クリフトとアリーナの想いは @ wiki

2012.02.26

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kuriari

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クリフトのアリーナの想いはPart12.5
236 名前: 雪の華 1 Mail: sage 投稿日: 2012/02/26(日) 21:17:06.26 ID: 0TjDII5h0

 …眠れない。
 もう何回目になるのかわからない寝返りを、あたしは打つ。
 寒いと思われるからじゃない。何だろう、この、虚しいというか何というか、そういうおかしな気持ちは…。
 たまらずにあたしは起き上がり、ベッドを出て窓際に立つ。
 あ、雪だ…。
 窓の向こうに、ひらひらと白いものが舞っている。
 思わず壁に貼ってある暦をながめやる。ああ、時期的に、この冬最後の雪だ…。
 何て綺麗…。
 こういう、圧倒的に綺麗なものを目の当たりにしてしまうとついつい吸いこまれるように近くに寄ろうとしてしまう悪い癖が出たのか、あたしはいつしか窓から飛び降りて、お城の外にただぼんやりとたたずむ。
 どんよりした空から、ただただ白いものがひらりひらりと落ちてくる。
 凄いな…うわ、何だろうこの、圧倒的な綺麗さは…。
 窓越しに見る雪景色とは違う。何だろう、ああ…凄い…。
 息を吐く…その息が真っ白なところを見ても、相当寒いと思われる…はずなんだけど、不思議に寒くない。足元を見てみても、ふくらはぎがあらかた雪に埋まっていて…でも少し動きにくいかと思える程度で、驚くほど冷たくはない。
 誰よ、雪が降りそうな日はおかしな寒さを感じるなんて言った人は…。
 ただただぼんやりと、白いものがひらりひらりと舞い落ちてくる空を、あたしは見つめる…と、不意に気遣うような視線を感じる。
 …あたしを気遣う、その時点で、あの人では、ない。
 あの人がそういうことをする人ではないことはわかっているし、期待してもいない。むしろ、自分からそういうことをしてきたら、何の意図があるのよと、悪意を持ってその胸の内を勘ぐってしまう。
 視線の出所をさぐる。
 …あ。
 明らかにあたしには大きな、でも暖かそうなコートを抱えて勝手口にたたずんでいる、見慣れた長身。
 …クリフト。
 何であなたがそんなとこにいるの。
 あなただってもう、あたし以外に気遣って守るべき人がいらっしゃる身の上じゃない…。
 気づかないふりをして、あたしはまた空をながめやる。

「…姫」
 沈痛な声。
「何よ」
 仕方なく、彼に視線を投げつける。
「ご体調が優れない旨、うかがっております…」
「だから何なのよ…」
 あたしのことなんか放っておいて、奥様と赤ちゃんの所に帰ってあげなさいよ…。
「体調が優れないのに、そのような寒い場所に突っ立っておいででは…」
「ほっといて…」
 ああ、あの人や侍女が相手ならもう少し強気に出られるのに、どうしていまだにあなたに対してだけは…。
「まさか…」
「あたしはいいの…それより…綺麗よ…」
 クリフトに向けた視線を再び空に戻す…落ちてくる白いものの勢いが増しているように思えるのは気のせいだろうか。
「寒いでしょう」
「寒くなんかないってば」
「息が真っ白ではありませんか…」
 たまりかねたようにクリフトが駆け寄ってきて、ぽんぽんとあたしの肩や頭から雪を払い落としてくる。
「ありがと…」
「雪をご覧になりたいのは結構ですが…」
「たぶんこの冬最後の雪だろうから、何かしっかり見ておきたくなって…」
「これぐらいお召しになっては…」
 コートを羽織らされる。
「ありがと…」
 口ではそう言いながらも、無意識にか何なのかあたしは肩からコートを振り落とす。とてもじゃないけど、
こんな重いコートをまとう気分ではない。暖かいには暖かいけど、何だか…。
 ああ、体自体が何だか重く感じるんだ。だから重いものを着たくないんだ。きっと、そうだ…。
「姫…」
「何そんな沈痛な顔しちゃってさ。あなたにそんな顔は似合わないよ」
 あたしが振り落としたコートをクリフトが拾いながら
「あなたのそのような表情よりはましなつもりです」
 と、あたしを見上げてくる。
「あたし変な顔してる?」
 長身の彼を見下ろすなんて珍しい、そんなことを思いながらあたしはクリフトを見下ろす。
「ご結婚以来表情が乏しくなられて…」
「そう?」
「作り笑顔でない、心からの笑顔のあなたを、最近見たことがありません…」
「あなたにその記憶がないだけよ…」
 確かに心から楽しい、心から幸せ、そう思えたことが減っているかもしれない。特にあの子を産んでからは、
明らかに減っている。口先では一応反論してはみるけれど、それは認めてもいい。
 …愛する人に愛されての幸せな結婚じゃないもの。あの子が生まれればあるいはと思ったけど…どうやら、だいぶ
甘く見てたみたいだ。
 あの子は確かに可愛いし、守ってあげなければと思うけれど…。

「まだ…綺麗なものを綺麗と思えるだけの余裕はあるつもりよ」
 クリフトに向けていた顔を、また空に戻す。
「ではなぜそのような表情を…」
「だから、そんなに変…?」
「何かに疲れ果てたような…」
「疲れ果てた…か…」
 ため息がこぼれる。
「確かにほんの少しだけど疲れているかもね…みんな良くしてくれているのに、何で疲れてるんだろ…」
 良くしてくれている。あの人以外は。
「おかしなことをお訊きします…」
 クリフトが隣に立って、あたしと同じように空を振り仰ぎながらぼそりと言う。
「何…?」
「かの御仁が、あなたを差し出さなければ国への復興支援を打ち切るとおっしゃって…」
「……」
「陛下が、あなたに泣いてひざまづいて、許しと縁談の承諾を乞うたと聞き及んでおります…」
 …何でその話を…?
「どこまでが事実で、どこからが悪質な尾ひれなのでしょう…」
 あたしは空を振り仰いでいた顔をクリフトに向けた。彼はその端正で凛々しい顔を空に向けたままだ。
「どこで誰がその話を…?」
「私は噂で聞き及んでいるだけです」
「全部事実だけど…?」
 お父様に突然、国への復興支援を打ち切られないためにはこれしか方法がない、許してほしい、そう言われて
泣いて頭を下げられたあの時。あの時初めて、親に怒られるより泣かれるほうがいたたまれないものだと知った。
 お父様を、そして国民を泣かせないためには、これしか方法がない。そう思ってあたしは望んでもいない縁談を
承諾した。お父様と、その向こうの国民の泣く顔は見たくない、ただその一心で。
「余すところなく…事実であると…?」
 クリフトは空を見上げたままだ。
「そうだけど…噂になってるんだ…」
 どこで、誰が、そんな噂を…ああ、でももういい。噂の出所なんて詮索するだけ無駄だ。
「余すところなく事実であれば、ひどい話であると…噂などというものは悪質な尾ひれがついて広まるものですので、
むしろあの話は悪質な尾ひれが大半であってほしいと願っておりましたが…そう…ですか、余すところなく事実だった
のですね…」
「そうじゃなきゃ…望んでもいないのに結婚なんてしない…」
 …何でだろう、不意に気が緩んで、あたしはふっと雪の上に倒れ込んだ。そのまま寝返りを打って仰向けになる。
 どうしてクリフトの前だと気が緩むんだろう…。
「どうされました?」
 クリフトがしゃがんで、あたしの顔をのぞき込んでくる。
「立って見てるよりこうして見るほうが綺麗よ…」
 振り仰がないでも自然に視界に入ってくるせいだろうか、このほうが雪が綺麗に見える。
「だからといって雪の上などに横たわらずとも…!」
「いいじゃない」
 …飽きたら起きるわよ。
「よくありません!」
「少しぐらい好きにさせて…」
 何でこんな重い声が。
 自分でも不思議なほどに重苦しい声。

「…冷えるでしょう…」
 あたしの重い声に圧されたのか、クリフトの口調が弱々しいものになっている。
「そう思うでしょ、意外とそうでもない…」
 笑顔を作ってクリフトをながめやる。
 …積もった雪って、もっと冷たくて固いものだと思っていた。でも違う。これは…実際雪の上にひっくり返って
みないとわからない感覚かも…。
「そりゃベッドみたいとまではいかないけど、結構ふかふかしてて、意外と冷たくないんだ…」
「姫…」
「何よ、そんな哀しそうな顔しちゃ嫌だってば…」
 …何でそんなに哀しそうな顔するわけ…。
 あの人の無関心な表情より、クリフトの哀しそうな表情のほうが切なく胸に響く。
「あなたには…」
 やるせない思いを振り払うためにあたしは呟く。
「何でしょうか…」
「お仕事で聞かされた話を迂闊に人に漏らしちゃいけないって義務があったよね…」
「守秘義務のことですか」
「…っていうの?あるんでしょ、そういう義務が…」
「何かお話しになりたいことでも…」
「ちょっとね…これからあたしが何を言っても誰にも言わないでと言ったら…」
「もちろんその時は…どなたにも…」
 クリフトの言葉にあたしはうなずいて目を閉じた。
「…しんどい…」
 ため息が漏れる。
「ほんの少し…って、さっきは少し強がったけど…正直言ってかなり疲れてるかも…」
「何か私にできることがあれば…おっしゃってください…」
「今は聴いてくれるだけでいい…」
 あとは自分で考えるから…。
「愛情も…なあんにもない…ただ体面だけで夫婦やるのって…疲れるね…できる人はできるんだろうけど、
あたしは駄目だ…」
 再びため息。
「あの人が欲しかったのは、あたしが偶然持っちゃった…そうね、家柄だとか権力だとかそういうものであって…
あたしそのものじゃないのよ」
「認めたくはありませんが、そのような下衆な手合いは一定数存在しますからね…」
「それでも子供が産まれればって…思ったんだけどね…どうやらかなり甘く見てたみたいだ…」
 クリフトは黙っている。
「生まれたのが女の子だってわかった時のあの人の目…あの露骨に落胆したような目…忘れられない…」
「落胆…」
「隠してたつもりだったんだろうけど、わかったのよね…あれで隠し通したって思われてんだったら、あたしも
見くびられたもんだ……何で男の子じゃなきゃ駄目だったんだろ…」
 なぜか急に、生暖かいものが頬を伝う。あ…涙?何であたし泣いてるの…。
「あの子が…夜中に泣いたりむずかったりするじゃない、そうするとあの人、隣の部屋に寝ているはずなのに、
うるさいから黙らせろって怒鳴り込んでくるのよね…その時は張り倒しておしまいにするけど、その後であの子が
不憫になっちゃって…あれが父親か、って、ね…」
「不憫な…」
「そう思ってくれる…?」
 目を開けて、クリフトに視線を向ける。

「あなたがです」
「…あたしはいいの…あたしが選んだ結果だからね…でも、あの子は…親は選べないじゃない…
女の子に生まれたってだけで、受け取れて当然の父親からの愛情を与えられないなんて…不憫で…
こんなお父さん選んじゃってごめんねって…あの子に謝りたい…」
 また空を仰ぐ…落ちてくる白いものの勢いがまた増している気がする。
「あたしが悪い…」
「あなたに何も罪は…」
「何だか…もう…なあんにも…考えたくない…」
 …不意に、どっと眠気が襲ってくる。
「ねむうい…」
 体が重い。
「起きて…」
 抱き起こそうとする腕を、あたしは振り払う。
「いや…」
「このような場所で眠ってしまわれては…」
「ここで寝たあい…」
「姫…!」
「やだ…!」
 クリフトを突き飛ばす。
「少しゆっくりしたい…ちょっとだけ、そっとしておいて…」
 雪の中に尻餅をついているクリフトに、あたしは微笑みかける。
「突き飛ばしてごめん…一寝入りだけさせて。目が覚めたら、ちゃんとあの子のとこ帰るよ…」
 気のせいか、クリフトまで泣いているように見える。
「心配しないでってば…あんな人のとこに、あの子置いてくようなまねはしないよ…」
「では、せめておそばに…」
「あなたは駄目よ、ちゃんと奥様と…えっとお嬢ちゃんだっけ、とにかく帰ってあげなさい…」
 顔をまた空に向けて目を閉じる…ああ、もう、だから何で泣いてるのよあたし…。
「あたしはもう少しこのまま…ここで…とにかく、そっとしておいて…」
 クリフトが立ち上がったのが気配でわかった。
「…おやすみなさい…」
「また…明日ね…」
「ええ…」


 …こんなにゆったりした気持ちで眠るのはどれぐらいぶりだろう…
 いつも寝なきゃ寝なきゃって焦燥感が先に立ってまともに眠った気がしないまま朝を迎えるというのに、
何だか今はそんな気がしない。明日の朝は珍しくすっきり起きられそうだ…。
 体が少しだるい。重い。でも嫌な感じは不思議にしない。
 気持ちいい。ひたすら気持ちいい。夢と現実の間で遊んでいるみたいだ。
 ぼんやりしている。でも気持ちのいいぼんやり。久しぶりにおいしいお酒を飲んだみたいな気分。
 不意に人の気配…のような…ん…夢?何…?
 まだ現実には戻りたくない。もう少しだけ、ここで寝たい。
 あなたひとりを逝かせはしません。
 誰かが囁く。
 …逝かせる?何、それ…。
 私もお供します。
 また誰かが囁きかけてくる。
 誰…あ…どなた…どなた…なの…こんな、多少の雪なら簡単に溶かしてしまいそうな…そんな熱い囁きを
あたしに向けてくるのは…。
 事情は後ほど…。
 囁きとともに、かき抱かれる。
 …え…?
 不思議に、安らぐ。
 誰?
 あたしを抱いてるのは誰なの?
 馴染みのある感触だけど…この胸の持ち主には、そっとしておいてとお願いしたはず。
 あたしのお願いを聞いてくれないあなたではない。いつも何だかんだ言って最終的には受け入れてくれる。
そうよ、あなたは今ごろは奥様やお嬢ちゃんと…。
 優しい手が、あたしの髪を撫でる。
 …しがみつきたい。でも、体が鉛のように重くて、言うことを聞いてくれない。せめて目ぐらいは開けたいけれど、
まぶたも重い。気持ちいいけれど、少しだけもどかしい。
 温かくて柔らかいものが、そっと唇に押しつけられる。
 キス…?
 不意のキスに戸惑う間もなく、次の囁き声が畳みかけてくる。
 …おやすみ…アリーナ…。
 その声を合図に、なぜかどっと体の力が抜ける。

 …… お や す み な さ い …… ク リ フ ト …… 。

 ……あ……
 温かくて柔らかいものを目頭に押しつけられて、あたしはふと目を覚ます。
 目を開ける…と同時に、気遣うような表情のクリフトが目に飛び込んでくる。
「あ…」
「またいつもの夢を…?」
「うん…」
 あたしは指先で目頭を拭って、上半身をベッドの上に起こす。
「一歩間違ったらああなってたからね…」
「二人して凍え死んでいると?」
「うん」
「あなたがご自分から、というのは考えにくいですが…」
「覚悟の上とかじゃなくて、うっかり雪の上で寝ちゃってそのまま、だったら、なくもない話なんじゃないかと思う…」
 あたしはその胸に寄り添う。
「じいやが、王家を金で売るとは何事だ、ってずいぶん強硬に反対したって聞いた…」
 じいやだけではない。エンドールの王様やモニカ姫、ガーデンブルグの女王様とかもずいぶん口添えしてくれたと
聞いている。
 お父様に再び意思の確認をされた時…今度はあたしが、泣いてひざまづいた。泣いてひざまづいて、それだけは
できない、いろいろ考えたけど無理、そう告げた。
 お父様は、怒らなかった。怒るどころか、心なしかほっとしたような表情をしていらしたかもしれない。
 あちらからの復興支援のお金は、言葉通り打ち切られた。でも案外困っていないらしい、そうも聞いている。
聞けばどこぞの大商人…恐らくトルネコさんの尽力が大きいやらいう話だ。
 おかげで、ささやかだけど結婚式まで挙げられた。本当にありがたい話だ…。
「モニカ姫様は相思相愛でしたが…」
 クリフトが微笑む。
「ん?」
「あなたは結局、私が押し切った形になりましたかね」
「いきなり指輪押しつけてきたもんね、びっくりした、あれ…」
 …時々、とても神官様とは思えない行動取ってくるから、クリフトは怖いところがあるのよね。訊いたことは
ないけれど、もしかしたら、あたしを驚かせたり照れさせたりして喜ぶっていう変な趣味でも持ち合わせてるん
じゃないだろうか…。
「あたしが受け取らなかったらどうするつもりだったのよ」
「初めから受け取ってくださるものと思っておりましたので、特に考えてはおりませんでした」
「………」
 …実際受け取っちゃって、しかも嬉しかったりしたから返す言葉がない。
 あたしは左手の薬指の、クリフトとおそろいの結婚指輪の上に重ねてつけているすっきりした造りの指輪に
目を落とす。
 さらに悔しいことに評判いいのよねこの指輪、似合ってるとか趣味がいいとかって…大体彼はどこでどうやって
あたしの指の太さを…。
243 名前: 雪の華 8 Mail: sage 投稿日: 2012/02/26(日) 21:31:14.12 ID: 0TjDII5h0
「…何か気に入らないんだけど?」
 ことさらにぶっきらぼうに、あたしは呟いてみる。
「指輪が?」
「そうじゃなくて…」
 ふくれっ面を作る。
「あたしは所詮あなたの手の中でいいように転がされているだけの存在にすぎないかもってとこがよ…」
「よろしいのでは」
「あなたはそうでもあたしは」
「二人で雪の中に埋もれるよりは…」
 肩を抱き寄せられる。
 …それだけは同意してもいい。ふくれっ面を作ったままあたしはうなずく。
「サントハイム王家の方は…」
 クリフトがあたしの肩を抱いたまま呟く。
「ん…」
「夢で未来を見通せる…」
「うん…」
「二人して雪の中に埋もれた夢をご覧になったとあなたからうかがった時は、ぞっとしました…」
「あたしもぞっとした…これがあたしたちの未来だったらどうしようって…」
「正夢でなくてね…本当によかった…」
 …あたしはうなずいて、窓の外をながめやる。
 この間の雪はもう溶けかけている。あ、そうなのよね、もうじき春なんだ。
 もうじき春…暖かくなったらこの夢からも…ああ、考えるのはやめよう。
 あれは所詮、ボタンをひとつかけ間違ってしまった時に起こったかもしれない事態に過ぎない。
 今のあたしは何だかんだでクリフトと結婚して、今こうしている。
 それでいい。
 それで幸せなんだから…あたしは…。

 何だかんだ言って…

 幸せよ…クリフト…。


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