はだかの王様と3人のバカ

たくっちスノー
「はだかの王様という童話を知ってるだろうか?」

たくっちスノー
「バカには見えない服を着た王様が赤っ恥かいたっていうあの話」

たくっちスノー
「実は俺も、同じようなパターンに遭遇したんだ‥‥‥‥しかも」

たくっちスノー
「沢山のバカ達と一緒にな」

【パート2】
「はだかの王様と3人のバカ」


‥‥‥‥‥

たくっちスノー
「城になんか見えるな」


王様
「仕立て屋、服は一体どこにある?」

仕立て屋
「はい、こちらでございます」

大臣
「服などどこにもないではありませんか」

仕立て屋
「いえいえちゃんとあります、ここにある立派な服が」

仕立て屋
「これは特別な布を使っておりまして、バカには見えない服となっております」

王様
「なんと!?バカには見えない服とな!?」

たくっちスノー
(‥‥‥‥‥‥あーダメだ、ワンチャン見れるかと思ったら何も見えない、俺はバカだった?)

たくっちスノー
(ってそういう話じゃねーか)

仕立て屋
「どうですこの服は?王様ならきっと気に入るかと思います」

たくっちスノー
(そりゃ認めなかったらバカ扱いだからな、よく処刑されなかったなあの仕立て屋)

たくっちスノー
(不敬罪でしょっぴいてもらおうや)

たくっちスノー
(いやいやもしかしたらおとぎ話と違ってマジモンのやつかもしれない)

たくっちスノー
「しかし見てみてぇなぁ〜バカには見えない服、どんなもんなのかなぁ〜」


たくっちスノー
「あ、そうだ」


‥‥‥‥‥‥

たくっちスノー
「バカには見えないかどうか、もっとバカを集めてみよう」

たくっちスノー
「世の中には面白いやつがいっぱい居るからなぁ‥‥‥‥えーとマガフォンマガフォン」



‥‥‥‥

たくっちスノー
「これよりおバカグランプリを開催」



たくっちスノー
「おバカグランプリ決着、以上の3人が選ばれました」

たくっちスノー
「エントリーナンバー1、筋肉バカのスクワットゴンザレス山村さん」

SG山村
「見てくれこの上腕二頭筋」

たくっちスノー
「エントリーナンバー2、適当バカ、希空」

希空
「ういー、あ、はい」

たくっちスノー
「エントリーナンバー3、無知バカ、エイジ」

エイジ
「はい」

たくっちスノー
「これよりバカには見えない服を見に向かう!!!」

‥‥‥‥

‥‥‥‥


たくっちスノー
「うわ、すごい行列!!」

エイジ
「この行列はなんですか?」

たくっちスノー
「バカには見えない服に興味があるのは俺だけじゃねーって訳か‥‥‥」

エイジ
「そんなに気になるんですか?」

たくっちスノー
「お前も気になるだろ?」

エイジ
「はい」

SG山村
「この体に似合う服だといいが」ムキッ

たくっちスノー
「裸の王様つって肉体美を見せつけたやつが昔ソシャゲにいたな」

希空
「へー」

たくっちスノー
「さて、俺たちの行列の番になるまでどれくらいになるのやら」

SG山村
「スクワットしながら待つとしよう」

たくっちスノー
「ところでお前のそのスクワット推しなんなの?」

‥‥‥‥
〜数分後〜

たくっちスノー
「よー‥‥‥‥‥やく俺らの番だよ‥‥‥‥」

兵士
「お前たちもバカには見えない服を見にきたのか?」

たくっちスノー
「うん、バカ同伴でな‥‥‥‥大人料金2枚と子供料金2枚」

希空
「映画館か」

‥‥‥‥‥

仕立て屋
「これが私どもが作ったバカには見えない服でございます」

王様
「明日私はこれを着て隣国まで会議を行う」

たくっちスノー
(え、マジかよパレードじゃなくて隣国!?)

たくっちスノー
(じゃあまさか、あの仕立て屋は隣国のスパイ?恥をかかせて圧力をかけるとかそういう策略か?)

たくっちスノー
(考えすぎか‥‥‥‥)

仕立て屋
「どうです見えますか?バカには見えない服は」

たくっちスノー
「いやー、バカにしか見えない服は作ったことあるがバカには見えないとはな」

たくっちスノー
(それは服かも分からないくらい脳を壊しただけなんだけど)

エイジ
「‥‥‥‥‥‥!」

希空
「へー、これがその‥‥‥‥」

SG山村
「バカには見えなくても問題ないからだ作りが1番、破れてもいい体を!」

SG山村
「筋肉があるから服はあまり着ない!」

王様
「オメー何しに来た」

たくっちスノー
(‥‥‥‥‥ゴンザレスはなんか面白かったから採用したが、筋肉系じゃなかったかこの王様は)

たくっちスノー
「希空、お前どう思う?」

希空
「は?」

たくっちスノー
「希空から見てこの服、どう思う?」

希空
「えー‥‥‥‥‥あー‥‥‥まぁうん、キレー‥‥っすね、なんというか、綺麗、例えにくいけど」

たくっちスノー
(希空はバカだがただのバカではない)


たくっちスノー
(話の内容が理解出来ないから合ってるかどうか分からないけど適当に返事して反応はしておく、空気読んでるつもりがむしろぶち壊してるバカだ)

たくっちスノー
(悪意がない分なんとも言えねぇ奴)

希空
「なんかこうアレ透明な‥‥‥‥」

王様
「見えてねーじゃねーか」

希空
「ちがうってなんかこうアレだよスケスケ?みたいなアレじゃないの」

たくっちスノー
「俺に聞くなよ」

エイジ
「ふーむ‥‥‥‥‥む」

たくっちスノー
「お、エイジはやっぱり気になるのか?」

仕立て屋
「どうです服は」

エイジ
「服は‥‥‥‥まぁ、見えませんが教養の問題で別にそれはいいんです」

たくっちスノー
「と言うと?」

エイジ
「バカには見えない服はどうしてバカには見えないように出来てるんでしょう?」

仕立て屋
「え?」

エイジ
「バカには見えない原理も分かんないんです、服がその人が賢いって判断するのか‥‥‥‥」

エイジ
「そのバカには見えない服は、そういった特別な布で出来ているのでしょうか?」

たくっちスノー
「特別な布ねぇ‥‥‥‥例えば?」

エイジ
「それも分かりません‥‥‥もしそんなのがあればとっくに見つかっているし‥‥‥‥」


たくっちスノー
(‥‥‥‥そう、エイジは無知バカ、だが何も知らないからこそ知りたくなる探究心と好奇心がある)

たくっちスノー
(命知らずになりそうなリスキーな馬鹿だが、俺はこういうのが大化けするから好きなんだ、子供の頃のエジソンだかノーベルだかもそういう質問したっていうしな)


王様
「おお、確かにそうだ」

王様
「して仕立て屋、バカには見えない服の素材をどう手に入れ、どのようにして作り上げた」

王様
「まさか何も知らないとは言うのではあるまいな?」

仕立て屋
「え‥‥‥‥あ‥‥‥‥‥‥」

たくっちスノー
「おうどうすんだ仕立て屋」

たくっちスノー
「このままじゃあんた王様を全裸で隣国に行かせようとした変態になるぞ?」

エイジ
「どうやってバカには見えない服を作ったんですか?」

‥‥‥‥

〜その夜〜

たくっちスノー
「結局仕立て屋はその場で不敬罪で処刑となった」

たくっちスノー
「エイジの活躍により第2のはだかの王様騒動は免れたのである、と」


たくっちスノー
「流石にそろそろこの世界から去ろうかな、思ったより面倒事になっちまったし」


たくっちスノー
「が、しかし‥‥‥‥」

たくっちスノー
「俺は思った以上にバカには見えない服に興味を持ってしまった」

たくっちスノー
「何を持ってバカには見えないのか?そもそも見えないだけで触れられるのだろうか?」

たくっちスノー
「何も確かめず着たと思い込んでいたあの王様はマジでバカだったんじゃないのか?」

たくっちスノー
「てか元ネタがアンデルセン童話じゃんアイツジジイも酷い目に合わせるのかよと話も逸れて」

たくっちスノー
「向こうだと単にバカではなく『地位に相応しくない者』には見えないとされるけど」

たくっちスノー
「それなら俺が見えないのもわかるが、でもそれって服の方が決めるのか?」

たくっちスノー
「そういう人間の心の弱い所を付いたお話‥‥‥‥‥とはいえこの世はファンタジー」

たくっちスノー
「白雪姫の毒リンゴも赤い靴も魔法のマッチも存在するこの世の中で、バカには見えない服というものは存在しないのか?」


たくっちスノー
「てかその理論だとドラえもんのウルトラよろいも‥‥‥‥」

‥‥‥‥‥


たくっちスノー
「結局俺は朝までずっとバカには見えない服の事ばかり考えてしまった」


たくっちスノー
「帰る途中、王様のパレードが開かれていた」

たくっちスノー
「その時の王様はまぁバカには見えない服よりはマシだろうと思うような服を着て、すっかりその時のことを忘れていたようだ」

たくっちスノー
「ゴンザレス山村は相変わらず筋肉を見せつけ、希空は適当に誰かに便乗しながら生きて、エイジはまた新たな疑問点を見つけて研究している」


たくっちスノー
「バカには見えない服の事を考えているのは俺ひとり、もしかしたら向こうからすればそれほど大事なことでもないのかもしれない」


たくっちスノー
「結局の所、こんなくだらない物を熱心に熱心に考察してときめいていた俺が、この物語で1番のバカなのかもしれないと考えながら、俺は世界を去るのでした」


END
最終更新:2020年12月09日 22:10