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病因病邪弁証 - (2008/05/08 (木) 21:55:18) のソース

&bold(){病因病邪弁証(びょういんびょうじゃべんしょう)}とは、四診によって集められた情報を整理するための弁証の一つであり、[[八綱弁証]]において内傷病と判断された病態について行う[[内傷病弁証]]の下位区分である。[[病因病邪弁証]]では、生活での問題、外邪の襲撃、内邪の発生などから、疾病の原因を整理する。疾病の原因となる発病因子には外因(外邪)と内因(内邪)がある。人体の何が損傷しているか(気血津液弁証)、人体のどこが損傷しているか(臓腑弁証)など、次の弁証へのステップにもなる。

:日常生活で考えるべき要因|年齢、食生活、性生活、労働、運動、睡眠
:その他に考えるべき要因|既存の疾病、外傷、自然条件、外邪、内邪

目次
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*外因
外因は外邪、六淫とも呼ばれ、風・寒・暑・湿・熱・燥の6つの外邪を指す。弁証においては、それぞれの外邪がどの程度の深さ(表裏)にあるか分けて考える。以下に外因による症候を分類して示す。
-風(ふう)
--表:発熱、発汗、皮膚掻痒感、軽い悪寒
---治法:疏風解表(風邪をたたいて散らす)
--裏:眩暈、痙攣、動く痛み
---治法:平熄内風
-寒(かん)
--表:発熱、悪寒、無汗、身体痛
---治法:散寒解表
--裏:冷え、蒼白、頻尿、尿無色多量
---治法:温裏(内側から温める)
-熱(ねつ)
--表:発熱、咽頭部の腫れや痛み
---治法:泄熱解表
--裏:顔面紅潮、火照り感、口渇多飲
---治法:清熱
--&bold(){熱を激しくしたものに「火」があり、正気を損傷させやすい}
---治法→瀉火
-暑(しょ)
--表:悪熱、眩暈、口渇、倦怠感、尿黄色
---治法:清暑解表
--裏:発熱、大量発汗、突然の昏倒、意識障害
---治法:泄熱開閉(内から外へ通り道を開いて熱をとばす)
-湿(しつ)
--表:むくみ、関節部が重い痛み
---治法:宣散表湿
--裏:体が重くだるいなどの症状
---治法:化湿(けしつ)
-燥(そう)
--表:発熱、無汗、口渇、空咳、鼻・のど・皮膚の乾燥
---治法:軽宣潤燥
--裏:口渇、空咳、鼻・のど・皮膚の乾燥、便秘、咳
---治法:滋陰潤燥(陰の要素を補う)

*内因
内因には七情と病理産物がある。

:七情|人間のもつ感情で、喜・怒・思・悲・憂・恐・驚の7種類ある。感情は度を越すと臓腑を傷めるとされ、とくに心と肝に密接に結びついている。
:病理産物|身体の正常な構成成分である津液や血が変性すると、湿、痰、飲、瘀血などの病理産物が出現する。これらは一定の病態のもたらす結果であると同時に、新たな病態を引き起こす原因ともなる。

関連リンク→[[病因論]]


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(編集者:宮崎大学)
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