collateral arteries
Rp: pulmonary resistance
PV: pulmonary valve
PVR: pulmonary vascular resistance
PVO: pulmonary venous obstruction
R
RAA: right aortic arch
RIght arch
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腕頭動脈が左から出ていること(通常はleft archで腕頭動脈は右からでる)
RA: right atrium
RBBB: right bundle branch block
RCA: Right Coronary Artery
Riso: right isomerism
RIH: right isomerism heart
RPS: right pulmonary stenosis
RVAD: right ventricular assist device
RVOTO: right ventricular outflow tract obstruction
RAVV: right atrio-ventricular valve
S
SL: septal leaflet
SSS: sick sinus syndrome(緊急な不整脈)
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概要
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洞結節あるいはその周囲の障害により、高度の洞徐脈、洞房ブロック、洞停止を生じ、徐脈に起因する脳虚血症状や心不全症状を呈する症候群をいう。
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Rubenstein分類により、I度(洞徐脈)、II度(洞房ブロック、洞停止)、III度(徐脈頻脈症候群)分類できる。
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症状
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めまい、ふらつき、眼前暗黒感、失神、易疲労感、息切れ
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検査
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心電図で、洞徐脈(心拍数50/分以下)、洞停止(P波脱落)を認める
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治療(症状あり)
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原因ある場合は原因除去
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可逆性の原因ない場合は、恒久的ペースメーカ
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ペースメーカのつなぎとして、アトロピン、イソプロテレノール
Sinus Bradycardia(経過観察で良い不整脈)
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原因
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スポーツ、サルコイドーシス、薬剤(β遮断薬、ジギタリス)、心筋梗塞、心筋症、炎症、リウマチ熱、感染症
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心筋炎、甲状腺機能低下症、脳圧亢進、低体温、高K血症、低酸素血症、拒食症
Sinus Tachycardia(経過観察で良い不整脈)
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原因
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発熱, SpO2低下、COPD、心不全、脱水、出血、甲状腺機能亢進症
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褐色細胞腫、不安、ショック、肺血栓塞栓症、心筋梗塞、疼痛、薬剤性
SV: single ventricle
SVPB: Supraventricular Premature Beats
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上室期外収縮
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心房期外収縮(APC: Atrial Premature Contraction)と同義
SN: sinus node
SI: Situs Inversus
SS: situs solitus
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経胸壁心エコーでは,心耳形態評価による決定は困難です.流入する下大静脈の還流で右房を決定するのが最も簡単であり,正診断率は95%以上で臨床的には意義が高く有用です.
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解剖学的右房が身体の右方にある(下大静脈が脊椎の右にある)とき,これを心房正位(situs solitus)と呼び,左側にあるとき,これを心房逆位(situs inversus)と呼びます.
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それ以外(右房の位置が決定できない時)は心房不定位(situs ambiguus)とします.
SAS: SubAortic Stenosis
SFA: Superficial Femoral Artery
SVC: Superior Vena Cava
supraAS: supra aortic Stenosis
T
TAVI:Transcatheter Aortic Valve Implantation
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重症大動脈弁狭窄症に対する手術療法は、これまでは外科的に開胸して、大動脈弁置換術を行っていました。近年、カテーテルを用いて人工弁を留置する手術方法が登場しました。これを、TAVI(経カテーテル大動脈弁留置術:Transcatheter Aortic Valve Implantation)といいます。
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TAVIは、重症以上の大動脈弁狭窄症に対するカテーテル治療で、2013年10月より公的医療保険で手術可能となりました。
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開胸することなく、また心臓を止めることなく、太ももの付け根などの血管からカテーテル(細い管)を使って人工弁(生体弁)を患者さんの心臓まで運び、留置する手術です。傷口が小さく、人工心肺を使用しなくて済むことから、体への負担が少なく入院期間も短い1のが特長です。
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アクセルルートは複数あり、動脈石灰化の状態をみて判断する。OKならTF-TAVI
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TF-TAVI: TransFemoral TAVI:経大腿動脈アプローチ
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TA-TAVI: TransApical TAVI:経心尖部アプローチ
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TAo-TAVI: TransAortic TAVI: 経大動脈アプローチ
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TSc-TAVI: TransSubClavian TAVI: 経鎖骨下動脈アプローチ
TEVAR: thoracic endovascular aortic repair
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ステントグラフトは人工血管(グラフト)と金属製の骨組み(ステンレス、ナイチノール)で構成され、これを鼠径部の小さな切開創から血管内に留置するのがステントグラフト内挿術です。ステントグラフトを留置する部位(=動脈瘤が存在する部位)により、胸部であればTEVAR(thoracic endovascular aortic repair)、腹部であればEVAR(endovascular aortic repair)と呼ばれます。
TWBCP: terminal warm blood cardioplegia
TOF: tetralogy of Fallot
TOF/PA: tetralogy of Fallot/ pulmonary atresia
TOF/PA/MAPCAs: tetralogy of Fallot/pulmonary atresia /major aorto-pulmonary collateral arteries
TCPS: total cavolulmonary shunt
TSM: trabecula septomarginalis
TA: Tricuspid Atresia
TV: tricuspid valve
TCRV(DCRV): two chambered right ventricle(double chambered right ventricle)
U
UF: unbalanced atrioventricular septal defect
UF: uniforcalizetion
UVH: univentricular heart
V
VF: ventricular fibrillation(超緊急不整脈)
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概要
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心室筋が全く無秩序に興奮し、心拍出量が0(心停止)になった状態。速やかに治療しなければ死にいたる
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基礎疾患
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STEMI, 心筋症、 Brugada症候群、QT延長症候群、低酸素血症、低体温
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症状
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Adams-Stokes症候群が起こり、めまいの直後に失神する。不整脈が原因で起こる失神で、脳虚血による一過性の意識消失である。
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検査
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心電図で、振幅も周波数も全く不規則な波が連続してみられる
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除細動されない場合
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CPRを開始しアドレナリン静注し、再度除細動
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それでもだめなら、CPR,ニフェカラント、アミオダロン静注、再度除細動
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それでもだめなら、CPR、β遮断薬、左星状神経節ブロック(日本では保険適用外)
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再発性の場合、基礎疾患(QT延長など)に準じた治療を行う。
VPC: ventricular premature contraction(経過観察で良い不整脈)
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概要
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予期される心室の興奮よりも早期に心室から異所性興奮が発生する状態をいう。心筋梗塞など基礎疾患を有する患者では、頻発する、連発するVPCは生命予後を悪化させる。
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洞結節から命令が出るちょっと前に心室から命令が出てしまう状態
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検査
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心電図で、先行するP波を欠き、wide QRSを認める
VT: ventricular tachycardia(超緊急不整脈)
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概要
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心室期外収縮(VPC)(先行するP波を欠き、wide QRSを認める)が連続して発生し、頻脈を呈するもの。VTは危険な不整脈であり、無脈性となったり、心室細動に移行する可能性がある。
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症状
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動悸、息切れ
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Adams-Stokes症候群が起こり、めまいの直後に失神する。不整脈が原因で起こる失神で、脳虚血による一過性の意識消失である。
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検査
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心電図で、幅広いQRS波が規則正しく連続して出現する。
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脈ありVT
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胸骨圧迫、除細動を行わず、呼吸していなければバッグバルブマスクを行う。
vPS: valvular pulmonary stenosis
VAD: ventricular assist device
VSD: ventricular septal defect(心奇形:1位)
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概要
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先天性心奇形として最も頻度が高く、先天性疾患の20〜30%を占める。
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本来は左→右シャントであるが、合併疾患や肺血管病変によっては右→左シャントが出現することもある。
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膜性部中隔欠損が最も多いが、日本人は円錐部欠損(肺動脈弁下欠損)が欧米に比べて多い
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検査所見
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心エコー:左房、左室、肺動脈の拡大、ドップラー法により欠損孔に一致してモザイク状の左→右シャント血流を認める。
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右心カテーテル検査:右室レベルでの酸素飽和度の上昇、右室、肺動脈圧の上昇、肺血管抵抗の上昇があると左→右シャントでなく右→左シャントが出現する。
最終更新:2024年12月14日 17:14