イナ
「どしたの彼ピ急にお家になんて！？」
雲利
「もしかしなくても大変なことが起ころうとしてるんだ！！」
雲利
「アイツが……アイツが危ない！」
イナ
「いやアイツって何よ！？」
と、必死に走っていくと
雲利
「……………！！」
イナ
「え……まさか、なんだけど」
イナ
「まさか彼ピの家って、あの燃えてるアパートの事？」
雲利
「あ……あああっ！！僕の僕の家………あと、アイツが！！」
イナ
「いやだからアイツって何！？」
「来たな、雲利アメ………それと、七光理イナ……いや、エレキボルト」
雲利
「！？」
イナ
「うおっ！？」
雲利
「う、嘘だろ………お前は！？」
雲利
「エレキボルト！？」
雲利達の目の前には、エレキボルトによく似た謎の覆面ヒーローが立っていた。
「違う、俺はエレキボルトではない。」
「ネオ・ボルテックスGによって改造されて生まれた………
ツヴァイボルトだ」
雲利
「ツヴァイボルト………！？」
雲利
「お前は何者だ！何故アイツの居る僕の家を………」
イナ
「だからアイツって何よ！？」
ツヴァイボルト
「アイツというのは、愛津川羅衣の事だろう？」
イナ
「アイツってアダ名かよ！！」
雲利
「そこまで知っているのか！？」
ツヴァイボルト
「当然だ……どうせだ、正体を明かしておこう」
そう言ってツヴァイボルトは変身を解くと……
「改めて、俺の名前は愛津川鯵太」
愛津川
「アンタの愛人の………弟ってところかな」
雲利
「あ………アイツの弟！？」
イナ
「なんかアイツと愛津川がややこしくなってきた」
雲利
「………お前の狙いは僕か？」
愛津川
「それもあるが、姉貴も潰せてラッキーと言ったところか」
雲利
「姉を………自分の姉を！？」
愛津川
「たしかお前は、姉貴と付き合ってたな」
イナ
「えっ」
雲利
「そうだよ！結婚の約束もしてた！」
イナ
「えっ」
イナ
「NTRやんけ～～！！」
雲利
「寝てから言え！僕はアイツとベッドシーンまで済ませたからな！？」
イナ
「じゃあ今から寝て1発成功させれば彼ピの中でアイツより上になれる！？」
愛津川
「こんなアホがエレキボルトなのか？」
愛津川
「その様子だと何も知らないようだな」
雲利
「アイツに何かあったとでも、まさか悪の組織の一員とでも言うのか！？」
愛津川
「………4%くらいは正解だな 」
雲利
「それは殆ど成功じゃない！！」
愛津川
「アイツ……羅衣は、人間じゃない」
雲利
「人間じゃない……お前のような改造人間か？」
愛津川
「人間じゃないと言ってるだろう、作り物だ。」
愛津川
「厳密には、人間そっくりのパルス爆弾のようなものだな」
雲利
「パルス爆弾！？」
イナ
「それってバチバチゴロゴロってシステムを根本から破壊する最新鋭の爆弾？」
愛津川
「そうだ、それを人形に搭載してまとめて爆発する……ウチはそういうプロジェクトがあったんだよ」
雲利
「え、まさかアイツがそれの1つだったと？」
愛津川
「俺も心底呆れたよ………何も言わぬ人形を一方的に恋人宣言だぞ？」
雲利
「クールな人だなとばかり………」
イナ
「えっ、それって全部彼ピの中で決まってたって事？」
雲利
「客観的に見るとそうなるらしい、君と同じらしいな」
イナ
「わーい」
愛津川
「いやマジでエレキボルトこんな奴なのかよ………」
イナ
「つーかさぁ、じゃああんたは何なの？人形の弟ってどういうわけよ」
愛津川
「ネオ・ボルテックスGの改造生物は皆『愛津川』って苗字が着くんだよ、俺はそれのすぐ後に生まれたから弟という事だ」
イナ
「ふーーーーん、で、今はそのプロジェクトをぶっ壊す真似をしていると」
愛津川
「正直待遇的に不満しか無かったからな、ツヴァイボルトに改造してくれた事以外は何の得もなかった。」
愛津川
「だからネオ・ボルテックスGを壊滅させて、ついでに知ってる爆弾を壊させてもらった。」
イナ
「そのついでで彼ピが家なしになってんだけどー？」
愛津川
「知ったことではない、一緒に死ななかっただけまだいいだろう」
愛津川
「いや大変だったんだぞ、住所特定するまで業者に依頼して爆弾事件起こさせるの……」
イナ
「さっきの事件の首謀者お前かぁー！！」
雲利
「実害起こったらどうするんだ！？エレキボルト割と危なかったんだぞ！？」
愛津川
「その時は俺がツヴァイボルトとして解決していた！」
愛津川
「せっかくだ七光理、エレキボルトなら俺と勝負してみないか？」
イナ
「はぁ？勝負ー？ウチエレキボルトのパクリなんかに興味無いんすけど」
愛津川
「お前の都合は知らん」
愛津川
「せっかく稲妻の改造ヒーローごっこが2人も増えたんだ、性能較べくらいしてみたいだろ？」
雲利
「せめてどっちか正当なヒーロー名乗ってくれよ！！」
イナ
「………ねぇ彼ピ、やっといた方がいい？」
雲利
「私怨になるけどやっちゃって！アイツのせいで僕ホームレスなんだから！！」
イナ
「うっし！ならやったりますかぁ！！」
愛津川
「話は決まったようだな………お前の力がどんなものか見せてもらうそ！！」
イナ
「変身！！」
愛津川
イナと愛津川は互いに変身し、睨み合う
ツヴァイボルト
「いくぞエレキボルト！！」
エレキボルト
「彼ピは今回のことニュースサイトに書いといて！！」
雲利
「負けないでよエレキボルト！」
エレキボルト
「当然！！今のウチはおニューなんだから！！」ﾊﾞﾋﾞｭﾝｯ!!
エレキボルトとツヴァイボルトは雷速で飛び上がり、空で戦っていく！
雲利
「まさか、本当にエレキボルトが2人いるなんて………」
雲利
(あれ、じゃああの
コメントをしたのは一体………？)
ーーーーーーーー
ツヴァイボルト
「ライトニング・ブラスト！！！」
エレキボルト
「おおっ！！」
ツヴァイボルト
「ライトニング・ストーム！！」
エレキボルト
「うおっ……何！？何その技みたいなの！？カッコイイと思ってるわけ！？」
ツヴァイボルト
「手から電撃を出すんだ、技名くらいついていた方がそれっぽいぞ」
エレキボルト
「あーー！！こんな奴にバカにされてるのなんかムカつく！！」
エレキボルト
「まだ後8時間は動けるし存分に相手したるから！！」
ーーーーーーーーー
雲利
「とは言うが、アレは中々面倒な状態になってきたな………」
雲利
「こういう時はセンさんに相談しよう……」
ーーーーーーーーー
雲利
「すみませんなんか、定期的に来るようになっちゃいまして」
セン
「私としては構わないのだが……その、周囲の反応だけは気をつけた方がいいと思うよ」
雲利
「今回はマジで精神的にヤバいので問題ありません！」
セン
「………2人目のエレキボルト、ツヴァイか。」
雲利
「ツヴァイボルトのこともそうだけどイマイチ理解が追いつきません」
雲利
「婚約まで決めていた人が爆弾だったなんて」
セン
「………よくもまぁ違和感を感じなかったものだ」
雲利
「僕、無口な子が好みで……なんかもう勢いで結婚まで漕ぎつけようとしました」
雲利
「幸いなことに親には話してないので誤魔化しようはありますが」
セン
「聞いてる限り君も君でイナほどじゃないが危なっかしいぞ、ストーカーの素質ある」
雲利
「なんかすみません………」
セン
「……まあ、家はともかく君に別状が無かったことは幸いだ。」
雲利
「イナ、大丈夫ですかね………」
セン
「勝てる勝てないより、厄介な奴に目をつけられた……と考える方がいいな」
雲利
「愛津川君……ツヴァイボルトはエレキボルトにのみ執着してるみたいだけど、その為なら手段は選ばなくて……」
セン
「イナにとっては面倒なライバルが生まれてしまったというわけか」
雲利
「………せめて仲良くしてくれるなら、世界平和的なアレとして役に立ちますのにねぇ」
セン
「それは無いだろう」
セン
「そもそもイナは世界平和なんてものには興味が無いからな」
雲利
「それは………そうなんですけど」
セン
「とにかく今は危険だ、ここに居ておいた方がいいだろう」
雲利
「あの～、しばらく僕住処どうすれば……」
セン
「寝床のみで良ければいくらでも貸すが………」
雲利
「ははは……メンタルケアもしたいしそうしておこうかな？」
と、その時
ﾄﾞｺﾞｫｫﾝｰ!
雲利
「うおっ！！」
イナ
「ただいま！」
雲利
「お、おかえり……想像より早かったね」
イナ
「まあね、粘り勝ってきた！」
雲利
「粘り勝ち………」
雲利
「あ、もしかしてツヴァイボルトがバッテリー切れ！？」
イナ
「そ、ネオになってもバッテリーショボイ問題は解決してなかったっぽい」
イナ
「オマケにバチバチ電気飛ばすから、すぐ切れちゃってさー、ウチより低かった」
雲利
「………じゃあなんで遅れたの？」
イナ
「………ああそいつ？」
イナ
「充電器どこ？って言ったらそんなもんないって言って」
イナ
「あっそういえばウチも自家製だったわってなったのよね」
雲利
「アレも自家製？君にしてはお粗末だね」
イナ
「組織にあったやつの有り合わせだし、撮影中だったからさー」
イナ
「まぁしゃーないから」
雲利
「作ったの！？」
イナ
「発電所にぶち込んどいた！！」
雲利
「雑くてエグい！！」
セン
「イナ、数分後に停電起きたら100％君のせいにするからな」
イナ
「大丈夫でしょ多分」
雲利
「野放しのツヴァイボルトが大丈夫じゃないの！！」
雲利
「はぁ………それよりどうしようイナ、僕の家吹っ飛んだわけだけど………」
イナ
「あ、それなら大丈夫」
イナ
「彼ピの部屋作っといたから」
雲利
「作っといた！？」
ーーーーーーーーーーーーー
イナ
「じゃーん！ここが彼ピの部屋！」
雲利
「いやここ君の部屋をちょっと広く改造しただけじゃん！？」
イナ
「そ！シェアルームってわけ！」
雲利
「いやその……流石に女の子と2人っきりで、それはまずいんじゃ」
イナ
「何さ、彼ピだって爆弾とルームシェアしてたのに！」
雲利
「それは本当にやめて！！」
イナ
「むふふ、ここはお風呂もトイレもちゃんと別でついてるから快適に過ごせるよ」
雲利
「半端ないなぁ」
雲利
「時々ここが精神病院って忘れそうになるよ」
イナ
「ということで早速一緒にお風呂入ろー！！彼ピのチ……」
雲利
「待って！！某サイトじゃないからそういう表現も出来るけどあまりそういう過激なのは………」
雲利
「ぬわーーっ！！」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ﾊﾞﾁｯ!ﾊﾞﾁﾊﾞﾁｯ!!
愛津川
「ちっ……あれでバッテリー切れだと？どんなふざけた構造してるんだ俺の体は………」
愛津川
「ともかく今の状態じゃエレキボルトとマトモに戦えない、別の組織に移って再改造した方が良さそうだな」
ﾎﾞﾝｯ!!
ツヴァイボルト
「次はこうはいかないからな………エレキボルト」
ツヴァイボルト
「必ずやお前を………」
バチっ！！
ツヴァイボルト
「はうっ、ショートした！！！」
最終更新：2022年06月19日 13:20
