恐怖!?マジアベーゼ最後の日!?

「………で、改めて俺が志賀森こと、たくっちスノーだ」

雀雀慈の件で正体がバレたたくっちスノーは、改めてトレスマジアに自分の事を説明する。
危険帳簿に載っているが過去の出来事であり、現在は時空に存在する『結末のない物語』を開放するために旅をしている、その為に数多くの交流を必要としており、トレスマジアに近付いたのもその為であること………

「まあ言ってしまえば自分の為にアンタらを巻き込んだわけでもあるが」

「大丈夫です、こうしてご飯も作ってくれるなんて」

「ああ……遠慮せず食え」

ちなみに今3人はたくっちスノーが用意したキノコの炊き込みご飯を食べている、ちゃんと安心安全で高級なものなので心配ない、エノルミータとは違うのである。

「おかわり」

「はいよ」

「ねえ、貴方も色んなヒーローや魔法少女と出会ってるのよね……その方達に手を貸してもらうことは出来ないの?」

「そうしたいがどこでも問題が山積みで手一杯だ、俺やマジアベーゼ以外にも時空危険帳簿に記載されている時空犯罪者は山ほどいるし、そうでなくても敵ばかりでね」

「まあ、だからウチらにも会いに来たわけやしな」

たくっちスノーがはるかのコゲタケ炊き込みご飯をよそっていると、お腹から着信音が鳴る。

「ん?ちょっと悪い離れる、ほらお前はいっぱい食え」

「わーい」

たくっちスノーは腕をもう一本生やして茶碗を置き、体に手を突っ込んでマガフォンを取りだして電話に応対する。

「あんな人間でもない奴置いといて大丈夫か……?」

「でもバレた時にヴァーツと色々話はつけてたわ」

「それはそうやけどな……ウチはまだ心を許していいとは思えへん」

たくっちスノーは電話が終わるとマガフォンを口から呑み込んで、はるか達の所に帰ってくる。
顔つきは面倒な話を聞いたあとどっと疲れたようなあの感覚と類似している。

「面倒なことになった、この世界にオブビリオンが来る」

「また変なの来るんか!?」

「名称としては時空犯罪者と変わらないよ、要は世界とか俺達の敵なんだから、それが世界を越えるだけで」

「一体何が私たちの所に?」

「魔法少女だ……」

「え?」

はるかも驚きを隠せない、悪の女幹部とはよくやるが、魔法少女同士で戦いなんてそうそう経験していない、そもそも魔法少女が敵となるなんて闇堕ち以外で有り得るのだろうか。

「オブビリオンと言っても悪意があるわけじゃない、ただ電話の相手によると魔力が暴走して…理性を失っているらしい」

「が、暴走してる分街の被害はとんでもない、話も通じるやつじゃないそうだ」

「それをウチらでなんとかしろと」

薫子と小夜は食べ終わった茶碗を片付け、いつオブビリオンが来ても準備出来るように外に出る。はるかも出発しようとしたがまだ休息するように言われてるので止められ、仕方なく炊き込みご飯に手をつける。


「おかわり!このキノコおいしい!」

「お前、見た目のわりに渋い趣味してるな……コゲタケ、もっと作っとくか………」

もうこの子にたくっちスノー秘蔵の特別な絶品キノコを5本くらい持っていかれてる、改めて栽培を検討するのであった。

が、数分後に小夜が戻ってきた。

「聞き忘れたけどその魔法少女はどんな力を使えるの?」

「いや……それがな、焼き鳥を自在に操るとか召喚するとか……凄い焼き鳥が大好きな奴らしくて」

「はい?」

………

そして同じ頃、エノルミータは……

全滅の危機に陥っていた。
辺り一面に焼き鳥の串が刺さっており、レオパルド、ネロアリス、ロコムジカ、ルベルブルーメ、ジュエリーロジャー、ドラグヒースは全員揃って口の中にありったけの焼き鳥を詰め込まれて失神しており、マジアベーゼも腰を抜かして1度出直そうとした所をオブビリオンに腰を掴まれていた。

「ご、ごめんなさい……ちょ、ちょっと勘弁してください、私は別に焼き鳥は嫌いではありません、でもそこは……その口は焼き鳥を食べる方の口じゃなくて!入れる方じゃなくて出す方!」

べーゼの制止も聞かず服がずり下ろされ、熱々の肉棒がべーゼの尻に向かって勢いよく挿入され………もう1つの穴の初めてをこんな形で奪われた。

「ひ”ぎぃ”ぃぃぃぃぃぃぃ!!!?」

少女の痛々しい叫びが街にこだまする、目が正常じゃないオブビリオンの魔法少女はゆっくりと焼き鳥をべーゼの菊の穴から奥まで突っ込まれていく。

「お”ぎいいいいい!!!あ、あああ!!や”!!や”めて”!!い”た”い”!!あ”あ”あ”あ”あ”」

異物によって広げられていくおしりの穴、更にオブビリオンは容赦なく2本目に手を伸ばす。
完全に自分が壊れていくような感覚、これまで自分が魔法少女や前総帥ロードエノルメにやってきたような尊厳破壊、人としてのプライドがズタズタに破壊されていく因果応報。
オブビリオンの彼女には悪意も愛情も無い、魔力の暴走が生んだ狂気。
べーゼは………いや、うてなはどうしようもからないこの地獄に絶望し、受け入れることしか出来なかった。

「う”ぎ”お”お”お”お”!!!?」

人間の体というのは不思議なもので、奥までずっぽりということは無かったが焼き鳥が尻に3本も入った、べーゼは目の光を失い、オブビリオンをもう見ることも諦め、受け入れるしかなかった。
良い子は決して尻の穴に異物を入れないように。


「た………す け………て……」

声も絶え絶えで事切れそうな弱々しい声で幻覚のトレスマジアに手を差し伸べ意識を失った。



ところで、時間停止でキスマークに救出される。


「フフフ……これでマジアベーゼ様に弱みを作ることが出来た、私だけのマジアベーゼ様……貴方ももっと苦しんで♡息止めて♡」


「貴方も弱みが無いと不公平でしょう?」

べーゼのように妖美な笑みを浮かべたキスマークは意識の無いべーゼの顔を舐め回して時空の渦に入っていった。


「マジアベーゼ様……いいえ、柊うてな」

「見えないところから侵食して貴方を牝奴隷に変えてあげます」

「私は貴方の中毒者」

………

「はっ!?」

しばらくして先に目が覚めたのはロコルベコンビ。
既にオブビリオンの姿は無く辺りは死屍累々、自分達以外にも市民や街にも影響が及んであちこちから巨大な焼き鳥が生えている。

「もがもがもが」

「もがもが!」

必死に詰め込まれた焼き鳥を引き抜き、急いで1本ずつ完食していく。
一日分の焼き鳥を食べ、タレを拭いた2人は辺りを見渡す。
マジアベーゼの姿が無い、ネロアリスも残っている以上1人で逃げるような性格ではないので、この中に居ない面子……キスマークが回収したと即座に気付いた。

「あいつ………1分しか時止められないとはいえ、あたし達もなんとかしてくれてもいいじゃない」

「つーかアイツ、こっちが一方的にやられてるのに何もしてなかったよな……」

避難を優先するため、それぞれ2人ずつ担ぎエノルミータへと戻っていった。

………

「おえっ……はあ……はあ……」

うてなは改めて目が覚めた時、直前の記憶がなかった。
変わった魔法少女が現れたのを見て意気揚々と飛び出して何が起きたのか思い出せない、意識しようとすると背筋が凍って吐き気を感じる。
何が起きてるのか分からない、あと肛門がめちゃくちゃ痛い。

「私、一体どうなったの……?皆は一体……」


「うてなちゃんただいま〜、今回はちょっとヤバかったかも」

キウィ帰還、うてなはレオパルドに事情を説明しながら泣きついた。

「はあ……キスマークのヤツ、うてなちゃんが好きなのは結構だけどこいつはねえでしょ、親衛隊の私を差し置いて」

「とりあえずうてなちゃんちょっとお尻見せて」

「え!?」

さすがに友達で大事な仲間と言えどお尻を見せることにはちょっと抵抗があるうてなは、耳辺りまで赤くして後ずさりする。

「大丈夫だってうてなちゃ〜ん、私ら夜を激しく過ごした仲じゃん?」

「そ、それは発情しすぎておかしくなったからで……」

「ほらほら今は誰も見てないし、よいではないか!」

「うっひゃ〜っ!」

されるがまま服を脱がされ、お尻を掴んで凝視される、死ぬほど恥ずかしいうてな、なんなら本当にここから誰か来たら爆発して死にそうになっていたが、そうも言ってられない状況のようだ、鏡越しでキウイの顔が真っ青になっていく。

「あっ……ふーん」

「え、何!?何があったの!?」

「いいですか、落ち着いて聞いてくださいうてなちゃん」


「おしりの穴が凄いガバガバになってる、アナルセックスしてもここまで酷くはならないくらいには開発されてる」

「え!?」

「しかも縦割れしてる………こわぁ」


「いやああああああああ!!!!?」

何が起きたのか察したうてなは発狂し、キウイはその姿を涙ながらに同情するしかなかった。

「ごめん……私が弱かったせいでうてなちゃんのアッチの貞操が……」

「コレ ワタシ ヒトトシテオワッテナイ?」

ショックのあまり片言になりながらフラフラとうてなは元の部屋へと帰って行った。



「よくないなぁ………こういうのは」

鏡の中からヴェナリータが現れ、キウイの隣でうてなを神妙な目で見つめる。

「キスマークの事か?」

「アイツを選んだうてなにも責任はあるが、このまま野放しにしていたら僕としても少々面倒なことになりそうだ、もし酷いようなら………」

「分かってる、うてなちゃんが好きなのは勝手だが、もしそれがうてなちゃんの為にならないなら………」

「私はキスマークを殺すよ、その為にどんな姿になってどんな力に溺れたとしても」

…………

改めて視点をトレスマジアに戻す。
SNSにはもう既にオブビリオンがエノルミータを蹴散らし、マジアベーゼの肛門に焼き鳥を突っ込まれる動画が拡散されていた。
後にこの事実を知ったうてなは一日中泣いた。

小夜はそのおぞましい映像にドン引きしながらも……
「こ、これ……本当に……人の体ってこんな風になるんだ……」

スマホを見ていると、ちょうど画面にあるオブビリオンを発見する。
ロリータファッションの小さい女の子、魔法少女であるかを表すようにその片手には大きすぎる不似合いなねぎまの串。
とても敵性は感じないが恐ろしさを感じる、これがオブビリオンなのだろう。

「トランスマジア!」

小夜はマジアアズールに変身、逃がさないように周囲を氷の剣で凍結させ周囲の自由を奪い、一気に突撃する。

「はあっ!!」

オブビリオンは恐れることなくねぎまで攻撃をガードし、せめぎ合いになる。

「私の魔法が焼き鳥で止められた……!?」

そのままオブビリオンはアズールの目を見ると、瞬く間に口の中へ焼き鳥が何本も入っていく。

「ぶ"ごおおおおお!!?」

唐突な出来事だったのでさすがのアズールも仰け反ってしまい、目の前で倒れてしまう。
下の口でも入ることを学習したオブビリオンは焼き鳥を取り出してパンツ越しにアズールの尻に焼き鳥カンチョーを行った。

「んぎおおおおおお!!?」

ただしマジアアズールは過去に幾度となくべーゼに調教され、その体は苦痛を快楽になる敏感マゾ体質となっており、尻穴に異物を挿入されたアズールはべーゼと違い恐怖より先に快感が迸った。
だがこの程度で魔法少女は心が折れない、1度折れた心は治ればダイヤモンドよりも硬い。
パンツに焼き鳥が刺さりながらも立ち上がり、氷魔法でオブビリオンに攻撃をかけるが、相手もまた魔法少女と思うと全力を出せない、真化もまだ温存しておきたい。
更に言うと…さすがにお尻に刺さった焼き鳥を食べようとは思えない。

「出来ればあまり傷つける事無く拘束したいけど、この子強い……!」

敵というよりは視界に入っていた虫を追い払うような感覚、魔法は全て持っている焼き鳥で跳ね返されて氷が辺りに突き刺さる。

「あの子に隙を作らないと………ん?」

アズールは焼き鳥に刺さった氷に視線が向いたのを見逃さなかった。

『あいつは焼き鳥が好きとか……』

「食べ物を無駄にはしたくないけど、先にお尻に挿してきたのはこっちだから……あっ♡抜く時もちょっといいっ」

おしりの焼き鳥を引き抜いて若干感じながら、オブビリオンに向かって投げる。
しっかりと受け止められるが、ちょうど真後ろに氷の魔法があった為、片手ごと凍りつくが炎の力ですぐに溶かされる。


「そこっ!!」

更にそこから周囲の焼き鳥に氷の魔法が当たる度に目線がそちらに向かい、撹乱されていくうちにオブビリオンはアズールが周囲を取られ、氷の剣を重ねて作られた檻に閉じ込められた。

「貴方、本当に焼き鳥が好きなのね……愛で魔力が暴走するほどに」

「だから凍って焼き鳥が冷めたらどんな状況でも気になってしまうのよ………焼き鳥は焼きたてで熱い時に食べるのが1番美味しいから!!」

そのまま完全凍結しオブビリオンの無力化に成功する、ちょうどサルファから連絡が入り、向こうも時空犯罪者の鎮圧に成功したという。
あとはサルファの力で回収して引き取ってもらえばいいだろう。

「疲れた………まさか、こんなとんでもない奴とも相手することになるなんて……」

アズールが休んでいると時空の渦を使いサルファが即座に到着した、たくっちスノーによると倒すことはまだ出来ないが、最近は技術が進歩して本来の世界に送り返すように出来たという。

「それはいいとして……アズール、お前尻に焼き鳥…」

「大丈夫よ、パンツ越しだったからダメージは少ないから」

「いやそれはいいとして尻の所に茶色いシミついとったら誤解されるやろ」

「ハッッッ!!?」

SNSに晒されたらべーゼ以上の一生の恥になることになることにようやく気付いたアズールは急いで予備のパンツに履き替えて退散していった……

…………
それからというものの……

「あれ?薫子ちゃん焼き鳥なんて珍しいね」

「あいつがなんかあれだけ言うもんやからな、なんか食いたくなった」

「……………っっっ」

うてなは焼き鳥を見るとお尻が痛むようになった。
ちなみに小夜はオブビリオンを倒した後、お尻に異物を挿入して抜けなくなり病院に行くことになり、今度はマジアアズールまでもが突然の活動休止ということになった。

「まさか小夜ちゃんがお尻の中にうっかりビー玉が入っちゃうなんて……」

「おしりの穴にビー玉!?」

「本当に『うっかり』ならええんやけどな……ケッ」

いよいよマトモに活動できるのが自分だけになってしまったマジアサルファこと薫子はこの惨状に対して悪態をつく事しか出来ないのだった。

そしてうてなはもうダメだった。
(私が……私が何をしたんだ……ただちょっと魔法少女にスケベなことをしたいだけなのに………)

………

真珠とネモは同じ頃、キスマーク……夢見しゅくびをマークしていた。
レオパルドに言われたのもそうだが、古参メンバーはしゅくびに不信感を抱いていた。
さっさとうてながクビにすればいい話かもしれないが、規模が大きくなったエノルミータは他世界人を選ぶ際、即座に解雇出来ないという時空法に引っ掛かるのだ。

となると、もうこいつの危険性を把握していくしかない。

「頼むわよ」

「仕方ないか……」

ネモはルベルブルーメに変身し、影を操る魔法を使って影から影へと巡っていき、しゅくびを先回りしながら追い続ける。
真珠は時空アイドル活動で得た繋がりを利用し、ネットでしゅくびの情報を集め始めた。


そしてブルーメはしゅくびの家まで追いかけることに成功する、そこそこ大きいマンションの一室だ。
中に入ってしゅくびと接触しないように周囲を物色する。

(案外きれいな部屋……いや違う、綺麗すぎる……!?)

キッチンも居間も寝室も一切使われた形式がない、この部屋だけ時計が止まっているようだ。
キスマークの時間停止魔法はここから来ているのかもしれない。

「だが奴のことだ、どうせアイツの写真とかでもびっしり貼った部屋とかでもあるんだろ」

いつでも突入できるようにブルーメは一旦しゅくびを探す、いつでも逃げる準備は出来た方がいい。

(物音はバスルームの方からか……ひっ!?)

思わず声を上げそうになり、気付かれないように近づく。
バスルームの薄い扉から見えるシルエット、綺麗な体に見合わぬ長く太いソレと右手の動き……
年頃の少女には形だけでも恐怖すら覚えるモノを見たブルーメは大急ぎで部屋から出ていった。




そして数百m離れた先でキウイに連絡を入れた。


「レオパルド聞こえるか!いいかアイツはヤバい!良くない目で見てるとか、べーゼとやってる事同じとかそういうレベルじゃない!アイツはやばい!いいか、私がこれを言ったことは誰にも漏らすな!!」


「あいつは………夢見しゅくびは…………男だ!!!」
最終更新:2024年05月04日 16:46