壊れたマリオネット




「そういえばさ奏、あっちゃんの事で思い出したけど」


「なんで奏ってヒューマギアに否定的なの?」


「否定的?なんで?」


「ほら前、心なんて必要ないって言ってたじゃん」


「心のないヒューマギアなんてただのロボットじゃないのよ」


「ああ、そういう事‥‥‥‥‥別に嫌いってわけじゃないよ」


「ただ、機械の心って他者の手で簡単にコントロール出来るからね‥‥滅亡迅雷の時みたいに」


「失うのが怖いなら最初から付けなければいいのにって」


「確かに心を失うのは怖いけど…………」


「心が無いのも怖くない?まるでお人形を操作してるみたいで」


「私は人形とか好きだよ?」


「私はね、ずーっと同じ………同じ人形を愛でてたんだ」


「何それ初耳よ、どんな人形?」


「もう見せられないの、最近壊れちゃってね」


「糸が………ぷつり、ぷつりって、私の手から切れていって、ぼとりと落ちていったの」


「え、奏の人形って糸操人形(マリオネット)の事だったの?」


「マリオネット………とはちょっと違うかな、それよりはよく出来てて、とっても綺麗な顔をして………」


「捨てたの?」


「まさか、糸が切れただけだから直せるよ」


「もうちょっとしたら………また、元通りになるから」


「ならよかった、今度はちゃんと見せなさいよ?あたしも興味あるし」




「…………いいよ、人形が直ったら………一緒にね………♥

‥‥‥‥

たくっちスノー
「まず、前に言ってた勘違いから教えてくれ」

翔太郎
「ああ、勘違いというのはな………これを見てくれ」

翔太郎は鞄から複数の資料を取り出す

たくっちスノー
「…………学校の資料?」

或人
「おかしな点は特には……」

不破
「おい、待てよ」

不破
「なんでこんなに…………行方不明者や怪我人が出るんだ?

たくっちスノー
「え!?………あ、マジだ!!この教師も生徒も、年代職業関係なくだ!!」

或人
「これは小学校………中学………高校………」

翔太郎
「転入先の希望ヶ峰学園*1 でも同様だ。」

たくっちスノー
「転入………元・超高校級………まさかこいつって2人が通ってた学校!!?」

翔太郎
「ああ」

たくっちスノー
「失踪事件はメロディーリズムがデビューする前から起きていたってのか……!?」

或人
「でもそれは………」

翔太郎
「出来れば俺も偶然と思いたいが………共通点がある」


翔太郎
「これらの学校の失踪者、そしてメロディーの件………それらは皆」


翔太郎
何かしらの形で音ノ小路響と接点があった人物だった」


全員
「…………!!?」

翔太郎
「勘違いというのは………俺たちが追っているのはメロディーリズム失踪事件ではなく」


翔太郎
音ノ小路響関係者失踪事件というのが正しい名称だろう」


或人
「そんなの………有り得ない」


或人
「だってもし、そんな昔まで遡ったら容疑者が…………」

或人
「そこまで出来るのは響の1番の関係者で………」



不破
「他でもないアイツの妹…………音ノ小路奏ってことになっちまうな」
最終更新:2020年07月26日 14:20

*1 このシリーズにおいては才能ある人間が通える特別な高校と知られており、コロシアイの記録は存在しない