「でも、今の君じゃ魔王に返り討ちだよ。このボクも魔王に負けたことくらい知ってるんだろ?」
今度は実際に表情に出して自嘲の笑みを浮かべる
ルーシィ。
「今の俺じゃダメでも、強くなればいいんだろ!」
「……だから?」
「だから、だから……」
(だからどうすりゃいいんだ?)
勢いで強くなればいい、と言ったものの、フォスタリアのザコモンスターの強さをその身に刻みこまれたばかりである。
モンスター相手にレベルアップなどという作業をやる度胸など舞人にはなかった。
(じゃあどうやって強くなれば……)
気取られぬよう思案する舞人。
そして、不意にルーシィと目があった。
(こいつはこの世界の勇者……でも魔王に負けてる……でも俺より強い)
ぱちぱちと舞人の中でソロバン(損得勘定用)がはじける。
(そして女の子、気は強いけどかわいい、さらに本来の目的を考えるとさよならするには惜しすぎる!!)
(これしかないだろ、常識的に考えて!)
「だから……俺のコーチになってくれ!」
「はぁ……?」
舞人ソロバンがはじき出した答えがそれだった。
ルーシィと一緒にいられて、自然に仲良くなるチャンスも増え、ついでに自分も強くなる。
これほど都合のいい回答があるだろうか。
ちなみに、残念なことに舞人ソロバンにはデメリットを計算するにはスペックが足りなかった。
「あんたは確かに魔王に負けたかもしれないが、それでも俺よりも強い。勇者としての特訓を俺に!」
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最終更新:2007年12月09日 22:07