この男、
たくっちスノー。
ある事情あり、あらゆる世界を一人旅しているのだが、常に金欠問題に悩まされている。
その為、一日バイトで生計を立てているのだ。
たくっちスノー「財布の中に何万も入ってたのに………もう小銭しかねぇよ!」
……
たくっちスノー「へーっ、珍しいな……俺以外にあの求人誌を読むような奴いるんだ」
たくっちスノー「一日バイトが多いが危険な仕事ばかりだってのに……まあいいや俺もバイト探し……」
「おいすげぇぞ!やっぱり楽な仕事ばかりだ!!」
「アパートの掃除するだけで12万
ジーカだってよ!!」
「それマジなの!?」
「マジだって!清掃って書いてあるし!一日で出来るし行こうぜ!」
「人生楽だな!」
たくっちスノー「掃除するだけで十二万………確かに清掃業ではあるが、この雑誌分かってんの?」
たくっちスノー「こういう裏バイト系に載っている『清掃』……ゴミ掃除や汚れを取るのは正解だが、問題は場所だ」
たくっちスノー「その場所は人が死んだばかりの所、つまり殺人現場など……一般的には特殊清掃って言われてるな」
ページを確認していると、1つ興味深いものがあった。
『エンゼル製薬』
仕事内容:地下の清掃
報酬:およそ4万
ジーカ
たくっちスノー「経験柄こういうのは大体ろくなものじゃないんだよな………」
ーーーー
〜エンゼル製薬〜
たくっちスノーは会社に入り、念の為防具服を購入して空気洗浄を済ませた上で仕事場に付く。
たくっちスノー「どうせあんな雑誌に載せるくらいだ、普通の掃除じゃないんだろ?」
社員に案内され、更に奥へ奥へと進んでいき、エレベーターに乗せられ地下へと降りていく。
………しばらく経って目的地に付き、ゆっくりとエレベーターが開くが………
1歩足を踏み入れてすぐに分かる血の跡、そして壁には何かを引きずった跡がある。
その光景を見て思わず声が出てしまう。
たくっちスノーは防護服を着用して、掃除用具を準備して清掃を開始する……
……数分後
痕を塗り潰したり、血痕を何度も洗ったり、生臭い臭いを消したりと色々やってみたものの、まだエレベーター近くを洗浄するのがやっとであった。
たくっちスノー「水の交換は俺の力でいくらでも出来るが……面倒だ!モップかけながら一気にバーーッと進んで汚れ取りながら広いところに行くぞ!!」
たくっちスノーはモップを立てて一気に走り込み、廊下を滑って……しばらくすると広い部屋に出る。
今までとは更に雰囲気が違う異彩を放つ所だった。
天井には巨大なバケツ、その下にそれぞれ4人分の椅子と丸テーブル、そして見たこともないカード。
たくっちスノー「ていうかなんか匂いキッツ……さっきの血の匂いとは違う刺激臭……」
何か違和感があり周りを見てみる……バケツにはよく見るとまだ僅かに何かが垂れているのが見える、そしてそれがなんなのかすぐに分かった。
そして、1つの結論に達する。
たくっちスノー「なるほど……エンゼル製薬って、裏ではデスゲームみたいなことしていたのか」
たくっちスノー「で、恐らくゲームが終わったあとの後始末をこうして一日バイトで特殊清掃として募集していると」
たくっちスノー「この部屋の奴らはもうくたばってるし、適当に拭いておけば大丈夫だろ、ピカピカのデスゲーム空間もそれはそれで違和感があるしな。」
たくっちスノーはある程度拭いて、酸を大量に浴びてグチャグチャになった何かを片付け、家具を用意して次の部屋に………
次の部屋はこれまたデスゲームの1つじみたもので、目の前にはビンゴカードのように数字が並べられ、左右の台に大量の銃痕が残っていた。
たくっちスノー「ええー……銃痕って専用の器具使わないといけないから面倒なんだけど……….」
たくっちスノーは壁に埋まった機関銃の弾丸を引っこ抜き、穴を埋める作業をしながらこう考えていた。
たくっちスノー(今更ながら、ここで清掃してる俺ってこの企業が裏でデスゲームやってること知ったわけだよな)
たくっちスノー(まさかこの仕事終わった後、口封じに俺の事消してくるんじゃないだろうな?)
たくっちスノー「まあそんなことするならもっと早くにやるだろうけど……」
たくっちスノー「まぁいいか、金もらえるんだし、それにしてもこんなに沢山あるなんてどんだけやるんだよ……」
たくっちスノー「……………てか、一体なんで製薬会社がデスゲームなんてやってるんだ?」
考えていくうちに全ての弾を回収し、穴を埋め終わった。
たくっちスノー「多分次の部屋で最後だな……いや、もしかしたらあそこがゲーム的には最初か」
………
最後の部屋には、比較的人の形を保ってる死体の山と、何個かの注射器が置いてあった。
たくっちスノー「毒死か、多分新薬かなんかをプレイヤー……及び被験者に入れて実験してたんだな」
たくっちスノー「いやどうすんだよ……俺、死体処理なんて流石にやった事ねぇよ……でもそのままにしておいたら余計に酷くなるし……」
たくっちスノーは右手で床を砕いて大きめの穴を作り、ぎちぎちになるまで遺体を詰めた後また土を戻して埋め直した。
たくっちスノー「なーむー………ん?この注射器、まだ微妙に薬が残ってんな。」
たくっちスノーは空の注射器をゴミ箱にしまい、中身が僅かにある注射器をこっそりポケットにしまう。
……
そして時間が経ち…
ジーカで報酬を受け取り、エンゼル製薬を出る……所で、銃を向けられるが……
たくっちスノーは先程回収した機関銃の弾丸を指から発射し、銃を粉微塵にして帰って行った……
たくっちスノー「さっきの注射器……ちょっと調べたいところだが、家も無いし、誰にも気付かれないような密閉空間なんて……」
〜漫画喫茶たまみち〜
「いらっしゃいませ」
「日替わりメニューセットのA〜Cまでありますが」
「ごゆっくりどうぞ」
……
たくっちスノー「一応店員に見られるのもアレだし、食ってからやることやろう」
しばらく待っていると、日替わりメニューがカウンターに置かれ、それを回収する。
『今日のメニュー』
- たまみち日替わりセットC(葱チャーハン+唐揚げ)
- スープ(コンポタージュor味噌汁)(たくっちスノーは味噌汁派)
たくっちスノー「漫画喫茶の飯ってあまりイメージ湧かなかったけど、案外いけるものなんだな」
たくっちスノー「ネカフェ難民なんてものが出来るのも納得だな……からあげからあげ」
パクパクモグッ 食べ終わると、次はみそ汁の具を食べ始めた。
……
たくっちスノー「食った!」
完食すると、食器を後ろの回収席に置き……
バイト中に発見したあの注射器をポケットから取り出し、パソコンでエンゼル製薬の事を調査しながら薬の詳細を明らかにしようと動き出す……
そして明らかになる企業の大きな闇と少年達の戦い……!!
は、別に本編とは関係ないので割愛致します。
今日も一日、よくがんばりました。
本日の手当
一日バイト代 50000
ジーカ
漫画喫茶二時間滞在&食費 -1300
ジーカ
最終更新:2022年12月27日 07:10