この男、
たくっちスノー。
ある事情あり、あらゆる世界を一人旅しているのだが、常に金欠問題に悩まされている。
その為、一日バイトで生計を立てているのだ。
そもそも、稼いでる
ジーカは食費の他にどのように使われているのか………それは禁句である。
たくっちスノー「おっ、ちゃんと
バックワークがアップグレードされてる、兄貴やるじゃん」
たくっちスノー「さてさて、お次は……」
『ゴッドシップ』
仕事内容:カジノの雑用
報酬:四千万ジーカ
たくっちスノー「一日カジノの雑用するだけで四千万か、下手なギャンブルより狂ってるな」
たくっちスノー「ま、いいか!稼ぐぞ稼ぐぞー!」
たくっちスノーは意気揚々とバイト先に向かって………
…………
〜ゴッドシップ〜
たくっちスノー(って豪華客船の中にあるのかよっ!!!)
たくっちスノー(ここに入るまでで既に20万ジーカの消費!!)
たくっちスノー「このバイト……何としても完遂させて、金を貰わなきゃ割に合わない!」
「おい、ワイン持ってこい!」
たくっちスノー「あっ、待ってろ!」
豪華客船『レーン・シュバリエ 』
その中の地下にある巨大カジノ、それがゴッドシップだ。
雑用係ことたくっちスノーはここでギャンブラーに酒を運んだり、清掃したり、終わったあとの後片付けをすることが多い。
たくっちスノー(カジノ、一日バイト……間違いなく絶対何か起こる、起こるはずなのに………なんだ?この、何かモヤモヤする)
たくっちスノー「まぁ何も起きず金貰えるならそれはそれでアリなんだけどね」
「おい!」
たくっちスノー「あーワインね!ただいまいきまーす」
たくっちスノーは呼ばれた方に行き、相手の方にワインを用意する。
ちょうど対戦相手はルーレットの勝負中だった。
ワインを注ぐ時、相手からたくっちスノーにハンドサインが送られる。
たくっちスノー(下からテーブルに膝を立てろ?)
別にどうしたこともないと思い、たくっちスノーが言われた通りに膝をテーブルに立てると、ルーレットの上で転がっていたボールが微妙に傾き、赤に止まりそうだったのが黒に止まった。
「黒!黒の61!ジャスト!」
たくっちスノー「…………」
………
そして次に呼ばれたところでは、ブラックジャックを行っているところでシャッフルを頼まれて………
(3枚目を一番下に置いてこれを入れろ)
たくっちスノー(はいはい)
サインの通りにトランプを操作し、見えないようにカードを受け取ってシャッフルしていた物の中に仕込む。
「AとJ!開幕ブラック・ジャックだ!」
………
たくっちスノー(なるほど………このカジノの雑用ってのは表向きの仕事)
たくっちスノー(実際はあんな風にギャンブラーのイカサマの手を貸せってわけね………)
「おい、新入り!」
たくっちスノー「うーい」
………
次にたくっちスノーは工具を持たされて、スロットとパチンコの設定を変えるように言われた。
メモを確認しながら指定された通りに操作を変える、設定を変えることによりその筐体の当たりやすさが大きく変化するのだ。
たくっちスノー「設定A、設定A……これ全部作り替えるのか、めんどくっせー………」
たくっちスノーが弄っていると、1つの筐体だけ設定Cに変化するように書いてあった。
その設定Cというのは、恐らく1番当たりやすい状態だろう。
たくっちスノー(なるほど……そうやってイカサマをこっちからもね……)
………
たくっちスノー「なんかなー……仕事とはいえイカサマに手を貸すのはなんか気が引けるな」
たくっちスノー「つってもここは船の中、いつものようにバックれて逃げることも不可能だ」
たくっちスノー「それに、俺には時間がないんだよな……」
たくっちスノー「よし!だったら俺にも考えがある!!」
………
たくっちスノーはその後、またルーレットをやっている相手の所にワインを入れ、また膝を立てるようにサインが送られる。
たくっちスノー(さっき見た感じだと、1箇所だけ机の足が微妙に低い……俺が膝を立てることで傾きが直り、その結果ボールが微妙に動くわけか)
たくっちスノー(だったらこれでどうだ)
たくっちスノーの体は100%特殊な『成分』の液体で構成されている。
自身が念じればどんな風にも変異させることが出来る、例えば……そう、強力な磁力を生み出すような物体にも。
たくっちスノー「おっと失礼」
たくっちスノーが机の下に指を立てると、ルーレットで回る鉄の玉は急速に静止してガッチリと止まる。
赤と黒の間で。
たくっちスノー「あっ、なんかこの台調子がおかしいみたいなんで別の所でやってくれない?」
そう言って相手を離し、浮いている部分に粘土化させた成分を貼り付けて、傾きを直した。
たくっちスノー(これでもうこのイカサマは出来ないな………)
次にたくっちスノーは、ポーカーやブラックジャックなどで使われているトランプを全部すり替えた。
たくっちスノー(やっぱりな……聞いたことがある、トランプの何処かにシミを付けたり曲げたりすることで、それがどのカードなのか判別出来るようにするって)
たくっちスノー(あのトランプは何も出来ないよう仕組んである……それだけで充分だ)
……
数時間後、たくっちスノーのシフト交代の時間が来た。
たくっちスノー「ふぅ、やっと終わったぜ」
たくっちスノー「後は適当に陸地についたらそのままオサラバ……あ、でもまだあのイカサマ問題があるのか」
たくっちスノー「うーん、まぁセコイのはある程度手を付けておいたからいいが………」
たくっちスノー「………ここからどうしよう?」
たくっちスノー「飯にしたいところだが、この船の海鮮レストランすげー高いから手を出したくないんたまよな」
たくっちスノー「4000万の給料は有難いが、旅のことを考えるとまだまだ節約したいからな」
たくっちスノー(…………ギンギラ兄貴から貰った分も含め、そろそろ億万長者みたいな額になってきた、一日バイトだけでここまでいくとはな………)
たくっちスノー「そろそろ………1つの世界に何日か滞在しても問題ないぐらいの額になったかな。」
たくっちスノー「足りなくなったらその世界でアルバイトするか………また一日バイトしながらぶらりぶらりすればいいだけだもんな」
たくっちスノー「…………さーーてと!次はどの世界に行って、どんなやつに会いに行こう」
たくっちスノー「もっともっと沢山のやつに会って、沢山の事件が相手でも乗り越えて………」
『いつしか、俺たちは結末を迎えるんだ!』
【CAST】
たくっちスノー
たくっちスノー 現在財産
1000000000ジーカ
最低でも3年は暮らせる額である。
【たくっちスノーはお金が無い!】END
最終更新:2022年12月30日 10:43