乙女の恋心

メイドウィン「やっぱ女の子が欲しいよ、花がないし」

カーレッジ「花か……」

カーレッジ「普通に女の子っぽい色を使えばいいだろ、オレンジとかピンク色とか」

メイドウィン「君の中の女の子の色任天堂に偏ってない?なんならピーチ姫カラーじゃねそれ」


メイドウィン「でもまあピンク色か……うーん、やってみよう」


メイドウィン「あれ?」


メイドウィン「なんかデッサン人形みたいになっちゃった」

カーレッジ「何?」

…………

カーレッジ「それはつまりだ」

カーレッジ「お前は女の魅力を何一つ理解してないということだ」

メイドウィン「魅力ねぇ……ウーーん」

カーレッジ「というか、お前妻が居ただろ」

メイドウィン「別になぁ、小説の設定上で結婚しただけだから、別にデートもしてないし」

カーレッジ「そういうものか……」

カーレッジ「じゃあ今からそれっぽい女性を互いにイメージしろ」

カーレッジ「初めてレディメイドウィンを作るんだからな」

メイドウィン「うん、やってみるよ」

メイドウィン「えーと、女の子……女の子なら、まずは、花の髪飾りかな?」

カーレッジ「男でも花の髪飾りは付けるんじゃないのか」

メイドウィン「え!?じゃあ……体が細いとか?」

カーレッジ「体が細い男も普通にいるぞ」

メイドウィン「うーーーん、じゃあ髪が長い?それとも肌が白い?」

カーレッジ「そんな男も普通にいる」


カーレッジ「というか、肉体的な要素では既に男性も女性に近いものはいる、逆もまた然りだ」

メイドウィン「ええ!?それって区別出来なくないか!?」

カーレッジ「………胸があるとかでよくないか?」

メイドウィン「でも俺、女の裸体なんて1ミリも興味無いからイメージ出来ないよ……」

カーレッジ「なんでこんな奴がアイツの子孫と結婚なんてしてしまったんだろうな」

カーレッジ「俺の方がよっぽどいい夫婦だったろうに」

メイドウィン「酷くない?」

……

松山「あいつらは身なりこそ立派だが、中身はそれに見合わぬガキの集団だ」

松山「ってか、どの面下げてあんな事言ってんだかカーレッジは………」


ガレット「………色々学んだ、『アレ』は事実なのか?」

松山「間違いねぇ、俺も最近気付いたんだ」

松山「このメイドウィンワールドは擬似的に作られた奴の妄想空間、シャドー・メイドウィン・黒影はアイツのイマジナリーフレンドだ!」

松山「俺たちはカーレッジの世界改変能力で、過去の記憶も設定も消されてこの仮想空間に閉じ込められた……」

松山「まだ仮想かもしれないが……疑いようがねえよ」
最終更新:2023年08月12日 15:35