クリフトとアリーナの想いは @ wiki

2008.04.01

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kuriari

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クリフトとアリーナの想いはPart8
909 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2008/04/01(火) 00:46:21 ID:NhYKsMHB0

「話ってなあに?クリフト」
風通しの良い部屋の窓の外を眺めてアリーナが訊ねる。
「突然ですが…」
神妙な面持ちをしたクリフトが呟いた。
「王の命で今日からスタンシアラに配属される事になりました…」
思いがけない一言に窓から身を乗り出していたアリーナはあと少しで転落するところだった。
「え…ちょっと待ってよ!本当に突然過ぎるにも程があるわ!お父様ったら頭のネジでもはずれたんじゃないかしら?」
「まあそういうわけですので今日でこの城…姫様ともお別れになるのでご挨拶に参りました」
そういってクリフトはアリーナを見つめた。
クリフトの奥深い蒼の瞳に吸い込まれそうになったが、アリーナはハッと我に返った。
「ねえ…嘘よねクリフト?」
アリーナは震えた声でクリフトに問いかける。クリフトは重々しく口をあけた。
「…今までありがとうございました。このクリフト、姫様に仕える事ができたことを一生誇りに思います。
いつまでも何があろうとも、私はこの国、王、民、そして姫様のご多幸をお祈り致します…」
帽子をとり深深と礼をしてアリーナに背を向けると、部屋の出口へと歩いていった。
「……っ…いやよ!待って!」
アリーナの不意打ち電光石火にクリフトはよろめく。
涙を流し、クリフトの腕にしがみつきながら「行かないで」と懇願するアリーナはクリフトの異変に気付く。
何とクリフトは笑っているのだ。
「な…なにがおかしいのよ!」
「う…あ、すみません、今日何の日か知ってます?」
アリーナはキョトンとしたまま沈黙が続く。
「エイプリルフールですよ、姫様」
「なっ…騙したわね!」
目の端を吊り上げながらアリーナは猛々しくクリフトに馬乗りになった。
「今日だけは嘘ついても良い日なんですよ姫様♪」
ニッと笑うクリフトに怒る気も失せたアリーナはクリフトの頬に軽くキスをした。



尾張…orz
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