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丼の人様より

「さ~!!!この大金をどうしようか!」
ルネに貰ったお金を懐に、にぎやかな大通りへと繰り出した舞人。
魔王の事なんかそっちのけである。
「とりあえず美味い物食って、それからあれしてこれして・・・」
にへへ、とよからぬ妄想に相好を崩す。
そんな様子の舞人にお金の匂いを嗅ぎ付けたのか、そこかしこから呼び込みの声が掛けられる。
「お兄さん寄ってってよ!いい鎧が入ったんだよ!」
「にいちゃん!みてってーな。おもろい玩具があるでー。」
そんな声に従い、あっちへふらふらこっちへふらふら見て回る。
異世界だからか、見た事の無い物ばかりで一向に飽きない。
気付くとお金は大分減っていた。
「あれれー?いつの間にかお金が減ってるよー?」
舞人はふらふらと覗いては、いらないものをほいほい言い値で買っていたのだ。
初めて見る物ばかりな上に、当然相場など知る由も無い。
ぼったくられまくりんぐなのである。
「うーむ。とりあえず武器防具は買ったし、今後節約すればなんとかなるかぁ。」
買った武器防具は二束三文の張りぼてなのだが、それにすら気付かない。
がちゃがちゃと安物を引っ提げ、能天気な舞人である。
「まぁ、とりあえず泊まる所でもさがすかぁ。」
大通りから少しそれた道に入り、宿屋を探す。
人気が疎らになった通りに、煌々と明かりが漏れる建物があった。
「お?あれって宿屋じゃね?」
そそくさと近づいていく舞人。
目の前に来ると、どうやら宿屋ではなかった。
「んーと・・・ここはカジノか?」
外から覗くとルーレットやトランプらしきカードゲームをしているのが見えた。
「ん?んんん?あれじゃね?使った分増やせばいいんじゃね?」
と、典型的なダメ思考に走る舞人である。
「こー、勇者的なパワーで稼ぎまくれるって絶対!!」
誰に訴えているのかわからないが、妙に自身有りげにカジノへ入っていった。
「いらっしゃいませ。お客様、当店は武器の持込をご遠慮していただいています。」
「あ?そうなの?んじゃぁ預かっといて。」
「かしこまりました。」
買ったばかりの武具を預け、手持ちのお金をチップに換えて貰う。
山盛りのチップを手に、自分に出来そうなものを探して歩き回った。
「ん~、俺に出来そうなのはっと・・」
正直見ても良く分からない。
カードはトランプに似ているようだが、全く一緒というわけでもないらしい。
他も似たようなものばかりだったが、ルーレットだけは地球と変わらないようだった。
「ま、これなら分かりやすいし。手始めに・・と、こんなもんか。」
3箇所に分けて数枚のチップをかけた。
カランコロン、と軽快な音を立てて弾が転がる。
手に汗を握りつつ行方を見守ると・・・・
「うはwwwキタコレwwww一気に増えたwww」
舞人のかけた数字へドンピシャ。
張ったチップが数倍になって戻ってきた。
「これは逝ける。明日には大金持ちwっうぇwww」
調子に乗った舞人は次々とかける。
勝ったり負けたりしては居るが、順調に手持ちが増えていく。
その様子を見ていたカジノのオーナーが舞人へ声を掛けた。
「これはこれは、名のあるギャンブラーとお見受け致します。」
「あ、分かる?wwwwまいっちゃうねwww」
「調子が良いようで何よりです。どうです?私と一勝負しませんか?」
「俺様と勝負?wwよかろうww」
天狗になった舞人は何も考えずに勝負を受けた。
「私に勝ったら5倍支払いましょう。ルールは簡単、赤か黒か当てる、それだけです。」
「mjd!?」
(確立は1/2・・・勝てば5倍、これは美味過ぎる!!)
「やりますっ!やらせていただきます!!!」
頭に血が上っている舞人は。どう聞いても怪しすぎる誘いにあっさり乗った。
「それでは、勝負です。」
オーナーは言葉とともにディーラーに目配せをする。
ディーラーは軽やかに玉を弾いた。
「赤!赤!こい!こい!!!」
舞人は持ち金の半分を欠ける。
”確立1/2なら、2回勝負すれば勝てる”とか小学生以下の考えだった。
からんからん・・・・
勢いを失った玉が升へと向かう。その先にあるのは・・・・
からん・・・・かこん
どう見ても黒です。ありがとうございました。
「( ゚д゚)・・・・・( ゚д゚ )・・・」
「お客様、こちらを見ないで下さい。」
それにしてもこのオーナー、お約束に付き合うとはノリノリである。
「おやおや。勝ってしまいましたな。」
「もう一回!もう一回だっ!次勝てば良いんだ!!」
止めとけばいいのに、勝つまで止まれない舞人であった。
からんころん・・・
結果は言うまでも無いが・・・
「( ゚д゚)・・・・・( ゚д゚ )・・・」
「だからこっちみんn(ry」
言うまでも無く負けである。
「いやっ!違うの!ねぇ!もっかい!お願い!ぷりーずぎぶみーーーー!」
すっからかんになった舞人はガードマンに引きづられて遭えなく退場である。

ぎゅるるるるる
「うは・・・・・腹へって死にそう・・・」
ギャンブルですっからかんな舞人は、城下町をさ迷っていた。
「ああ、もうだめぽ(´・ω・`)」
舞人は情けない声を上げ、ふらふらと壁に寄りかかる・・・つもりが壁ではなく建物へ入る扉だった。
「どわっ」
空腹で体を支えられず、倒れこむようにして建物の中に入る舞人。
「あつつつ・・・」
倒れた衝撃に呻く舞人の前に、ちょこんと少女が一人座り込んだ。
      • と続く。

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最終更新:2007年05月12日 17:35