メロメロでハリケーン!!

「第8話」
「メロメロでハリケーン!!」

しずく「あのね、実はまた転校生が来るんだって。」

彩月「またか………で?今度はどんな能力者なの?」

しずく「え、えっと……なんか変な能力なんだ。」

しずく「………女の子を誰でも好きにさせる能力だって。」

彩月「………メロメロ系?」

しずく「うん」

…………
その翌日、彩月は新たに来た転校生を確認するためあさがお組を訪れる

彩月「あれがあの転校生………」

中は阿鼻叫喚であった。

「うわああああクラスのマドンナがああああああ」
「NTRやんけ〜」
「寝てから言え」
「あーーー!!突然のNTRで脳が破壊されました」
「純愛過激派も難儀だな」

彩月「なんだそれ地獄?」


「あっ!!女の子!!」

「このユニコルノ角崎を愛してくれ!」

彩月「……!!」


彩月「あっそ、じゃあ」

角崎「えっ!?」

「「「えっっっっ!!?」」」


角崎「………!?」


ーーーーーーーーーーー

彩月「しずく先輩の予想通りヤバそうな人だったよ。」

しずく「そ、そっかぁ……ユニコルノ角崎さん?変わった名前だね……」

彩月「……聞いたことある、確か時空外出身でユニコーンの愛を授かったとか言われてるやつだよ。」

しずく「え、時空レベルなのに彩月ちゃんは何ともなかったの?」

彩月「うん、というかコレに関しては能力者として強い弱いの問題じゃないね。」

彩月「多分あの能力は全ての女性を好きに出来るわけじゃない。」

彩月「あと、こっち見るのやめて気持ち悪い」

彩月としずくの寮部屋をユニコルノ角崎が覗いていた。

しずく「キャー!!!」


…………

彩月「しずく先輩変なことしたら能力で呪うからね」

角崎「分かったよ………それで、ちょっと確認をしたいんだ。」

彩月「確認?」

角崎「君は西前舞って人を知ってる?」

しずく「西前……舞?有名人?」

彩月「いや知らないけど。」

角崎「そうか………もしかしたら関係していると思ったんだけどね………」

しずく「その西前って人が何か?」


角崎「実は………彼女も僕の能力が効かないんだ」

彩月「へー、普通の女の子?」

角崎「僕や君みたいに能力は無かったはずだよ。」

角崎「その……僕が初めてお熱だった子でもあった。」

………

角崎「これでもこの学校に来るまではこのモテモテ能力を使って数多くの女の子と恋人気分になっていた。」

角崎「そんな中でたった1人、僕に反応しない女の子がいた……それが舞ちゃん。」

角崎「それでムキになって何としても振り向いてもらおうとアプローチして………気が付いたら本気で好きになっていた。」

角崎「だが………結局舞ちゃんには好きになって貰えないまま、僕はこの学校に転校することになった………」

しずく「そんな事情が………」

彩月「その舞さんってどんな人なわけ?」

角崎「写真なら持ってるよ、はい。」

角崎はポケットから写真を取り出す、女の子が友達とポーズを取ってるありふれたものだ。

角崎「その、真ん中の子が舞ちゃん。」

角崎は写真の真ん中にいるロングスカートで黒髪の少女を指さす。

しずく「あっ、綺麗な人………だね。」

彩月(あれ?もしかしてこの人………)

角崎「今のところモテモテ能力を無効化しているのは君と舞ちゃんだけなんだ……一体どんな関連性が………」

彩月「………ねぇ先輩?そのユニコルノ角崎ってあだ名は自称?」

角崎「いや、舞さんに名付けられたんだ………まるで貴方はユニコーン、愛を司る聖馬のようだと。」

しずく「ユニコーン……いいねぇ。」

彩月「ユニコーン………ふーーん。」


彩月「分かった、ようやく分かったよ、関連性。」

角崎「ほ、本当かい!?それは一体!?」

彩月「それは言わない、自分で調べて考えて。」

角崎「う、うぬぬ………どうしても教えてくれないのか?」

彩月「ダーメ、まだ確信してるわけじゃないし、あくまでもしかしてってこと。」

彩月「それよりもう夜だから帰ってくれない?寮長にしばかれるよ?」

角崎「…………ひとまずは失礼しよう。」

そう言って、角崎は帰って行った。


しずく「彩月ちゃん……?その共通性って、一体何なの?」

彩月「聞きたい?」

しずく「うん、とても………」

彩月「誰にも言わない?」

しずく「う、うん………!?え?」

彩月「あのね、実は……」

彩月は耳打ちでしずくに真実を伝えるが………



しずく「あの人が援交してるっっっ!!!?」

彩月「馬鹿!声が大きいよ先輩!聞かれたらどうするの!!」

しずく「でっ、でででっで、でも!え、え、え、え、えんこうってつまり、お金を貰っ、もらって、えっ、えっちなことすることだよね!?」

彩月「まぁそういうこと」


彩月「なんというか裏モノのサイトにさ、援交女子のリストみたいなのあって………あ、私が知ってるのは取り締まるためね?」

彩月「その人、maimaiって偽名で数十万くらい手に入れてるよ、オジサン相手に何回もしてる」

しずく「うえええ!?」

彩月「ロングスカートで隠してるけど足にはらくがき………しずく先輩は知らなくて良い奴とかがあるし、お腹や舌にはピアスとか入れてるよ、相当な隠れビッチ………いや、清楚風っていうのが受けるのか?よく分かんない」


しずく「ちょ、ちょっと待ってよ!!」


しずく「それってつまり………」


彩月「ああ私の事?大丈夫してないから。」


彩月「あの人のモテモテ能力の条件は、その女性が処女かどうかだから」

しずく「処女……え?それってその……エッチしたことない人?」

彩月「うん、ユニコーンは聖なる力を持ってて普通の力では生きて捕まえることは出来ない。」

彩月「ユニコーンは処女の女の子が大好きなんだよ、舞さんが彼をそう呼んだのはそういう事だろうね。」

しずく「……それって舞さんは彼の能力を!?」

彩月「まぁ時空に名が残る援助交際をしてるってことはそういう事だよね、ある程度能力のことは知ってたのかも。」

しずく「………というか結局………彩月ちゃんって………」

彩月「気持ち悪いかな?小学生で非処女って。」

しずく「え……その、困惑の方が勝っちゃって………」

彩月「………ちょっと前にレイプで」

しずく「えっ!?あ、ごっ……ごめん!!」

彩月(私が任天さんにしたんだけどね。)

しずく「こ、こんなの………どうすればいいのかな?」

彩月「ほっといていいんじゃない?今までモテモテ能力で上手くいったのは子供だったからだし、女の子なら可愛ければいずれエッチするんだし。」

………

角崎「彩月さん」

彩月「どうしたの緊急事態?」

角崎「ちょっと君の風紀委員なんとかしてくれないかな。」

ミツキ「なんだまた貴様か、時空出身と聞いたがまた変な奴呼んだのか?」

彩月「いや彼は無関係、あのね……」

彩月はミツキに昨日しずくに説明した事をこっそり話す

ミツキ「そうか、厄介だが厄介で終わる程度の能力だな。」

彩月(高校生にもなれば普通にそういうきと済ませるだろうしね………)

ミツキ「というか………彩月の理論だと成人済みの女性に効かないのでは?」

角崎「………どんな理論か知らないが大人の女性に使うことは考えていなかったからね。」

彩月「だいぶガバいですね先輩、ちょっと心配になってきましたよ。」

角崎「………まぁ僕は、モテモテ能力は単なる安らぎ程度にしか思ってないから構わないが………」

彩月「でもクラスのマドンナとかなびかせてるわけですからねー、男からのヘイト最悪ですよ?」

角崎「そこら辺どうにかならないかな?」

彩月「どうにかってねぇ?」

ミツキ「先に聞くが中等部、小等部を狙ったりはしないな?」

角崎「流石の僕もロリコンでは無いからね、惚れても任意でナシにすることは出来るよ。」

彩月「結構使いこなしてんじゃん」

角崎「この能力ももう5年以上の付き合いだからね………」

ミツキ「どうする?桜井彩月

彩月「ちなみに進路はどうするつもりなので?」

角崎「実は子供の頃から花屋さんに憧れてて勉強を………」

彩月「大丈夫っぽい感じです先輩」

ミツキ「そうか………もういい、好きにしろ。」ハァ


角崎「おっと………なんだったんだ?」

彩月「ごめん、能力を仕事にしない先輩には関係ないことですので気になさらず………」

角崎「はぁ…………」

ピロロロロ

角崎「ん?あ、ここって電話OK?」

彩月「うん、OKっぽい。」

角崎「ありがとう………もしもし、どうしたの母さん?急に連絡とか寄越して………えっ?」

彩月「…………」

角崎「また別のところに?え?なんで?」


…………



角崎「えー、この学園に来て間もない僕ですが」

角崎「なんかまた転校することになりました」

彩月「草」

………

しずく「せっかく転校してきたのに、もう行っちゃうなんて………」

彩月「仕方ないよ、とても言えないような親の恐ろしい事情なんて言うもんだから。」

しずく「それにしても急だったね………一体何があったんだろう?」

彩月「まぁ普通に考えなくても、よほど恐ろしいことが起こっ………あっ。」

彩月は何かに気づいたのか、頭を抱える。

しずく「………あの?彩月ちゃん?」


彩月「………」

しずく「ねぇ彩月ちゃん。」

しずく「その顔は『あっやっべー身に覚えあるわー』の顔だよね?」

彩月「…………この間援助交際のサイト見せたよね?」

彩月「時空越えてる以上普通にアウトだからハッキングして通報はしておいたんだよ。」

しずく「じゃあそれって舞ちゃんが逮捕されたって事?」

彩月「まぁそれはありえる、舞さんがよほど彼と深い付き合いなら………いやでもなんで急な転校………?」


彩月は考えに考え、ひとつの結論に至るが………

彩月「あっ、もしかして」


彩月「角崎先輩のお父さんかお兄さんが舞さんと援こ」

しずく「彩月ちゃん、それ以上は言ってはダメ。」


しずく「誰も幸せにならない。」

彩月「了解。」


…………そして、ユニコルノ角崎は異例の速さで名無シ超人学園から消えていった。


レザード「なんだったんだアイツ」

彩月「学園内の処女確かめ機にしかならなかった………」

レザード「俺はお前がその時で済ませてることに軽く引いてる」

彩月「大丈夫私が先生を襲った側なのは誰にもバレてない」

レザード「お前なんで時空犯罪者じゃないの?」

彩月「………で、私呼び出しといて要件のひとつも無いの?」

レザード「聞かれるまでもねーと思うが、この学園はなんか妙だ。」

レザード「最初は単なるカス犬レベルの能力者達の集まりと思っていたが………奥には不審なモンもある。」

彩月「というと?」

レザード「…………例えば、実験とか、観察とか……そんな資料を裏の力で見つけたのさ」

彩月「へぇ……?なんだ、この学園内って面白いデータでもあるの?」

レザード「お前もハッカーなら、それぐらい自分で調べるんだな。」

彩月「了解〜」
最終更新:2022年03月23日 08:26