ワタシの為に

【第9話】
「ワタシの為に」

みぃ
「ふふふふふふ」



みぃ
「ふふふふふふふふふふふふふふふふふふ」


みぃ
「私が偽物って言いたいの?」

たくっちスノー
「本物がいるかどうかって可能性もあるけどな」


みぃ
「言ってくれるね………そうか、じゃあ話しちゃおうか」


……

ジャガー
「どういうことですか?」

メイドウィン
「心配するな、あの子はハッタリの達人だ」

メイドウィン
「あの子のメイドウィンブラスト上級は結構凄いんだぜ?」

ジャガー
「凄いって………一体どんな能力を持っているんですか」

メイドウィン
「びっくりするなよ?あの子のメイドウィンブラストはな…………」


メイドウィン
「普通に考えたら間違ってるようなおかしいような言葉、それを正しいと思い込ませることが出来るんだ」

ジャガー
「は!?」

松山
「それって洗脳か?もしくは嘘が本当になるタイプか?」

メイドウィン
「さあ?俺はわかんない」

メイドウィン
「そういう精神操作系って、メイドウィンランキングが上のやつには効かないようにしてあるからね」


松山
「え、じゃあたくっちスノーは」

メイドウィン
「面白いことになる………ああそうそう」


メイドウィン
「たくっちスノーが言っていたことは………メイドウィン達の間で秘密ということにしておこう」

ジャガー
「なんでですか?彼があれだけ暴れる理由がようやく明確になったわけじゃないですか」

メイドウィン
「万が一たくっちスノーと同じこと出来る奴が名乗り上げてきたら面倒なことになる」

松山
「たくっちスノー2体分、あるいはそれ以上とか処理出来るかよ?」

ジャガー
「………………確かにそうですね」


ジャガー
「しかし………人を惑わすメイドウィンブラストなんて………そんなものこの戦いでいつ使うんですか?」

メイドウィン
「あ、もう使ってるよ?」

ジャガー
「はあ!?いつ頃から!?」

メイドウィン
「メイドウィンブラスト零式の辺りから」

ジャガー
「あれがもう嘘!?」

…………

みぃ
「知りたい?私の事」

みぃ
「私はね………!!」



みぃ
「私はね、YouTuberはほんのお遊び」

みぃ
「それとは別で本格的にやっていることがあるの、それは………ヘルチューバー」

たくっちスノー
「ヘルチューバー?それって確か、魔界専用のモンスターが配信してる動画サイトだよな?」

みぃ
「私だって一応モンスターだよ?」

たくっちスノー
「あーそうでしたね狐狐」

たくっちスノー
「ヘルチューバー……モンスターのための動画サイト……というのは仮の姿」

たくっちスノー
「実際は人間界侵略の為の巨大兵器で、視聴した人間を堕落させる為の物………」

たくっちスノー
「まさか人間界のアイドル様が侵略の肩入れしてたとはな」

みぃ
「その顔で悪さする君以上の風評被害はないよ」

みぃ
「あと侵略じゃないからね、そういうの興味無いし」

たくっちスノー
「というと?」

みぃ
「ねぇねぇ〜聞きたい?本当に聞きたい?」ニマァ~ッ

たくっちスノー
「お、おうアンタもそういう顔するんだな……………」

みぃ
「たくっちスノーは知ってる?目の錯覚」

みぃ
「映像のほんの一瞬、ポップコーンの広告を入れたものを観るとポップコーンが食べたくなるって実験」

たくっちスノー
「プロパガンダだったか?」

みぃ
「サブリミナルだよ」

たくっちスノー
「そう、それそれ………上手く使えば人間のマインドコントロールも可能だからリアルワールドじゃ法律で禁じられてるんだよね…………」

たくっちスノー
「で、それが何か?」

みぃ
「もう、ニブいなぁ…………私も同じことが出来るんだよ?」

たくっちスノー
「…………え、マジ?」

みぃ
「あれを見て!」


みぃ
「あれ全部が私の眷属」

みぃ
「動画投稿者やコンテンツを深く愛するものを信者なんていうけど、それとは違う!本物の信者よ!」

たくっちスノー
「東方をアンタが作ったものと思うようになるのは?」

みぃ
「それは知らない、視野の狭い誰かがなんか言ってるだけじゃない?」

みぃ
「メイリンクはしてるけど別にどうなってもいいかな、だからどうしたって話だし」

たくっちスノー
「まぁ実際誰が作ったかなんてどうでもいいけどさ………」



たくっちスノー
「そういやそのサブリミナル?とかいうの、ヘルチューバーの話だろ?」

たくっちスノー
「あれだけの信者が…………」

みぃ
「リアルワールドは少なくても、闇サイトを訪れる人なんてわりと珍しくないからね」

たくっちスノー
「自分みたいな奴やアンチが出てるのは?」

みぃ
「賞賛だけだと、妙だと思われない?」

みぃ
「私を嫌うようにサブリミナルをかける動画も定期的に回しているんだよ」


たくっちスノー
「そんなことをわざわざやっている理由は?世界征服じゃなく、単なる洗脳なんて………」

みぃ
「動画投稿者として大成したいから」

みぃ
「…………じゃ、ダメ?」

みぃ
「貴方だって、傍から見ればかなりくだらないエゴでここまでのことやってきたんだから」

みぃ
「たとえば誰もが知ってるYouTuberになりたいとか、色んな人間にチヤホヤされたいとか、再生数でお金がっぽり稼ぎたいとか」

みぃ
「そういう平凡なのじゃ、ダメ?」

みぃ
「メイドウィンだし、大物だけど………動画で見えるほど私ってよく出来たキャラクターじゃないし、どこにでも居る欲望のある生き物なんだよ?」

たくっちスノー
「へぇ…………なるほど、なるほどねえ…………!!」


たくっちスノー
「つまりアンタってやつは、そんなしょうもない事のために、わざわざヘルチューバーの技術を使い、サブリミナルとかいうのを覚えて」

たくっちスノー
「それでYouTuberの方がおざなりで」

みぃ
「失礼だなぁ、最近はむしろヘルチューバーの方がおざなりだよ?」

みぃ
「お色気ライブ配信とか【ピー】とか、ヘルチューバーの過激な動画の方が作るの大変なんだからねほんと」

メイドウィン
「えっ今なんて?」

メイドウィン
「君そんなんやってるの引くよ」

みぃ
「ヘルチューバーだからすぐ消えるけど」


たくっちスノー
「そんなの…………そんなの!!」

たくっちスノー
「なんて………なんて………」


ジャガー
「…………本当に凄い力ですね、我々以外はみんな信じきってますよ」

ジャガー
「100%有り得ないことしか言ってませんよ」

松山
「信者が東方をあいつが作ったと思い込んでるのは本当だけどな」

メイドウィン
「東方は迷惑してても幻想郷は迷惑してないからセーフじゃない?」





たくっちスノー
「うおおおおおおおおおお!!!!」


たくっちスノー
「たくっちチャンネルううううう!!!」

たくっちスノー
「お前と言うやつはああああああああ!!!」


たくっちスノーはオーラを放ちながら燃え上がる

みぃ
「おっと!」

ジャガー
「なんかやばくない!?」

松山
「そーいやコレ一応ガチバトルする大会だったな」

メイドウィン
「あいつってあんな界王拳みたいなオーラ自前で出せたんだ」

ジャガー
「呑気なこと言ってる場合か!あれ多分人殺せますよ!?」

メイドウィン
「あ、そうかラグナロクと違って殺しちゃダメなんだった」

松山
「この作品の更新久しぶりだからすっかり忘れてたよ」

ジャガー
「アンタらいくらなんでも呑気すぎじゃない!?」


みぃ
「お………落ち着いて!!私はね、ほんと強いから!!あっという間に君を八つ裂きに出来るから!!」


たくっちスノー
「うおおおおおおおお!!!みぃ!!あんたは……………あんたって人はなんて………なんてっ!!!」








たくっちスノー
「素晴らしいお方なんだっっっっっっ♡♡♡♡♡♡♡♡♡」

みぃ
「……………えっ?」


ジャガー
「え?」


たくっちスノー
「僕は…………僕は貴方のような方をずっと待っていた!!」


たくっちスノー
「他世界の設定をフル活用し、たとえ小さいことでも己の欲望のために使用するその貪欲さ!!そして他世界の事をなんとも思わないメイドウィン以前にキャラクターの鑑のようなお姿!!」


たくっちスノー
「ふへへ………♡貴方がそんなに凄い人だったなんて………」

みぃ
「え…………えっ?」


ジャガー
「え、あれ効きすぎじゃない?」


松山
「いやアレ、たくっちスノーにはメイドウィンブラスト効いてねぇぞ」

松山
「まぁ考えるとするなら………あいつって自分が出来ること他人が出来ると思い込んでるぐらいだから、ガチで信じ込んだんだな」

メイドウィン
「たくっちスノー………道を誤ったらヤバい宗教にのめり込みそうだなぁ………」

たくっちスノー
「何でも言う事聞きます!みぃ先輩!!」

みぃ
「えっ………じゃあ………この勝負勝ちでいい?」






たくっちスノー
「はい!!喜んで負けます!!」



ギャーバ
「え?」

みぃ
「おお………」


メイドウィン
「ありゃ」


ギャーバ
「…………え、あれ…………という、ことは!?」


ギャーバ
「勝者ァァ!!みぃ・メイドウィン・タクッチー!!メイドウィン側の連続勝利です!!」

ゼロ・ラグナロク第3戦】
●たくっちスノーVSみぃ○
『降参』


たくっちスノー
「では、またどこかで会いましょう!!」


たくっちスノー
「あ、それはそれとしてゼロ・ラグナロク全般で負ける気はありませんので!」

みぃ
「う、うん…………」






みぃ
「あ、嘘ですよ!今言ったことは嘘ですからね!」


メイドウィン
「………こりゃ面白い物が見れたな、たくっちスノーにあんな一面があったとは」

メイドウィン
「対戦相手を彼女にしてよかったよ」

松山
「なんつーか…………色んな意味で危なっかしいやつだったな」

ジャガー
「…………あれは、本当に嘘だったのでしょうか?なんかリアリティあるような」

メイドウィン
「心配しなくても嘘だよ」

メイドウィン
「君は嘘じゃない方がいいのか?」

ジャガー
「…………さあ?」

松山
「向こうとしても、多少は面白半分な奴が居るのかもな」

松山
「面白いコンテンツが奴の動画から奴そのものに変わったってわけだ」

ジャガー
「…………いえ、あの能力を使い慣れているなと、そう思っただけです」


ジャガー
「そんなに間違いのない技を使うと………もしかすると本当のことを言ってるのか嘘なのか、本人自身も分からなくなりそうだと思いましてね」

メイドウィン
「それはそれで、俺たちの問題だからな…………」



ーーーーーーーーーー

たくっちスノー
「現状、メイドウィン側が有利………ま、3回目だし自分が負けることも予測はしていた」

たくっちスノー
「しかしあの人結構強かったな………自分が相手しておいてよかった、さて次は………」



「やれやれ、ようやく茶番が終わったと思えば戦えだと?」

たくっちスノー
「そういうことだ、んじゃよろしくな」

「……………」

END
最終更新:2021年02月13日 22:47